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シリーズ最新作「Call of Duty: Black Ops 4」の情報まとめ。キャンペーンが存在せず,さまざまなマルチプレイやゾンビモード,そしてバトルロイヤルが中心に
Treyarchのスタジオヘッドであるマーク・ラミア(Mark Lamia)氏は,シリーズ従来作で欠かせなかったシングルプレイキャンペーンを廃し,「マルチプレイ」「ゾンビモード」(ZOMBIES),そして新要素のバトルロイヤルモード「Blackout」を中心としていくことを語った。ここでは,イベントで明らかにされた「Call of Duty: Black Ops 4」の内容をまとめてみたい。
「Call of Duty: Black Ops 4」公式サイト
マルチプレイ
「Call of Duty: Black Ops 4」のマルチプレイを解説するために登壇したゲームデザインディレクターのデイヴィッド・ヴァンダーハール(David Vonderhaar)氏と,副スタジオヘッドのダン・バンティング(Dan Bunting)氏の第一声は,「スラストジャンプ」や「ウォールランニング」など,シリーズ従来作を複雑にしていた操作体系を見直し,「常に地に足がついている状態にした」というものだった。
マントリングやスライドなどの要素は残されているが,「Black Ops」シリーズの前作「Call of Duty: Black Ops III」で掲げられたコンセプト,「Guns Up」(常に臨戦態勢でいること)を受け継ぎ,キャラクターがどいういう動きをしていても銃を発砲できる体勢を維持させることで,スピード感のあるアクションが実現されるという。
スペシャリスト
前作は,クラスシステムを進化させた「スペシャリスト」という概念が導入され,固有の能力を持った9人のプレイアブルキャラクターを使ってマルチプレイを楽しむシステムだったが,それは本作でも維持される。今回,「Ruin」「Seraph」「Firebreak」という3人のスペシャリストがカムバックすることが発表されており,さらに新しいスペシャリストも登場する予定だ。それぞれアビリティ調整などが行われているようだが,このあたりは後日,詳しく説明されるだろう。
武器システム
「Black Opsシリーズ3本を合わせたよりも多くの時間を,本作のためにかけた」とバンティング氏が胸を張るのが武器システムだ。Treyarchは以前から,「それぞれの武器は,キャラクターのように扱われている」と武器表現の重要性を強調していたが,本作ではシリーズで初めて3D化されたトレーサー(曳光弾)が用意され,弾道が3Dで表現されるという。これにより,どの方向から攻撃を受けているのかが分かりやすくなる。
同じクラスなら武器のアタッチメントをシェアできたこれまでの作品とは異なり,「Call of Duty: Black Ops 4」ではそれぞれの武器に固有のアタッチメントが用意される。これは,あまり使われない武器を減らし,それぞれの用途を明確にするだけでなく,自分の好きな武器を見つけて馴染みやすくすることが目的だ。
さらに,アタッチメントの新しいカテゴリーとなる「Operator MODs」が導入され,特定の武器を「究極の体系」に進化させることが可能になった。イベントで紹介されたのは,機関銃の「Titan AMG」で,Operator MODsとして相手が動けなくなるほどの広範囲に銃撃できる「Suppressive Barrel」が追加できるという。
また,「Call of Duty: Black Ops 4」では「Predictive Recoil System」が導入され,それぞれの武器のリコイル(発砲時の反動)が設定されている。これによって個々の銃の反動をプレイヤーが肌で感じ取ることができ,より良い使用法を学べるという。特定の武器に習熟したいプレイヤーにとって,嬉しい仕様になりそうだ。
ヘルス
Call of Dutyシリーズは,かなり初期から「ヘルスの自動回復」というシステムを実装しており,それが多くのファンを獲得した理由の1つだった。もっとも,このシステムはコアなFPSファンの不満点にもなっており,「Call of Duty: Black Ops 4」では2017年の「コール オブ デューティ ワールドウォーII」のキャンペーンモードと同じく,ヘルスの回復をプレイヤーが任意に行うシステムに変更された。
ヘルスの回復には注射器を腕に突き刺す演出が用意されており,回復は専用ボタンを押下することで行われる。ヴァンダーハール氏によれば「(同じく専用ボタンに割り振られている)リロードと同じくらい,ゲームにおける基本操作になる」とのこと。
ヘルス残量が少ないとき,あえて突撃してみるか,それともじっくりヘルスを回復させてから戦うかはプレイヤーの判断次第になる。さらに,敵が回復していると思われる瞬間に攻撃や移動を行うなど,戦略面でもさまざまなことができるようになったとヴァンダーハール氏は語った。
ここでは,新たに追加されるメディック系のスペシャリスト「Crush」が紹介された。Crushには,ヘルス回復の時間を大きく削減する「Heal Boost」というアビリティが用意されているそうだ。
状況認識(Situational Awareness)
「Call of Duty: Black Ops 4」の画面を見て気づくのが,画面左上に表示されているミニマップに,自分の周囲の一部分しか表示されていないということだ。これは,「Fog of War」(戦場の霧)というストラテジーゲームではおなじみのコンセプトが導入されているためで,建物や大型オブジェクトなどで視覚が遮られている部分は表示されないという,よりリアルな状況が再現される。ミニマップは視覚だけでなく敵の出す銃声や足音などにも反応し,表示範囲が変化する。
これがTreyarchが「状況認識」と呼ぶ概念で,これを補足するために「Recon」が導入される。「Sensor Guard」というアビリティによって,敵の仕掛けたセンサー系ガジェットを一時的に無効にできるほか,前作では「Outrider」のアビリティだった「Vision Pulse」を,自分だけでなくチームメンバーと共有できるのだ。
戦闘の流動性
マルチプレイモードの醍醐味は,チームプレイがうまく噛み合ってマッチの流れが変わったり,押せ押せムードになったりする瞬間だろう。本作では,こうしたゲームの流れの変化が把握しやすいデザインが採用されているとのこと。
また,防衛部分を強化するため本作では新たに「Torque」というスペシャリストが加わり,要所にバリケードを設置したり,「Laser Wire」という鉄条網を張り巡らせたりなどができると紹介された。
リーグプレイ
「Call of Duty: Black Ops 4」では,「Call of Duty: Black Ops II」で登場したeスポーツ向けの仕様「リーグ」が復活する。詳細は語られなかったものの,ヴァンダーハール氏は「すべてのプレイヤーに遊んでもらえるようにする」としていた。
ソロミッション
「Call of Duty: Black Ops 4」で廃止されたシングルプレイキャンペーンに代わるものと思われるのが「ソロミッション」で,それぞれのスペシャリストに「トライアル」と呼ばれるストーリーべースのミッションが用意されているという。スペシャリスト達の個性や背景を知ることができるだけでなく,前作をプレイしていない人にとっては,マルチプレイに参加する前にスペシャリストの使い方を体験できる機会になるだろう。
ZOMBIES
マルチプレイについての発表が行われたあと,説明はTreyarchの副スタジオヘッドで,シニアエグゼクティブプロデューサーという肩書を持つジェイソン・ブルンデル(Jason Blundell)氏にバトンタッチされた。ブルンデル氏は,「Call of Duty: Black Ops 4」の「ZOMBIES」についての解説を行ったが,詳しくは後日,おそらくは7月のSan Diego Comic Conventionsや8月のgamescomなどのイベントで紹介されることになるようだ。
今回,発表された限りでは,シリーズ従来作と同じくゾンビの大群を相手にした最大4人のプレイヤーによるCo-opになり,登場するのは,シャーロット(Charlotte),ブルーノ(Bruno),ディエゴ(Diego),そしてショウ(Shaw)という新たな4人組だ。彼らは「Vapors」と呼ばれるアイテムにより時空を超えた移動ができ,彼らが古代から続く秘密結社と戦うという物語が描かれる。
「Voyage of Despair」
公開されたトレイラーの内容から,4人組と秘密結社の初めての出会いになると想像できるのが,客船の内部を舞台にしたエピソード,「Voyage of Despair」だ。タイタニック号に代表される大型客船が華やかなりし時代が背景で,シャーロットが「我々はただの盗人じゃない」と話すように,4人は何かの目的をもって古代の遺物を収集しているか,秘密結社から取り戻そうとしているらしい。
いずれも個性的なキャラクターばかりで,客船という閉鎖環境で乗組員から乗客まで,すべてがゾンビに代わっていく中,彼らはどのように局面を打破していくのだろうか。
「IX」
「IX」は,帝政ローマ時代の闘技場を舞台にしたエピソードで,4人組が剣闘士のような格好でゾンビのいるステージに送り出されるという状況が描かれる。皇帝か秘密結社の指導者なのかは分からないものの,金のマスクをかぶった人物が掲げる杖の飾りの形が,客船で4人組が盗もうとしていたものと似ているようだ。
やはり古代だけあって,銃ではなく剣や槍などの近接武器だけを使っているのが面白い。
「Blood of the Dead」
3つめに,「Call of Duty: Black Ops II」の「Mob of the Dead」をリメイクしたという「Blood of the Dead」というエピソードが1シーンだけ紹介された。4人組の後ろ姿はどう見ても「Call of Duty: Black Ops」のデンプシー,ニコライ,タケオ,リヒトーフェンであり,こちらは番外編といったところなのだろうか。これら,3つのエピソード(ゾンビエクスペリエンス)は,10月12日の発売日からプレイ可能になる。
カスタムミューテーション
「Call of Duty: Black Ops 4」では,より長くZOMBIESを体験してもらうため,ゾンビやプレイヤーキャラクターのスピードやヘルス,ゲームルールなどをプレイヤーが調整できる,「カスタムミューテーション」というシステムが導入される予定だ。
また,「Authenticity Stamp」というシステムにより,同じカスタムルールで行った結果をほかのプレイヤーとシェアしたり競ったりできるという。
CallingsとZombie Rush
以前「Challenges」と呼ばれていたコンテンツが,「Callings」という名称に変更された。内容は,ゾンビモードをソロでもプレイできるというもので,BOTが操作するほかのキャラクターとプレイできるという。この「Callings」のコンセプトをさらにシンプルにしたのが「Zombie Rush」で,詳細は不明ながら,おそらくアリーナタイプのマップでゾンビが群れをなして襲ってくるホードのようなものになるようだ。難度設定やチュートリアルなども用意されているという。
バトルロイヤルモード「Blackout」
最後に発表されたのが,「広大なマップで繰り広げられる,ラストマンスタンディング」とヴァンダーハール氏によって表現される「Call of Duty」シリーズでは初のバトルロイヤルモード,「Blackout」だ。
詳しい内容や世界観は明らかにされていないが,「Nuketownより1500倍も大きいマップ」(ヴァンダーハール氏)が用意され,陸上だけでなく水上/水中,さらには空中も舞台にしたペースの速いサバイバルが楽しめるという。
長い歴史を持つ「Black Ops」シリーズの経験を活かして,「Treyarchにしかできないバトルロイヤルモードを実現する」と話すヴァンダーハール氏。興味深いのは,時代の異なる武器が利用できるという部分と,ハドソン,レズノフ,メネンデス,メイソン,ケイン,そして上記の新メンバーなど,「Black Ops」シリーズのキャラクター達の名前が列挙されたことだ。おそらく,「Blackout」に参加するプレイヤー達は,過去作品に登場したキャラクターをアバターとしてプレイすることになるのだろう。
PC版
最後になるが,「Call of Duty: Black Ops 4」のPC版は,「Call of Duty: Black Ops III」と同様,カナダに本拠を置くActivision傘下のスタジオBeenoxが担当しているという。上限なしのフレームレート,HDR(ハイダイナミックレンジ),さらに4K解像度にも最適化されており,ハイエンドマシンを持つPCゲーマーにもアピールしていた。
また今回,Activisionの兄弟会社であるBlizzard Entertainmentの連携を深めて,本作はシリーズで初めてBlizzardの運営する「Battle.net」向けのタイトルになるという。「Overwatch」のプレイヤーと「クロスゲームチャット」が可能であるなど,さらに広いプレイヤー層にアピールしていくようだ。「Call of Duty: Black Ops 4」は専用サーバーでプレイできるという話もされていたので,Steamなどでの販売も行われるのかもしれないが,本作はActivision Blizzardにとってエポックメイキングなタイトルになるかもしれない。
「Call of Duty: Black Ops 4」でシングルプレイキャンペーンが廃止されたことに不満を感じるファンもいるかもしれないが,実際問題として「Call of Duty」シリーズの購入者のほとんどがキャンペーンをプレイせず,マルチプレイを遊んでいるという事実はよく知られるところだ。
確かに「Destiny」や「Star Wars: バトルフロント」でシングルプレイコンテンツの欠如が批判されたが,その一方で「Overwatch」や「PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS」のような成功例もあり,シリーズの新しい飛躍を狙うTreyarchの,現状に甘んじることなく挑戦し続ける姿勢は評価してもいいだろう。
海外ではすでに予約の受付も始まっており,オープンβテストに参加できるという予約特典も用意されている。現段階では,ファンの多くが今回の発表を評価をしているようだが,Treyarchがこれまで何度も口にしていた「固定ファンだけでなく,新しいプレイヤーを引き付ける作品」になるかどうか,続報を楽しみにしよう。
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