「龍が如く7外伝 名を消した男」「龍が如く8」の最新情報や開発裏話が明らかに。龍が如くスタジオの新作発表会レポート

　セガは2023年6月16日，「龍が如く」シリーズの最新情報を発表する「RGG SUMMIT SUMMER 2023」を東京・恵比寿のザ・ガーデンホールにて開催した。すでにお伝えしているとおり，「龍が如く7外伝 名を消した男」（PC / PS5 / Xbox Series X|S / PS4 / Xbox One）と「龍が如く8」（PC / PS5 / Xbox Series X|S / PS4 / Xbox One）の最新情報が明らかになっている。

「龍が如く7外伝 名を消した男」公式サイト

「龍が如く8」公式サイト

　「龍が如く7外伝」と「龍が如く8」は，約9カ月前に行われた「RGG SUMMIT 2022」で発表されたものの，しばらく続報が出ていなかった。今回のイベントでは数日前に公開された最新トレイラーを踏まえて，龍が如くスタジオ代表を務める横山昌義氏と，両タイトルに出演するゲスト陣がトークを展開した。

龍が如くスタジオ代表・制作総指揮 横山昌義氏

　11月9日の発売が決定した「龍が如く7外伝」は，前作「龍が如く7 光と闇の行方」の裏側にあった物語であり，「龍が如く8」へと至る物語を描く。タイトルのとおり，「名を消した男」となった桐生一馬が再び主役となるアクションアドベンチャーである。


　「龍が如く6 命の詩。」の終盤，自分の存在を消さなければならなくなった桐生一馬だが，最新トレイラーではこれまでとは違う黒スーツとサングラス姿で，とある組織のエージェントとして活動している。

　「龍が如く」シリーズでは馴染み深いアクションアドベンチャーではあるものの，従来とは異なるアクションがたくさん入っていると横山氏は説明する。その1つが，新たなバトルスタイル「エージェント」だ。
　桐生一馬らしいケンカ殺法の発展系となる打撃主体のバトルスタイル「応龍」に対して，「エージェント」はスパイ映画で見られるようなガジェットを使い，ワイヤーを飛ばして敵を縛ったり，ドローンを飛ばして敵を混乱させたりして，複数の敵を相手にしている。

桐生のパワフルなイメージを覆すバトルスタイルだ

　横山氏は「街の中でバトルをするのが，『龍が如く』の大きな特徴」と述べ，これまで自転車や看板などを使ってバトルをしていたのが，エージェントスタイルではそれらをワイヤーで引っ張って使うといった戦い方も可能となる。これにより，戦略性が奥深いものとなっているという。

　本作の舞台は，大阪の蒼天堀がメインになるようだ。日本最大の極道組織の本拠地ということなのだが，詳細は今後に明らかにされていくとのこと。
　また，映像のラストに登場するネオン街についても触れられ，小さな街のような空間でいろいろな遊びを楽しめる場所となるようだ。

メインの舞台となる蒼天堀

ネオン街にはカジノ，賭場，闘技場といった看板が見える

　本作に登場するキャストも発表となり，桐生役の黒田崇矢さんとともにゲストが登壇した。獅子堂康生役の本宮泰風さん，鶴野裕樹役の山口祥行さん，赤目役のファーストサマーウイカさんだ。

　7年ぶりに桐生が主役となる物語が描かれることについて，黒田さんは「とにかく周りの人が喜んでくれた」と語る。さらに「龍が如く7」がRPGになったことから，本作のゲームシステムを尋ねられることも多かったという。
　黒田さんはタイトルごとに「これが最後だ」という意識で，そのときのすべてを出し切って演じており，新たな桐生一馬を演じることの喜びを毎回感じているとのこと。その気持ちは，今回も同じだと語る。

黒田崇矢さん（桐生一馬役）

　なお，本作は「龍が如く8」の開発中に企画が立ち上がったタイトルであり，収録も本作のほうが後だったそうだ。「龍が如く0」のときのように，未来の物語を知りながら過去を演じる感覚が面白かったという。

　新キャラクターはその全貌が明らかになっていないが，本宮さんが演じる獅子堂康生は「八代目近江連合直参渡瀬組若頭補佐」という肩書きを持ち，役者としては最近演じることが少なくなった暴れん坊なキャラクターとのこと。
　本宮さんはオリジナルビデオシリーズ「日本統一」の総合プロデュースも手がけているが，横山氏と最初に顔を合わせたときは，プロデューサーの立場で対話をしたことが印象に残っていると語る。

本宮泰風さん（獅子堂康生役）

　一方，山口さんが演じる鶴野裕樹は渡瀬組の若頭。獅子堂とは対照的に知的なキャラクターで，「ぶっちゃけ，桐生よりセリフが多い」と明かす。「日本統一」では本宮さんとW主演を務めているが，普段からアクション主体の武闘派な役柄が多いため，役者ではなくモーションアクターで呼ばれたと思ったそうだ。
　ちなみに2人とも近江連合の極道なので，セリフは関西弁。ただし，ネイティブではないため収録には苦労したのだとか。

山口祥行さん（鶴野裕樹役）

　そして赤目を演じるファーストサマーウイカさんは，本作の「生キャバ嬢オーディンション」にもエントリーしていた。コロナ禍で「龍が如く7」と出会い，そこに生きる希望を見いだし，自分にとって新しい世界を開いてくれた作品になんとしても出たいと，個人的にオーディションに応募したというのだ。

ファーストサマーウイカさん（赤目役）

　その頃，龍が如くスタジオでは，赤目というキャラクターの脚本ができあがり，それに合うキャストとしてウイカさんを挙げていた。出演オファーを事務所に出していたものの，ウイカさんはそれを知らずにオーディションを受けていたのではないかと考えていたそうだ。
　なお，オーディションのグランプリ受賞者は「龍が如く8」の出演が確約されていたので，ウイカさんは出演オファーを知りながらも，オーディションの結果を待ちわびていた。残念ながら合格とはならなかったものの，出演の夢が叶ったことに喜びの笑顔を見せていた。

　そして，トレイラーの最後に登場している三代目 西谷 誉をキム・ジェウクさんが演じることも発表となった。「龍が如く0」に登場した西谷 誉を渡世名として受け継ぐ三代目，近江連合鬼仁会の会長として，桐生や獅子堂，鶴野らとどう絡むのか。本作の見どころになっているそうだ。

キム・ジェウクさん（三代目 西谷 誉役）からのビデオメッセージが流された

　「龍が如く8」のパートには，春日一番役の中谷一博さんが登壇した。先日披露された映像は世界中に衝撃と笑いをもたらしたが，トークもその内容について言及された。

中谷一博さん（春日一番役）

　春日は前作「龍が如く7」でも，横浜異人町のゴミ捨て場に裸で捨てられて，そこから成り上がっていく物語が描かれた。今回も同じような災難に遭っているようで，この映像も実際にゲーム内に登場するものなのだとか。
　絶妙に股間を隠すアングルが注目を浴びているが，黒田さんは「ヤドカリが最高」と大笑いし，中谷さんは「安心してください，僕は（収録時に）服を着ていました（笑）」と笑いを取る。

　映像は海外のリゾート地のようだが，ちゃんとゲーム内で行ける舞台の一つだという。前作の横浜異人町などを含めると，「過去最大規模の舞台になる」と横山氏は話していた。

　さらに，春日と桐生の会話シーンも公開された。2人の何気ない雑談の中では，春日が紗栄子にプロポーズをして断られ，なおかつ彼女が激怒しているという顛末が語られている。恋のアドバイスを求める春日だったが，桐生について「女っ気がなさそう」とバカ正直に語り，それに対して「俺にだって恋愛経験はある」と桐生が反論するというものだ。

2人の会話シーンはイベントの配信アーカイブ映像で見られる。イメージチェンジを果たした桐生にも注目だ

　他愛のないシーンであるが，2人の関係性が少しだけ垣間見える。中谷さんは壇上で初めて映像を見て，「ちょっと泣きそうになった」と感想を述べている。収録は別々に行われたそうだが，2人は長い付き合いなので演技自体はイメージ通りにできたという。
　一方，シーンとしては「桐生に恋愛のことを聞くかね？（笑）　前までの仲間達には（恋愛のことを聞く人は）いないだろうね」と黒田さんが語るとおり，2人の付き合いがまだあまり深くないということを示唆しているようだ。


　今回のイベントで公開した映像について，横山氏は「これを見ても，本編のストーリーや概要はまったく分かりません」と念を押す。W主人公の醍醐味を味わってもらうためのサービスショットのようなもので，そこに至るまでは本当にいろいろな物語があり，そのあたりはしばらく妄想をしてほしいと述べていた。

「龍が如く7外伝 名を消した男」は11月9日，「龍が如く8」は2024年初頭の発売が予定されている

「龍が如く7外伝 名を消した男」公式サイト

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