紹介記事
PS4用日本語版「トレイルメーカーズ」を紹介。乗り物作りに特化した,新しいスタイルのクラフトアクション
さまざまなパーツを自由に組み合わせて,車や飛行機,船などの乗り物を作って楽しむ,新しいスタイルのクラフト要素を持ったサンドボックスゲームだ。
「トレイルメーカーズ」公式サイト
“乗り物作り”に特化したサンドボックスゲーム
自分好みの車や飛行機,船を作り,自由に乗り回そう
サンドボックスゲームで「なにが“ビルド”できるか」「なにが“クラフト”できるか」といった要素は,作品によってさまざまあるが,本作はビルドやクラフトの対象が“乗り物”に特化しており,ゲームデザインもそれに則ったものとなっている。
作れる乗り物は車や飛行機,船などがあり,感覚としては,古くからあるモーター付きのブロック玩具を組み立てるようなイメージに近い。例えば車なら,プレイヤーキャラクターが乗る運転席を置き,ブロックでボディを作り,エンジンなどの推進機構を載せ,タイヤを付けるという流れで組み立てていく。
物理演算に基づいており,乗り物が完成してもマシンのバランスが悪いと動かない場合もある。三角形のブロックで空気抵抗を減らしたり,重量のあるブロックでバランスを取ったりといった要素もあるので,細かく調整しながら正しく動くよう,乗り物を一から作り上げていくのが楽しい。色変更や装飾パーツによってよって見た目も変えられるので,凝り性のクラフト好きなプレイヤーなら,かなりのめり込めるだろう。
正しく動作する乗り物を作るために,ある程度の組み立て方を頭に入れる必要はあるが,キャンペーンモードのチュートリアルをプレイすれば一通りは身に付く。パーツが揃っていれば「設計図」を使って自動で組み立てられるので,難しくて分からなくなることは少ないはずだ。
ここからは,キャンペーンモードの「宇宙で迷子」を紹介したい。
舞台となるのは未知の惑星。宇宙船の事故により不時着したプレイヤーは,星から脱出するための宇宙船を組み立てるべく,パーツを内包した「スペースデブリ」を探す旅に出る。
惑星は徒歩で移動するにはあまりに広大だ。まずは,手元にあるいくつかのパーツを使って,最初の足となる乗り物「バンパーカー」を組み立てよう。
設計図で最初に作れるバンパーカー。パーツを正しい場所に設置していく |
一気に惑星の移動が楽になった。散らばったスペースデブリを集めよう |
惑星上にはスペースデブリが散らばっていているが,そのままでは使うことができず,要所にある「リカバリードローン」までそれを運び,中身を回収しなければならない。プレイヤー本人では運ぶことができないため,作った乗り物をうまく使って回収ドローンまで持っていく必要がある。
小さなものは最初に作ったバンパーカーでも容易に運べるものの,その大きさや落ちている場所などによって,乗り物をアップデートしたり,別の乗り物を用意したりしなければならない。
隕石のようなスペースデブリ。近くにあると左下のセンサーが反応し,近づくと何が内包されているかも分かる |
リカバリードローンに持っていくと,パーツがアンロックされる |
マップは行ったところの周囲がオープンしていく。リカバリードローン間でファストトラベルが可能 |
入手できるパーツの中には「パワーコア」というものがあり,これが乗り物の燃料や電力としての役割を果たす。推進機構のエネルギーやガジェットの電源などにも使われ,これが足りないと動作しないパーツもあるため注意が必要だ。
乗り物に新しいパーツを付けてアップデートしたり,新規の乗り物を作ったりすることで,これまで行けなかったところに行けるようになる。新しい乗り物を手に入れることで入手できるようになるスペースデブリもあるので,乗り物を作ったら,目的地以外も移動していろいろ試してみるといいだろう。
最初の島では,水陸両用車のパーツが集まる。これを作って海を渡るのだ |
「水中プロペラ」と「ダイビングベル」を使えば,水中を走れる車両も作れる |
バンパーカーのバンパーの部分にブロックを足して“コ”の字にすることで,ブルドーザーのようにパーツをキャッチして運びやすくなる。ブロックでクレーンのようにアームを組めば,高いところに置かれたパーツを回収できるようになる……など,パーツは組み方の工夫次第で思わぬ成果を得られることがあり,これが本作の面白さの1つとなっている。
ちょっと考えてうまくいったときの充実感は格別で,意外と勢いで何とかなることもあり,このあたりのレベルデザインは絶妙だと感じさせられた。
クワガタのツノのようにブロックを使っているだけだが,運搬がかなり楽になる |
上に突き出すアームを付けて,岩の上に乗ったスペースデブリを押して落とすのだ |
大きなスペースデブリを運ぶとき,パワーが足らなければエンジンを足してみよう |
揚力を生む翼のパーツをつけて,グライダーのように滑空し,ジャンプで届かない場所に行く |
パーツがある程度集まってくると,作れる乗り物の種類が増えていく。設計図を開けば,パーツを組み替えてほかの乗り物にするのも簡単だ。
組み立て作業やパーツ追加などの履歴が残り,気に入った乗り物は保存も可能となっている。
方向キーの「変形スロット」に割り当てておけば,瞬時に変形させることも可能だ。これがなかなか気持ちよく,シチュエーションに合わせて変形させることで探索の効率も上がるので,お気に入りの乗り物を設定しておこう。
変形スロットを使うと,素早く別の乗り物に変形させられる |
可動するパーツは,どのボタンで動くのか,動く速度と範囲などが細かく設定できる |
筆者がプレイしたパーツ収集度60%程度の範囲では,フィールドに敵が出てくることはなく,やることと言えばマップの探索とパーツ集めくらいだ。好みによっては少し退屈に感じるかもしれないが,筆者は黙々とパズルを解いていくような感覚があって十分に楽しめた。
惑星には,火山や森林,水辺など,さまざまなスポットがある。マグマは普通のタイヤでは壊れてしまうが,パーツ次第で渡ることもできそうだ |
バイクのコクピットをベースに4輪バイクを作ってみた。試走したところ操作が難しく,調整が必要なようだ |
ほかにも,「ラリー」「レース」「サンドボックス」という3つのモードがある。
「ラリー」は,パーツを組み合わせて作ったマシンを駆り,ゴーストカー相手にさまざまなレースを転戦していくというもの。ブロンズ・シルバー・ゴールドのマシンよりも速くゴールすると,成績に応じて報酬がもらえる。
マシンはプリセットで用意されるもののほか,それを手持ちのパーツでチューンしたり,一から作ったりしたものにも乗れる。使えるのは手持ちのパーツのみ。レースごとにパワーコアの上限が異なるので,どんなマシンを作り,どのエンジンを載せるかを考えながらレースに挑もう。
報酬で手に入れたゴールドはパーツの購入や,レースのアンロックに使用する。レースのアンロック時に新たなパーツが手に入ることもあるので,より良いレース結果を残すため活用するといいだろう。
「レース」では,さまざまなコースで世界中のプレイヤーとタイムを競ったり,マルチプレイで対戦したりできる。最初から全てのパーツを使えるので,自分好みのマシンを自由に作り上げてレースを楽しもう。
同じく最初から全パーツが使えるのが「サンドボックス」。自由にクラフトが楽しめるモードなので,乗り物の作り方を練習したり,複数のプレイヤーで自由に遊んだりといった楽しみ方が可能だ。
作った乗り物の設計図を投稿できる「ギャラリー」では,自身のマシンを公開できるだけではなく,ほかのプレイヤーが投稿した設計図をダウンロードすることも可能だ。
今回は発売前の試遊のためあまり体験できなかったが,多くのプレイヤーが自慢の完成度を誇る乗り物や個性的なマシンの設計図を公開すると考えると楽しみが尽きない。筆者もリリース後にあらためてキャンペーンモードを進めてパーツのコンプリートを目指しつつ,投稿作品を眺めて楽しもうと思う。
乗り物に特化している点で好き嫌いは分かれると思うが,モノづくりと乗り物が好きな人なら何時間でも没頭できる面白さがある。キャンペーンやレースなどで目的にあった乗り物を作るもよし,自分好みの見た目にこだわったマシンを組み立てるのもよし。個性豊かな乗り物をたくさん作り,自由に乗り回そう。
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