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大連鎖が飛び出した「ぷよぷよ」決勝戦。全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2023 KAGOSHIMA「ぷよぷよeスポーツ」部門DAY2 現地レポート
本稿では,2日目に行われた「ぷよぷよeスポーツ」(Nintendo Switch / PS4 / PC)部門,決勝戦の模様をレポートする。
決勝戦は前日のライカ南国ホールから会場を移し,センテラス天文館にて実施された。同部門は10:00に始まったが,観客席はほぼ満席。日曜日の天文館を訪れた一般客も多く,足を止めて最終決戦を見守った。
全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2023 KAGOSHIMA「ぷよぷよeスポーツ」部門DAY1 現地レポート。鹿児島に全国の強豪が集結した
2023年11月25日と26日に開催された全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2023 KAGOSHIMAの「ぷよぷよeスポーツ」部門,初日の現地レポートをお届けする。全国から集まった2部門32名の選手が熾烈な予選リーグを戦った。
小学生の部,決勝戦に進出したのは,関西ブロック代表のおのぴー選手(大阪府)と関東ブロック代表のゆうき選手(東京都)。6年生と2年生という学年差はあるものの,ともに決勝まで勝ち進んだ実力者だ。プロ選手の飛車ちゅう氏は「この大会の小学生の部は,ここ数年で全体のレベルがかなり上がっている」と評し,単純な大連鎖の打ち合いではなく,ハイレベルな駆け引きも当たり前になっているそうだ。
試合はゆうき選手が火力のある高速2連鎖で,おのぴー選手に反撃の隙を与えることなく2本を先取。しかし,おのぴー選手も相手の戦術に対応して2本を返し,互いに譲らない展開となった。
その後もゆうき選手は1連鎖,11個同時消しでおじゃまぷよを15個降らせるといったアグレッシブな攻撃を緩めず,解説陣をうならせる戦いぶりで1セットを勝ち取る。
第2セット,おのぴー選手は盤面が乱れてしまったり,リソースを使いすぎてしまったりしてペースを掴めない。開幕から4本連取を果たしたゆうき選手は,1本こそ返されたものの,その勢いのままに小学生の部の優勝に輝いた。
一般の部,決勝に進出したのは,大会3連覇という偉業に向かうプロのともくん選手(東京都)に対し,ここで優勝してプロ入りを目指すアマチュアのひからいと選手(新潟県)。それぞれ大きな意味を持つ一戦となった。
ちなみに,ひからいと選手は小学生の部の新潟県代表,でかでかでかぁ選手と兄弟だ。予選リーグで敗退した弟の雪辱を果たしたい気持ちもあっただろう。
第1セットの1本目,ともくん選手が攻撃する構えを見切り,わずかに先手を取ったひからいと選手の本線10連鎖が刺さり,先制に成功する。2本目も互いにほぼ同時に打った攻撃から,ひからいと選手は2連鎖,2連鎖ダブルの連続攻撃で20個のおじゃまぷよを振らせる。2本連取なるかと思われたが,ここで引かないのが百戦錬磨のともくん選手だ。盤面上を埋めたおじゃまぷよを掘りながら,4連鎖→7連鎖を繰り出して,相手の連鎖量を上回る対応で取り返す。
盤面におじゃまぷよがあっても,的確に返してくるともくん選手の対応は圧倒的だった。2−1で迎えた4本目には15連鎖,11万7000点というとんでもない大連鎖を繰り出し,これにはひからいと選手も思わず苦笑い。第1セットは5-2で,ともくん選手が勝ち取った。
第2セットもペースはともくん選手が握る。早い攻撃や守りの姿勢など,臨機応変に対応してポイントを重ねていく。大連鎖勝負となった場面では,先に打ったひからいと選手の13連鎖全消しが客席を沸かせたが,ともくん選手は限界まで連鎖を組んで,それを上回る14連鎖を重ねる。
持ち味の超火力連鎖で相手をねじ伏せたともくん選手が,前人未踏の大会3連覇を達成した。
ゆうき選手は試合後,「気持ちがちゃんと整って,いいぷよができたので嬉しかったです」とコメント。準決勝の相手,きーくん選手はよく一緒に練習をする間柄で,勝敗はほぼ五分五分だったそうだ。本番での勝負はかなり緊張したとのこと。
また,ゆうき選手にとって,ともくん選手は憧れの存在。「(ともくん選手は)日本一のぷよプレイヤーなので,目指したいです。プロにもなりたい」と将来の夢を語った。
一方,ともくん選手は「ひからいと君の臨機応変な攻防に影響されて,予選では打てなかった10万点オーバーの大連鎖を打てた」と決勝の戦いを振り返る。この大会はプロだけでなく,アマチュアの猛者と戦えるが,「威厳を見せられるようなプレイができた」とのこと。
また,自身に憧れているというゆうき選手に対しては「この大会に向けて攻めのぷよを練習してきて,その成果を出せていた」と評価した。
若手選手の台頭には「期待の若手が出てくるのは本当にいいことです。今はまだ自分より若い子に負けることは少ないですけど,いずれ抜かれてしまうかもしれないですね」とコメント。小学生の部は自身の戦術が固まっていない分,「いろいろな戦い方をしているところが見ていて面白い」と述べていた。
鹿児島での大会を終えた,「ぷよぷよ」シリーズ総合プロデューサーの細山田水紀氏は「文化プログラムとして5回連続で大会をやらせていただいたが,鹿児島は前回,コロナでオンラインとなってしまった。今回は現地で開催できたのは本当に良かったです。若い選手が活躍していたのもすごくいいこと。今の小学生のトッププレイヤーはプロレベルか,それ以上に成長していて,世代的にいいサイクルになっていることを実感しました」と語る。
その一方で,明らかな世代交代が発生しないのも「ぷよぷよ」のいいところだという。相手の研究や新たな積みの開拓など,年を重ねることで練られてくる要素もあり,幅広い世代のプレイヤーが互いにリスペクトをして楽しんでいるコミュニティの素晴らしさを改めて感じたとのこと。
今年は12月1日の東京eスポーツフェスタにて「ぷよぷよカップ」を開催,12月17日には新たなプロ大会「ぷよぷよグランプリ 2024 1st」が行われる。鹿児島の大会が大きな盛り上がりを見せたことで,細山田氏は「いろいろな側面から攻めていける手応えを得た」と語っていた。
最後は今大会にさまざまな形で参加し,イベントを盛り上げた皆さんの声をお届けして本稿を締めくくりたい。
「ぷよぷよeスポーツ」公式サイト
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