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印刷2022/05/20 17:00

テストレポート

ゲームパッドが使いやすくなった小型ゲームPC「AYANEO NEXT Pro」。発売直前の実機をチェック

 中国深センを拠点とするPCメーカー AYANEOが開発するゲーマー向け小型PC「AYANEO NEXT」が5月21日に国内発売される。本製品は,搭載CPUにAMDの8コア16スレッド対応モデル「Ryzen 7 5825U」を採用することで,既存製品の「AYANEO 2021」と比べて,性能向上を実現したのが特徴だ。また,筐体デザインを一新しており,背面の左右端をグリップ形状とすることで両手で持ちやすくなったのもポイントである。
 今回は,国内発売に先駆けて,AYANEO NEXTの上位モデルである「AYANEO NEXT Pro」を入手したので,既存製品との比較を含めて,特徴を紹介したい。
 
AYANEO NEXT Pro
メーカー:AYANEO
税込価格:17万9980円
画像集#001のサムネイル/ゲームパッドが使いやすくなった小型ゲームPC「AYANEO NEXT Pro」。発売直前の実機をチェック

AYANEOのAYANEO NEXT製品情報ページ


 初めに,AYANEO NEXTのラインナップについて,簡単に説明しておこう。AYANEO NEXTは,メインメモリ容量と内蔵ストレージ容量が異なる2モデルをそろえる。ベースモデルであるAYANEO NEXTは,メインメモリ容量が16GBで,内蔵ストレージ容量が1TBだ。これに対して,上位モデルのAYANEO NEXT Proは,メインメモリ容量が32GB,内蔵ストレージ容量が2TBとなっている。
 それ以外の違いはないので,単純にゲームなどのデータをたくさん保存したい場合はAYANEO NEXT Pro,そうでなければAYANEO NEXTといったように選ぶといいだろう。それぞれのスペックをまとめたのが以下のとなる

表 AYANEO NEXTの主なスペック
AYANEO NEXT Pro AYANEO NEXT
CPU Ryzen 7 5825U(8C16T,定格2GHz,最大4.5GHz,共有L3キャッシュ容量16MB)
メインメモリ LPDDR4x 4266MHz 32GB LPDDR4x 4266MHz 16GB
GPU Radeon Vega 8(統合GPU)
ストレージ SSD(容量2TBPCIe x4接続)×1 SSD(容量1TBPCIe x4接続)×1
ディスプレイ 7インチH-IPS液晶,解像度1280×800ドット,60Hz表示,タッチ対応
無線LAN Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)
有線LAN 非搭載
Bluetooth 5.2
公称本体サイズ 267(W)×112(D)×30(H)mm
公称本体重量 約720g
OS 64bit版Windows 10 Home
直販価格(税込) 17万9980円 15万3800円


筐体デザインを一新して,既存製品よりも一回り大きく


 冒頭で触れたように,AYANEO NEXTは,AYANEO 2021から筐体デザインが大きく変更となった。形状に加えて,本体サイズも一回り大きくなっている。互いの製品を比べて見るとその差は一目瞭然だ。

 AYANEO NEXTの本体サイズは,実測で267(W)×111(D)×30(H)mmであり,小型ゲームPCの中では大きめの部類となる。
 
AYANEO NEXT Pro(左)とAYANEO 2021 Pro(右)のサイズ比較。横幅はAYANEO NEXT Proのほうが1.2mm長い
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グリップ部分を除いた本体の厚みはそれほど変わらない
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 本体サイズが大きくなった分,重量も増えてしまった。AYANEO 2021の重量が実測で約650gに対して,AYANEO NEXTは約720.5gとかなり重く,手にしてみるとかなりずっしりとした手応えを感じる。AYANEO 2021でも長い時間ゲームをプレイすると,支える手が疲れていたが,AYANEO NEXTはそれ以上だ。

 重量増を考慮した対策なのかもしれないが,AYANEO NEXTでは,背面の左右端をグリップ形状に変更している。カーブがしっかりとついているので,指がかかりやすく持ちやすい。サイズ感と合わせて,競合製品の「ONEXPLAYER mini」と似た印象を受けた。
 
背面の左右端をグリップ形状としている
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背面が平坦なAYANEO 2021 Proと比べると違いがよく分かる。指がかかるので安定して本体を保持しやすくなった
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 インタフェース類は,ディスプレイの奥側にUSB 3.2 Gen 2 Type-Cポートと4極3.5mmミニピンヘッドセット端子,音量調整ボタン,[電源]ボタンを配置する。

ディスプレイ奥側。USB 3.2 Gen 2 Type-Cポートと4極3.5mmミニピンヘッドセット端子,音量調整ボタン,[電源]ボタンを搭載する
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電源ボタンには指紋センサーを内蔵する
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 [電源]ボタンは,指紋センサーを内蔵しているのが見どころで,Windows Helloによる生体認証が利用可能だ。キーボードを搭載しない小型ゲームPCでは,Windowsのログイン時にいちいちパスワードやPINを入力するのが面倒なので,指紋センサーの搭載はありがたい。
 手前側の側面にも,USB 3.2 Gen 2 Type-Cポートを備える。
 
ディスプレイ手前側はUSB 3.2 Gen 2 Type-Cポートのみだ
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 USB 3.2 Gen 2 Type-Cポートは,どちらもDisplayPort Alternate Modeによる映像出力と,USB Power Deliveryに対応するのがポイントだ。AYANEO 2021と比べると,USB Type-Cポートが1基減っている点が少し残念ではある。ただ,本機にUSB接続の機器を接続したいという場面は,そう多くはないだろうから,デメリットとはなりにくいだろう。
 なお,AYANEO NEXTは,本体の形状が異なるため,既存のAYANEO専用クレードルを装着できない点に注意したい。AYANEO NEXTにマウスやキーボードといった周辺機器を複数接続したい場合は,Bluetoothを利用するか,市販のUSBハブを用意する必要がある。
 
 搭載するディスプレイパネルは,AYANEO 2021と同じ7インチサイズで,解像度1280×800ドットのH-IPS液晶パネルだ。色域やピーク輝度といったスペックも同一である。パネルの発色は自然で,視認性は十分だ。
 
AYANEO NEXT Proのディスプレイ。AYANEO 2021と同じスペックで,輝度が明るめになっている
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 斜めから見ると少し色が変化するように感じられるものの,使うときはディスプレイを真正面から見ることになるので気にならないだろう。

本体の角度を変えて,視野角による表示の変化を確認したところ。斜めから見ると少し色が変化するものの,実際に利用する上で影響は少ない
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さらに使いやすさが向上したゲームパッド


 AYANEO NEXTにおける強化点として特筆したいのが,ディスプレイ左右に搭載するゲームパッドだ。と言っても,左奥に左アナログスティック,右手前に右アナログスティックを備えたXbox風レイアウトを採用する点は,既存モデルと変わらない。

AYANEO NEXT Proのゲームパッド。ディスプレイ左側は左アナログスティックとD-Padを,右側は右アナログスティックと[X/Y/A/B]ボタンを搭載する
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 何が変わったのかというと,アナログスティックやボタンの感触だ。AYANEO 2021でもずいぶんと良くなっていたのだが,AYANEO NEXTはそれ以上に使いやすく,一般的なゲームパッドに近いものに変わっているのだ。

 たとえば,アナログスティックは,動きが軽く,なめらかになった。加えて,軸が長くなっており,細かい操作がしやすくなっている。また,AYANEOによると,センサーをホールセンサー式に変更することで,スティックを操作していなくても入力された状態になるドリフト現象を軽減したという。
 ボタン類は全体的にキーが大きくなり,ストロークが深くなっている。おそらく,本体サイズが大きくなり,筐体内部に余裕ができた影響だろう。

AYANEO 2021 Proのゲームパッドと比べてみると,アナログスティックの軸が長くなっていることが分かるだろう。また,D-Padも少し背が高くなっており,ストロークが深い
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ショルダーボタンとトリガーボタンは,倍以上大きいものに変更されており,かなり押しやすくなった
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 とくに,ディスプレイ奥側にある[LB/RB]のショルダーボタンと[LT/RT]のトリガーボタンは,ボタンのサイズがかなり大きくなり,AYANEO 2021よりも押しやすくなった。
 筆者は指が太いので,ショルダーボタンで武器を選んで,トリガーボタンで攻撃するというゲームの場合,AYANEO 2021だと指がきゅうくつに感じることもあった。AYANEO NEXTでは,これが解消されている。
 なお,トリガーボタンにもアナログスティックと同様に,ホールセンサー式のスイッチを採用しているそうだ。
 
 D-Padと右アナログスティックの下に搭載する独自ボタンは,構成が変わった。D-Padの下は,Xbox純正ゲームパッド由来の[ビュー]ボタンと[メニュー]ボタンが並ぶ。
 一方,右アナログスティックの下は,AYANEO独自の設定用ソフトウェア「AYA SPACE」の起動ボタンと,キーボードショートカットを割り当てられるカスタムキーになった。

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左側の独自ボタン。Xbox純正ゲームパッドの[ビュー]ボタンと[メニュー]ボタンを配置する
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右側の独自ボタン。大きいほうがAYA SPACEの起動ボタンで,小さいほうがカスタムキーだ


AYANEO NEXTでAYA SPACEを使う


 ここからは,設定用ソフトウェアのAYA SPACEについて,もう少し詳しく触れたい。AYA SPACEは,今回入手したAYANEO NEXT Proにプリインストールされていないので,利用するにはAYANEO公式Webサイト(関連リンク)からダウンロードする必要があった。
 インストール後は,OSを起動すると自動的にAYA SPACEのホーム画面が立ち上がるようになる。AYANEO NEXTの場合,AYA SPACEの起動ボタンを押すとWindowsの画面に戻れる。

AYA SPACEのホーム画面。AYA SPACEの起動ボタンを長押ししても呼び出せる
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 AYA SPACEは,アプリケーションのランチャー機能や,CPUとGPU,メインメモリの使用率が分かるリアルタイムモニター機能などを備える。
 ちなみに,専用の起動ボタンを搭載することからも分かるように,AYANEO NEXT向けに最適化されているのだが,AYANEO 2021でも一部を除く,ほとんどの機能を利用可能だ。

リアルタイムモニター機能などに加えて,画面解像度の変更や空冷ファンの動作モード変更なども行える
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 AYA SPACEの言語設定には日本語もあるので,英語や中国語がわからなくても安心して利用できる。翻訳には小型PC専門店のハイビームが関わっているとのことで,一部を除いて自然な日本語になっているのもうれしいところだ。

言語設定では,日本語を含めて5種類の言語から選べる
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 AYA SPACEは,キーボードやマウスといった外部の周辺機器を使わずにさまざまな操作を行えるような工夫を盛り込んでいる。
 たとえば,AYANEO NEXTの特徴であるカスタムキーは,標準設定だとデスクトップの表示を,長押しにタスクマネージャーの起動を割り当てている。AYA SPACEでは,このほかの機能も設定できるので,とくに使う頻度の高いものを選ぶといいだろう。

カスタムキーへの機能割当
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 また,AYA SPACEの簡易メニューである「AYA Quicktool」には,特定の機能を使うショートカットを設定できる。カスタムキーに割り当て可能な機能に加えて,無線LANやBluetoothのオンとオフ,スピーカーのミュートなど最大9個まで選択可能だ。

AYA SPACEの起動ボタンをクリックするとAYA Quicktoolが立ち上がる。赤枠で囲った部分に選択した機能のショートが並ぶ
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ショートカットの設定やAYA SPACEのアシスタント画面で行う。アイコンを見ればだいたいどの機能かは分かるだろう
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 さらに,AYANEO NEXTでは,[RB/RT]ボタンとD-Padの組み合わせで呼び出せる機能もある。ただ,これはゲームプレイ時に誤操作する可能性もあるので,基本的には無効化しておいたほうがいいかもしれない。とにかく,AYA SPACEには,ゲームパッドとディスプレイのタッチ操作で,よく使う機能を賄おうという姿勢が表れているように思う。

[RB/RT]ボタンとD-Padからもタスクマネージャーやスクリーンショットといった機能を利用できる
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 なお,AYA SPACEの動作中は,左アナログスティックにマウスカーソルの操作,[RB]ボタンにマウスの左クリックが自動で割り当てられているので,ゲームパッドでの操作に慣れないという場合にも安心だ。
 
 さらにAYA SPACEでは,CPUのTDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)を20W,15W,11Wの3段階から切り替えることもできる。いくつかベンチマークソフトで確かめてみたのだが,OSを再起動しなくても即時に新しいTDPが反映されるようだ。多くの小型ゲームPCは,TDPを切り替えるには,UEFI(BIOS)での設定変更が必要で,気軽に利用できなかった。AYA SPACEを使えば,「もう少し性能を上げたい」という場面で,簡単に試せる。

TDPの変更も気軽に行える
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 ユニークな機能を搭載するAYA SPACEだが,1つ気になるのは,ソフトウェアがバージョンアップした場合の互換性だ。いまの段階でもAYANEO 2021では使えずに,AYANEO NEXTでしか使えない機能がある。AYANEOは,2022年に3つの新製品を発売すると発表している(関連記事)のだが,もしこれらの新製品でしか使えない機能が増えたら,釈然としない気持ちになりそうだ。できるだけ,多くの製品で使える機能群を拡充していってほしいところである。


AYANEO NEXT Proの性能をチェック


 ここからはAYANEO NEXT Proの性能をベンチマークテストで確かめてみよう。今回は,比較対象としてAYANEO 2021 Proを用意した。CPUを「Ryzen 7 4800U」からRyzen 7 5825Uに変更したことによって,性能にどのような影響が出ているのか確かめようというわけだ。なお,どちらの製品も,CPUのTDPは,標準設定の15Wで試した。
 
 まずは,グラフィックスベンチマークの定番である「3DMark」から,DirectX 11テスト「Fire Strike」と,統合GPU向けのDirectX 12テスト「Night Raid」,Vulkanベースのクロスプラットフォームテスト「Wild Life」の3種類を実行した。
 グラフ1は,各テストの総合スコアをまとめたものだ。ここではすべてのテストで,AYANEO NEXT Proが,AYANEO 2021 Proを下回ってしまった。

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 Ryzen 7 5825UとRyzen 7 4800Uは,同じ8コア16スレッド対応製品で,Ryzen 7 5825Uのほうが高クロックで動作する。普通はRyzen 7 4800Uの性能がRyzen 7 5825Uを上回ることは考えにくい。GPUドライバの入れ直しなどを行いつつ,何回かテストしたのだがこの傾向は変わらなかった。今のところ,原因は不明だ。
 
 次は,「CINEBENCH R23」でCPU性能をチェックした。マルチスレッドでの性能を検証する「CPU(Multi Core)」テストと,シングルスレッドの性能を見る「CPU(Single Core)」テストの結果をまとめたのがグラフ2だ。こちらはクロックが高いRyzen 7 5825Uが,順当にRyzen 7 4800Uのスコアを上回った。

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 続いては,「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」(以下,FFXIV漆黒のヴィランズベンチ)の結果だ。グラフィックス設定のプリセットで「最高品質」および「標準品質(ノートPC)」を選択し,フルスクリーンモードで実行している。結果をまとめたのがグラフ3だ。

画像集#029のサムネイル/ゲームパッドが使いやすくなった小型ゲームPC「AYANEO NEXT Pro」。発売直前の実機をチェック

 AYANEO NEXT Proは,「標準品質(ノートPC)」で,スクウェア・エニックスが「快適」の基準とする「8000」を超えている。4Gamerベンチマークレギュレーションでも,8000以上をひとまずの合格点と位置付けており,高い画質を求めなければ問題なくプレイできるだろう。
 一方,「最高品質」では,どちらの製品もスクウェア・エニックスの指標で「普通」のスコアだった。
 
 最後は「Fortnite」だ。ゲーム内設定の「映像」にある「クオリティプリセット」で「中」を選択してテストを行った。平均フレームレートと最小フレームレートをまとめたのがグラフ4である。

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 AYANEO NEXT Proは,AYANEO 2021 Proをわずかに上回り,平均フレームレートも60fpsを超えた。カメラを動かして視点を操作するときなどで,少しカクつく場面もあるが,FPSをそれなりにプレイできる性能を備えていると言っていいだろう。


ゲームパッドの質感は大きく向上したが

本体サイズや重量増とのトレードオフが悩ましい


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 AYANEO NEXT Proは,既存のAYANEO 2021 Proから順当な進化を遂げた製品だ。中でもゲームパッド部分の改善はめざましく,アナログスティックとトリガーボタンの感触は,一般的なゲームパッドにかなり近付いている。筆者は,小型ゲームPCのなかではONEXPLAYERのゲームパッドが最も良いと思っていたが,AYANEO NEXT Proはそれに並ぶ仕上がりだ。
 
 一方で,本体サイズの大型化と本体重量の増加が少し気になった。本体サイズは,競合製品と同じくらいなので許容できる。ただし,約720gという重量は重い。筐体に余裕ができたことで,ストロークの深い大きなボタンを搭載できるようになったことを考えれば,いい面もあるのだが,小型PCの良さが薄れているとも思う。
 
 また,ベースモデルでも15万円台という価格もネックだ。メインで使うノートPCならばともかく,サブPC的な位置付けになるであろう製品にポンと出せる値段ではない。
 
 そういった課題があるからこそ,AYANEOもエントリー市場向けに「AYANEO AIR」のような製品を投入するのだろう。2022年のAYANEOシリーズが出揃った段階で自分にあった製品を選ぶのがいいのではないだろうか。
 

AYANEOのAYANEO NEXT製品情報ページ

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