イベント
「ぷよぷよファイナルズ SEASON2」大会レポート。昨シーズンを超える激戦を制したのは高校生プロ・ともくん選手
2019年度シーズン「SEASON2」のチャンピオンを決める大会として,4月18日・19日に宮崎県のフェニックス・シーガイア・リゾートにて行われる予定だったが,社会情勢を鑑みて延期となり,あらためて無観客開催となった形だ。
今大会は,SEASON2のシーズンランキング上位5名と,チャンピオンシップポイントシーズン累計上位3名に出場権が与えられる。前日に「ぷよぷよチャンピオンシップ SEASON2 3月大会」が開催されており,その結果をもって8名の出場者が決定した。
ぷよぷよファイナルズ SEASON2 出場選手
- ともくん選手(シーズンランキング1位,チャンピオンシップポイント3位)
- Tom選手(シーズンランキング2位)
- ざいろ選手(シーズンランキング3位)
- delta選手(シーズンランキング4位,チャンピオンシップポイント1位)
- SAKI選手(シーズンランキング5位)
- ぴぽにあ選手(シーズンランキング6位)
- レイン選手(シーズンランキング7位)
- ヨダソウマ選手(チャンピオンシップポイント2位)
ともくん選手とdelta選手はシーズンランキングとチャンピオンシップポイントの両方で上位に入っているが,出場権はチャンピオンシップポイントが優先される。そのため,シーズンランキング6位のぴぽにあ選手,同7位のレイン選手が繰り上げ出場となった。また,大会常連のマッキー選手は出場を棄権している。
ぷよぷよファイナルズは出場選手8名が2つのブロックに分かれて予選リーグを戦い,それぞれの1位が決勝の舞台に進出する。各試合は10勝先取制で行われ,勝ち数が並んだ場合は勝利試合数によって順位が決まる。
2019年度シーズンを戦い抜いた8名による予選リーグは,好カードの連続となった。Aブロックではdelta選手がざいろ選手を10−4で下すと,Bブロックのヨダソウマ選手はSAKI選手を10−2と寄せ付けず。両者ともに優勝候補としての強さを見せつける。
前日の大会で優勝したともくん選手は,ぴぽにあ選手と対戦。両者ともに「fron積み」(fron選手が得意とする組み方)を使いこなすという面白い展開の中,全消しを絡めたスキのない攻めを見せるともくん選手がやや優勢に。ぴぽにあ選手もうまく対応して追い上げたものの,惜しくも及ばず。ともくん選手が10−7で勝利を飾った。
Tom選手とレイン選手の試合は,ともに大連鎖の本線を組みつつ,速攻や対応の巧さでレイン選手が常にリードする展開となった。一方,Tom選手も相手のミスを逃さず追撃して,なんと9−9のイーブンまで詰め寄る。しかし,最後はレイン選手が相手の連鎖をうまく切り返して勝利を収めた。
初戦を終えた各選手は体が温まってきたのか,配信の観戦者はもちろん,現場の選手達も興奮するようなシーソーゲームが続いた。
Aブロック第4試合にはdelta選手 対 ともくん選手という,屈指の好カードが実現。長期戦となった1本目をともくん選手が制すると,互いに大小の連鎖の応酬を見せるが,気づいてみれば9−2とまさかの大差を付けて,delta選手に王手をかけた。
追い込まれたdelta選手だったが,ここで終わるはずもなく,大連鎖を絡めた怒濤の5連勝で食らいつく。最後はともくん選手が連鎖への対応合戦を制し,勝敗が決したものの,見ごたえのある戦いとなった。
ともくん選手は予選リーグの最後の相手,ざいろ選手に1敗(8-10)を喫したものの,同じく2勝のdelta選手に対し,勝利試合数で1ポイントの差をつけて決勝進出を決めた。
Bブロック第5試合は,1勝1敗で並ぶTom選手とヨダソウマ選手の組み合わせとなった。解説の飛車ちゅう選手によると,過去の組み手では圧倒的な差を付けてTom選手が勝利したそうだが,この試合では互角の展開となった。リードしても直後に追いつかれる白熱のシーソーゲームは,お互いに一歩も譲らずに9−9に。勝敗が決する最後の1戦は,先に連鎖の本線を打たされたヨダソウマ選手に対し,盤石の連鎖を組んでいたTom選手がきっちり仕留める形で決勝進出に望みをつなぐ勝利を手にした。
Bブロック最終戦は,レイン選手とSAKI選手の対決。ここまで2連勝のレイン選手は,勝てば決勝進出が決まる1戦となった。序盤から積極的に攻めていくレイン選手は3連勝でペースをつかむと,SAKI選手を一気に引き離す。諦めないSAKI選手も4連勝で反撃の兆しを見せたものの,レイン選手の牙城を崩すには至らず。10−5で試合を制したレイン選手が,3連勝により決勝に駒を進めた。
ともくん選手とレイン選手による決勝戦は,2セット(各セットは10勝先取制)を先取したほうが勝利となるルールだ。
両者は前日の大会でも対決しており,ともくん選手が優勝を果たしている。レイン選手は「ここでもう一度当たったのは奇跡のようです。昨日は負けたのでリベンジをしたい」と意気込みを語っていた。
決勝戦でも,ともくん選手のムダのない積みは健在。1試合に全消しを3回見せるなど,見る者を沸かせるプレイで第1セットを10−5で制する。
第2セットは中盤以降,レイン選手が激しい追い上げを見せた。互いの連鎖の2手3手先にも臨機応変に対応していく打ち合いは,ほぼ互角の様相を呈する。先に王手をかけたのはともくん選手だったが,レイン選手はここから2本を連取して,逆転で第2セットを取り返すことに成功。勝利の行方は最終セットへと持ち込まれた。
第3セットは,常にポーカーフェイスだった両者が激しいリアクションを見せるほどの熱戦となった。一進一退の攻防のなか,マッチポイントを握ったのはともくん選手。全消しを絡めた攻撃で畳み掛けると,誰もが「これで決まった」と思う瞬間が訪れた。
しかし,レイン選手は画面を埋め尽くすほどに積まれたぷよを,4連鎖ダブルの2連続で消すという見事な逆転で,最後まで諦めない気持ちを見せる。その後もレイン選手は追撃の手を緩めず,一気に追い詰めようとしたが,ともくん選手は画面外でぷよを操作しての1連鎖から13連鎖という起死回生の大連鎖を発動。最終セットを10−7で制したともくん選手は,前日の快挙に続き,ぷよぷよファイナルズ SEASON2の年間王者の座に輝いた。
激しい戦いを制したともくん選手は,「決勝だけで50戦近くあったので,ちょっと覚えていないです」と,やや疲れた様子でインタビューに答えた。それでもレイン選手との決勝戦は「楽しかった」と感想を述べている。また,2大会連続の優勝により総額200万円の賞金を手にしたが,その使いみちとして「貯金と学費に」と謙虚に答え,会場を和ませた。
なお,2020年度シーズン「SEASON3」の公式プロ大会および一般選手競技会,鹿児島国体文化プログラム「全国都道府県対抗eスポーツ選手権2020 KAGOSHIMA」につながる各大会の「ぷよぷよ」部門は,開催スケジュールと開催形式を調整中とのこと。公式プロ大会については,今夏以降をメドに開催を検討中だ。
「Puyo Puyo Champions / ぷよぷよeスポーツ」公式サイト
- 関連タイトル:
Puyo Puyo Champions / ぷよぷよeスポーツ
- 関連タイトル:
ぷよぷよeスポーツ
- 関連タイトル:
ぷよぷよeスポーツ
- 関連タイトル:
ぷよぷよeスポーツ アーケード
- この記事のURL:
キーワード
(C)SEGA
(C)SEGA
(C)SEGA
(C)SEGA