「S.T.A.L.K.E.R.」を思わせるSFサバイバルアドベンチャー「ZONA」。2019年のSPIELでリリースされる予定の本作について，聞ける限り聞いてみた

　SPIELは基本的にアナログゲームの見本市であり，すでに発売された作品や，まもなく発売されるアナログゲーム作品の展示，試遊が中心になる。そんな中，「2019年のSPIELで発売」を高らかに謳った作品がかなり大規模に展示されていたので，お伝えしたい。

「ZONA」公式サイト

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　もちろん，「来年どころか半年先のことを言えば鬼が笑う」ゲーム業界にあって，来年のSPIELで売りますというのでは，どこまで信用したものかという部分は大いにある。しかし，それでもなお，本作は注目すべき作品だと筆者は感じた――というのも本作のタイトル「ZONA」は，ポーランド語で「ZONE」を意味する単語なのだ。

　そう。勘のいい人ならお察しのとおり，本作は「S.T.A.L.K.E.R.」シリーズや「路傍のピクニック」の世界観を踏襲した，チェルノブイリ跡地を舞台としたSFアドベンチャーゲームなのである。
　というわけで，「ZONA」のパブリッシャであるREBEL.plでInternational Business Developerを務めるKrzysztof Szafrański氏に，「ZONA」について聞ける限り聞いてみた。


4Gamer：
　まず最初に，現在の状況について教えてください。どのあたりまで完成していますか。

Krzysztof Szafrański氏（以下，Szafrański氏）：
　ゲームの基本部分は完成しています。今はユーザーインタフェースを洗練させたりなど，完成に向けた作業に入るところです。具体的には，カードやボードのレイアウトといった作業ですね。プロトタイプはポーランド語で作っていますが，製品は英語でのリリースになります。また，使用するフィギュアを会場に展示していますが，製品版のフィギュアはもうちょっと大きくなる見込みです。


4Gamer：
　ゲームの展開としては，どのようなものになるのでしょうか。

Szafrański氏：
　プレイヤーは，ZONEを探索する探索者の1人になります。そして，チェルノブイリの原子力発電所（NPP）の周囲を探索し，NPPに関する謎を解きつつ，その内部へ侵入します。最終的には，NPPの中枢で，そこにあると言われる願望機（Wish Granter）を獲得することが目的になります。
　もちろん，その道程は平坦ではありません。敵対的な生物との戦いあり，特殊なイベントありで，当然ながら，あの土地の過酷な環境に打ち勝つか，耐え抜かなければなりません。

4Gamer：
　探索者は，キャラクターごとに能力が違ったりするのでしょうか。


Szafrański氏：
　はい，それぞれ異なる能力や装備を持ったキャラクターをプレイします。

4Gamer：
　ゲームシステムとしては特徴は，どういうものですか。

Szafrański氏：
　システム的には，「ここが革新的だ！」という部分はありません。これはREBEL.plの方針でもあるのですが，我々はあくまでもソリッドなゲームシステムで新しいゲームを作ることを目指しています。これは弊社が出版した「Dream Home」や，今年の新作であるカードゲーム「Blossums」についても同じことが言えます。

4Gamer：
　なるほど。ジャンルとしてはアドベンチャーやサバイバルが主体，という感じでしょうか。

Szafrański氏：
　そのとおりです。戦闘システムは現代的な，洗練されたものになっています。そのうえで，装備を集めたりモンスターを殺したりといった部分は，奇をてらわずに作っています。ゲーム全体としては，「プレイヤーが相互に競争するアドベンチャーゲーム」ということになりますね。


4Gamer：
　かなり大きなゲームになりそうですが，プレイ時間としてはどれくらいですか。

Szafrański氏：
　1ゲーム90分〜120分ですね。もちろんプレイヤーがどれくらいルールに慣れているかにもよりますが，2時間あれば1ゲームが終わります。

4Gamer：
　今後のスケジュールについて，言える範囲で教えてください。

Szafrański氏：
　ミニチュアをたくさん使うゲームですが，Kickstarterは利用しません。プロトタイプを来年のGenConに出展し，SPIEL'19で製品のリリースという流れになりますね。また，我々は「ZONA」を世界のあちこちで売りたいと思っていますので，パートナーとなってくれる現地企業を探しているところです。


4Gamer：
　テーマ的にも，ゲーム内容的にも，非常に期待しています。来年のSPIELでぜひ試遊させてください。本日はお忙しいところ，ありがとうございました。

　掲載した写真のとおり，「ZONA」のグラフィックスイメージはかなり完成されており，「S.T.A.L.K.E.R.」シリーズが好きな人なら楽しめる世界になると思われる。プレイ時間は最大2時間程度で，ルールもクラシックということで，「買ったはいいけど遊べない」という問題を恐れる必要もなさそうだ。
　発売が来年，かつ開発拠点がポーランドということで，次の情報が入ってくるまで時間がかかりそうだが，今後とも注目したいタイトルである。

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