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SFストラテジー「Stellaris」のPS4向け日本語版が,DMM GAMESから2020年春に発売決定。制作者にゲームの魅力や注目点を聞いた
2016年5月にPC版が,2018年8月に海外向けにPS4版とXbox One版が発売された「Stellaris」は,広大な銀河を舞台にしたSFストラテジー。歴史をテーマにした作品で知られているParadox Interactiveの“SFモノ”として注目を集めた「Stellaris」のPS4版が日本語で楽しめるのだ。
2019年10月19日と20日にドイツのベルリンで行われたParadox Interactive主催のファンイベント「PDXCON 2019」にて,本作のディレクターを務めるParadox Development StudioのDaniel Moregård氏の日本メディア向けの合同インタビューが開かれた。ゲームの魅力や楽しんでほしい点,PC版の新コンテンツ「Federations」と「Lithoids」などの話を聞いてきたので,本稿でお伝えしよう。
コンシューマ版「Stellaris」公式サイト(英語)
――「Stellaris」というゲームについて教えてください。
Daniel Moregård氏:
Paradoxの戦略ストラテジーとして,深く複雑な作品としてプレイヤーの皆さんが満足できる作品であるのはもちろん,プレイヤーが自分自身の物語を作り上げ,語ることができるという魅力を持つ作品です。
プレイヤーは自分自身で種族や政治体制,価値観を設定し,宇宙帝国を築いてゲームを進めていくのですが,「悪の帝国にするか,それとも平和主義でいくか」といったプレイヤー自身の考えや理想がゲームに反映されるので,自分だけの物語を描き出せるのです。
――PC版発売から3年が経っており,多くのゲームファンが本作をプレイしていると思います。これまでの反響を聞かせてください。
Daniel Moregård氏:
「自分自身の物語を描く」というところは楽しんでもらえているようですね。一方で,物語性はとくに気にせず,高度な戦略ストラテジーとして楽しんでいるプレイヤーもたくさんいます。彼らはまるでパズルを解くように,入手したリソースをいかに無駄なく活用し,完璧な戦略をどのように実行するかに注力しているようです。
本作は100時間以上かけて楽しめるようさまざまな要素で作られた作品で,プレイヤーのみなさんが本作を選んでくれた理由もまた人それぞれだと思います。
――PS4向け日本語版が発表になったので,これからプレイする人たちにあらためて本作の基本的な遊び方を教えてください。まず,マップの規模はどれくらいでしょうか。
Daniel Moregård氏:
現在は1つの銀河系ですが,銀河系のサイズは大 / 中 / 小から選択でき,プレイヤー以外の勢力の数もカスタマイズが可能です。
――初めてプレイするとき,まずは何を目標にゲームを進めればいいのでしょうか。
Daniel Moregård氏:
宇宙は秘密にあふれています。あちこちの惑星や衛星に調査船を派遣して探索を行い,さまざまなリソース(素材)を集めながら勢力を大きくしていきましょう。
宇宙にはさまざまな異星人の勢力があり,探索を進めることでほかの勢力に遭遇することになります。探索している星で手に入るリソースがなにに活用できるかを知ることはもちろん,近隣の惑星にほかの勢力があるのか,ほかの勢力がいた場合それは友好的なのか敵対的なのかといった見極めも重要となります。
その勢力が敵か味方なのか,すぐには分からないことがあります。相手の理想と一致すれば同盟や協定を結ぶ関係になれますが,異なる考えを持つ勢力と出会った際は別の判断が必要となるでしょう。
――異星人や他勢力はどのような工程で作られたのでしょう。例えば共和制ローマのように,モデルにした歴史上の勢力などはありますか。
Daniel Moregård氏:
異星人については,まず種族の外見やその特徴などを作成しました。プレイヤー以外の勢力は,主義や統治体制の組み合わせでランダム生成されるので,制作時に特定の勢力を意識して作ったものはありません。ただ,ランダムに組まれた結果,それこそある時代のローマ帝国に似た考えを持つ勢力が生まれることもあるでしょう。
――種族を超えた多民族国家を作ることはできますか。
Daniel Moregård氏:
序盤では難しいですが,それに似たような国家が生成されることはあります。質問の答えとしては異なるかもしれませんが,人間がインプラント手術の技術によってサイボーグになったり,ロボット社会を築いたりすることも可能です。
――今回,拡張パック「Federations」と種族パック「Lithoids」という新たなダウンロードコンテンツが発表されました。この2つについて聞かせてください。
Daniel Moregård氏:
まずは「Lithoids」を紹介すると,その名のとおり石の種族(Rock people)ですね。SFでは有名なモチーフで,私たちがまだ取り入れていなかった大きな要素の1つです。鉱石をベースとした宇宙船のような,石の種族らしいユニークな技術を追加します。
「Federations」は,銀河コミュニティを構築する新たな要素を追加する拡張パックです。銀河系の巨大なコミュニティでの評議員会,同じ連邦に属する勢力との協力関係や交易の強化といったもので,勢力間のやりとりをより面白くしたいと考えて制作しました。
また,新たにOrigins(起源)という,プレイヤー自身の築き上げた帝国のルーツや歴史的背景を形付けるシステムも追加します。これによって,さらに自分自身の物語が楽しめるようになるでしょう。
――これまでもさまざまなアップデートが行われてきましたが,どのような思いを持って取り組んできたのですか。
Daniel Moregård氏:
つねに私たちは大きなアイデアを持っており,まだ改善できていない部分について考えています。それが完璧な答えになるかは分かりませんが,アップデートでは,プレイヤーが最も楽しいと思ってもらえるテーマを持って,私たちが持っている最高のアイデアを取り入れることを意識して作業しています。
あくまで思いついた段階のようなものですが,種族でいえば「水生生物の種族を加えたら,これまである種族にどんな影響があるだろう」「エネルギーを吸収して生きる生物を追加したら……」といったように,まだほかにも多くのアイデアがあります。
――PC版とコンシューマ版の違いについて教えてください。ゲーム中ではさまざまな作業があり,ゲームパッドではPCでのマウスとキーボードによる操作のようにいかないと思うので,とくに操作性は気になります。オート機能などの導入も考えていますか。
Daniel Moregård氏:
現在コンシューマ版は,PC版から1年ほど遅れたバージョンになっています。ただ,2020年にアップデート予定で,同バージョンでしたらゲーム部分については変わらない体験ができるはずです。操作性については,私たちもコンシューマでの展開で初めて経験することが多く,難しい部分を感じていることもありますが,少しでもゲームパッドで遊びやすくできればと。
オート機能については現在も導入している部分がありますが,プレイヤーが楽しみたいところはそのままに,惑星の管理といった手間がかかる部分はオートで進めるよう考えています。
――最後に本作の発売を待つ日本のゲームファンにメッセージをお願いします。
Daniel Moregård氏:
多くの人にこのゲームを試してもらう機会が得られたのは,とても素晴らしいことだと思っています。プレイヤーそれぞれの物語や探索を楽しむのに最適な,本当に知的で楽しい戦略ストラテジーなので,本作で自分自身に挑戦してほしいと願います。
コンシューマ版「Stellaris」公式サイト(英語)
- 関連タイトル:
Stellaris: Console Edition
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