インタビュー
[TGS2023]Wizardryのブロックチェーンゲーム? 「エクウィズ」のExecutive ProducerであるQueen Okeir氏にインタビュー
会場では,本作のExective ProducerであるQueen Okeir氏に,本作のコンセプトやゲームシステムをうかがえたので,その模様をお届けしよう。
4Gamer:
お時間をとっていただき,ありがとうございます。さっそくですが,エクウィズには,ドリコム,チューリンガム,ZEAL NOVAの3社が関わっているとのことですが,各社の担当領域はどうなっていますか。
Queen Okeir氏:
正確には,BOBGを加えた4社が関わっていて,最初から4社体制を想定して始まったプロジェクトなんです。ドリコムはデベロッパ,チューリンガムがトークノミクス(トークン経済)やブロックチェーンの設計,ZEAL NOVAがパブリッシャ,BOBGがトークン発行体という位置づけになっています。また,ドリコムは「Wizardry」IPの保有者でもあります。
4Gamer:
その中で,Queen Okeirさんはどのような立場なんでしょうか。
私は,エグゼクティブプロデューサーとして,プロジェクト全体の統括と,とくにゲーム部分のトークノミクス設計を担当しています。
4Gamer:
トークノミクス設計ということは,チューリンガムと相談しながら進めていると捉えていいですか。
Queen Okeir氏:
そうです。
4Gamer:
では,ゲームについてお聞きしたいと思います。エクウィズはどのようなゲームなのか,あらためて説明してもらえますか。
Queen Okeir氏:
古き良きRPGであるWizardryのIPを用いたBCG(ブロックチェーンゲーム)になります。BCGのプレイヤーは,そこまでコアなゲームを求めているわけではないと考えているので,ゲームシステムは伝統の3DダンジョンRPGではなく,もっと手軽なものにしています。1日のプレイ時間は15〜30分です。
4Gamer:
エターナルクリプトというタイトル名にはどういった意味がありますか。
Queen Okeir氏:
本作はサステナビリティを強く意識しています。長期運営は,Web2ゲームでも難しいですが,Web3ゲームだとほとんど例がありません。なので,「永遠」にチャレンジするという意味を込めてエターナルと付けました。
そしてクリプトの部分は,実はCrypto(暗号)ではなく,Crypt(地下室)とつづります。「永遠に続く地下室」からダンジョンを連想してもらえると嬉しいです。
4Gamer:
なるほど。Wizardryのイメージにぴったりですね。BCはBlockchainの略ですか?
Queen Okeir氏:
BCの部分は色々と想像できるようにしています。Blockchainかもしれませんし,ゲームで使用するトークン「Blood Crystal」の略かもしれません。
4Gamer:
いまさらですが,どうして略称は「エタクリ」ではなく,「エクウィズ」なんですか。
この略称はコミュニティが考えてくれたものなんです。Web3は非中央集権の思想から始まったので,プレイヤーと運営が一緒になってゲームを作っていく文化があります。公式Discord(外部リンク)もすでにオープンしていて,プレイヤー同士が活発に交流しています。
4Gamer:
コミュニティのメンバーは,Wizardryのファンというより,Web3ゲーマーが多いのでしょうか。
Queen Okeir氏:
それが意外とWizardryのファンも入ってくれているんです。交流の場が求められていたのかもしれません。
4Gamer:
なるほど。本作は「モセルド王国」にある「ダドエルの穴」の深淵を目指していくとのことですが,こうした世界観は過去作や,開発中の「Wizardry Variants Daphne」とリンクしていますか。
Queen Okeir氏:
直接的なリンクはないのですが,Wizardryらしさを重視し,過去作に関わったメンバーも交えて,一から構築しました。
4Gamer:
公式サイト(外部リンク)を読んで,トークンにもバックグラウンドを用意しているのに驚きました。
Queen Okeir氏:
Wizardryの世界観にトークンを組み込んでも浮かないようにこだわりました(笑)。
4Gamer:
では,ゲームシステムについて詳しく教えてください。「Cookie Clicker」系の放置ゲームとのことですが,具体的には?
Queen Okeir氏:
プレイヤーはギルドマスターであり,最大36体の冒険者でパーティを組んで戦います。冒険者は自動で攻撃するので放置しても進行しますが,プレイヤーは画面タップによる攻撃や,ギルドマスターのスキルで,戦闘をサポートすることもできます。
敵は1体ずつ出現し,だいたい5体倒すと時間制限のあるボス戦となります。これを1部屋として区切っていて,1フロアには49個の部屋があります。フロアは地下1階からスタートして無限に潜っていけるので,強いプレイヤーは地下何百階,何千階に到達することもあるでしょう。
4Gamer:
なるほど。36体の冒険者を使用するには,NFTをたくさん購入する必要があるんですか?
Queen Okeir氏:
無料の冒険者も36体用意していて,Free to playなタイトルとなっています。
4Gamer:
では,NFTを購入した場合のメリットはなんですか。
冒険者NFTは,ダンジョンでBlood Crystalを錬金する特殊能力があります。Blood Crystalは,暗号資産としての取引にも対応する予定ですが,ゲーム内で冒険者NFTの育成や冒険者NFTのユーザーミントに使うことが多くなりそうです。
4Gamer:
非NFTの冒険者は育成できないんですか?
Queen Okeir氏:
できません。ですが,Blood Crystalとは別にゲーム内通貨の「コイン」も用意していて,これを使ってキャラクタースロットのアップグレードが可能なので,パーティが強くなっていく感覚は,無料プレイでも体験できると思います。
また,低確率でドロップする「冒険者の灰」と「失われた魂」を組み合わせることで,無課金でもNFTを作成できる仕組みを用意しています。
4Gamer:
ブロックチェーンやNFTはうさんくさいイメージがあり,抵抗感のあるプレイヤーも多いと思います。こうした要素を長年ファンから愛されているWizardryと組み合わせるリスクは感じませんでしたか。
Queen Okeir氏:
確かに歴史の長いタイトルですが,その間には色々とチャレンジもしていて,ちょっと変わった派生タイトルも存在するので,IPの変化を受け入れてもらえる土壌はあると思います。
また,WizardryというIPには開拓者としての側面があると考えています。かつて3DダンジョンRPGというジャンルを切り拓いたときのように,ブロックチェーンの領域でも先駆者として新たな道を開拓する力を持っていると信じています。
4Gamer:
最後に,本作に注目しているファンに向けてメッセージをお願いします。
Queen Okeir氏:
王道なWizardryとは少し違ったタイトルにはなりますが,Wizardryとして大事な部分である「戦略性」を重視して制作しているので,世界の広がりを楽しんでもらえたら嬉しいです。
「Eternal Crypt -Wizardry BC-」公式サイト
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