キュー・ゲームスは2024年9月26日,
「オール・ユー・ニード・イズ・ヘルプ せーのでもふくるポン!」(
PC /
PlayStation 5 /
Xbox Series X|S /
Nintendo Switch /
Xbox One)を発売した。本作は,最大4人のプレイヤーが協力してギミックを解き,ゴールを目指す,協力マルチプレイゲームだ。
2024年7月に行われたBitSummit Driftにも出展されていた本作は,9月26日から9月29日まで行われていた,東京ゲームショウ2024に合わせてサプライズで発売され,同社のブースでも試遊出展が行われていた。本稿では,PC版のプレイレポートをお届けしよう。
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サクサク遊べるパーティーゲームは,世代を超えた交流と会話を生み出す。ライトな箱庭要素も!
本作の大きな魅力は,
「誰でも手軽に遊べること」だ。使うボタンは移動,しゃがむ,ダッシュ,くっつける,インタラクションボタンの5種類で,主にステージ攻略で使うのは,移動としゃがむボタンの2種類なので,非常に簡単だ。
複雑な操作を覚える必要がないので,ゲーム自体に不慣れな人も誘いやすい。フワフワしたぬいぐるみのようなキャラクター,ジオラマのなかのような可愛らしいステージのデザインにも癒されるし,パーティーゲームとして幅広い世代にすすめられる。
本作の音楽は,渡辺智江によって結成された「ヘルパー・スケルターズ」によって作成されている。渡辺氏は「ピクミン」のCMソング「愛のうた」を作った「ストロベリーフラワー」のボーカリストとしても知られる
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プレイヤーの分身は,画像にいる四角くてかわいい生き物だ。ステージ開始時,4体のプレイヤーキャラクターはそれぞれ違う形をしており,この形を生かしてギミックを解き,最後にはそれぞれがパズルのピースとして,白いタイルのようなブロックにぴったり収まるとクリアとなる。
各部屋のクローゼットで4匹のキャラから選べる。別売りの「ワイワイフレンズパック」を購入すれば,さらに追加キャラクターを選べる
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このステージには,地面のスイッチをすべて押すと柵が開く仕掛けが設置されている。それぞれの形に適したスイッチを選んで押す必要があるのだ
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無事に柵を開いて,自らの体でハート型のパズルを解いてクリア!
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このように,操作もルールも覚えやすい本作だが,一筋縄ではいかない部分もある。なんとこの生き物,
移動はできるものの,自分で回転ができないのだ。体の向きを変えたいときは,ほかのプレイヤーや柱,壁などに引っかかりつつ回していくしかない。
これは不便な点でありながら,本作の面白さを支えている大きな要素でもある。すんなりうまくいかないプレイが笑いを呼び,ほかのプレイヤーとの会話,交流につながるからだ。うまくコミュニケーションして,プレイヤーが割り当てられた形を生かして立ち回るのが,攻略のポイントだ。
プレイヤーはかならず4人必要で,ひとり用のプレイモードは未搭載だ。ローカルでのプレイ人数が4人に満たない場合は,オンラインでほかのプレイヤーと協力できる。
どうしてもコントローラが揃えられない場合は,ローカルで遊べる
「ペアモード」で,ひとつのコントローラを左右で分割して,2キャラクター分を動かせる。ひとりが同じコントローラで2キャラクターの操作を担当して,2人でのプレイも可能だ。
ペアモードは1つのコントローラの右と左に操作が振り分けられている。4人で遊ぶ場合,Switchなら2つのJoy-Conを分割することで4人でおすそ分けプレイできるが,それ以外は2つのコントローラ左右を合計4人で持って遊ぶことになる
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このひとりで2キャラクターを操作する遊びも,4人で1キャラクターずつ操作するやり方とは違った面白さがある。
操作したくないキャラを誤って動かしてしまったり,片方のキャラに注意が向くあまり,もう片方をおろそかにしてしまったりというハプニングが起きるのが楽しいのだ。
初めは操作がおぼつかないこと自体も楽しめてしまうのだが,どんどん同時に動かせるようになってくると,効率的に攻略する気持ちよさも味わえるようになる。
また,ひとつのコントローラをふたりで共有すると,違った難しさとわちゃわちゃ感があり,それに相手との一体感も味わえるだろう。個人的にコントローラを共有して遊ぶペアモードには,本作独自の面白さが詰まっているので,おすすめしたい。
団子状になり押し合いへし合いしていると,たまに自分の操作キャラがどれだったかを見失うこともあるが,このハプニングこそが本作の醍醐味でもある
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さらにプレイに熱が入る,装飾品などの収集要素
待機中のロビー画面にはプレイヤー4人分の柵が用意されており,ネームプレートの編集やアクセサリーの付け替え,柵内に家具のレイアウトをする遊びなどを楽しめる。カスタム素材は,プレイのなかでスタンプを集めたり,ステージクリア時に獲得できるコインを使ってガチャをひいたりすることでもらえる。
ガチャ演出時の音楽はユルくてキャッチーで,かなりクセになる
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手に入れたアイテムはほかのプレイヤーに共有できる,平和なシステムだ
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また,ステージ終了時には仲間に
「いいね」を送り合えるのも楽しい遊びごころだ。「いいね」の有無がプレイに影響を及ぼすことはないが,ボタンの連打で自分以外のプレイヤーにいくらでも送れる。ステージが終わると競うように相手に「いいね」を送り,MVPに表彰する遊びが生まれた。単純なじゃれあいながら,やはりほめられるのはうれしいものだ。
今回のプレイでは,ローカルプレイかつ初期に選択できるエリア「モリモリの森を「おまかせ」で遊ぶのみだったが,数ステージを繰り返しプレイするだけでも,和やかな協力プレイの楽しさにハマった。ステージのテーマは,森のほかにも雪山と岩山があり,それぞれにいくつものステージと,特性を生かした新たなギミックが用意されていた。
同社の代表作には「PixelJunk」シリーズがあるが,こちらにも共通する
「自由な遊びごころ」と,
「手軽にリプレイできる」という良さが,本作においても貫かれていると感じた。
とにかくお手軽で説明要らず,パーティーゲームが盛り上がる要素を詰め込んだ本作は,子供同士,大人同士,世代を超えた交流の場,あらゆるシーンで楽しい体験を作り出してくれそうだ。