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コンパイルハートの最新作「アークオブアルケミスト」を紹介。機械仕掛けの砂漠で人類の希望を探し求めるアクションRPG
本作は,コンセプトアートに天野喜孝氏,キャラクターデザインにモタ氏,システムアドバイザーに小泉今日治氏,シナリオに北島行徳氏と,数々の名作RPGを世に送り出してきた名だたるクリエイター陣を起用したタイトルだ。本稿では,その概要と魅力を紹介していこう。
「アークオブアルケミスト」公式サイト
※掲載しているスクリーンショットは,すべて開発中のものです
資源の枯渇した地球で,古の伝承をもとに“大いなる力”を探す
本作の舞台となるのは,砂漠化が進んだ地球。枯渇しかけている資源をめぐって幾度も戦争が繰り返される中,人々は錬金術を発展させて資源を補っていたが,誰もが人類の滅亡を予感していた。
そんな絶望的な状況のもと,小さな国々は古の伝承にある「人類を救う“大いなる力”」に希望を求めて「はじまりの砂漠」の調査を開始する。しかし,機械仕掛けの罠が潜む砂漠と“大いなる力”の守護者とされる戦闘兵器「機械人形」が,調査団の行く手を阻むのだった。
主人公のクィン・ブレイズフォードは,若く優秀な王国調査団の指揮官である。彼女自身は“大いなる力”などという都合のいいものに疑問を抱いているが,その存在を信じる人達のため,全力で任務をまっとうすることこそが自分の生き様であり,死に様であると強く自分に言い聞かせ,はじまりの砂漠の調査活動を続けているのだ。
はじまりの砂漠には古代文明の遺物が点在しており,その中には今なお作動する機械もある。そうした機械は時としてクィン達調査団の探索を妨害するが,キーとなる部品の発見や仕掛けの解除,周囲にいるエネミーの殲滅などにより機械が作動し,道を切り開けることもある。
また,クィンだけが扱える古代の錬金装置「ルナギア」は,オーブを組み込むことで火・水・風・土の4属性を操ることができ,対応する機械も制御できるようになる。例えば,火のオーブを組み込んだルナギアを使い,暗がりにある街灯に明かりを灯せば,周囲が明るくなるうえに,近くにいるエネミーを弱体化できる。ただし,こうした状況の変化で,逆に強化されてしまうエネミーもいるので注意が必要だ。
さらに,ルナギアは環境面に影響を与えることもできる。例えば,砂嵐が発生している場所で風のオーブを使えば,砂嵐を打ち消して活路を見出せるかもしれない。
こんな風に,本作では気になるオブジェクトや場所にルナギアを使い,ギミックを解除したり状況を変化させたりすることが,探索を進めるうえでの重要なポイントとなっている。場合によっては,意外な発見があることも?
仲間の個性を活かした3人パーティで繰り広げるアクションバトル
本作では,フィールドの探索中にエネミーに遭遇すると,シームレスでバトルに移行する。ジャンルとしては,いわゆるアクションRPGだが,“タクティカルアクションRPG”と銘打たれているとおり,プレイヤーは主人公のクィンを操作し,最大3人パーティで戦うというのが特徴だ。クィン以外のパーティメンバーは,あらかじめ設定された隊形と指示に沿って,状況に合わせた行動を自動的に行うのだが,AIが賢いのでストレスなく戦える。
パーティメンバーとして選べるキャラクターは,攻撃や防御,回復など,それぞれ得意分野を持っている。さらに,各自が装備している武器によって,バトル中に繰り出すアクションが変化する。
武器は,剣・槍・短剣・杖・魔導書・斧・ボウガン・爆弾の8種類あり,キャラクターによって装備可能な武器種が異なるが,クィンはすべての武器種を扱える万能キャラとなっている。
バトルを勝ち抜くためには,戦う相手によってパーティメンバーや武器の組み合わせを変えていくことが重要だ。例えば,魔道書やボウガンを装備できるキャラクターは遠距離から一方的に攻撃できるので,普段の探索には便利だが,遠距離攻撃を無効化するエネミーが登場すると手も足も出ない。そこで一度拠点に戻り,パーティメンバーを近接攻撃に優れたキャラクターや,回復・防御を得意とするキャラクターに変更して再び挑む,といった具合だ。
また,クィンを含むすべてのキャラクターは,武器に依存しない固有の「奥義」を持っている。奥義の発動には「テンション」ゲージの消費が必要となるが,いずれも強力な効果を持っており,ここぞというときに大きな頼りになるだろう。ゲージは時間の経過に伴って徐々に回復していくので,出し惜しみせずに使っていこう。
このほかに,クィンが持っているルナギアもバトルに活用できる。各属性のオーブをセットすると,火球や水球を飛ばしてダメージを与える,足場などに使える土のブロックを生成する,風を起こすといった効果が得られるが,ルナギアには同時に2つのオーブをセット可能で,それによって強力な複合効果を発揮するのが特徴だ。
例えば,火と風のオーブを同時に使うとフィールド上に小さな鬼火が出現し,エネミーがこの鬼火に触れると炎の渦が発生して,範囲内の敵にダメージを与えられる。また,火と土のオーブを使えば,射程内のエネミーを迎撃する自動砲台を設置できる。
このようにバトルでも役に立つルナギアだが,各オーブの使用回数は限られており,回復するには拠点に戻る必要がある。強力だからといってバトルでバンバン使っていると,ギミック解除がおぼつかなくなり探索が進まない,なんてことになるかもしれない。
○個性豊かな仲間達
アクセル・デリオン 【職業】ナイト/騎士 |
ミカ・シュナイダー 【職業】ナイト/騎士 |
シャロン・ヴァーラー 【職業】ソーサラー/魔導士 |
ルーネ・フォンティーヌ 【職業】メディクス/神官 |
ジェスター・シルバーホーク 【職業】レンジャー |
サンドラ・ウェインライト 【職業】ヘヴィーアーマー/重装兵・盾 |
ギャレット・ワンダイン 【職業】指揮官 |
エリン・ワンダイン 【職業】サッパー/戦闘工兵 |
ダリウス・ケンドリクス 【職業】ヴァンガード/戦士 |
エース・ナイトロック 【職業】ガンスリンガー/弓兵 |
拠点を発展させて強力な武具を手に入れ,キャラクターの能力を強化
本作には,拠点を発展させていく要素もある。拠点では,武具やアイテム,入手した素材の売買・交換ができるが,ゲーム開始当初の品揃えは極めて貧弱だ。しかし,ゲームの進行に合わせて,用地にさまざまな施設を建てて拠点を発展させると,購入できる武器やアイテムの種類が増えたり,キャラクターの能力が強化されたりする。
また,拠点をある程度発展させるとフィールドでキャンプが使えるようになり,拠点まで戻らなくてもパーティメンバーの入れ替えやオーブの使用回数の回復などを行えるようになる。
初期の拠点は貧相だが…… |
施設を建設していくにつれ,立派になっていく |
施設の建設は,基本的に拠点の機能充実・拡充を目的としているが,同じ施設を矩形に固めて建設すると形状が変わるという外観的な要素や,施設の隣接のさせ方によって施設ランクにボーナスが発生するというパズル的な要素もあり,街作りのゲームが好きな人はより楽しめるだろう。
アイテム充実に特化した建設例 |
キャラクターの能力強化に特化した建設例 |
なお,本作ではエネミーを倒しても通貨を手に入れることはできない。お金を稼ぐには,探索で得たアイテムや素材を売却するしかないのだが,それらはキャラクターの育成や拠点の施設建設でも必要となる。したがって,アイテムや素材をどのように使うかという,リソース管理も重要になる。
最後に待ち受けるのは天野喜孝氏がデザインした最強の機械人形
本作の大きな魅力の1つが,天野喜孝氏のデザインによる機械人形の存在だ。物語の最後にクィン達の前に立ちはだかる,この最強の機械人形は,生半可な育成度合いのキャラクターでは歯が立たないとのこと。本作では,バトルに負けてもとくにペナルティはないので,パーティメンバーや武器の組み合わせをいろいろ試して,なんとしても倒したいところである。
そんな強敵を撃破したプレイヤーには,さらに強力なエネミーと戦うチャンスが与えられる。このエネミーを倒すには,キャラクターをとことん育成するだけでなく,パーティメンバーの組み合わせや,どの武器を装備するかといった戦術と,プレイヤー自身のテクニックを総動員する必要があるのだとか……。
世界観が深刻なだけに,本編のストーリーこそシリアスに展開していくが,各キャラクターに用意されたシナリオは笑いを誘うような明るいものばかり。キャラクターの魅力を楽しみたい人も期待していてほしい。
また本作には,コンパイルハートファンならニヤリとできる小ネタも仕込まれている。探索で入手可能な特殊アイテムをいくつか集めると,同社のタイトルをプレイしたことのある人にはなじみ深いアイテムと交換できるそうだ。そして,それらのアイテムを使うと……その効果はぜひ自分の目で確認してほしい。
モタ氏の描く可愛らしいキャラクターと,荒廃した世界観のギャップが目を引く「アークオブアルケミスト」。戦術性の高いアクションバトルや充実したキャラクター育成,ルナギアを活用した探索,そして拠点作りと,ゲーマーの心をくすぐる要素が満載だ。状況に応じてエネミーの強さが変化したり,意外なところに探索ポイントが隠されていたりと,ゲーム的な細かいこだわりが随所に散りばめられているので,遊び応えのアクションRPGを求めている人に,ぜひお勧めしたい。
「アークオブアルケミスト」公式サイト
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