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間違った“古き良きアメリカ”を描くPS VR専用ゲーム,「The American Dream」が2018年にリリース
オーストラリアのメルボルンに本拠を置くデベロッパSamurai PunkのPlayStation VR専用ソフト,「The American Dream」のプレイアブルデモが,「PlayStation Experience 2017」会場に出展されていた。
2016年に制作発表が行われた本作は,「古き良き時代」と形容されることの多い1950年代のアメリカを舞台にしたシミュレーションだ。プレイヤーは1人の子供となって,銃社会の中で育っていく。
「The American Dream」公式サイト
ステージは20種類用意されているとのことで,ベビーベッドに横になっている時代にコルク銃を与えられ,離乳食を食べたり算数などの家庭内教育を受けて大きくなっていく。ドーナツをピストルの銃身で拾い上げたり,ライフルで導火線に火をつけて花火を楽しんだりなど,すべてのアクションを銃でこなしていくという,銃社会に対する皮肉が込められた作品になっている。
そもそも,プレイヤーが育つ町全体が,銃製造メーカーの企業団地のような設定であり,日常生活のあらゆる行為に銃を利用することが勧められているという設定だ。レトロな雰囲気の色づかいや,昔のドキュメンタリー映像のような堅苦しいアメリカ英語のナレーションなど,当時の様子がうまく再現されている。
開発しているのがオーストラリアのメーカーというのが不思議な感じだが,オーストラリアは1996年に起きた銃乱射事件銃などをきっかけに政府主導で銃規制を進めており,成果を挙げているという。筆者がゲームの説明を受けている間,横にいたアメリカ人のイベント入場客が「俺は銃を持っているけど,まさにこうして育てられたんだ」と,つぶやいて試遊台を後にしていたが,アメリカ人にとって,いろいろ考えさせるゲームになりそうだ。
「The American Dream」は,PS VRに加えて“メジャーなVRデバイス”向けに,2018年内のリリースが予定されている。
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The American Dream
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