プレイレポート
競馬のド素人が「Winning Post 8 2018」で馬主になってみた。家族や仲間とともに,でっかく使ってでっかく稼げ!
なぜ競馬……。競走馬といえば,オグリキャップとかナリタブライアン,あと,名前が強烈なジーカップダイスキくらいしか知らない。そんな筋金入りの競馬ド素人である筆者にこんな仕事を振るなんて,無謀すぎないか……。
だが,いろいろと調べてみると,本作は初心者向けのチュートリアル的要素が充実していることが分かった。しかも,プロデューサーである山口英久氏へのインタビューによれば,「すべてお任せでも進められます」とのこと。
なるほど,初心者にも分かりやすいならば,競馬ゲームの裾野はもっと広がるに違いない。
98円のカップ麺と148円のカップ麺,さて今日はどちらにするか……みたいな生活を送る筆者だが,せめてゲームの中では,億単位の金で買った馬をレースに出して,それ以上の賞金を稼ぐ……といったことがしてみたい。というわけで,華々しい競馬の世界へと足を踏み入れるのだった。
馬主になろうと決意して,最初にやるべきことは何か。登録申請? 馬の購入? 実際のところはよく知らないが,WP8 2018の場合は秘書選びだ。
6人の秘書候補はみんな美人で目移りしてしまうが,好きな言葉が「ケセラセラ」だという青葉エリカさんに決定。ケセラセラは「なるようになるさ」という意味。今の筆者の心境そのものである。
次はゲーム開始年と難度の選択。開始年は1982年か2019年かの二択で,当時の名馬たちと争うのか,それとも2019年という未来の世界で戦うのかを選ぶことになる。繰り返すが競馬の知識はないので,懐かしがることはできないし,昔はなんとなく強い馬がいっぱいいそうなので,2019年を選択。難度は当然,EASYだ。
お次は騎手が着る「勝負服」のデザイン。あれって馬主によってデザインが決まってるんだ,へー……などと思いつつ,レースのときに目立って把握しやすいハデな配色に。馬主登録申請書の氏名は,4Gamer.netなので「四芸間熱斗」に。なんかアツそう。
申請が終わったところで,秘書のエリカさんが「ところで,四芸間さんはどちらでしたっけ?」と聞いてくるので,「何のことじゃろ……」と思っていると,「独身です」「身を固めたいです」という選択肢が……。
困るなエリカさん,僕は君を秘書として選んだのであって……いや好意を持ってもらうのは嬉しいが……的なことを考えながら「身を固めたいです」を選んでみると,「私の知り合いに良い方が何人かいらっしゃるので,ご紹介しますね」と,結婚相手の選択に。秘書ってそういう仕事もするんですか!?
漫画家と牧場経営を両立させている栗原美穂さんにも惹かれたが,未亡人属性に負けて,大原佳子さんを選択。見合いすらせずリストだけ見て決めましたが,よろしくお願いします。
大原さんは亡くなった夫から牧場を託されたらしいのだが,さすがに女手ひとつで馬の世界は厳しかったようで,徐々に馬を手放し,残っているのは牧場だけ。廃業も考えたが,もし一緒にこの牧場を盛り立ててくれる人がいたら……と考えていたらしい。健気やん……。牧場の名前は「OK牧場」に決定。
最初の所持金は20億円。いきなり庶民の感覚とはケタが違う。ここから数千万〜億の金を使って馬を買ったり,牧場の施設を新設したりする一方で,育てた馬を売ったり,レースに出して賞金を稼いだりして牧場を経営していくわけだ。でも正直,20億もあったら,牧場経営とかやらずに大原さん……いや佳子とひたすら退廃的な生活を送りたいような気も……。
秘書のエリカさんから「景気よく牧場の施設を建てすぎ,どんどん維持費が膨れ上がり,最後には…といった話をよく聞きます。馬主としての活動が軌道に乗るまでは,余裕のある所持金を維持してくださいね!」とアドバイスを受けつつ,馬主生活がスタート。
なにぶん筆者は競馬のことはまったく分かっていないので不安しかないわけだが,そんな人のために「新人馬主モード」というのがある。
これはモードというよりは「今やるべきことの確認」と,そのチュートリアルのようなものだ。最初の1年間,何をすべきかを秘書が丁寧に教えてくれて,それに従っていけば新人馬主モードの項目にチェックがついていくという寸法だ。
WP8 2018では,馬同士の「配合」や騎手への指示,馬の調教内容といったことまで細かく指定できるのだが,そのあたりの「素人にはよく分からないでござる……」的な要素は,調教師に「おまかせ」という丸投げ戦法でもゲームは進められる。実際筆者はそうやって進めた。競馬のことがある程度分かってきたら,少しずつ指定していく感じでいいだろう。
そんな感じで,1月から始まった馬主生活も8月になり,セリ市へ。セリ市で出会った調教師が「レディバラード17っていう馬,マジオススメ。そして,競り落とせたら俺に任せてくれ」と猛アピールしてくるので,競ってみることに。
評価額は1900万円だが,セリだけあって,これより高い出費を覚悟しなければならない。結局,6000万円で落札できた。
馬を手に入れたら,まずは名付けだ。2文字以上9文字以内という決まりがあるので,なかなか難しい。悩んだ末に……。
記念すべき最初の馬,「パンアンドゴハン」が爆誕。
ナリタブライアンやオグリキャップのように,日本語3文字+英語4〜5文字の組み合わせがビシッと締まるのでは……と思ったが,いざ考えてみると,なかなか良い名前が思い浮かばない。一番シックリきたのが「ヤマトアメリカン」だったが,日米どっちやねん的なイメージが強く,悩みあぐねた末に腹が減ったのか,こんな名前に。珍名の競走馬も多いので,これもまた良し。
ちなみに上の写真を見ると分かるが,実況で読み上げられるときのイントネーションも調節できる。「パンアンドゴハン」の場合は,写真のような感じにすると,いい感じだった。
そんな感じで2頭目の馬も入手。名前は「ツヨクダキシメテヨ」。実況は馬の名前を連呼することが多いので,おっさんの声で「強く抱きしめてよ! 強く抱きしめてよ!」とか言われたらおもろいだろうなぁという,ゲスな感情の表れである。
いよいよこの2頭を調教して,レースに向けて本格的なスタートを切るというとき,大原さん……じゃなかった,妻の佳子がやってきた。何かと思ったら……。
競走馬の種付けのチュートリアルも受けていないのに,自分たちの種付けを済ませていたとは……。こやつら,やりおる。
このように,馬だけでなく,主人公を取り巻く人間模様の描写も細かいのが,WP8 2018の特徴。主人公の家族以外にも,牧場の関係者,騎手,ライバル馬主等々,登場NPCの数は把握しきれないほどに多い。
そうこうしているうちに,ついにツヨクダキシメテヨの初出走を迎えた。
正直なところ9割くらいは「おまかせ」で進めてきたので,逃げ馬なのか,追い込み馬なのかといったことも分からない。筆者としては祈るしかないのだが……。
結果,なんと1着。しかも実況を聞いていると,1番人気の馬だったらしい。馬主なら最初に確認しておけと思うのだが,これが無欲の勝利か。そして,やるなぁ,ツヨクダキシメテヨ。
自分の馬が好成績を残すと,関係者の士気も上がるらしく,画面右上のゲージがたまっていく。これが上がれば上がるほど,馬の成長に良い影響を及ぼしたり,良い馬が買えたりするらしい。マネーだけじゃない,プライスレスな効果も色々と期待できそうだ。
しかし,喜んでばかりもいられなかった。収支を見てみると……。
レースの賞金はまだ低いため,牧場経費が上回って赤字。1回の勝利に酔いしれている場合ではなく,勝って勝って勝ちまくらなくては……と兜の緒を締めるのであった。
さて,初レースが終わると,牧場の施設についての説明を受ける。
施設にもさまざまなものがあるのだが,まずは馬房だな……というわけで建設。さらに建築物のレベルアップにもお金を惜しまず注ぎ込む。その結果……。
建設で2億。レベルアップに4億。2か月間で計6億の出費である。20億あった所持金は12億7000万円に減ってしまった。
秘書のエリカさんに言われた言葉が脳裏をかすめる。
「景気よく牧場の施設を建てすぎ,どんどん維持費が膨れ上がり,最後には…」
いかん……。投資も必要だが,ひとまずこれくらいにしておこう。いきなり6億の使い込みは猛省っ……!
その後,初の「種付け」(競走馬のほうです)の話も舞い込むが,良い種牡馬を選ぼうとすると,これまたお金がかかる。
とはいえ,ここをケチると,肝心の馬に大きく影響が出てくるだろう,ここでこそフンパツすべきなのでは? とりあえず一番高いのを選んでおこう……とかやっているうちに,パンアンドゴハンのデビュー戦を迎えた。
なんと,パンアンドゴハンもデビュー戦を1着で飾った。OK牧場,スゴくね?
これがビギナーズラックというヤツなのかもしれない。まぁ,こういうのは徐々に化けの皮が剥がれていくものさ。
そう思っているうちに次のレースがやってきた。
パンアンドゴハン,またも勝って2連勝。賞金も1280万円と上がって,ついに月の収支が黒字に!
思わず喜んでしまったが,今後の経営を考えると,この程度の黒字ではまったく安心できない。しばらくはできるだけ出費を抑えないと。パンアンドゴハンは運良く連勝できたが,まぁ,こういうのは徐々に化けの皮が剥がれていくものさ……。
パンアンドゴハン,3連勝。賞金は2480万円! 嬉しさのあまり調子に乗って新しい馬を7000万円で買ってしまったから,また赤字だ! これが,これが競馬の魔力……!
レース画面を見ながらごはん(カップ麺)を食べるのが楽しみになってきた頃,主人公と佳子夫人の間にできた子供がついに出産を迎える。もう,そんなに時間が経っていたんだな……。
子供が産まれたことで思い出したが,このゲームでは馬だけでなく,主人公の家族にも家系図が存在し,世代交代もある。うーむ,やろうと思えばどこまでも長く遊べるゲームというわけか。
しかし今は我が子よりも馬に夢中。パンアンドゴハンは「阪神ジュベナイルフィリーズ」で4連勝を狙う。画面に表示されるレース名の雰囲気からすると,大きなレースなんですかね。賞金も高そう。
パンアンドゴハン,4連勝! これはもうビギナーズラックではない!
阪神ジュベナイルフィリーズはGIだったのか……。GIレースが大きなものだということはド素人でもなんとなく知っているぞ。
スゴいことを成し遂げたんだな,パンアンドゴハンよ……。馬主がGIレースと知らずに表彰式に出ていたと考えると,ゾッとするけど。
その後,ツヨクダキシメテヨも連勝を重ねたのだが,こちらは3連勝でストップ。実況が「後方からツヨクダキシメテヨ!」と言うたびに「後ろからギュッてされたいんか。乙女か」とニヤニヤしていた。
秘書のエリカさんが現れ,「新人馬主モードによる説明も,いよいよ今週で最後となりました」と告げた。馬の成長と共に,主人公=プレイヤーも,いつの間にかもう「新人」ではなくなっていたのかもしれない……。
ツヨクダキシメテヨの連勝はストップしたが,パンアンドゴハンの快進撃は続き,ついに桜花賞への出走権を得る。
桜花賞の名はド素人の筆者でも知っている。さあ,パンアンドゴハンよ,新人馬主を卒業した俺に吉報をくれ!
残念,4着! さすがにこのくらいのレースになると,そうカンタンに勝利の美酒は飲ませてくれないか。いやいや,でもがんばったよ,パンアンドゴハン。スゴい成長ぶりだ。ていうか最初からスゴかったよな。
パンアンドゴハンへの愛着が増す一方で,やはり桜花賞を取れなかった悔しさもつのる。いつの間にか競馬に夢中になっている自分。
プレイを始めたころはなんとなく眺めていたレース画面も,回数を重ねるごとに牧場スタッフの顔が脳裏にチラつくように。「スタッフのコツコツとした毎日の積み重ねが,この1レースに込められているんだなぁ……」と思わずにいられない。オリンピックを目指すアスリートと,それを支えるスタッフの関係って,こんな感じなのかも。
桜花賞では画面を凝視してパンアンドゴハンを探していたし,最後の直線で「パンアンドゴハン,伸びてきた! 伸びてきた!」という実況に「よし! いけ!」反応し,単なる競馬場のオッサンと化していた。なるほど。人はこうして,競走馬の魅力にハマッていくのかもしれない。
初めての馬を6000万円で落札したときは「土地付き一戸建てが買えるじゃん……」などと思ったものだが,その後,馬が成長して高額賞金を得るようになってくると,「大きく使い,大きく得る」感覚というか,ロマン溢れるお金の使い方の面白さが感じられるようになってきた。やっぱり夢はでっかくないと!
そしてふと気付くと,お湯を入れたカップ麺がのびているのであった。う〜ん,カップ麺,のびてきた,のびてきた,ってか。ズルズルズルー。現実は厳しい……食べ終わったら馬主生活に戻ろう。
「Winning Post 8 2018」公式サイト
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