このゲームの読者の評価
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ゲームバランス調整とバグ修正をもう少し済ませてからリリースしてほしい 60 - 投稿者:flyingwhisker(男性/30代)
- 投稿日:2019/05/04
- 良い点
- 歴史を紡いでいく楽しさに加え、ゲームシステムが登場人物の能力や家系、住民の民族や宗教といった諸問題を意識させる仕組みのため、世界征服ゲームにとどまらない面白さを秘めている。
- 悪い点
- ゲームバランスが悪く、ローマでのイタリア半島統一が簡単すぎる。人事システムの複雑さにUIが対応できていない。
- 総評
- Imperator: Rome (以下IR)の舞台は紀元前の共和制ローマ。ギリシャの都市国家が離合を繰り返し、カルタゴが地中海に覇を唱え、ガリアの諸民族がアルプスのあたりでウホウホしている、そんな時代である。
Paradox Interactive が満を持してリリースしたIR は、スロースタートの同社の作品らしく、発売一週間の現在、賛否の拮抗する状態である。以下、筆者がプレイした感想を述べる。
IR では、CK2 よりさらにキャラクタに依存した社会システムが実装されている。例えば、ローマでは選挙により元首となる執政官が任命されるが、それ以外の大臣や研究者はプレイヤが任命できる。基本的には能力値の高い貴族をふさわしい地位へ任命していけば良いのだが、貴族の門閥ごとに公平に任命しないと不満が高まってしまう。傑出した才能を持つ若者が任用ポストの空きを待つ間に老いていく一方で、凡庸な総督が赴任先の属州で乱痴気騒ぎの宴会を催しても情実人事でクビにできない、などという場面には事欠かない。
ゲーム的にも大臣や指揮官は免官すると忠誠が下がるうえに再任用まで1年待たねばならないので、プレイヤの都合で気ままに人事をいじれないよう調整されている。ここまでくると、ローマ共和国人事部人事課である。UIは複雑化した人事システムにはやや物足りないものの、ゲーム性があって筆者は面白かった。
IRはもちろん人事ゲームではない。ゲーム世界はローマ帝国の最大版図を越えて遠くはインドまで世界は広がっている。ゲーム開始時のローマは周辺の国家と同盟を組んでおり、ちょっとやそっとでは負けない。むしろ強力すぎて、全土占領さえすればローマとほぼ同じ面積の隣国エトルリアを一発併合できてしまう。戦争の講和画面では都市単位での割譲もできるが、隣国とは文化が近く宗教も同じために丸ごと併合しても不満上昇はほとんど無視できるレベルである。CKやEUだと軽く反乱祭りと包囲網形成に発展しそうなレベルの侵略を繰り返してもペナルティが小さく拍子抜けしてしまう。周辺諸国も一発併合を繰り返すので、数回の戦争でイタリア半島を統一できてしまうガバガバぶりである。痛快な歴史IF は楽しいけれど、もうちょっとデフォルト難易度でも張り合いが欲しい。
EUのように文化や宗教の転向、植民地化には時間がかからない。対応する行政ポイントさえ溜まっていればワンクリックでローマに同化させられるし植民させられる。させられてしまう。ローマの拡大や周辺諸部族との同盟といった要素を再現するためにはやむを得ないのかもしれないが、EUシリーズの列強のように漫然とプレイしても勝てない状況が筆者は欲しかった。むろん、地中海世界を離れてアルプスの向こう側で蛮族プレイをする場合はこの限りではない。
ガバガバぶりを楽しみながら思いもよらない歴史IFに大笑いをしたいならば今がお薦めであるが、もう少し安定してからのほうが落ち着いて遊べるかもしれない。 - プレイ時間
- 10〜20時間
グラフィックス サウンド 快適さ/運営 熱中度/ストーリー ボリューム 5 5 2 4 4
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