イベント
「ネオロマンス・フェスタ 遙か二十年《鬼》祭」昼の部レポート。初代・鬼の一族が集結した宴のアーカイブ配信は4月11日まで
2020年に20周年を迎えたコーエーテクモゲームスの「遙かなる時空の中で」(以下,遙か)。そのアニバーサリーイヤーの最後を飾るイベント「ネオロマンス・フェスタ 遙か二十年《鬼》祭」が,2021年4月4日に開催された。本イベントは,新型コロナウイルス感染拡大後初の有観客公演となり,現地では龍神の神子(プレイヤー)が安心して宴に参加できるよう徹底した対策が行われていた。ライブ配信も用意されていたため,遠方の神子たちも気軽に参加できたのも嬉しいところだ。
「遙か二十年《鬼》祭」は,神子たちと対立した鬼の一族が主役となる異色のイベントで,2017年以来2度目の開催となる。初代・鬼の一族全員集合,森村天真(関 智一さん)&ラン(桑島法子さん)の兄妹が初共演など,神子たち感涙の昼の部の様子をレポートしていく。
■イベント概要
「ネオロマンス・フェスタ 遙か二十年《鬼》祭」
【キャスト】
置鮎龍太郎(アクラム役)
石井康嗣(イクティダール役)
川村万梨阿(シリン役)
浅川 悠(セフル役)
桑島法子(ラン役)
関 智一(森村天真役)
井上和彦(橘 友雅役)
【司会】
臼杵 寛
サービス精神豊富な鬼の一族に魅了されっぱなし
開演前のアナウンスはセフル(浅川 悠さん)とラン(桑島さん)が担当し,来場または配信で参加した神子に丁寧にイベントの注意事項を説明してくれた。敬愛するお館様(アクラム)への気持ちがついつい出てしまうセフルと,感情を封じられている故に淡々と役目をこなすランの対比が印象深い。会場の神子たちは声を出せない代わりに,ライトや拍手で返事をしていた。
オープニングはアクラム(置鮎龍太郎さん)の鬼の宴(本イベント)に誘われて参加した神子を心配して,森村天真と橘 友雅(井上和彦さん)がやってくるドラマ仕立てになっていた。
鬼たちは一緒に楽しもうという雰囲気ではなく,もともと対立しているので「邪魔をするな」と釘を刺してくる。その感じが,作品の世界観に合っていてニヤニヤしてしまった。
置鮎さんはアクラムの姿,浅川さん,シリン役の川村万梨阿さんも和風のモダンなスタイルと,キャラクターを意識した衣装なのもステキだった。
敵である鬼の宴に参加するという,ちょっと悪いことをしている気分になっていた筆者だが,最初のコーナーがパラレルドラマ「ぱられる遙か幼稚園 〜アクラム先生奮闘記・その1〜」だったことで,そんな気持ちは一気に吹っ飛んだ。
幼稚園のクモ組を担当しているアクラム先生は,室内遊びの時間にランちゃんに絵本を読んであげる。しかし,いつも仮面をしているアクラム先生の素顔が気になった天真くんとシリン(川村万梨阿さん)ちゃんのイタズラによって,ある悲劇が起こって……。コミカルな内容ながら,天真から神子への想いやランの秘められた力など,「遙か」らしさを失っていないのが見どころだ。
どんな時でも園児を想うアクラム先生は素晴らしいなと,鬼の一族に心が傾きかけたところを,「ライヴコーナー 〜side 八葉〜」で一気に八葉に戻される。
井上さんが優雅な友雅らしく,関さんは天真のようにハツラツと歌い上げ,神子たちはそれぞれのイメージカラーのライトを振って声援を送る。着席状態で声を出せないと言う特殊な状況ではあるが,会場の一体感やステージに向けられる神子たちの熱量は今までのイベントと変わらないなと,見ていてジーンと来てしまった。
ライヴコーナー 〜side 八葉〜
空蝉の恋
歌:橘 友雅(井上和彦)
オオカミの涙
歌:森村天真(関 智一)
続いてのバラエティコーナー「クイズ・アクラム様に続け!」は,アクラム役の置鮎さんが答えそうな回答をほかのキャストが推理するゲーム。司会は臼杵 寛さんが担当し,司会台にはアクラムの相棒(?)である黒麒麟も登場した。
最初の問題「入れ替わってみたい『遙か』キャラは?」は,ネオロマンスイベント公式Twitterにて事前に行われたアンケートで神子たちに選ばれたものだ。関さんが「劇場版 遙かなる時空の中で 舞一夜」に登場したオリジナルキャラクターについて話し,置鮎さんが「多 季史」と正確な名前を答えたり,桑島さんから帝やイノリの子分の名前が飛び出したり,キャスト陣の作品愛が感じられるトークがファンとしては嬉しかった。置鮎さんのヒントから,答えを導くイクティダール役の石井康嗣さんの推理力にも注目だ。
ほかにも「アクラムの1番好きなところ」で置鮎さんがアクラムの高笑いでアドリブを入れていることが明らかになったり,八葉と思われる匿名Eさんにまつわる問題が出されて盛り上がったり,いろいろな裏話も満載で楽しいコーナーとなった。
ランや鬼の一族の悲劇にまつわるシリアスなドラマも
インターバルドラマでは,短いながらもランと天真の関係性が見えるシリアスな物語が展開。
さらにその後のメインドラマ「京に埋もれし鬼の系譜(ルーツ) 〜鬼の怒りのその理由〜」では,ランが京に召喚された時の様子が,初めて描かれた。ほかにも,セフルが京の人々から受けていた理不尽な仕打ちや,優しい性格でありながら大切なもののためにアクラムに従う道を選ぶイクティダール,愛するアクラムに尽くすシリンなど,それぞれの想いが改めて紐解かれ,「遙か」という作品の奥深さを改めて実感できた。
また,友雅と鬼の一族の最初の出会いや,神子と出会ったことで起きた心の変化など彼の内面がわかるモノローグは必聴だ。
鬼たちの想いを知ったメインドラマのあとに「ライヴコーナー 〜side 鬼〜」が待っていて,彼らの歌を聴くことで筆者はますます感情移入してしまった。
置鮎さんは新曲「君臨の呪歌よ,響け」 を披露し,聴いていると鬼の一族にならなければ,という気持ちになってしまう。曲の前には鬼の一族の仲間から,そのキャラクターへのメッセージが紹介される特別な演出も用意され,作品の雰囲気を感じられたのも嬉しかった。
ライヴコーナー 〜side 鬼〜
氷炎の薔薇の不幸
歌:シリン(川村万梨阿)
メッセージ:イクティダール(石井康嗣)
闇夜に孔雀の啼声を聞け
歌:セフル(浅川 悠)
メッセージ:シリン(川村万梨阿)
君臨の呪歌よ、響け
歌:アクラム(置鮎龍太郎)
メッセージ:セフル(浅川 悠)
エンディングでは八葉から神子への変わらぬ愛,鬼の一族から宣戦布告ともいえる力強いメッセージを受け取り,楽しい宴は終幕となる。
しかし神子たちからの止まぬ大きな拍手に応えて,キャスト陣が再びステージへ。キャスト陣は挨拶で有観客イベントができる喜びや,配信を見てくれる神子への感謝を話していた。また関さんと桑島さんの森村兄妹で出演できたことや,新曲として2人のデュエットソングが発売できたことに対する嬉しそうな様子を見られ,神子としては感無量だ。
最後は,鬼の一族のテーマ曲と言える「今宵,地獄の宴よ」で締めとなる。置鮎さん,川村さん,浅川さんが見事なダンスを披露し,会場の神子たちも振りに合わせてライトを揺らす。最後には石井さんと桑島さんもイベントCD「ネオロマンス・フェスタ 遙か二十年《鬼》祭」特典の《鬼》祭特製バンダナを持ってステージに現れ,鬼の一族全員に見送られて宴が終わりを迎えた。
筆者たち神子はすっかり鬼の一族に心を奪われた状態だったが,そのまま家に帰すような八葉ではない。終演後アナウンスで関さんが永泉のモノマネでお礼を言ったり,井上さんがアドリブを交えて返したり,楽しい掛け合いで八葉たちへの想いも呼び起こし,最後まで感情が揺さぶられっぱなしのイベントとなった。
夜の部も,蘭がランになった瞬間が描かれたメインドラマや,井上さんのネオロマンスイベント出演150回記念セレモニーなど,見どころ満載となっている。本イベントの配信チケットは4月10日23:59まで販売され,11日23:59まで視聴できるので,ぜひ鬼の宴を覗いてみてほしい。
「ネオロマンス・フェスタ 遙か二十年《鬼》祭」公式サイト
イラスト/水野十子
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