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[プレイレポ]クラファンで1000万円以上を集めた期待作「メゾン・ド・ナイトメア」の体験会に参加してきた。かわいいキャラの半協力型ボドゲ
本作を手掛けるシエラゲームズは,デッキ構築型の対戦カードゲーム「BLOOD RECALL」(ブラッドリコール)を代表作とするアナログゲーム制作チームだ。キャラクターやストーリーを重視した作品作りを信条としており,本作でもその方向性は変わらないが,今作はハロウィンをモチーフにした,比較的明るい作風となっている。
Kickstarterでは製品化に向けたクラウドファンディングが11月29日まで実施されており,すでに目標額の10倍以上の支援を達成しているようである。
なお,体験会はモックアップ版を用いて実施された。実際の製品ではコンポーネントの形状や数値などが異なる可能性があるので,その点は留意してほしい。
Kickstarter「メゾン・ド・ナイトメア」プロジェクトページ
お菓子を貰って部屋を増築! 皆で協力して異形のホラーハウスを作り上げよう
“ドタバタホラーハウス建築&運営ボードゲーム”を謳う本作は,タイルを配置して全プレイヤー共有の「ホラーハウス」を構築していく,半協力型のタイル配置ゲームだ。各プレイヤーはホラーハウスに住む幽霊や人狼といったキャラクターとなり,来場者を驚かせる建物を作りあげていく。
ゲーム開始時点では4枚の六角形タイルが場に置かれ,それぞれのタイルにプレイヤーキャラクターが配置されている。追加の「部屋タイル」を置くと勝利点を得られるので,ここを中心にホラーハウスを拡大していくことになる。
新たな部屋タイルは,手番プレイヤーが「お菓子」(お金にあたるリソース)を支払うことで配置できる。隣接する既存のタイルが多いほど多くの勝利点が得られるので,新しい部屋タイルを置くときには,可能な限りピッタリとハマるように置きたいところだ。
だが,綺麗にタイルを置くのはなかなか難しい。というのも,部屋タイルは形状がかなり独特,かつ配置前に“配置する角度”がカードによって指定されるため,一度に大量の勝利点を得るのは容易ではない。
その分,複雑な形状の隙間にピタッと収まる形で配置できると,なんともいえない達成感を味わえる。直感的に気持ちのいい行動が,そのままゲーム的にも強い(勝利点をたくさん得られる)行動となるルールデザインは,非常に理にかなっているように感じられた。
部屋タイルの配置コストである「お菓子」を集める方法にも,工夫が施されている。
手番プレイヤーはキャラクターを移動させたあと,アクションとして「部屋の建設」「装飾品の設置」「トリック&トリート」から1つを実行できるが,トリック&トリートを実行すると,プレイヤーは“現在地と隣接する部屋タイルの数×2”のお菓子を獲得できる。ただし,お菓子の最大保持数は10個なので,過剰に獲得してもあまり意味がない。
部屋タイルは自身がいるタイルと隣接する位置にしか置けないので,お菓子を集めるためにも,プレイヤーは歩き回りながら効率の良い位置取りを探すことになる。
さらに周囲に自分以外のキャラクターがいるときにトリック&トリートを実行すると,そのキャラクターの「キャラチップ」が入手できる。キャラチップは個人ボードに配置され,一定数を配置するごとにステータス(移動力など)が上昇するほか,1枚につき2勝利点を獲得できるため,積極的にほかのキャラクターを巻き込んでいきたいところだ。
またキャラチップを渡す側にも,お菓子や経験値が手に入るメリットを得られる。つまりはほかのプレイヤーがトリック&トリートを実行するタイミングを見極めれば,自身の手番以外でも利益を得られるわけだ。
プレイヤー同士の直接的な妨害要素が存在せず,それぞれのアクションも互恵的な効果で成り立っているため,勝利点を競い合うゲームでありながら,気が焦ることもなく気持ちよく遊べるタイトルと感じられた。ゆえに国産ボードゲームの中でも,かなり“ユーロ的価値観”に基づいた作品と呼べるかもしれない。
コンポーネントはかなり豪華で,それぞれの要素が分かりやすく直感的にまとまっているので,ルールの把握もそれほど難しくない。ウリであるキャラクターや世界観もメカニクスと噛み合っていて,そこに魅力を感じた人なら遊んでみて損はないだろう。
本作の正式リリースは2025年5月の予定で,同時期には「ゲームマーケット2025春」が実施されるので,もしかしたら次回のゲームマーケットで購入できるかもしれない。今後の動きが気になる人は,シエラゲームズのXアカウントをフォローしつつ,続報を待ちたいところだ。
Kickstarter「メゾン・ド・ナイトメア」プロジェクトページ
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