プレイレポート
「ロック・オブ・エイジス:メイク&ブレイク」先行体験レポート。守りを固めながら,巨岩を転がしてお互いの陣地を破壊しよう
今回発売に先駆けて,3gooのオフィスにて体験する機会を得たので,プレイフィールをお伝えしていこう。記事の最後には開発者へのメールインタビューもあるので,ぜひ最後まで目を通してほしい。
「ロック・オブ・エイジス:メイク&ブレイク」は,巨岩「ボールダー」を転がして敵の城門をブッ壊す,「ロック・オブ・エイジス」シリーズの最新作だ。第1作の「Rock of Ages」は2011年に配信されており,今年でシリーズは9周年を迎える。
開発はチリのデベロッパ,Ace Team。社名の「A」「C」「E」は創業者であるボルドゥ兄弟,アンドレ(A),カルロス(C),エドゥムンドゥ(E)の頭文字から取られている。
3兄弟は,伝説のコメディグループ「モンティ・パイソン」をこよなく愛しており,「ロック・オブ・エイジス」シリーズでも,ブラックなジョークやテリー・ギリアム風の切り絵アニメーションがふんだんに取り込まれているなど,影響が見られる。
前述のとおり,本作は,ボールダーを転がすアクションゲーム的なモードと,防衛兵器を配置して,自陣に侵入してくる敵の岩を破壊していくタワーディフェンスのようなモードを楽しめる。
ボールダーを転がして遊ぶのが「タイムトライアル」「障害物コース」「スキーホルダー」「ハンプティダンプティ」モードだ。
タイムトライアルはレースゲームのようにコースを走破した時間を競い,障害物コースはランダムに配置された障害物を避けていく。スキーホルダーはコースの最後にある的に着地して点数を競うのだが,場所によってスコアに倍率がかかるので,いい位置に落としたいところだ。
ボールダーは巨大でいろいろなものをぶっ潰せる。防衛施設はもちろんのこと,たまたま居合わせた民衆が巻き込まれることもあって笑えてしまう。スピードを上げれば上げるほど破壊力は増していくが,慣性がついて小回りが利きにくくなる。スピードを上げた状態で急カーブにさしかかった際は,勢いのついたボールダーを必死に操作する必要があり,本作ならではのドキドキを味わえる。
ボールダーには複数の種類があり,重さや材質などが異なる。各モードで好成績を修めるとアンロックされるため,好みのボールダーを探していくのも一つの楽しみ方だ。
変わったモードとして存在感を放つのがハンプティダンプティだ。その名の通り,ボールダーではなく“卵型のおっさん”であるハンプティダンプティを操作するのだが,少しでもミスすると割れてしまうため,慎重な操作が求められる。見た目は図太そうだが繊細なおっさんを手厚く保護しないといけないわけで,そのギャップが面白い。
敵のボールダーを迎え撃つタワーディフェンスのようなモードが「雪崩」だ。プレイヤーは,コースの途上に防衛施設を配置し,敵ボールダーから自軍の城門を守ることになる。
基本的には,まず城壁などの障害物を築き,ボールダーの速度を遅くしたところに,投石機やギロチンを配置して耐久力を削っていく。マップを把握し,狭い道に防衛施設を集中するなどの戦略が求められるわけだ。自分がボールダーで走った際にどうされると困るかを想像しつつ,曲がり角に進路を変える「踏み台の罠」を置くといったイヤらしいセッティングをするのが楽しい。
もちろん,敵ボールダーは容赦なく転がってくるため,ある程度先のことを考えて操作しなければならない。慌てて防衛施設を目の前に置いても,建築が終わるまでに通過されると簡単に潰されてしまい,建設費用が無駄になる。コースを把握したうえで,余裕を持って戦略を立てるのが理想だが,そうはいかないジレンマがこのモードの面白みでもあるのだ。
そして,ボールダーを転がすテクニックと,防衛施設を配置する戦略性という本作の総合的な力を求められるのが「戦争」モードである。
自分のボールダーを転がして敵陣へ攻撃しつつ,敵のボールダーを防衛施設で迎え撃たなければならない。また,ボールダーは連発できるわけではなく,1つ使うと,次の弾の準備に時間が必要だ。その間に防衛施設を整えておこう。
戦争では,ローカルでの2人協力プレイも可能だ。1Pと2Pの権限に差はなく,どちらもボールダーを転がしたり,防衛施設を配置したりできる。ボールダーの数や所持金は互いに独立しているため,1Pと2Pが同時にボールダーを出し,合計2つの巨岩で敵の城門を攻撃することもできるし,2人同時に防衛施設を置くことでより強固な守りを築くことも可能だ。
ソロプレイの時とは違い,味方ボールダーの妨げになりそうな施設や,敵の銀行を優先して潰すというように,仲間と連携を図った動きができるのが非常に面白かった。
なお,本作ではユーザー自身がマップをエディットすることが可能だ。発売後はユーザー同士がどんなマップを作って対戦が行うのかにも注目したいところだ。
最後に,Ace Teamのプロジェクトリード/ゲームデザイナーであるアンドレ・ボルドゥ氏へのメールインタビューを掲載し本稿の締めとしよう。本作の魅力や成り立ちについて語ってもらえた。
4Gamer:
まず,シリーズ初体験の読者に向けて,ゲームの面白さや見どころを,改めて教えていただけますか。
アンドレ・ボルドゥ氏(以下,ボルドゥ氏):
このゲームは,防衛施設を配置する戦略要素と,ボールダーを操作するアクションを楽しく組み合わせています。破壊可能なオブジェクトが存在する環境で,巨大なボールダーがクールな物理作用をもって転がるんです。
プレイしていて楽しいし,あらゆる種類のプレイヤーにアピールすることができます。また,ユーモアに溢れた非常に軽快でおバカな要素もこのタイトルに独自のアイデンティティをもたらしています。
4Gamer:
本作は「モンティ・パイソン」のテリー・ギリアム的なビジュアルとアートワークが印象的ですが,これをゲームに活かそうと考えたきっかけを教えてください。
ボルドゥ氏:
「ロック・オブ・エイジス」の前はもっとニッチなタイトルを作っていたんですが,カジュアルなゲームを作ってみたいと思ったことがきっかけですね。
私たちは,ゲーム業界では使われていないようなインスピレーションの源を探すことに常に興味を持っています。そして,カジュアルなゲームを作ろうと思った際「子供の頃に大好物だった『モンティ・パイソン』の映画やTVにおける,不条理なユーモアやテリー・ギリアムの切り絵アニメーションがテーマになるのではないか」と考えたんです。
こうして作られた「ロック・オブ・エイジス」は結果的に成功を収めました。おかげさまでコミュニティからも高い評価をいただきましたので,以後シリーズとして続編を作っています。
4Gamer:
本作は,巨大な岩が建物や敵を壊す様子が爽快なタイトルだとプレイして感じました。また,岩から自分の城を守るために,RTSの要素が組み合わさっているのも印象的です。巨岩を転がすことをゲームにしようとしたきっかけと,RTSを組み合わせる発想がどこから出てきたのかを教えてください。
ボルドゥ氏:
ゲームのアイデアを探している間,私たちはパイソネスク(「モンティ・パイソン」独特の不条理さを表した造語)の世界観と,中世の戦争に関連したコンセプトがほしいと考えていました。それというのも,「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」(※)が特に大好きだったからです。
当時は「完全にオリジナルなアプローチで,もっとカジュアルで,しかもこれまでにないものを!」というコンセプトのもとで進めていたんですが,そのやり方は大ざっぱで,紙にアイデアを落書きするようなものでした。「ロック・オブ・エイジス」のきっかけになったのは,私の双子の弟であるカルロスが紙ナプキンに描いたラフなスケッチですね。“小さな山のてっぺんに大きな岩があり,その両端にお城がある”という光景なんですが,このアイデアをさらに発展させていき,現在のスタイルを作り出したんです。
※聖杯を探すアーサー王たちの冒険を描くコメディ。正確な歴史考証のもと,イギリスにある本物の城を使って撮影され,重厚なビジュアルのもとでクレイジーなギャグが展開するというギャップが魅力。ゲームとも縁が深く,「ウィザードリィ」には凶暴な殺人ウサギや聖なる手榴弾など,本作から多くのネタが輸入されている
4Gamer:
開発陣が考える本作のオススメの遊び方を教えてください。
ボルドゥ氏:
「ロック・オブ・エイジス」は,一見してカジュアルなゲームであるという印象を受けると思います。確かに表層的なレベルではとてもカジュアルで,“コース上のすべてをぶっ壊しつつボールダーで転がる”という体験は,勝ち負けに関係なくエキサイティングなものです。
しかし,実際にはプレイヤーたちが腕を磨き,互いの実力を比べられるように作られているゲームであり,カジュアルでありつつ良い学習曲線があります。戦争モードでは,自分のコースを正しく守ることを学んだプレイヤーは大きなアドバンテージを得られ,経験の浅いプレイヤーを確実に打ち負かせるんです。
4Gamer:
開発中の面白かった出来事について教えてください。
ボルドゥ氏:
ゲームを調整しつつ,ほかの開発者たちと対戦するのは楽しかったですね。ぎくしゃくした試合になることもありましたが,プレイしていても,観戦していても素晴らしい体験でした。
また,QAチームとの対戦では,いつも予想外の出来事が起こって,ネタの宝庫となってくれました。我々ゲームデザインチームは,絶対に勝てるとうぬぼれていたんですが,QAチームはいくつかのユニットを悪用するかなり独創的な方法を発見し,予想もしないようなユニットの組み合わせで試合を何度もひっくり返したんです。
面白さという点では,世界中のプレイヤーがマップエディタで作成したコースを見ることも最高に面白いです。私たちが予想だにしないようなマップを作ってくれるので,いつも面白くプレイしています。
4Gamer:
日本の読者たちにメッセージをお願いします。
ボルドゥ氏:
このシリーズを日本のみなさんにお届けできることを楽しみにしています。本作にはマップを作成できる機能があるので,どんな奇抜なコースが開発されるのかが楽しみです。ぜひともプレイヤーさん同士で交流してみてください。
また,私たちは常にコミュニティとつながっています。みなさんにも,私たちと同じようにゲームを楽しんでいただきたいと思っています。
「ロック・オブ・エイジス:メイク&ブレイク」公式サイト
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ロック・オブ・エイジス:メイク&ブレイク
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