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「龍が如く7 光と闇の行方」完成披露会をレポート。中井貴一さんと堤 真一さんが「大量の台本を一気に読んでしまうほど面白い」と絶賛
このイベントには,「龍が如く」シリーズ総合監督の名越稔洋氏と,本作の主要キャラクターを演じるキャスト陣が登壇し,収録時のエピソードなどを披露した。
イベントの冒頭には名越氏が登壇し,「これまでは『龍が如く7』のゲームシステムを多めに紹介してきましたが,熱いドラマを期待されている方も多いと思いますので,その魅力をたっぷりお伝えします」と語り,昨日仕上がったばかりという最新ストーリートレイラーを公開した。
なおこのトレイラーでは,湘南乃風と中田ヤスタカさんのコラボレーションによる書き下ろし曲「一番歌」もチェックできるのだが,会場では楽曲にまつわるエピソードが明かされた。
名越氏は8月に胸部を肋骨ごと切開する心臓の大手術を行っており,本作の発表会でその事実を告白していた(関連記事)。手術を受けることを決めた際に名越氏は,湘南乃風のメンバーと中田さんに今回の起用を一旦,白紙に戻すことを提案したという。しかし,湘南乃風のメンバーと中田さんから「きっと治るから」と言われ,病室を訪れてミーティングを行ったそうだ。名越氏は「僕にとって思い出深い曲になりました」と語っていた。
続いて春日一番役の中谷一博さん,沢城 丈役の堤 真一さん,ナンバ役の安田 顕さん,荒川真澄役の中井貴一さん,そして助演女優の鎌滝えりさん,沢すみれさん,柳いろはさんがゲストとして登壇し,それぞれのキャラクターを紹介した。
名越氏によると,主人公の春日一番はこれまで「龍が如く」の主人公を務めてきた桐生一馬とは違い,弱みがあり,よくしゃべる“人間らしさ”を前面に打ち出したキャラクターだという。
また中谷さんは,これまで「龍が如く」シリーズにて重要人物である錦山 彰を演じてきたため,差別化を図ろうと当初は気負いすぎてしまったという。しかし名越氏をはじめとする龍が如くスタジオのスタッフがうまく軌道修正してくれたことにより,無事に収録できたそうだ。中谷さんは「春日と同じように,僕にも頼りになる仲間がいると感じながら,日々演じていました」と話した。
春日のかつての兄貴分・沢城 丈について,名越氏は「強面の鬼軍曹的な存在」と説明し,ストーリーの中でも重要な存在であるとした。人物像を細かく紹介するとネタバレになってしまうそうで,「言葉の1つ1つに真実があるのか,それとも裏があるのか。見る側にどちらだろうと思わせる,貫禄のある方を起用した」と語った。
堤さんはゲームに疎く,よく分からないまま話を聞いていたそうだが,中井さんが出演することを知り,オファーを受けることにしたという。収録時には,「初めてのことなので,気長に焦らず演じさせてください」とスタッフに言っていたとのこと。
銃で撃たれた春日の命を救ったホームレス・ナンバは,名越氏によると“潔癖症”だそう。たまたま流れで春日と出会ったのか,運命的な何かなのか,損得勘定があるのか,よく分からない,掴みどころのない,ひょうひょうとした人物だという。
安田さんはナンバの見た目について「自分以上に自分」「自分じゃないけれど,自分そのものが動く」と評しつつ,バトルでは「臭い息」という技を使うことを紹介。また自身のひょうひょうとした演技が認められ,今回起用に至ったことが嬉しいとも語った。
春日が親のように慕う荒川組組長・荒川真澄について,名越氏は「本作の柱になる存在。要所要所に出てきて,話を大きな単位で動かしていく」とした。中井さん起用に至った経緯は,「ストーリーに出ていないときにも,今何をしているのか,過去に何があったのかを想起させる存在感が必要だった。当たって砕けろで中井さんにオファーしたら,いい返事をいただけた」と説明していた。
その中井さんは荒川について,何かとコンプライアンスが取り沙汰される昨今において,任侠道を強く感じさせる存在であり,そこに春日が惚れ込んでいく構図がよくできていると思ったという。
助演女優の3名は,名越氏によると「男同士の濃いドラマの合間に,ホッとさせてくれるような存在」とのこと。
「『龍が如く』は男を格好よく描くけど,女性は可愛くないと散々言われてきましたが,やっとそこそこ可愛いモデルを作れるようになってきた」と名越氏が話すと,鎌滝さんは「バッチリです。自分がCGになるのを初めて見て,とても驚きました」とコメントしていた。
続いて「龍が如く7」では春日が成り上がっていく姿が描かれるということから,会場ではキャスト陣がそれぞれの成り上がりエピソードを披露していく展開に。
中谷さんは,「まさに今この瞬間が,成り上がった感じですね。こうしてそうそうたる皆さんと同じ舞台に立てる日が来るとは思ってもみませんでした」と語った。また日常ではコンビニで値段を気にせず買い物ができるようになったときも,成り上がりを実感したという。
安田さんと堤さんは,俳優業はサラリーマンなどと違い役職がないため,なかなか成り上がった感覚はないという。「世間の人が見たら成り上がったと感じるタイミングがあるかもしれないが,基本的には常に上がり続けているようなもので,ゴールする感覚がない」と話していた。
また中井さんは「俳優には,セリフを覚えるという宿題がいつまでも付きまとう。学生の試験ならきちんと答えられなくとも怒られて終わりだが,俳優はうまく演技ができないとOKが出るまで終わらない」とし,「俺はいつまで怒られ続けるんだろうと思いながらやっている」と語った。
ちなみに中井さんは俳優に成り立てのころ,牛丼屋で牛丼だけでなく味噌汁,卵,お新香,さらに牛皿をセットにして頼んだときに,店内にいる全員から注目を浴びている気がして,軽く成り上がったと思ったとのこと。
また関西出身の堤さんは,家庭で食べる焼き肉と言えばホルモンだったが,東京の焼き肉屋で上京してタンやカルビを食べたときは感動したという。そのあと親御さんを焼き肉屋に連れていき,「これが本物の焼き肉や!」とごちそうしたエピソードを披露した。
また,キャスト陣が「龍が如く7」の印象を語る一幕では,中谷さんが「1作ごとに時代を反映しているシリーズなので,役者として時代を見つめ直さないときちんとした形で参加できないと感じた」とコメントしていた。
堤さんは通常の舞台やドラマの台本と異なり,大量の台本が段ボールに詰め込まれてで届いたことに驚いたという。当時並行していた舞台のセリフも覚える必要があったので,最初は自分が出るシーンだけ読もうと考えたそうだが,あまりの面白さに結局全部読んでしまったそうだ。
中井さんも堤さん同様,台本の自分のシーンだけ読むことはできず,1日ですべてを読み切ってしまうくらい面白かったという。「これをゲームでやられたら,俺らはこの先どうすればいいのか,と思うくらい完成度が高い」「堤君と僕の役は途中でゲームを止めると誤解されるかもしれない。ぜひ最後までやり通してほしいです」と語った。
そして,安田さんも大量の台本に驚いたとし,「日ごろ見慣れた街で,とんでもないアクションが繰り広げられるという,ゲームならではのスケール感がある」「こんなに長い映画やドラマを描くことはなかなかできない。ゲームでは,こうして壮大なドラマが作られている」と話していた。
鎌滝さんは,春日がカリスマではないところからスタートすることに言及し,「これから女優として頑張らなければならない私達にとって身近な存在。だからこそ新しい主人公として愛せましたし,台本の内容もとても励みになりました」と語っていた。
トークの終わりには,キャスト陣を代表して中谷さんが「今作にはRPGなどいろんなキーワードがありますが,仲間の大切さや,『龍が如く』のドラマは一切変わっていません。そして名越監督がずっと言い続けている『ゲームはもっと踏み込めないのか』という言葉は,今回『龍が如く』自体にも当てはまっています。皆さんに会心の一撃をお届けできると確信していますので,ぜひご期待ください」と呼びかけた。
イベントの最後には,名越氏が「龍が如く7」が無事完成したことを改めて報告。そして「成り上がりというキーワードが出てきますけれども,僕自身は自分が目指すものや幸せって何だろうという素朴な話を,どう説明していくかをかなり考えました。我々も今作で『1人1人目指すものがあり,それが達成できるかどうかは自分次第』ということを提案できたと思います。ぜひ最後まで遊んで,何を思ったかを伝えていただきたいです」と語り,イベントを締めくくった。
「龍が如く7 光と闇の行方」公式サイト
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