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「ラクガキ キングダム」サントラ発売記念のライブ番組をレポート。独占ミニインタビューもお届け
番組の内容に加えて下田氏,黒田氏,菊田氏,西木氏,古代氏への独占ミニインタビューの様子をお伝えしていこう。
タイトーのサウンドチーム「ZUNTATA」が配信するオンライン番組が「ZUNTATA NIGHT」。今回のテーマは,2021年5月18日に発売される「ラクガキ キングダム オリジナルサウンドトラック」(商品概要ページ)だ。
このサントラはZUNTATAの下田 祐氏(代表作:「アトリエ」シリーズ)をサウンドディレクター兼メインコンポーザーに据え,多数のゲストコンポーザーが参加している。メンバーは,Shade氏(代表作:「アズールレーン」),伊藤賢治氏(代表作:「ロマンシング サ・ガ」シリーズ),岩垂徳行氏(代表作:「グランディア」シリーズ),菊田裕樹氏(代表作:「聖剣伝説2」),黒田英明氏(代表作:「ポケットモンスター」シリーズ),古代祐三氏,(代表作:「イース1,2」など),桜庭 統氏(代表作:「スターオーシャン」シリーズ),下村陽子氏(代表作:「キングダム ハーツ」シリーズ),中島享生氏(代表作:「パズル&ドラゴンズ」シリーズ),なるけみちこ氏(代表作:「ワイルドアームズ」シリーズ),西木康智氏(代表作:「OCTOPATH TRAVELER」)。
RPG好きやゲーム音楽に興味がある人なら誰かの名前を聞いたことがあるはず,というくらいに豪華な顔ぶれだ。
番組ではライブ演奏が行われたのに加え,メインコンポーザーの下田氏,そしてゲストコンポーザーからは黒田氏,菊田氏,西木氏,古代氏が登場。楽曲について思い入れを語った。
●「ZUNTATA NIGHT SPECIAL ラクガキ キングダム サウンドステージ」出演者一覧
石川勝久氏(ZUNTATA)
下田 祐氏(ZUNTATA)
黒田英明氏
菊田裕樹氏
西木康智氏
古代祐三氏
・バンドメンバー:
黒田英明氏(アコースティックギター,12弦アコースティックギター)
イデ"S.D."ヨウスケ氏(エレキギター)
今井研二氏(フルート)
伊藤友馬氏(ヴァイオリン)
下田 祐氏(鍵盤ハーモニカ,パーカッション,HitBox)
●「ZUNTATA NIGHT SPECIAL ラクガキ キングダム サウンドステージ」セットリスト
「Main Theme of Rakugaki Kingdom」
「Akugaki Fight part 1」
「Colors in bloom」
「The brush is mightier than the sword」
「Main Theme of Rakugaki Kingdom (アコースティックバージョン)」
豪華メンバーが,楽曲の制作秘話と想いを語る
まず登場したのは,メインコンポーザー兼サウンドディレクターの下田氏。RPGの音楽制作においては,イメージを統一するため1人のクリエイターに任されることが多いが,本作においてはプロデューサーの意向により,多数のゲストコンポーザーが参加することになったという。プロデューサーが選定した「RPG音楽の重鎮」(下田氏)ともいえるそうそうたる顔ぶれに,下田氏も大いに刺激を受けつつ取り組んだそうだ。
「ラクガキキングダム メインテーマ」「Akugaki Fight」は,世界観の中核となる七色の大樹「パレット・ツリー」のイラストからイメージを受け,透明感のある楽曲になったという。このイラストは開発の初期段階に描かれたもので,サントラに付属するブックレットにも収録されているため,眺めながら曲を聴くのもいいだろう。
七海ナギ(公式サイト内キャラページ)のキャラクターソング「ウタウタ」はアイドルらしいライブ感あふれるもの。歌詞も「昨日食べたステーキは最高でした」「猫が膝に乗ってて動けません!」とかなりフリーダムだが,ナギ役を演じる声優・藤井ゆきよさんのポテンシャルを引き出すため,こうしたセリフに近い詞が使われることになったという。藤井さんが猫好きである点なども反映されていて,あてがきに近いキャラクターソングとなっている。
「Excuse for my guitar」は,雪片カナデ(公式サイト内キャラページ)のキャラクターソング。カリスマシンガーソングライターである彼女の曲を作ることになった下田氏も大変な想いをしたという。彼女を演じる大空直美さんの歌唱力を生かすというコンセプトのもと,パワフルな歌声が響く仕上がりとなった。
そしてTwitterで話題を呼んだ「ラクガキ体操」もサントラに収録される。ラジオ体操的なタイトルとは裏腹に,白塗りの下田氏がデスボイスで「スケッチ筋」なる謎の筋肉を鍛えろと吼える曲。元々は本当にラジオ体操風だったが,インパクトが足りないということで没にされ,現在のスタイルとなった。没曲はサントラ早期購入特典のダウンロードカードに収録されるそうなので,聞き比べて見るのも面白いだろう。
#ラクキン が配信されるまでに
— ラクガキ キングダム公式【東方Projectコラボ開催中】 (@rakukin_pr) January 11, 2021
ラクガキ体操でスケッチ筋を
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ゲストコンポーザーたちのトップとして出演したのは菊田氏だ。菊田氏の担当曲「IXTL」は,世界的に高い評価を受けるドラマー・川口千里氏がドラムを担当している。これは,菊田氏から「良い曲になりそうなのでドラムも最高にしたい」と提案があり下田氏も「自分の曲も一緒に演奏してもらいたい」という経緯でオファーしたもの。収録もわずか数テイクで済んだというから,さすが川口氏といえるだろう。
西木氏に楽曲制作の依頼があったのは,下田氏が代表作「OCTOPATH TRAVELER」をプレイしており,その楽曲に惚れ込んだことによるもの。同作では,ミドルウェア「ADX2」の機能を使い,会話シーンでシームレスにボス曲が流れるインタラクティブミュージックが実装されているが,下田氏も「ラクガキ キングダム」で「ADX2」を使って同じようなインタラクティブな楽曲変化ができないか検討したという。ラクガキをエディットするシーンでは,パーツ数が増すとこれに連動してBGMのパートも増えるようになっている。
西木氏担当の「Spectrum Seeker」は,フュージョングループ「クルセイダーズ」で活躍したピアニスト,ジョー・サンプル氏の「Rainbow Seeker」にオマージュを捧げたもの。「Rainbow Seeker」同様に様々に転調する曲となっている。「Spectrum Seeker」がサントラに収録されるのはもちろんのこと,アレンジ版がサントラ早期購入特典のダウンロードカードに収録されているので,ファンは要チェックだ。
古代氏の「Sunny Days Battle」は明るいイメージの曲。司会の石川氏も「古代さんといえばヒロイックかつマイナーな曲調のイメージが強いが,この曲を聞いて驚いた」と語る。これは,古代氏に渡されたサンプルが,「ポプテピピック」コラボでポプ子とピピ美が動き回る動画であったことによるもので,動画の明るいイメージと,自身が愛するバンドサウンドのテイストから「Sunny Days Battle」を書き上げたという。演奏についても,「70年代・80年代・90年代のサウンドの違いが分かるバンド」に依頼したそうで,古代氏の深いこだわりが窺える。
期間限定コラボイベント「ラクガキ!ホロライブキングダム」2021年3月12日(金)メンテナンス後 〜 3月24日(水)13:59のイベント戦闘曲として #古代祐三 さん作曲の「Sunny Days Battle」が流れます。5/18発売のサントラにも収録されますので,是非ご予約を!https://t.co/tTVCB2T2V6#zuntata pic.twitter.com/mW6gBKocdP
— ZUNTATA 『ラクガキ』サントラ 5/18発売 予約受付中 (@taito_zuntata) March 12, 2021
黒田氏は,バトル曲「The brush is mightier than the sword」や,夜の町をイメージした「The starry night」など,様々な曲で参加している。世界各国の楽器を演奏する黒田氏は,今回の収録でも「アイリッシュブズーキ」(ギリシャを起源とする弦楽器・ブズーキのアイルランド版。ブズーキ自体は「Dead Cells」の武器「リズムアンドブズーキ」でもお馴染み)や,「スティールペダル」など,ゲーム音楽には珍しい楽器を使っている。スティールペダルは南国調というか癒し系というか,広がりのある不思議な音色を奏でてくれる楽器。「The starry night」で使われているので,サントラ購入予定の人は楽しみにしておこう。
オンラインライブ「ラクガキキングダム サウンドステージ」(4/10 16:00 YouTubeにて放送)のリハーサル風景を公開!
— ZUNTATA 『ラクガキ』サントラ 5/18発売 予約受付中 (@taito_zuntata) March 30, 2021
曲は「The brush is mightier than the sword」(作曲:黒田英明)
フルートとバイオリンのアグレッシブな演奏にご注目ください!https://t.co/hLVeJZRHyl#zuntata #ラクキン pic.twitter.com/Vl4M0sYtp9
氏はこの日演奏したバンドのバンマスでもあるが,曲の大枠は変えることなく,メンバーそれぞれを引き立てるソロパートを入れるなどのアレンジを加えたという。この日の演奏は,サントラ早期購入特典のダウンロードカードに収録されるとのことだ。
番組では,このほかにもゲストコンポーザーたちが音楽を始めたきっかけや,古代氏と石川氏の濃いFM音源トークなど,さまざまなテーマが語られているので,気になる人は動画アーカイブでチェックしてみよう。
参加コンポーザーにミニインタビュー
ここからは,ゲストコンポーザーの黒田氏,菊田氏,西木氏,古代氏,そしてメインコンポーザーの下田氏に,曲の聞きどころや制作秘話について伺ったので,その内容をお届けしよう。
黒田英明氏
4Gamer:
よろしくお願いします。作曲の際に苦労された部分があれば教えてください。
黒田英明氏(以下,黒田氏):
やはりバトル曲ですね。私にバトル曲の依頼が来たのはあとのほうで,ほかのゲストコンポーザーさんたちがバトル曲を完成させておられました。皆さんが個性を出されている中,自分の個性とは何なのだろうと迷いましたが,“アコースティックギターを使っている人はいない”ことが取っかかりになりました。そこに,自分が持っている変わった楽器を加えていけば自分らしい音になるだろうと。
4Gamer:
所有されている楽器はいくつくらいあるのでしょうか?
黒田氏:
数えたことはないですが,100くらいですかね。無作為にコレクションするのではなく,欲しい音があったうえで買うんです。今回の曲に関しては「アイルランド的なテイストが欲しい」ということでしたので,アイリッシュブズーキを使っています。
4Gamer:
印象に残りやすいバトル曲を作るためには,どういったところが大事だと考えられていますか?
黒田氏:
個人的には,ゲームの演出として優れているバトル曲が印象に残りやすいんじゃないかと思っています。例えばストーリーにおける特殊バトルで,戦いのバックに寂しげな曲がかかるといった感じですね。
4Gamer:
まずゲームの演出意図が優先されるということですね。
黒田氏:
そうです。今回はバトル曲をユーザーさんが選べるという特殊な仕様ですし,ゲーム内容も悲壮な戦いではなく,スポーツライクに競い合う熱さが求められるということで,「The brush is mightier than the sword」が作られたということです。
4Gamer:
では最後に,読者へメッセージをお願いします。
黒田氏:
私の担当曲ではいろいろな楽器を使っているので,楽しみにしていてください。どの曲を誰が作っているのかを見ながら聞いていただくのも,面白いかも知れません。
4Gamer:
ありがとうございました。
菊田裕樹氏
4Gamer:
よろしくお願いします。「IXTL」の作曲で苦労された部分があれば教えてください。
菊田裕樹氏(以下,菊田氏):
下田さんからは「好きに作っていい」というオファーをもらったので,とくに苦労はなく伸び伸びと作れましたね。そのときに自分がやりたかったことを詰め込みましたよ。
4Gamer:
ご自身がやりたかったこととはなんですか?
菊田氏:
1962年生まれの僕はバンドミュージックから音楽に入り,日本の音楽がジャズからジャズ・ロック,クロスオーバーからフュージョンへと変遷していく時代を見てきました。こうした経験や,変遷に対しての自分なりの答えを,自分の中で熟成させたうえで出すということです。そこでは音楽を作るだけでなく演奏してもらうことが大事で,今のミュージシャンの方に演奏してもらえたのはとても面白い経験だし,嬉しいチャンスだったと思います。
4Gamer:
音楽の変遷を体験し,自分の中へ取り入れるという取り組みは現在も続けられているのでしょうか? 2013年にはボカロ曲を発表されておられますが。
菊田氏:
どんな流行や音楽の流れも,一度自分の中で熟成させないことには,切って貼ったみたいなものになってしまう。そうした“何かみたいなもの”を作ることにはそんなに意味はなく,自分の中で熟成させて自分の表現として自然に出てくるようにするところまで持っていくことが,作曲家として大事なんじゃないかと思います。
4Gamer:
“自分のものになった”瞬間はどういう時に訪れるのでしょう。
菊田氏:
そうしたテイストを出そうと意識していないのに,勝手に出てきたという時ですね。“○○みたいなものを作ろう”と思っているときは,自分のものになっていないということなんです。
4Gamer:
どんな仕事でも,キャリアが長くなると新しいモノに抵抗感を示すことがありますが,そうした現象は菊田さんには起こらない?
菊田氏:
全然ないですね。結局,好奇心が強いんだと思います。どんな瞬間に聞く音楽も新しいし,刺激的だし,すごいと思わせてくれる。そう感じるためには,ことさら感性を鍛えるのではなく,逆に柔らかくなって変化を楽しみ,こだわりをなくすのが大事。一番大切なのは“ゲーム音楽はこういうものだ”という思い込みを捨てること。
4Gamer:
本作は若い層が手に取るゲームだと思いますが,曲作りの際にそうしたところは意識されましたか。
菊田氏:
全然していない。そこに寄って行ってしまうと,嘘になってしまうから。それよりは,ディレクターが求める世界観を表現するのが商業音楽としての義務。“こういうユーザーさんがいるから,こういう音楽を作る”ことはやっちゃいけないと思ってます。どんなユーザーさんが相手でも,自分が出せる表現を出し,自分の世界に引っ張り込んでいく力がないと。
4Gamer:
なるほど。寄るのではなく,引き込まないと。では最後に,読者へメッセージをお願いします。
菊田氏:
その瞬間に一番面白かったり,ドキドキするような音楽を届けたりしたいです。“音楽とはこういうものだ“というこだわりをなくし,自由に楽しんでもらえればと思います。
4Gamer:
ありがとうございました。
西木康智氏
4Gamer:
よろしくお願いします。作曲の際に苦労された部分があれば教えてください。
西木康智氏(以下,西木氏):
ゲーム業界の重鎮が参加されている中,自分らしさをどうやって出すかに苦労しました。僕自身が皆さんのゲーム音楽を聞いて育った世代ではありますが,だからといって自分が作る曲を変えるわけではないんですが。
4Gamer:
では,今回の曲で出した“西木さんらしさ”とは?
西木氏:
バトル曲を評価していただくことが多いので,僕らしいバトル曲を作ろうと考えました。
4Gamer:
では,西木さんが考える自分に求められるバトル曲とは?
西木氏:
僕に求められているのは“メロディが覚えやすいバトル曲”なので,今回の曲にもそうした仕掛けを施しています。いろいろなメロディを展開させるのではなく,同じメロディを繰り返し,一度聞けば覚えてもらえるというのがコンセプトです。
4Gamer:
なるほど。RPGを遊んだあとはバトル曲が頭の中で回る現象が起こりますよね。
西木氏:
そういうことです。昔のゲームは1ループが30秒ほどしかないことも珍しくありませんでしたが,ずっと聞いていられるじゃないですか。そのうえで僕は“繰り返しても聞き疲れがしない,うま味がある,噛めば噛むほど味があるメロディ”と“奥行きがあるけれどシンプル”なメロディを用意することが大事なんじゃないかと思います。
4Gamer:
“奥行きがあるけれどシンプル”というのはディープですね。最後に,読者へのメッセージをお願いします。
西木氏:
これだけ豪華なメンバーの中で,僕らしいバトル曲とは何だろうと考えながら作りましたので,楽しんでいただければ嬉しいです。
4Gamer:
ありがとうございました。
古代祐三氏
4Gamer:
よろしくお願いします。まずはサントラに収録された「Sunny Days Battle」を作曲する際の苦労と,聞きどころについて教えてください。
古代氏:
苦労はとくにありませんでしたね。聞きどころは,打ち込みをまったく使っていない,フル生演奏であるところでしょうか。
4Gamer:
古代さんが手がけられてきたFM音源と,今回のバンドによる生演奏の違いや魅力について教えていただけますか?
古代氏:
どちらもそれぞれの良さと面白みがあるので好きですね。FM音源は自分でマニピュレートしてゲームらしいサウンドを作れますし,生演奏はグルーヴ感や音の厚みがありますから。
4Gamer:
「ラクガキ キングダム」はスマートフォン向けRPGで,とくに若い層が手に取るゲームだと思います。曲作りの際にそうしたところは意識されましたか?
古代氏:
まったく意識はしていません。いつもどおり,ゲームと向き合って曲を作っただけですね。
4Gamer:
読者に向けてメッセージをお願いします。
古代氏:
いろいろな作家さんが集まり,さまざまな曲が収録されています。それぞれの持ち味を,ゲームと一緒に楽しんでください。
4Gamer:
ありがとうございました。
下田 祐氏
4Gamer:
よろしくお願いします。新型コロナウイルスが流行していますが,サントラ作りに影響はありましたか?
下田 祐氏(以下,下田氏):
曲自体は緊急事態宣言や自粛がスタートする前に8割がた完成していました。リリースが遅れてしまったので,自分の担当曲については自粛期間中に相当手直しを入れられました。例えば,バトル曲については50回くらいミックスをやり直しています。
4Gamer:
今回はたくさんのゲストコンポーザーが参加されていますね。
下田氏:
サウンドディレクターとして,これだけのメンバーをまとめることができるのかと思いましたね。作業の中では,桜庭さんが私の曲を参考にフルート演奏を入れてくださるということもあり,1人のファンとして嬉しかったです。
4Gamer:
前作は家庭用ゲーム機のPS2で発売され,腰を据えて遊ぶゲームでした。今回はスマートフォン用となり,外出先や隙間時間で遊ばれることが多いと思います。こうした違いは意識されましたか。
下田氏:
意識はしていますね。家庭用ゲーム機のRPGよりも1曲のループを短く作っています。ただ,スマートフォンゲームとしては1プレイの時間が長いため,そこまで極端に短いというものではありません。ゲストコンポーザーの皆さんにお願いしたバトル曲は例外で,これは最初に曲を上げてくださった桜庭さんにプログレッシブな曲調で好きにやってくださいと依頼していたこともあって,ほかの皆さんも桜庭さんの曲を参考に,我も我もと2ループ目で違うアレンジやソロパートを入れるようになり,結果としてバトル曲は長めで技巧的になっていった気がします。
4Gamer:
担当曲で苦労されたのはどういった点でしょうか。
下田氏:
メインテーマとバトル曲各種ですね。メインテーマは“ラクガキが戦う”というアウトラインとパレット・ツリーのイメージイラストを参考に,霜月はるかさんの透明感あふれるコーラスとアイリッシュなテイストを組み合わせ,2〜3か月かけて10曲くらいのプロトタイプを作りました。
バトル曲はもっと時間がかかりましたね。自分たちの世代がRPGの戦闘曲を作ると,伊藤さんや古代さんを意識しがちです。ただ,今回はお二人ともゲストコンポーザーとして参加されますし,ほかの方もそうそうたる顔ぶれでしたから,皆さんと曲調が被らない方が良いのではとゲームプロデューサーにも言われていました。結局,自分らしさを出すしかないということになり,得意分野である70年代のプログレやブリティッシュロックを取り入れたジャズ・ロックになりました。RPGのバトル曲といえばマイナー調が多いですが,明るさとオシャレさ,バトルの熱量を兼ね備えた面白い曲になったと思っております。ゲストも豪華で盛りだくさんな内容となっておりますので,ゲームやサウンドトラックCDでぜひ聴いていただきたいです。
4Gamer:
ありがとうございました。
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