スマートフォンには相当な数のゲームが存在しているが,「じゃあ,どれが面白いの?」「そもそも,数が多すぎて好みのタイトルが探せない!」と思っている人も少なくないはず。そんな問題を解決すべく,スタートした連載が「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」だ。話題の新作タイトルからネタ要素多めのオモシロ系まで,スマートフォンのゲームを片っ端からプレイして(ほぼ)毎日お届けする。
本日の「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」では,老人の記憶の中を探索する,スマホ向けアドベンチャーゲーム
「To the Moon」(
iOS /
Android)を紹介しよう。
本作はiOS版が250円(税込),Android版が520円(税込)で配信されている買い切り型アプリだ
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本作は,まもなく寿命を迎える老人の「月に行きたい」という願いを叶えるため,2人の医者を操作し,特殊な装置を使って彼の記憶の世界を旅するゲームだ。プレイヤーは老人に安らかな最期を過ごしてもらうべく,そして彼の願いを叶えるべく,さまざまな問題に立ち向かっていく。
記憶の世界では登場人物と会話したり,アイテムを集めたりして物語を進めていく。キーマンとなる老人はすでに寝たきりで会話をすることができないので,残された人や物から願いを叶えるためのヒントを集めていくのだ。
ゲームの進行度や得た情報はメニューから確認できる。今なにをすべきか分からなくなったときもアシストしてくれる親切設計
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物語は,老人の直近の思い出からスタートする。フィールドではキーアイテムを探しつつ,記憶のカケラを集めてメモリーリンクに注ぎ,異なる年代とリンクすることを目指していこう。そうすると,老人のより若かりし頃に近づける。
老人の記憶になにかしらの影響を与えると,記憶の中の未来も改変される。プレイヤーはさまざまな改変を続けながら,老人が月に行けるように導いていくわけだ。同時に,彼が「なぜ月に行きたいのか?」を解くのも重要となる。
道中には,思わず先に進むのを後回しにしてベストスコアを狙いたくなるミニゲームも登場
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海外のゲームであり,日本語訳も完璧とは言えないが,シナリオの品質はそれを補って余りある出来だ。死期を悟った老人は,なぜ月に行きたいと願ったのか。「日常の出来事をもっと大切にしたい」と思わせてくれるこの物語の結末を,ぜひ見届けてほしい。
著者紹介:オクムラワタル
平成生まれのゲーム野郎。ファミコンとともに幼年期を過ごし,ゲームによって育てられた存在。ジャンルを問わずゲームを愛しており,FPSから恋愛シミューレーションまでなんでもいじる。ちなみに説明書は読まない派である。