プレイレポート
「ベヨネッタ3」プレイレポート。ベヨネッタとともに味わうアクションの悦楽。そして詰め込まれた大量の遊びとネタがプレイヤーを待つ!
そんな本作を発売前にプレイする機会を得たので,そのプレイレポートをお届けしよう。なお,ある程度のゲームやストーリーの展開が読み取れる内容となっているので,ネタバレを避けたい人は注意してほしい。
「ベヨネッタ3」公式サイト
ウィッチタイムを軸にした爽快感溢れるバトルアクション
魔女ベヨネッタは,光の力を操る「ルーメンの賢者」と,闇の力を操る「アンブラの魔女」の間に生まれた禁忌の子。銃と格闘を組み合わせた恐るべき格闘術を使うだけでなく,魔界の住人を意のままに使役できる。その特異な出自と力は,これまでの作品において,ベヨネッタに多くの戦いと試練をもたらしてきた。
そんな彼女が今回戦う相手は,天界の住人でも魔界の住人でもなく,人と同じく混沌界から生まれた生体兵器のホムンクルスたちだ。
オープニングでは崩壊したニューヨークで戦うベヨネッタが描かれるが,これは平行世界(マルチバース)におけるひとつのエピソードにすぎない。ホムンクルスを率いる存在「シンギュラリティ」は,無数に存在する平行世界を次々に消滅させているという。
そして別の世界(「3」の世界)のベヨネッタのもとに,駆け出しの魔女「ヴィオラ」が助けを求めてやってくる。彼女のいた世界は,すでにシンギュラリティに滅ぼされてしまったという。シンギュラリティの脅威を訴える彼女の言葉を聞き入れ,ベヨネッタは新たな敵に立ち向かう決意を固めるのだった。
本シリーズの最大の特徴にして,バトルにおいてもっとも重要なシステムが「ウィッチタイム」だ。ベヨネッタは敵の攻撃を刹那のタイミングで回避すると集中力が高まり,時間の流れが遅く感じられるようになる。その先は彼女のオンステージだ。普段はフルに叩き込めない連続技や,スキが大きく反撃を受けがちな技も,ウィッチタイム中は遠慮なく使うことができる。
さまざまな武器の使い分けも楽しいポイント。ベヨネッタのシンボルとも言える,両手両足を駆使して使う四挺拳銃「カラーマイワールド」を筆頭に,対戦車ライフルと棍棒を組み合わせたような「ジー・ピラー」,鉄鎖のついた円盤を投擲したり,回転させて攻撃する「イグニスアラネア・ヨーヨー」など,物騒かつ使い心地のいい武器の数々がバトルを盛り上げる。
そして「デーモン・スレイブ」も忘れてはならない。これは,大魔獣を自在に操作できる古代魔導術で,巨大な敵や,防御の硬い敵を葬り去るにはこれが一番だ。
魔獣の召喚には魔力ゲージを溜める必要があり,また召喚中はベヨネッタ本人が無防備になってしまうというリスクもあるが,これを解決してくれるのが前述したウィッチタイムだ。華麗な格闘術で魔力ゲージを溜め,敵の反撃を刹那で回避,発動したウィッチタイム中に大魔獣を召喚し,思う存分暴れさせる……といった戦い方を狙っていくのが「3」のセオリーというわけだ。
また今作では,召喚した悪魔と一体化することでアクションが変化する「デーモン・マスカレイド」という新要素が追加された。これは戦闘以外にも,ステージ内の移動や探索をするときにも役立つものとなっている。デーモン・マスカレイドを使ったチャレンジ要素なども用意されているので,自在に使いこなせれば本作をより楽しめるはずだ。
美しく華麗に戦い,高評価でのクリアやスコアアタックに挑戦することも本シリーズの楽しみ方の1つ。腕に覚えのある人はオンラインランキングでスコアを競い合ってもいい。
とはいえ,本作はアクションが得意なプレイヤーだけが楽しめるゲームというわけでもない。難度を下げれば,アクションゲームが苦手な人でも爽快に遊べるゲームへと早変わりする。とりあえず回避を連打してウィッチタイムを発動,パンチやキックを連打しまくるというプレイスタイルでも,ド派手なアクションの数々を楽しめる。
たっぷりと詰め込まれた「遊び」がファンの期待に応える
本作のストーリーでベヨネッタは,さまざまなマルチバースに赴いて戦うことになるが,行く先々で出会うのは強大な敵だけでない。これまでの2作品でも別々の装いを見せてきた彼女だが,今回はさらにデザインに幅のある「別世界の自分」が何人も登場するのである。もちろん,眼鏡に類するものを必ずつけているのは,制作側こだわりのポイントだ。
姿やコスチュームが変わるだけでなく,使用する武器や召喚する大魔獣もさまざまに変化,もちろんそれらをプレイヤーが扱うこともできる。
また今作には,駆け出しの魔女・ヴィオラを操作するパートもある。太刀をメイン武器として使い,巨大な猫・チェシャを召喚する彼女の戦いは,ベヨネッタよりも少しだけテクニカルな印象だ。ウィッチタイムの発動条件も「刀で相手の攻撃を受け流すこと」で,失敗したときのリスクもより大きいが,ベヨネッタとは一味違うバトルを楽しめる。
ところでチェシャと言えば,確かベヨネッタが持っていた猫のぬいぐるみの名前もチェシャだったような……? 関係が気になるところだ。
さらには,ベヨネッタの盟友・ジャンヌを操作するパートもあるのだが,こちらはシステムどころかジャンルまでがらりと変化し,横視点のアクションゲームが始まってしまう。その内容は,エレベーターでつながれた各フロアを探索し,キーとなる端末を操作してゴールを目指すというもの。……ゲーム歴の長い人であれば「エレベーターアクション」を思い出したのではないだろうか(笑)。
各ステージのラストに待つボス戦にもゲームネタに限らず,さまざまなネタが仕込まれている……とてもフリーダムな感じだ。ここで多くを語ると興を削いでしまうので,画面から内容を想像してみたり,実際にプレイして爆笑していただければと思う。
このようにウィッチタイムを軸にしたアクション一辺倒ではなく,操作キャラや戦うボスによって,さまざまな楽しさやゲーム性を味わえる「ベヨネッタ3」。今回もまたぶっ飛んだものが用意されており,シリーズファンの期待にしっかり応えている。
ストーリーもコメディ要素のあるアクション映画や,少年マンガのようなノリで展開する肩の凝らないもので,今回シリーズを始めて遊ぶという人もすんなりと入っていけるだろう。次々に展開していく“熱い”シチュエーションを戦い抜いくうちに,気がつけばエンディングまでたどり着いてしまうはずだ。
「ベヨネッタ3」公式サイト
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