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印刷2023/07/16 15:22

プレイレポート

[プレイレポ]サバイバルクラフト「Omega Crafter」がBitSummitに出展中。会場ではグラミーがスポーツや生産に勤しむ街のデモも披露

 京都・みやこめっせで,2023年7月14日〜7月16日に開催中のインディーゲームイベント「BitSummit Let's Go!!」。プログラミング可能な相棒「グラミー」とともにオープンワールドを生き抜く「Omega Crafter」がPreferred Networksブースに出展されていたので,プレイレポートをお届けしよう。

Preferred Networksブースには多くの人が訪れ,「Omega Crafter」のプレイを楽しんでいた
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分かりやすいUIによるプログラミング


 「Omega Crafter」はPreferred Networksが2023第4四半期に発売を予定しているPC用オープンワールドゲームだ。プレイヤーはゲーム世界に飛び込み,開発の邪魔をする「バグモンスター」を倒しつつ,自給自足のサバイバル生活を繰り広げる。
 基本的には,オープンワールド系サバイバルとなっており,ゲーム開始時にランダムで生成された世界を舞台に,伐採や採集で木材や石といった素材を集め,作業台を作ってツルハシを始めとしたツールや武器をクラフト。農耕や狩りで食料を手に入れ,焚き火や家といった施設を設置して街を拡張していく。

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 本作ならではの特徴となるのが,相棒となる「グラミー」だ。グラミーの行動はプレイヤーがプログラミングでき,素材の採取や戦闘を自動化できる。グラミーには,自分に付き従ってともに冒険してくれる「バディグラミー」と,街で生産活動に従事してくれる「シティグラミー」の2種類が存在。素材さえあればどんどん増やしていける。
 例えば,クラフトのために木材が山ほど欲しくなったとしよう。ほかのゲームでは,あちこちさ迷い歩きつつ,黙々と伐採を繰り返すしかない。しかし,本作ではバディグラミーに木材の伐採をするようにプログラミングすれば,自動で木材を集めてくれる。そして,木材を材料としたクラフトをシティグラミーにプログラミングすることも可能だ。伐採とクラフトをグラミー任せにして,自分はもっとほかの行動を取れる。

左の黄色いキャラクターが「バディグラミー」。プレイヤーとともに冒険し,プログラミング次第でさまざまな行動ができる
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「シティグラミー」は街に住み,クラフトや栽培といった街での生産活動などをプログラミングできる。また,素材があればどんどん増やせる
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 プログラミング要素のあるゲームは多いが,本作では複数の手段でグラミーをプログラミングでき,直接コードを書く必要はない。
 まずは「テンプレート」だ。「伐採」「採掘」「石拾い」といったよく使う行動プログラムがあらかじめ用意されているため,プレイヤーはこれを「再生(実行)」するだけで良い。
 テンプレートの中には対象を指定する必要があるものもあるが,こちらの操作も簡単だ。例えば「クラフト(レシピ1種類)」のテンプレートは,素材を1種類だけ使う各種クラフトを自動化できる。「どの設備でクラフトを行うか」「どこから材料を持ってくるか」「クラフトの完成品はどこにしまうか」をそれぞれマップ上でクリックするだけだ。「木の矢」を作りたい場合,クラフト設備の「製材所」,材料の木材が入った「コンテナ」,できた木の矢をしまうコンテナを指定すれば,グラミーはせっせと木の矢をクラフトしてくれる。別のグラミーに伐採テンプレートを実行させれば,木材から木の矢までをオートで作り続けてくれるのである。

バディグラミー用の「テンプレート」。簡単な動作なら,テンプレートをそのまま実行すればいい
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シティグラミーにクラフトをさせるテンプレート。「どの設備でクラフトを行うか」「どこから材料を持ってくるか」「クラフトの完成品はどこにしまうか」をマップ上でクリックすれば,簡単に指定ができる
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こちらは指定後のテンプレート。マップ上で対象をクリックすることで,コーディングエディタ内のプログラムに反映された。わざわざコーディングエディタをいじらなくてもプログラミングができるということだ
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 そして,もう1つのプログラミング手段が「コーディングエディタ」を使って直接プログラムを組む方法だ。「プレイヤーの方を向く」「プレイヤーにアイテムを渡す」「近くの××を探して1個拾う」「もし近くに××があるなら」「ずっと繰り返す」といった命令がそれぞれカード状になっているので,これらをエディタ内に順序よく並べればいい。
 特筆すべきは“カードには凹凸が付けられており,どこにどのカード(命令)をはめ込めばいいかが視覚的に分かる”というUIデザインである。それぞれのカードは特徴的な形をしており,パズルのピースをはめるように組み合わせていけば,正しい命令の流れができあがる。プログラム的に誤った組み合わせをしようとしても,カードの形的にはまらないため,一目で分かる。

オレンジ色の「もし××なら」という部分に注目。「周囲に石がある」という六角形のカードは,条件文の対象を示す部分にはめられ,条件が満たされた後の処理,画像にある「stone hereと言う」のカードが入っているところには形的にはまらない
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 カードは数多く用意されており,いろいろな行動をプログラミングできる。採取やクラフトといった自動化だけでなく,特定のメッセージを言わせたり,踊らせたり,走らせたりと,攻略的に意味がない行動も可能だ。

 Preferred Networksブースの試遊台では大きな街と,プログラミングされた多くのシティグラミーが用意されていて,本作の可能性を垣間見せてくれた。
 例えばグラミーレースでは,プレイヤーがスイッチ代わりのたいまつに火を点けると,控えていたグラミーたちが決められたコースを走ってくれる。1位になったグラミーが誰なのかは看板に表示されるため,レースや競馬のように楽しめるだろう。

グラミーレース。指定コースを走るようにプログラミングされている
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 そして,パチンコを思わせる無数の杭が生えたフィールドにもグラミーたちがいて,たいまつの合図でいっせいにボールを投げ落とし始める。物理演算で動くボールはあちこちの杭に跳ね返りながら落ちていき,軌道の予想が付かない。終点のポケットにはそれぞれ点数が付けられており,玉入れを見るように楽しむこともできる。
 このほかにも,プレイヤーを歓迎して踊り続けるグラミーや,畑に種を蒔くグラミー,作物を収穫するグラミーなど,さまざまなプログラミングをされたグラミーたちが活き活きと生活していた。
 RPGの街における「町人」を自分の思うとおりに振る舞わせたり,ゲーム内ゲームのようなことができるというわけで,正式発売後にプレイヤーがどんなプログラムを開発するのか,楽しみに感じられた。

グラミー玉入れ。グラミーたちが投げ落としたボールは物理演算で処理され,どのポケットに落ちるかは分からない
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踊り続けるグラミーたち
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