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印刷2022/06/17 15:00

プレイレポート

「ストリートファイター6」試遊インプレッション。プレイヤーに新たな戦いの形を提示する“ドライブシステム”に迫る

 2022年6月3日に配信されたアナウンストレイラーの公開を皮切りに,続々と新情報が発信されている「ストリートファイター6」PC / PS5 / Xbox Series X / PS4。以下,スト6」)。海外発の配信番組での情報公開が中心に続いている一方で,日本国内ではメディア向けの試遊と,開発スタッフへのグループインタビューがカプコン東京支店で行われた。本稿では試遊のインプレッションをお届けする。

※記事内のボタン表記はPlayStation 5版に準拠。ボタンの同時押しやコマンド入力といった操作方法は,とくに言及がない場合はクラシックタイプのものです

「ストリートファイター6」公式サイト



 プレイアブルキャラクターとして操作が可能だったのはリュウ,春麗,ルーク,そしてスト6で初登場の新キャラクター,ジェイミーの4人。この4キャラを使っての対人戦,CPU戦がプレイできた。

今回の試遊ROMでは4キャラクター,2ステージでの対戦と,自動実況機能が体験できた
画像集#002のサムネイル/「ストリートファイター6」試遊インプレッション。プレイヤーに新たな戦いの形を提示する“ドライブシステム”に迫る

スト6で初登場,完全新規キャラクターのジェイミーは,酔拳使い。酔いLvによって使える必殺技が増えていく
画像集#003のサムネイル/「ストリートファイター6」試遊インプレッション。プレイヤーに新たな戦いの形を提示する“ドライブシステム”に迫る

 今回の試遊は1時間と限られていたため,スト6から導入される全キャラクター共通の新要素,「ドライブシステム」を重点的に調べる方針でゲームをプレイした。ドライブシステムと同時にスト6ならではの新要素として発表された,2種類の操作タイプ,自動実況などについては,インタビュー記事で深掘りしているので,ぜひご一読いただきたい。


シリーズの経験と新要素が融合した,スト6のキモ「ドライブシステム」


 ドライブシステムとは,体力ゲージの下部に表示されるドライブゲージを必要とする行動全般を指す。現状では,「ドライブインパクト」「ドライブパリィ」「オーバードライブ」「ドライブラッシュ」「ドライブリバーサル」という,5つの使い道が提示されている。

 ドライブゲージはラウンド開始から満タン(6ストック)で,ドライブシステムを使用すると,そのシステムに応じた使用コストを消費し,減ったゲージは時間経過やダメージを受けると回復。逆に相手の攻撃をガードし続けていると,ドライブゲージは減少し,ゲージが0になるとバーンアウト状態となり,ドライブゲージが完全回復するまでドライブシステムが使用できなくなる。

体力ゲージの下に表示されている緑色のバーがドライブゲージ
画像集#004のサムネイル/「ストリートファイター6」試遊インプレッション。プレイヤーに新たな戦いの形を提示する“ドライブシステム”に迫る

バーンアウト状態になったキャラクターは,全身が灰色に変化
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オーバードライブ


 ドライブシステムの中でも,最も効果が分かりやすいのはオーバードライブだろう。これは従来の「ストリートファイター」シリーズのEX必殺技にあたるシステムで,使用方法も同じ。必殺技コマンドを入力する際に攻撃ボタンをふたつ同時押しすれば,ドライブゲージを2ストック消費する見返りとして,強化された「オーバードライブ必殺技」が発動する。

従来のEX必殺技と同じ感覚で使えるオーバードライブ。ラウンド1の開幕から強化された必殺技を使っていける点と,スーパーアーツゲージの使い道がひとつになったことは,試合の展開に大きな影響を与えそうだ
画像集#006のサムネイル/「ストリートファイター6」試遊インプレッション。プレイヤーに新たな戦いの形を提示する“ドライブシステム”に迫る


ドライブインパクト


 強力な攻撃手段としては,ドライブインパクトも印象に残った。強パンチと強キックを同時押しすると,ドライブゲージを1ストック消費し,スト6特有の派手なエフェクトとともに相手の攻撃を受け止める性能を持つ打撃技が放たれる。これがヒットすると相手が吹っ飛び,ダウンを奪う。吹っ飛ばし効果はかなり強烈で,相手を画面端に追いつめた状態でドライブインパクトを当てると,ヒット時はもちろん,ガードされても壁やられ状態を誘発でき,相手が地面にダウンするまで追撃が可能になる。

性能,演出的にもスト6を象徴する技になりそうなドライブインパクト。相手の攻撃を受け止める性能はかなり高いようで,ルークのライジングアッパーのような無敵時間が存在するであろう技にも打ち勝てた
画像集#007のサムネイル/「ストリートファイター6」試遊インプレッション。プレイヤーに新たな戦いの形を提示する“ドライブシステム”に迫る

 リターンが大きくエフェクトは派手,ゲージ消費も控えめ。連発したくなる性能を持つドライブインパクトだが,明確な弱点も用意されていた。こちらのドライブインパクトの発生を見てから相手にドライブインパクトを“後出し”されると,先に出した側が一方的に打ち負けるのだ。しかもドライブインパクト返しをくらうと,その場で立ったままフラつく,追撃され放題のやられ状態になるというオマケつき。実際の対戦では相手キャラクターの体勢やドライブゲージを見て,要所で放つのが重要になりそうなシステムだった。

相手のドライブインパクトをドライブインパクトで返すと,通常時とは異なるカメラアングルの移動やより派手なエフェクトになる特殊な演出が発生する。かなり見栄えがいいので,大会などで決まれば,ギャラリーは盛り上がるだろう
画像集#008のサムネイル/「ストリートファイター6」試遊インプレッション。プレイヤーに新たな戦いの形を提示する“ドライブシステム”に迫る


ドライブラッシュ


 直接的な手段ではないが,ドライブラッシュもスト6の攻めに深く絡んできそうだ。一部の通常技や後述するドライブパリィの硬直をキャンセルしてダッシュするシステムで,「ストリートファイターIV」シリーズのセービングキャンセルに近い印象を受けた。なお,セービングキャンセルとは異なり,前方へのダッシュしか行えない。

 ただ,今回の試遊では,通常技がガードされた際や弱攻撃のヒット後にドライブラッシュで接近しても,有利な状況のまま攻めを継続できる感覚はなかった。とはいえ,中,強攻撃がヒットした場合は,ドライブラッシュ後も相手はよろけており,通常技や必殺技,スーパーアーツなどでの追撃は可能だった。初期段階ではコンボを伸ばす手っ取り早い手段として重宝されそうだ。

ドライブラッシュのゲージ消費量は,ダッシュする直前の行動によって変化。通常技をキャンセルして発動した場合は3ストック,ドライブパリィの構えから使用した際は1ストック消費する
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ドライブリバーサル,ドライブパリィ


 ドライブリバーサルとドライブパリィは,防御時に役立つシステムだ。前者は入力方法,効果ともにシンプルで,相手の攻撃をガード中にレバーを前に入れながら強パンチと強キックを同時押しすると,ガードをキャンセルしてダウンを奪える攻撃が発生する。いわゆるガードキャンセルのようなシステムと捉えれば問題ないだろう。

シリーズ作品の中で,最も近いシステムは「ゼロカウンター」だろうか。ドライブゲージの消費は2ストック
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 一方のドライブパリィは,スト6ならではの独自性が高い防御システムだ。中パンチと中キックを同時押しすると始動し,ボタンを離す,もしくはドライブゲージがゼロになって構えが解けるまで,“打撃技全般を自動でガード”する効果が続く。この自動ガード効果はかなり万能で,ドライブパリィの構え中であれば,多段技,中下段の揺さぶり,めくり攻撃などをすべて完璧にガードしてくれる。

 そのうえドライブパリィを入力した瞬間に打撃技が重なった場合は,相手の動きが一瞬止まる「ジャストパリィ」が成立。ジャストパリィで取った技にもよるが,硬直した相手に反撃を叩き込むことさえできるのだ。

発動中はドライブゲージを消費し続けるドライブパリィだが,打撃を受けるとゲージが回復。バーンアウトを防止する対策としても機能する
画像集#011のサムネイル/「ストリートファイター6」試遊インプレッション。プレイヤーに新たな戦いの形を提示する“ドライブシステム”に迫る

ジャストパリィで相手の打撃を取った場合は,即座に反撃に移れる
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 筆者は,5つのドライブシステムの中でもドライブパリィがとくに強いと感じたのだが,もちろん弱点も存在した。まず投げに対しては無力で,加えてドライブパリィ中に投げられると,投げのダメージ増加を確認できた。
 とはいえ,現時点での明確な対策は投げのみであれば,ドライブパリィの防御性能はシリーズ作品の中でも屈指のレベルだ。気が早い話ではあるが,このドライブパリィをどう崩すかが,スト6での重要な読み合いのひとつになりそうだ。

ドライブパリィ中の相手を投げるとカウンター扱いになり,ダメージが増加
画像集#013のサムネイル/「ストリートファイター6」試遊インプレッション。プレイヤーに新たな戦いの形を提示する“ドライブシステム”に迫る

 今回の試遊体験では,操作可能なキャラクター数やゲームモードは限定されていたものの,対戦の根幹に関わるであろうドライブシステムや,リュウ,春麗,ルーク,ジェイミーらのグラフィックスや挙動について,「ほとんど完成しているのでは?」と感じさせる内容だった。スト6の行く末が気になる人は,公式サイトや公式Twitterアカウントからの情報発信を逃さずチェックすることをオススメしたい。

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