インタビュー
[E3 2019]新たな中世オンラインバトルの決定版となるか?「Chivalry II」を発表したTorn Banner Studiosにインタビュー
[E3 2019]メレーアクション「Chivalry II」が発表。騎乗戦闘などの新要素が追加され,2020年にリリース
Tripwire Interactiveは北米時間2019年6月10日,アメリカ・ロサンゼルスで開催される「E3 2019」に合わせて実施されたイベント「The PC Gaming Show at E3 2019」にて,メレーアクション「シバルリー メディーバル ウォーフェアー」の続編となる「Chivalry II」を発表した。
日本でも2013年に「シバルリー メディーバル ウォーフェアー」としてリリースされた前作「Chivalry: Medieval Warfare」は,もともと「Half-Life 2」のMODとして開発された,アガサ・ナイツとメイソン・オーダーに分かれて戦うチーム対戦ゲームだ。
1人称もしくは3人称視点でプレイでき,弓矢や攻城兵器も利用可能だが,基本的にはメレーで相手と戦う。効果的な打撃を継続するために,クルっと回転する“スピニング”といった技法がプレイヤー間で考案されるなど,ファンからのコアな人気を博し,サムライなどの新しいクラスが登場する拡張パック「Chivalry: Deadliest Warrior」もリリース。2014年までに120万本のセールスを記録するスマッシュヒットになった。
「Chivalry II」の発表に際して公開されたトレイラーは,ゲームプレイのシーンがなく,あくまでも「完成するとこうなる」的な,プルーフ・オブ・コンセプトとも呼べるCGトレイラーでしかないため,いったいどのようなゲームになるのか,現時点ではまだよく分からない。
そこで今回,その開発チームの主要メンバーである,Torn Banner StudiosのCEOでディレクターのSteve Piggot(スティーブ・ピゴット)氏および,ブランドディレクターであるAlex Hayter(アレックス・ヘイター)氏に話を聞いたので紹介しよう。話を聞く限りでは,メレーアクションとしてさらに進化したゲームになるのは間違いなさそうだった。
4Gamer:
「Mordhau」が話題になってメレーアクションが再び盛り上がっていますが,オリジナル作品のローンチから5年以上経ち,どういう経緯で「Chivalry II」の開発に取り組むことになったのでしょうか。
Steve Piggot氏(以下,Piggot):
2017年に「Mirage: Arcane Warfare」をリリースする以前から,再び中世ヨーロッパをテーマにしたゲームを作りたいという想いがありました。もともとMOD制作者としてスタートした我々の原点であって情熱ですから。
今作はUnreal Engine 4を利用していて,64人対戦のサポート,スムーズなアクションを実現できるアニメーション,騎馬の登場などで,究極的な中世のバトルフィールドが実現できると考えています。
「Mordhau」の成功は,このサブジャンルがゲーマーに人気があるということで非常に勇気付けられることです。今後の目標は,さらにそれを超えた作品に仕上げていくことです。
4Gamer:
公開されたトレイラーの最後で,双方のチームが整列して突進していくようなシーンがありますが,あれはゲームプレイに反映されていますか。
Piggot氏:
ゲームスタートの瞬間ですね。イメージとしては「ゲーム・オブ・スローンズ」の“バスターズの戦い(Battle of Bastards)”で,もちろん64人という限定的な中での表現ではありますが,ゲームが開始するまで皆が列になって相手チームをエモートで威嚇し合っている,みたいな。そういう荒くれた状況を再現できれば良いですね。
4Gamer:
キャラクタークラスに変化はあるのでしょうか。また,騎馬はどのようにゲーム中に登場するのですか。
Alex Hayter氏(以下,Hayter):
前作には4種類のクラスタイプ「ナイト」「ヴァンガード」「マンアットアームズ」,そして「アーチャー」があります。クラスシステムは少し変化していますが,このあたりはいずれ改めて公表しようと思っています。
騎馬に関しては,500キロもある馬に実際に乗っているという重さのようなものを表現しながらも,実際に武器を持って戦えるのを楽しんでもらえるようにしたいですね。
4Gamer:
トレイラーは,ギブ(流血や肉片の飛び散る描写)が向上しているように思えました。
Piggot氏:
そうですね。アニメーションが向上したことで,打撃の角度や位置でより感覚的な表現ができるようになっています。ギブで有名な「Killing Floor」シリーズで知られるTripwire Interactiveがパブリッシャになって助言してくれることは心強いです。キルされるほうにしても,「兵士として良い死だったな」と思えるアクションを楽しめるようにしたいと考えています。
4Gamer:
前作は,プレイヤー数がスタンダードで24人でしたが,一気に40人も増えることになります。戦場がさらに混沌とした雰囲気になるのでは?
Hayter氏:
それこそが戦場ですから(笑)。オリジナル作品では地点を占領していくような簡単なものでしたが,本作ではチームの双方に異なるオブジェクトが与えられ,例えば「村を焼いて攻城兵器を運ぶ道筋を付けていく」というような,よりドラマチックになったオブジェクティブモードが楽しめます。
4Gamer:
本作でも農夫でプレイできるんですよね?
Piggot氏:
できます。ピッチフォークのような農具で戦ったり,周囲にあるオブジェクト,例えばバケツだとかニワトリのようなものを手にして応戦することだってできるんです(笑)。
4Gamer:
チームのカスタマイゼーションのようなものはありますか。
Piggot氏:
基本的に,赤チームと青チームに分かれますが,コスチュームや武器についての個人プレイヤーレベルでのカスタマイゼーションは,今後の情報をお待ちください。
4Gamer:
まずはEpic Games Storeで販売され,1年後にほかのPCプラットフォームでリリースされるとの発表には,ゲーマーから反発がありましたね。
Hayter氏:
ええ,予想はしていました。
Epic Gamesとはビジネスパートナーとして良い関係を築けていますし,今回の契約によって,さらに素晴らしい作品に仕上げるための余裕もできました。「Mirage: Arcane Warfare」でもUnreal Engineに慣れ親しみ,本作を開発する上でも同じテクノロジーを使いますので,より洗練されたゲームになると信じています。
あとは,Epic Games Storeでの時限的エクスクルーシブとしてリリースすることをファンに了承してもらえるだけの誠実なゲーム作りと,ファンへのコミュニケーションを行っていくことです。
なお,「Chivalry II」はアーリーアクセス版を公開せず,2020年内に正式にローンチされる予定だという。今後,ほかのプラットフォームを含めてさらに具体的な情報がリリースされることに期待しよう。
「Chivalry II」公式サイト
- 関連タイトル:
Chivalry 2
- この記事のURL:
キーワード
(C)2020 Torn Banner Studios. All rights reserved.