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  • 発売日:2024/01/26
  • 価格:スタンダード・エディション:9680円(税込)
    デラックス・エディション:1万780円(税込)
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[TGS2023]「龍が如く8」インタビュー。ついに明かされた作品の全容を,CPの阪本寛之氏とCDの堀井亮佑氏の2人が語る!
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印刷2023/09/23 19:13

インタビュー

[TGS2023]「龍が如く8」インタビュー。ついに明かされた作品の全容を,CPの阪本寛之氏とCDの堀井亮佑氏の2人が語る!

 東京ゲームショウ2023開催の前日,2023年9月20日に行われた「RGG SUMMIT FALL 2023」。そこではが龍が如くスタジオが手がけるタイトルの最新情報が怒涛の勢いで発表されたが,その中で最大級のインパクトを残したのは「龍が如く8」PC / PS5 / Xbox Series X|S / PS4 / Xbox One以下,8)の2本のトレイラー映像だろう。



 今回,「龍が如く」シリーズのチーフプロデューサーを務める阪本寛之氏と,チーフディレクターの堀井亮佑氏に話を聞く機会を得た。公開された2本のトレイラーと,TGS 2023に出展中の「8」の試遊版を手がかりにし,「8」ではどんなドラマが展開されるのか,そしてどんな体験ができるのか,2人にたっぷりと語ってもらった。

画像集 No.014のサムネイル画像 / [TGS2023]「龍が如く8」インタビュー。ついに明かされた作品の全容を,CPの阪本寛之氏とCDの堀井亮佑氏の2人が語る!
「龍が如く」シリーズチーフプロデューサーの阪本寛之氏(左)と,チーフディレクターの堀井亮佑氏(右)

作品の持つ「スケール」「振れ幅」を詰め込んだ2本のトレイラー


4Gamer:
 「8」の発売日(2024年1月26日)が発表され,2本のトレイラーが公開されました。情報量の多い発表に驚いているファンも多いと思いますが,狙いを聞かせてください。

阪本寛之氏(以下,阪本氏):
 トレイラーの公開はどうしても一発勝負になるので,いろいろな方に興味を持ってもらえるようネタはすべて詰め込みました。これまで「8」に関してはバイラル的というか,ほのめかすような映像を主にお伝えしてきたのですが,今回一挙に作品の全容をオープンにしました。実は元々「龍が如く7外伝 名を消した男」(以下,7外伝)の発売が近づき,注目が集まっているタイミングでオープンにしようと決めていたんです。トレイラーでの一発勝負なので,興味を持ってもらうためのネタはすべて詰め込みました。

 ストーリートレイラーでは,物語の舞台やスケールの大きさを伝えることを狙ったんですが,その分トレイラーとしてはかなり長い,10分もの映像になってしまいました。

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4Gamer:
 毎回のことでもあるのですが,これはお話のラストのほうでは? と思える映像も入っていましたね。

阪本氏:
 そうですね。ただ,あれが物語のすべてではないですよ。あれぐらいの「スケール」だったり,描いているテーマの「振れ幅」があることをお伝えしています。

堀井亮佑氏(以下,堀井氏):
 「8」は話のスケールが大きいだけでなく,ものすごいボリュームの作品でもあるんですが,トレイラーにはそのエッセンスがすべて詰まっています。どんな物語になるか考察ができるヒントも散りばめているので,ワクワクしてもらえるとうれしいです。

4Gamer:
 音楽なども含めて,作品の空気感が伝わってくる映像でしたし,思わず「おおっ?」と身を乗り出してしまうような驚きもありました。

阪本氏:
 映像の構成もこれまでのトレイラーとは大きく変えているんですよ。観た人がみんなで盛り上がれる構成にできないかと模索していたのですが,正直メチャクチャ反響がよくて,チーム全員で手応えを感じています。

4Gamer:
 ゲームへの期待も高まる一方,すぐさまハワイに行ってしまった人もいるかもしれません。

阪本氏:
 ここ数年は旅行にも行きにくかったですからね(笑)。今回,コロナ禍中の制作ということもあり,ある時期までは現地取材を行うのも難しくありました。向こうの人に頼んでリモートでやり取りしつつ制作を進めるなど,普段よりもひと手間もふた手間もかけています。ただ,リアルな舞台を作るこだわりは,場所がハワイになろうが変わりませんし,しっかりやり遂げられたと思います。

 まだ具体的には言えない段階なのですが,トレイラーにも現地の企業さんの看板が入っていることに気が付いた人もいるかもしれません。いずれいろいろお伝えできるようになるので,期待してもらえると嬉しいです。

4Gamer:
 ちなみに「8」が描く世界は,ほかのシリーズ作品同様,ゲームが発売した時点の「今」ということになるのでしょうか。

堀井氏:
 そうなりますね。

4Gamer:
 4年が経った今,「龍が如く7 光と闇の行方」(以下,7)の主な舞台だった異人町がどうなっているかも気になります。「LOST JUDGMENT 裁かれざる記憶」の舞台にもなっているので,そちらで再訪した人もいるとは思いますが。

堀井氏:
 もちろん,ここ数年であったことの名残りはちゃんと残してあります。作品は関係なく,伊勢佐木異人町は異人町というひとつの街ですから。それは神室町も同じですね。

4Gamer:
 トレイラーではハワイの比重が大きいように見えましたが,大きな舞台としてハワイがあり,そのほかの場所にも訪れるようなイメージでしょうか。

堀井氏:
 物語は横浜から始まり,一番は母を訪ねてハワイへおもむく──という具合に,ストーリーの流れに合わせて舞台が変わっていきます。ハワイがメインではありつつ,横浜や神室町などの場面もちゃんとある形ですね。割合としては6,7割はハワイになるのですが,横浜しかり神室町しかり,遊んだ人が納得のいく作りにはしてあります。どの場所をぶらつくか,プレイスポットやサブストーリーを遊ぶかによっても,ボリューム感は変わるかと思いますよ。

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阪本氏:
 ハワイはとにかく広いんです。異人町の3倍の面積ですから。建物の数とか,やれることは圧倒的に多いですよ。とはいえ,物語自体はドライブ感があるもので,いろいろ舞台が移り替わりつつ,盛り上がっていく形になります。

4Gamer:
 舞台が広くなった分,普段の街歩きともひと味違った「旅」の感覚を味わえそうですね。ハワイらしいもの,少し意外なもの,いろいろなものと出会えそうです。

阪本氏:
 そうですね(出会えるでしょう,という表情をしつつ)……海とかも泳げますしね。

4Gamer:
 まだ今後の話だと,表情から伝わってきました(笑)。

堀井氏:
 ハワイに行ったらあるだろうな,というアクティビティは網羅しつつ,「龍が如く」らしい,ゲームとして楽しい体験を用意しています。

プレイ感はそのままに「もどかしさ」を解消


4Gamer:
 TGS 2023の試遊版で試せたものだと「クレイジーデリバリー」がそのひとつですよね。ゲームならではのハワイ感……なのかはともかく,大いに楽しませていただきました。自転車で横回転のトリックをキメて,道を走っている自動車を吹っ飛ばしたり,ピンボールのバンパーのようなものに触れて,すごいことになったり。

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阪本:
 よく見つけましたね。短い時間の中,いろいろ見つけていただいてありがとうございます。

堀井氏:
 あれだけのことをやっても,結局ハンバーガーなどをデリバリーしているだけなんですが(笑)。

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4Gamer:
 井口 理さん演じる悪徳タクシードライバー「エリック・トミザワ」の極技(必殺技)も印象的でした。

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堀井氏:
 「タクシー送迎の極み」ですね。

4Gamer:
 敵を強引にタクシーに乗せる技ですが,これがだいぶ乱暴な運転で,旅先でこんな経験をしたらイヤだなあと思っていたら……。

危険運転はエスカレート,最終的には爆発する
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阪本氏:
 どういうノリなんでしょうね(笑)。

堀井氏:
 我々もあれを初めて見たときは驚きました。

4Gamer:
 「7」で言えば衛星レーザーをブッ放すような,ハジけた楽しさは健在ということでしょうか。

堀井氏:
 ええ。ハワイってカラッとしているというか,沖縄ともまた違った開放的なイメージがあると感じていて。空はどこまでも高く続いているように見えるし,道路なんかも日本と比べてかなり広いんですよ。なので,そういったスケール感にマッチするコンテンツが映えるんです。

 クレイジーデリバリーも,向こうの広々とした道路,大きな建物が並ぶ街での遊びとして,かなり合うものになったと思います。もちろん,すべてのコンテンツがあそこまでハジけているわけじゃないですよ。リアルな感覚を持って楽しめるものと,めちゃくちゃなハジけたものの振れ幅が大きいと捉えてもらえればと。

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4Gamer:
 バトルも「7」らしいノリを残しつつ,より進化した印象です。

堀井氏:
 前作のバトル場面で,キャラクターを移動させられなかったことは僕らも気になっていたんです。やっぱり,近くに看板が見えていたら取りに行きたくなるじゃないですか。その時々の運に左右される要素になってしまっていたので,プレイヤーがもう少しコントロールして楽しめるものに変えました。

阪本氏:
 前作はコマンドRPGですが,そこにライブ感も出すために,あえてボタンを押したあとの結果にバラつきが起こる作りにしていました。ただ,同時にもどかしさが伴ってしまったので,そこを納得できるものに変えました。だからといって,これから攻撃する相手の方位とか距離が細かく表示されたり,攻撃が命中する確率が表示されたりするのもまた違うわけです。

堀井氏:
 それだと戦術ゲームになってしまいますからね(笑)。今回,遊び方にはかなり幅を持たせていて,キャラクターをきちんと移動させてバックアタックを狙ったり,仲間との連係を誘発させたりもできます。でも細かく移動させなくても普通に戦える作りにはしていて,前作のプレイフィールは守ったうえで,キャラを動かしたい人は動かせる,というような感じです。

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阪本氏:
 その落としどころを探るのにはかなり時間がかかりました。我々がやろうとしてることは前例がないことで,何かに寄せる,何かっぽく作るというのは簡単なんですよ。そうではなく,このゲームが他の作品の「前例」になりうるような,新しいものを作りたい。桐生一馬だけ突然アクションバトルに突入するのもその一環ですね。プレイヤーがやってみたいと思うことが,そのままバトルの切り札として機能するものにしようと考えて,生まれたアイデアです。

 ちなみにこれは桐生が「堂島の龍」というジョブのときに,条件が整うとリミッターが解除されるんですが,桐生もほかのジョブについている間はコマンドだけで戦います。

4Gamer:
 ゲーム内でも相当特殊な位置づけになるわけですね。ところで「8」では戦闘に参加しうるキャラクターがかなりの人数登場しますが,これだけ人数が多いと,パーティを〇〇に〇〇したり,〇〇して〇〇〇させたりとか……。

阪本氏堀井氏:
 ……(表情で何かを物語る)。

4Gamer:
 まだ聞いてくれるな,という思いがひしひしと伝わって決ました(笑)。

阪本氏:
 そうですね……今言えることとしては,物語に応じて,舞台も仲間も変わるということです。常に全員で行動するわけではないですよ。ただキャラクターのジョブを変えるなど,好みの戦い方に合わせ,パーティをカスタマイズすることができます。

両作とも「ドラマもゲームも楽しめる」同じ「龍が如く」のひとつ


4Gamer:
 ところで,「7」はジャンルがRPGということで,初めて「龍が如く」シリーズに触れた人が多かったと聞きました。その人たちが「8」で桐生一馬のリミッター解除に触れたとき,これならアクションゲームである「7外伝」も遊べそうだと感じるかもしれません。こういった導線は開発として意識して作っているのでしょうか。

阪本氏:
 それはつねに考えていることで,我々としてはジャンルにこだわってゲームを作っているのではなく,「龍が如く」というゲームを作っています。それがアクションのこともあれば,RPGのこともあるというだけです。今回の「7外伝」と「8」は,主人公もジャンルも違う2つの作品ですけれど,「ドラマ要素も重視したゲーム」という意味では,同じ種類の魅力を感じてもらえると思います。

4Gamer:
 「7外伝」をXbox Game PassのDAY ONEタイトル(※リリースと同時に月額サービスのラインナップに加わるタイトル)としたことも,これまで作品を届けられなかった人たちに,まずはその魅力を知ってもらいたいという思いからでしょうか。

阪本氏:
 まったくその通りです。「7外伝」のパッケージやポスターをよく見てもらうとわかるのですが,「名を消した男」の文字が大きくて,「龍が如く7外伝」の方を小さくしていますよね。海外だともっと顕著で,「The Man Who Erased His Name」を大きく目立たせています。あえてシリーズ名やナンバリングを目立たせないことで,単体のアクションゲームとして気軽に遊んでいただき,気に入ったらシリーズ全体を遊んでほしいという思いがあるんです。

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4Gamer:
 桐生一馬の名だけでなく,シリーズの「名を消した」意味合いにもなっているのは面白いですね。

堀井氏:
 「7」でシリーズを初めて遊んだ方たちにアンケートしたところ,桐生一馬に対して「彼は何者?」と感じた方も多かったようです。そういった方たちにこそ遊んでほしいという思いも「7外伝」には込めています。

 ボリューム的にも上手くまとまっていますし,アクションゲームとしては桐生一馬の集大成にできたと感じています。ここから遊んでもらうとシリーズのほかの作品に入っていくこともできますし,もちろん「8」のストーリーもより深く楽しめます。

4Gamer:
 クリア後に「8」の体験版が遊べること以外にも,「7外伝」には「8」も遊びたくなるような仕掛けが用意されていそうです。

堀井氏:
 もちろんです。僕は両作品のディレクターを兼任しているんですけど,両作をリンクさせるなど,「7外伝」から「8」の流れが上手くハマるよう,かなり気をつかっています。新しいファンにとってはおなじみの春日一番だけでなく,「8」のダブル主人公である桐生一馬にも感情移入してもらうために,その前の3年間を「7外伝」で知ってもらおうと。「8」での物語では桐生の比重が大きいからこそ,ちゃんと描いておきたかったんですね。

4Gamar:
 ダブル主人公といえば「8」のストーリートレイラーもそうで,春日一番の持つ生命感と,自分の死に向き合った桐生一馬の対比が素晴らしく,ぐっと引き込まれた感があります。

堀井氏:
 実は一番のパートが明るく,桐生のパートが暗いというわけでもないんですよ。桐生一馬は基本的にはすべてを一人で背負ってきたキャラクターなので,いわゆるパーティ的な仲間とは縁遠かったわけです。だから,新しい仲間たちの中にいる彼の姿はちょっと新鮮だし,そこで新しい幸せを感じる姿も描かれます。

阪本氏:
 龍が如くスタジオの作品は,「桐生のこういう姿を描くのはダメ」「遥はヒロインなのでこれはNG」みたいなタブーがあるわけではないんですよ。これまでのシリーズでもつねに,人が生きていく中で,起こりうることを描いてきました。「8」のストーリートレイラーのラストに「世界一,運が悪くて 世界一,ハッピーな奴らの物語」「世界中の仲間たちよ 良き旅を!」とあるとおり,人生という長い旅の中で何をするのか,どういったことに価値を見出すのかが,今回描きたかったテーマになります。

堀井氏:
 そして「7外伝」では,桐生はそれまでの過去を消して生きているのですが,こちらは「誰にも認知されてない人間は,果たして生きているといえるのか?」というテーマのお話なんです。ただ生きていさえいればいいわけでもないし,逆に運に見離されたことで,幸せを得られることだってある。「7外伝」と「8」は,そういったことに向き合うお話なんです。

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4Gamer:
 ますます両作品が楽しみになってきました。最後に楽しみにしているファンや読者にお1人ずつメッセージをお願いします。

阪本氏:
 「8」のトレイラーにはかなりの情報量を詰め込みましたので,ぜひ考察を深めて盛り上がってもらえればと思います。ぶっ飛んでいる部分は「7」よりもぶっ飛んでいるので,ぜひニヤニヤしつつお楽しみください。

 11月9日発売の「7外伝」は,桐生のバックグラウンドを,我々が作り上げた最新のアクションで楽しめるようにしました。その流れで年明けの「8」も遊んでいただき,ぜひすべてを見届けてください。

堀井氏:
 「8」はシリーズ最高傑作と言えるだけの作品になりました。今はこれ以上面白いゲームを作れる気がしません。「7外伝」と合わせてプレイしていただき,ぜひ最高の年末年始をお迎えください。

4Gamer:
 本当に楽しみです。本日はありがとうございました。

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