プレイレポート
「Grow: Song of the Evertree」プレイレポート。自分で育てた世界で素材集めや街づくりが楽しめるサンドボックス型アドベンチャーゲーム
※2021年10月16日 0:40頃追記:初出時,発売日を10月16日を記載しておりましたが,正しくは11月16日となります。お詫びして訂正いたします。
人々の生活を支える「エバーツリー」が滅亡の危機に。見習い錬金術師となり,ツリーの生命力を取り戻そう
本作の舞台は,天空に浮かぶ巨大な樹木「エバーツリー」だ。エバーツリーには,肥沃で広大な土地とそこに広がる都市,そして枝の上には豊かな自然を有する数多くの“島”が存在していた。人々はそこで錬金術を使い,平和で豊かな生活を享受していたのだ。
あるとき,エバーツリーに「枯死」が発生してしまう。枯死は樹木の力を奪い,土地を痩せ衰えさせ,あらゆる場所に邪悪なツタを侵食させていく。錬金術師たちは枯死を止めるためにいろいろな対策を講じるも効果はなく,ついに人々はツリーの元から去ってしまう。残ったのはエバーキンと呼ばれる一部の先住民と,意思を持った魔法の器具,そして動植物だけとなってしまった。
プレイヤーは,そんな危機的な状況の中で育った見習い錬金術師として,活動を始めることになる。エバーツリーに力を取り戻し,人々が集う街を作り上げ,枯死の元凶を突き止めるために。
ゲームをスタートする前に,まずは自分の分身となるアバターの見た目を決めていく。いじれる項目は「性別」「髪型」「体格」「目の色」程度に留まっており,骨格レベルで調整したりといったことはできない。髪型や眼鏡などのアクセサリーは,スキンアイテムを入手すればあとから変更できるので,ひとまずは直感で決めてしまおう。
エバーツリーは上部と下部に分かれており,上部では素材の収集を,下部では街の開発を行うことになる。まず最初に手を付けるのは上部だ。ゲームの世界に降り立つと,育ての親である魔法の道具“コッパートップ”と“ブック”に「ワールドシード」というアイテムをもらえる。ワールドシードは,新たな世界を創造する種であり,これをプランターに入れると,ツリーの上部に「ツリーワールド」が生成される。
ツリーワールドは最初こそ荒涼としておりほぼ何もないが,毒草を抜き,雑草を刈り,岩を砕き,種を蒔いて水を与える……といった世話を繰り返すことで,徐々に活力を取り戻していく。世界の成長は思いのほか早いので,ゲーム内時間で数日丁寧に作業すればすぐに木々が生い茂り,虫や魚だけでなく動物も頻繁に見かけるようになる。
十分に成長したツリーワールドは,主にアイテムや素材の供給場所として機能する。木を伐採したり,果実を摘み取ったり,魚を釣ったりして,素材やアイテムを入手していくわけだ。素材だけでなく,直接アイテムをドロップすることも多く,収穫の楽しみは結構大きい。
こうして集めた素材やアイテムは,街を建築するための“建材”になる。「食べ物が建材に……?」と思う人も多いだろう。詳しくは後述するが,ひとまず自分が“錬金術師”であることを思い出してもらいたい。
ゲームを進めていくと複数のプランターがアンロックされ,2つめ,3つめと世界を生成できるようになる。世界を作るためのワールドシードも自作でき,そのときに使う素材によって,砂漠のような乾燥した世界だったり,雪山のような寒々とした世界だったりと,生成される世界も異なる。環境によって入手できる素材にも変化があるので,いろいろなワールドを作っておくと,のちの都市開発も楽になるだろう。
入手した素材を元に,自由に街を作りだそう。錬金術師兼市長(?)としての生活が待っている
エバーツリー上部の育成を進めたら,次は下部にある街の開発だ。自分の家を除くほぼすべての土地が黒ずんだツタに覆われているが,一定の条件を満たすことで,徐々に開発可能なエリアへと変化していく。まずは,手近なところから復旧していこう。
街の開発に必要なのは「マイオラ」と呼ばれる通貨のようなものと,ツリーワールドで集めた素材だ。自宅にある錬金釜を使うと,生き物を除いたほとんどの素材やアイテムは,「暖かさ」「どろどろ」「ファンシー」といった概念的なものに変化する。これらは「エッセンス」と呼ばれており,商店や農場といった施設を建てるときの建材として使われる。例えば宿屋を建てるとすれば,「穏やかさ」と「安らぎ」のエッセンスが必要になるといった具合だ。
1つの開発エリア対する街の大きさは,十数人規模と小さめだ。各街には,一日ごとに訪問客が複数訪れる。とどまる気のある訪問客に住居を割り当てると,そこに居着くという仕組みだ。訪問客にはそれぞれ仕事の好みと適性を表すステータスが設定されているので,それを確認しつつ街に必要な人を居住させてもいいし,純粋に見た目で選んでもいい。
住民となった訪問客は,自分の仕事をこなしたり,街の店を利用したり,プレイヤーにクエストを頼んできたりする。施設や装飾品はクエストのクリアでアンロックされるものが多いので,とくに序盤はステータスと任せられる仕事がマッチしない場合でも,住民を増やしたほうが良い。資源やスペースが許す限り施設や住民を増やしつつ,街を広げていこう。
お気に入りの住民がいれば,会話をしたりプレゼントをしたりすることで,親交を深めていける。会話のバリエーションは少なめだが,贈り物はそのまま装備してくれるので,自分好みの髪型や服装にしたり,逆に仮装のような奇抜な格好にすることも可能だ。住民全員を街の雰囲気にあったファッションにするなんてこともできそうで,いろいろと試しがいがありそうだ。
忙しく働くもよし,のんびり自然と戯れてもよし。エバーツリーでの生活を楽しもう
ツリーワールドの育成と街づくりがメインとなる本作だが,スローライフや冒険といった要素も一通り取り揃っている。例えばツリーワールドごとに取れる資源が違うように,そこに住む魚や虫も種類が異なり,バリエーションも豊富だ。魚は釣り竿で,虫は虫取り網で好きなだけ採集して回れるので,可能な限り集めてみるのも面白い。また,ツリーワールドに生息する動物達と遊んで仲良くなると,街の自然保護区で飼育することも可能だ。
冒頭で触れたように,エバーツリーは枯死の危機に晒されているが,この謎を解くことは冒険の要素と結びついている。主人公である錬金術師には「歌う」能力があり,これによってツリーワールドの植物を急速に成長させたり,ツリーの各地にある不思議な岩の力を引き出して,ツタを弱らせたりできるのだ。ただ,このパワーの源についてはよく分かっておらず,それを知るためには,エバーツリーの各所にある祠で「歌の破片」と呼ばれるものを集め,ツリーの過去の記憶を再生する必要がある。
この祠は一種のダンジョンになっており,直接的な戦闘こそないものの,祠の場所を突き止めたり,内部を探索したり,パズルを解いたりと,冒険に関連したコンテンツはなかなかのボリュームだ。ツリーワールドと街の行き来だけでは単調に感じてしまう可能性もあるので,適時こうした冒険を挟んでいくのは良いスパイスになると感じた。
またフィールドには,宝箱が眠る洞窟があったり,見つけにくい場所に意味深なロケーションがあったりと,散策しているだけでも意外な発見がある。たまには錬金術や街づくりを離れ,気ままに探索してみるのも良さそうだ。
今回プレイできた範囲では,序盤から独自の用語が頻出するため,物語が少し把握しづらかった点が気になった。またツリーワールドの育成が同じ作業の繰り返しになることが多く,使う道具も対象によって逐一切り替える必要があったりと手間が多くなりがちで,単調に感じる場面もしばしば。ただ,作業の効率アップがクエストの報酬として用意されているので,ゲームを進めていくと,またプレイ感は変わるかもしれない。
街づくりに関しては,あれこれと悩みながら住宅や商店を建てていくのが楽しく,住民を増やすほど活気が出てくるところにもやりがいを感じる。街を装飾するアイテムも,ツリーワールドの育成をしていれば比較的簡単に入手できるし,クリアすれば報酬が得られるクエストも潤沢に用意されているので,やることがなくて困ることはまずないはずだ。むしろゲーム内の一日が短い,と感じることの方が多かった。
そういった雑事をあえて置いておき,エバーツリー上部の箱庭で動物と戯れ,ひたすら魚釣りなどに没頭するのもいい。なにせ自分で育てた世界なので,自然と愛着も沸いてくる。エバーツリー自体は結構な危機に瀕しているのだが,全体の雰囲気としてはのんびりとしたコメディチックなものになっているので,肩肘張らずに楽しめるはずだ。興味が湧いたならば,ぜひ手に取って遊んでみてほしい。
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(C)2021. Published by 505 Games. Grow: Song of the Evertree name and logo are trademarks of 505 Games Spa and may be registered trademarks in certain countries. All rights reserved. Developed by Prideful Sloth Pty Ltd.
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