ニュース
アメリカン・マギー氏,計画していた「アリス」シリーズ最新作の中止に伴い,ゲーム開発からの引退を表明
マギー氏は,idSoftwareで「DOOM II」や「Quake」「Quake II」の制作に携わったのち,1998年に退社(詳しい理由は分からないが,解雇されたという),すぐにElectronic Artsに入社して,2000年に「アリス イン ナイトメア」(原題「American McGee's Alice」)を発表し,ゴシックホラー調のアートワークや,ひねりを利かせたストーリーなどが話題を集めた。2001年にEAを去ったのちは,いくつかのプロジェクトに関わり,2007年に自分のスタジオSpicy Horseを上海に設立。2011年に「アリス イン ナイトメア」の続編となる「アリス マッドネス リターンズ」をリリースしている。Alice: Asylum has reached The End
— ? American McGee ???? (@americanmcgee) April 7, 2023
After several weeks of review, EA has come back with a response regarding funding and/or licensing for "Alice: Asylum" - Alice had a good run but the dream is over. https://t.co/hyprIq9MpE#gamedev #aliceasylum pic.twitter.com/sIE3bKbaVY
最新作となる「Alice: Asylum」の名前が出てきたのは,Spicy Horseが解散した翌年の2017年頃で,「アリス」シリーズのIPを保有するEAに提案を行うため,コンセプトやアートワークなどを作成していることが発表された(関連記事)。マギー氏は,コンテンツ制作者を支援するPatreonに自分のページを持っており,その後の経緯をそこで語っている。
「End of the Adventure」(冒険の終わり)と題された書き込みによると,提案のために準備した資料はpdfファイルで400ページ以上にのぼったが,EAは市場の動向などを鑑み,提案を社内で検討した結果,開発資金の提供を見送ると返答したという。IPの買取も申し出たようだが,「アリス」シリーズはEAの保有するカタログにとって重要であり,ライセンスの供与には応じられないと答えたという。現在のところEAは,この件について何もコメントしていないようで,あくまで,マギー氏の主張となる。
マギー氏は,ここですべてのオプションを使い果たしたとしており,「これ以上のアイデアもエネルギーも残っておらず,誰かがアリスの新作を作るとしても,関与するつもりはない」と述べたうえで,今後は家族と共に運営するオンラインショップMysteriousに専念するという。
なお,Patreonのページはしばらく残されるようで,Patreonではまた,マギー氏が2月15日に公開した「Alice Asylum Design Bible」も閲覧できる。これは,「Alice Asylum」がどのようなゲームになるのかを,多数のアートワークと共にまとめた資料で,エンディングも含めて詳しく説明されている。気になる人は目を通してほしい。
- 関連タイトル:
Alice: Asylum
- この記事のURL: