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[gamescom]初代Xbox向けに日本でしか発売されなかった「METAL WOLF CHAOS」は,いかにして復活を遂げたのか。プロデューサーの竹内将典氏に話を聞いてみた
「METAL WOLF CHAOS XD」公式サイト
「METAL WOLF CHAOS」は,2004年にフロム・ソフトウェアがXbox向けに発売したアクションゲームだ。ビジュアルだけを見ると,「アーマード・コア」シリーズのような硬派なロボットゲームを思わせるが,内容としては,アメリカ合衆国の副大統領が起こしたクーデーターを制圧するため,大統領のマイケルがロボットに乗って大暴れするというブッ飛んだもの。タイトルどおり,カオスなストーリーが展開する作品になっており,それに目をつけたDevolver Digitalにも感心してしまう。
竹内氏によると,本作はもともと難しいイメージのあったアーマード・コアシリーズに対して,もっと簡単に遊べるロボットゲームを作ろうというコンセプトで生まれた作品とのこと。
インタビューの前に少しプレイさせてもらったのだが,確かに遊び方は単純明快だった。道中に現れるクーデーター部隊の歩兵やヘリを,機体の両腕に取り付けた武器で蹴散らしつつチェックポイントをたどることで,テンポよくゲームが進んでいく。武器はいつでも切り替えが可能で,すべての武器を一度に展開して全弾発射する爽快な必殺技も用意されているなど,ストレス発散にももってこいのアクションゲームと言える。
「METAL WOLF CHAOS XD」として,14年越しの復活を遂げる「METAL WOLF CHAOS」。今回のインタビューでは竹内氏に,リマスター化の背景などを語ってもらった。
4Gamer:
さっそくですが,「METAL WOLF CHAOS」のリマスター版を制作することになった,きっかけを教えてください。
竹内将典氏(以下,竹内氏):
2年くらい前にDevolver Digitalが公式Twitterで,「METAL WOLF CHAOSを現代を蘇らせたら,どうなるんだろう?」といったツイートをしたんです。Devolver Digitalとしては半分冗談で言ったらしいんですが,コミュニティの反響が意外なほど大きかったので本気でやることになり,うちにコンタクトを取ってきたことが始まりです。
4Gamer:
話が来たときは,どう思いましたか。
竹内氏:
最初はすごく迷いました。14年前に作られたゲームであり,当然,今とは状況が違います。フロム・ソフトウェアのブランドイメージも14年の間にいろいろと変わってきました。とくに欧米では,「Demon's Souls」や「DARK SOULS」シリーズのメーカーというイメージが強いので,それらとはかけ離れたゲームがフロム・ソフトウェアから出るということに対して,欧米の人達がどういう反応をするのか見当もつかなかったんです。社内のマーケティングスタッフからも,「出さないほうがいいのでは」と言われたこともあります。
4Gamer:
それでもリマスター化に踏み切ったわけですが,それはどのような理由ですか。
竹内氏:
どうしてもこのゲームを出したいと,Devolver Digitalが何度もコンタクトしてきてくれて,根負けした感じですね。先ほどのツイートや,YouTubeにアップされている実況動画の反響などを見ると,ビジネス的にも成功するのではという意見も出てきて,話を受けることになりました。
4Gamer:
「METAL WOLF CHAOS」は,日本でしかリリースされていません。海外の人達はどのようにして存在を知ったのでしょうか。
竹内氏:
YouTubeなどに投稿された実況プレイ動画で,知る人が増えていったようですね。ただ,おっしゃるとおり本作はある事情により海外で発売できなかったので,欧米の人がこのゲームをプレイしようと思っても,いろいろとハードルが高いんです。
日本向けの初代Xboxを入手しなければいけませんし,ソフトそのものもプレミアが付いて,400ドル〜500ドルと,なかなか手が出せません。ですので,今回のリマスター化には,海外の人達にも気軽に遊んでもらいたいという思いも込めています。
4Gamer:
E3 2018で発表されましたが,そのときの反響はいかがでしたか。
竹内氏:
海外でも話題になったんですが,日本ではTwitterのトレンドの2位になった瞬間がありまして,それにはもう,めちゃくちゃビックリしました。
4Gamer:
HDではなくXDと名付けた理由を教えてください。
竹内氏:
確かに普通ならHDと付けるところですが,それでは面白くありません。フロム・ソフトウェアもそうなのですが,Devolver Digitalも面白さを優先するメーカーなので,HDではない何かを付けようということになりました。
そこで目に付いたのがXという文字です。XboxのXだったりX-MenのXだったり,アメリカの人はXに対して,何かミステリアスだったりワクワクするものをイメージするそうです。両社が持っている考え方を表すのにもピッタリだったので,XDになりました。
4Gamer:
グラフィックス以外に変わった部分はありますか。
竹内氏:
基本的にはグラフィックスのみです。なるべくオリジナル版と同じものを遊んでもらいたいので,新しい要素などはあえて入れていません。
4Gamer:
最後に,リマスター版で初めて「METAL WOLF CHAOS」に触れる人に向けて,見どころなどを教えてください。
竹内氏:
まず,主人公のマイケルに注目してください。大統領でありながらかなりクレイジーで,良くも悪くも“濃い”キャラクターです。キャラクターのインパクトが強すぎて,それだけのゲームだと思われるかもしれませんが,そこはフロム・ソフトウェアの作品なので安心してください(笑)。
アーマード・コアほど操作は難しくなく,それでいてロボットゲームの爽快感や動かす面白さを堪能できる作品になっているので,アクションゲーム,ロボットゲームが好きな人にぜひ遊んでもらいたいです。
4Gamer:
本日はお忙しいところ,ありがとうございました。
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(C)2004,2018 FromSoftware, Inc. All rights reserved.
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