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「スーパーマリオ 3Dコレクション」を紹介。マリオ64,サンシャイン,ギャラクシーが,Switchならではの遊びやすさで楽しめる
「スーパーマリオ 3Dコレクション」は,「スーパーマリオ64」「スーパーマリオサンシャイン」「スーパーマリオギャラクシー」(以下順に,マリオ64,マリオサンシャイン,マリオギャラクシーと表記)という3Dマリオシリーズ3タイトルを1本のソフトにまとめた作品だ。そんな本作を発売前にプレイできたので,その魅力をお伝えしよう。
「スーパーマリオ 3Dコレクション」公式サイト
絵の中の世界,南の島,宇宙に浮かぶ星々……
3Dマリオの冒険の舞台は,作品ごとにがらりと変わる
ゲームを開始すると,収録タイトルの選択場面が懐かしのパッケージイラストとともに表示される。最初からすべてのゲームが選択でき,ゲーム開始後も[−]ボタンから選択画面に戻れるので,歴史を追うようにマリオ64から始めるのはもちろん,思い入れのあるタイトルやプレイしたことがないものから遊ぶのも自由だ。
ここでは,3Dマリオシリーズの歴史が詰まった「スーパーマリオ 3Dコレクション」に収録されている3タイトルそれぞれのストーリーと特徴を紹介しよう。
■スーパーマリオ64
(1996年6月23日発売 / NINTENDO 64)
遊びに来ませんか? ケーキを焼いて待ってます――ピーチ姫からのお誘いの手紙が届き,大喜びでキノコ城にかけつけたマリオ。しかし,たどり着いたお城の周囲に人影がなく,妙に静まりかえっていた。
お城に入ると,どこからかクッパの笑い声が響き渡った。取り残されたキノピオに話を聞くと,クッパは城から奪ったパワースターの力を使い,壁や絵の中に“カイブツの国”を作ろうとしており,ピーチ姫やキノコ城の住人たちを絵の中の世界に連れ去ったという。
奪われたパワースターは、絵の世界のさまざまな場所に隠されているらしい。マリオは,キノコ王国の平和を取り戻すため,不思議な世界が広がる絵に飛び込む。
NINTENDO 64のローンチタイトルとして登場した,スーパーマリオシリーズ初の3Dアクション。草原や砦,海(入り江),雪山など,おなじみのマリオの世界が3Dのコースで再現されたことや,これまでの2Dマリオになかったマリオのアクション,コース数の多さなど,シリーズ初の3Dアクションとは思えない完成度の高さやボリュームで好評を得た。
2004年12月には,グラフィックスやシステムの変更や新要素の追加が行われたニンテンドーDS用ソフト「スーパーマリオ64DS」が発売されている。
■スーパーマリオサンシャイン
(2002年7月19日発売 / ニンテンドーゲームキューブ)
ピーチ姫やキノピオたちとともに,キノコ王国から遠く離れたドルピック島にバカンスにやってきたマリオ。いよいよ島に到着というそのとき,飛行場の滑走路にペンキを塗り広げたような汚れがあり,一行の飛行機は急ブレーキで回避する。
救助を求めて空港を歩いていた際,よく喋る不思議な機械「ポンプ」を手に入れたマリオは,これを使って汚れを洗い流す。すると中から,不気味な怪物が出現。さらにこれを水で撃退すると汚れは消滅し,中から光り輝くスターのようなもの「シャイン」が現れた。
事態を解決した矢先,なぜか島の警察に逮捕されるマリオ。そののち裁判にかけられたマリオは,島がペンキのような汚れによって深刻な被害にあっていること。汚れによって島を守る力を持つシャインが失われたことを知る。そして,それらを引き起こすラクガキの犯人として,マリオにそっくりな人物が目撃されていることを知ったマリオは,島をキレイにし,真犯人を見つけて事件の解決するためドルピック島を冒険することになる。
オリジナル版の発売からおよそ18年で初の移植版登場となる,3Dマリオシリーズの第2弾。おなじみのキノコ王国とは雰囲気が異なる南の島が舞台であることや,マリオが警察に捕まるという衝撃的な物語の始まり方,ダッシュやジャンプではなく機械(ポンプ)の操作がメインとなるアクションなど,シリーズ作品を通して見てもなかなか独特の世界観とゲームシステムとなっている。映画のようなイントロダクションやイベントシーンも魅力だ。
■スーパーマリオギャラクシー
(2007年11月1日発売 / Wii)
百年に一度訪れる「ほうき星」をお祝いする「星くず祭」の日。パワースターのもととなる多くの星くずが大地に降りそそぎ,大きな賑わいを見せていたキノコ王国だったが,クッパの飛行船団の攻撃によって平和な雰囲気は一変する。
「新たな銀河を作る」と言い,キノコ城ごとピーチ姫をさらうクッパに抵抗する術もなくやられてしまったマリオは,気がつくと宇宙に浮かぶ不思議な星にいた。
星の子の「チコ」たちに導かれて星船「ほうき星の天文台」に向かい,謎の女性「ロゼッタ」に出会うマリオ。彼女の話によると,ほうき星の天文台の力であるパワースターが星くずとともに流れ落ちてしまい,それを拾ったクッパが宇宙を渡る力を手に入れたという。
マリオは王国と星々の平和を取り戻すため,広大な宇宙に散らばるパワースターを集める冒険に出発する。
Wiiリモコンとヌンチャクを使った,Wiiならではのアクションが特徴の3Dマリオシリーズ第3弾。お祭りの幸せそうな雰囲気が一転し,クッパの飛行船団の砲撃により街に炎と黒雲があがる衝撃的なプロローグといった映画的な演出のイベントシーンや,シリーズ初となるオーケストラによる楽曲,美しいグラフィックスで表現された宇宙空間などが,宇宙という壮大なテーマのストーリーをさらに盛り上げてくれる。
2010年5月には,“もう一つの星くずの物語”を描く「スーパーマリオギャラクシー2」がWii向けに発売された。
マリオは,ハチのような種族が暮らす緑にあふれる星や,巨大な岩石の星でできた堅固な要塞,お化け屋敷のような洋館が建てられた不気味な星など,形状や大きさもさまざな星々の間を飛び回って冒険する。マリオ64やマリオサンシャインに比べると一本道となったが,スターリングを潜って星々を飛び回る移動方法や,上下左右さまざまな方向にかかった重力が重要となるアクションが,3Dマリオの新たな魅力を打ち出した。
各タイトルのゲームの進め方とアクションを紹介
ここからは,各タイトルの基本的なゲームの進め方と,それぞれの特徴となっているアクションを紹介しよう。
基本的なゲームの進め方は共通しており,拠点となる場所でコースを選択し,マリオファンにはおなじみパワースター(マリオサンシャインではシャイン。以下,まとめてスターと表記)を手に入れることが主なクリア条件となる。スターを一定数集めるといった特定の条件を達成すると次のエリアが開放され,新たなコース挑めるといった流れだ。
マリオ64 |
マリオギャラクシー |
マリオ64とマリオサンシャインは,1つのコースにはいくつかのスターが隠されており,同じコースに数回トライしてそれを集めるという“箱庭探索型”の3Dマリオだ。目標のスターが違えば赴く場所や倒す敵,攻略法などが変わるため,同じコースで何度も新たな感覚で楽しめるのが特徴となっている。
マリオギャラクシーは決められたコースを突破していくというおなじみの“コースクリア型”。複数のコースがあるもの,単体のパズルや特定のチャレンジ要素のあるものなど,エリア(ギャラクシー)の種類もさまざまだ。
マリオ64では“キノコ城のあちこちにある絵画や物に飛び込む”。マリオサンシャインは“街の壁や柱などにあるペイントに吸い込まれていく”。マリオギャラクシーでは“ほうき星の天文台から目標の星に向かって飛んで行く”といったように,コース選択時の演出も作品のテーマにあったものとなっているのも注目だ。
マリオ64 |
マリオサンシャイン |
マリオのアクションは作品によって独特の要素が追加されている。マリオ64では,2Dマリオでおなじみの踏みつけ以外に,パンチやキック,ボディアタックといった攻撃方法が加わった。テンポよくジャンプをすることで行える「三段跳び」やマリオの両側にある壁を蹴って上に行く「壁キック」など,ジャンプ一つとってもその種類はさまざまで,それらの多くはのちの3Dマリオの定番アクションとなっている。
ある条件をクリアすると,マリオが一定時間パワーアップする,「ぼうしアイテム」が手に入るブロックが出現。ぼうしアイテムは3種類あり,それぞれ入手することで,三段跳びや大砲で打ち上げられると空を滑空できる「はねマリオ」,金網や一部の壁をすり抜ける「スケスケマリオ」,敵を弾き飛ばしたり海底を歩いたりできる「メタルマリオ」に変身でき,その効果はもちろんそれぞれ異なるアクションが楽しめるようになる。
マリオサンシャインでのアクションの特徴と言えば,ノズルを切り替えてポンプのさまざまな機能を活用するところ。放水して敵を攻撃したり汚れを洗い流したりする「ノーマルノズル」や,水を下に噴射することで一定時間だけ宙に浮く「ホバーノズル」などを場面ごとに使い分けることが,コースクリアの鍵となる。
ゲームを進めていくとポンプの新機能が使えるようになり,さらにおなじみのヨッシーも登場する。ポンプの使い方がメインとなるためマリオ自身のアクションは少なく,マリオシリーズおなじみの変身アイテムもないが,その分ポンプを使ったこれまでにない謎解きや強敵との戦いが楽しめるのがマリオサンシャインの魅力だろう。
Wiiリモコンとヌンチャクを使ったアクションが特徴だったマリオギャラクシーは,マリオの操作以外に,Wiiリモコンでポインターを当て,コースのあちこちにあるスターピースを集めたり,手に入れたスターピースを敵にぶつけて攻撃したりできた。
Switch版ではそれがJoy-Conの両手持ちで再現されており,右のJoy-Conでポインター操作が可能だ。Wiiリモコン2つでできた2人協力プレイも,Joy-Conのおすそ分けで楽しめるようになっている。もちろん携帯モードでも遊べるようになっており,ポインターはタッチスクリーンで操作が可能だ。
ポインターを合わせて,はらぺこチコにスターピースをあげる。携帯モードのタッチスクリーンの操作はなかなか爽快だ |
重力によって上下が変わった際の左右の移動には注意。Joy-Conでの操作性は上々で,逆さになってもそこまで操作に戸惑うことはないはず |
マリオ自身のパワーアップ要素がなかったマリオサンシャインから一転,豊富な変身アイテムがあるところも特徴の1つ。一定時間だけ空を飛び,特別な壁に張り付いて移動もできる「ハチマリオ」,バネが巻き付いたような姿になり,高いジャンプが可能となる「バネマリオ」,3Dマリオ待望の登場となった「ファイアマリオ」など,姿はもちろんその特徴もそれぞれ異なる。宇宙を飛び回り,あらゆるアイテムを駆使してさまざまなしかけを解き,パワースターを集めよう。
さて,Switchでの操作に最適化されているものの,もとの作品が10年以上前ということもあり,現在の3Dアクションに比べてカメラ制御やマリオ自体の操作が難しいと感じることも多いだろう。
とくにマリオ64やマリオサンシャインは元々難度が高い作品のため,初めての人はもちろん,久しぶりに遊ぶ人も苦戦することになるはず。その分,難しいコースをクリアしたときや強敵を倒したときに得られる達成感は格別なものがある。くじけず何度もトライし,難関を突破しよう。
マリオ64の水中のコースは,上下左右の移動はもちろんカメラ制御もひと癖あり,目的に向かって泳ぐのがなかなか難しい |
携帯モードの際は本体を左右に傾けて操作する,マリオギャラクシーのウォータースライダーのコース。こちらも慣れが必要だ |
アクションの動きやイベントの演出,マリオやその仲間,敵などの細かな表情や仕草などが丁寧に描かれているところも3Dマリオシリーズの注目すべきところだろう。高解像度になったことで,そんな細かなこだわりの部分を楽しみやすくなったのも嬉しいポイントだ。
また,3タイトルのサウンドトラックが収録されており,ゲームと同じくメニュー画面で選択できる。ゲーム画面を消して音楽だけを流す「画面オフ再生」にも対応しているので,Switchを音楽プレイヤー代わりに楽曲を聴くことも可能だ。
Joy-ConやTV,テーブル,携帯の各モードに最適化された操作性や,HD画質となったグラフィックスなど,オリジナル版の雰囲気をSwitchならではの遊びやすさで体験できるのが「スーパーマリオ 3Dコレクション」のなによりの魅力。タイトルごとに異なる特徴を持つアクションや演出,グラフィックス,音楽で3Dマリオの歴史に触れながら,3Dマリオの名作を楽しもう。
「スーパーマリオ 3Dコレクション」公式サイト
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