ASUS，8月22日発売の8インチAndroidタブレット「MeMO Pad 8」を披露。薄型軽量ボディに「Atom Z3580」を搭載

　2014年8月20日，ASUSTeK Computer（以下，ASUS）は，同社が製造してKDDIが販売するAndroidタブレット「ASUS MeMO Pad 8 AST21」（以下，MeMO Pad 8）の発売記念イベントを都内で開催した。8インチサイズで解像度1080×1920ドットの液晶パネルと，Intelのモバイル機器向けSoC（System-on-a-Chip）「Atom Z3580」を採用するのが特徴で，KDDIの4G LTEに対応した通信機能も内蔵している。
　発売日は8月22日の予定で，KDDIの直販サイトにおける一括払い時の価格は，3万6720円（税込）だ。

MeMO Pad 8

　ここでは，イベントで説明された情報と実機の写真を中心に，MeMO Pad 8の特徴をレポートしよう。

厚さ7.7mm，重量301gの薄型軽量タブレット

イベントに登壇した，KDDI プロダクト企画本部 プロダクト企画2部 部長の相澤忠之氏（左）とASUS JAPANマーケティング部 部長のCynthia Teng氏（中央），ならびにインテル 技術本部 本部長の土岐英秋氏（右）

　ASUSの日本法人であるASUS JAPANにてマーケティング部 部長を務めるCynthia Teng（シンシア・テン）氏は，MeMO Pad 8の狙いとして，「日本市場で女性顧客を開拓する」ことを挙げた。
　たとえば，本体カラーバリエーションは3色が用意されているのだが，いずれもパールを散りばめたような光沢のある色合いで，「落ち着いて上品，エレガントな色」を指向しているという。たしかに，「パウダーピンク」モデルの淡い色合いは，悪目立ちしない上品なピンク色となっており，年齢層を問わず女性から好感を持たれそうに見えた。
　一方，「パールホワイト」と「メタリックブルー」の2色は，男性でも女性でも違和感なく使える色といえよう。

MeMO Pad 8は，左から，「パールホワイト」「パウダーピンク」「メタリックブルー」の3色が用意される。背面パネルだけでなく，液晶パネル周囲のベゼル部分も，本体色に合わせた色となっているのがポイントとのこと

厚さ7.7mm，重量約301gというのは，8インチ級タブレットの中では薄くて軽い部類だ。ASUSでは「300mlのペットボトル飲料とほぼ同じ軽さ」とアピールしていた

　サイズと軽さも，女性向けを指向した特徴だという。本体のサイズは123（W）×213（D）×7.7（H）mmで，8インチサイズのタブレット端末としては，確かに薄いほうだ。重量は約301gで，7.9インチ液晶パネルを採用する「iPad mini with Retina display」の約341g（※Wi-Fi＋Cellularモデルの場合）よりも少し軽い。手に持ってみても確かに軽く，「女性の鞄にも気軽に入れられる」とASUSがアピールするのにも頷ける。

本体前面（左）はシンプルなデザインで，上側に約120万画素のインカメラを搭載する程度。下部には「au」のロゴマークもある。本体背面もシンプルだが，上下端にステレオスピーカーを搭載していることに注目してほしい

液晶パネルは解像度1080×1920ドットで，PCサイトを表示しても見やすい

背面上側のステレオスピーカー。開口部が後ろ向きなのは気になるが，ゲームでのステレオサウンド再生に役立ちそうだ

本体左側面（左）には，Micro SIMカードスロットと，音量調節ボタンを配置。本体右側面（右）はmicroSDカードスロットがあるだけだ

タブレット向けクアッドコアAtom「Moorefield」を国内初採用

　薄くて軽くて女性向けのデザインというだけなら，4Gamer読者の男性方は「自分には関係ないな」と思うかもしれないが，MeMO Pad 8はデザインや軽さだけが特徴の製品ではない。

MeMO Pad 8はタブレット向けのAtom Z3580を採用する国内初の製品だという

　冒頭でも触れたが，MeMO Pad 8はタブレット端末向けのAtomプロセッサであるAtom Z3580を採用している。開発コードネーム「Moorefield」と呼ばれるこのSoCは，Windows 8.1搭載タブレットでお馴染みの「Atom Z3700」シリーズと同じく，「Silvermont」マイクロアーキテクチャを採用するCPUコアを4基と，Intel自社開発の統合型グラフィックス機能を組み合わせたものだ。CPUコアの動作クロックは2.3GHzに達する。
　このSoCを採用するAndroidタブレットは，本機が日本で最初の製品であるとのことで，ASUSではゲームも快適に動作させられるとアピールしていた。

　ゲストとして登壇した，Intelの日本法人であるインテルで技術本部 本部長を務める土岐英秋氏は，Atom Z3580の性能を1世代前の「Atom Z2560」と比較したベンチマークテストのグラフを示して，性能面での優秀さを訴える。それによると，メディア編集テストでは2.9倍，Webアプリケーションの動作速度テストは2.41倍，そしてOpenGL ES 2.0ベースのベンチマークプログラム「GFXBench 2.7」によるグラフィックス性能テストでは2.73倍ものスコアを記録しているそうだ。

Intelの土岐氏が示した，Atom Z3580とAtom Z2560のベンチマークテスト結果。2.41〜2.9倍と，大幅な性能向上を果たしているとのこと

　残念ながら，イベント会場で試用できた機材はGoogle Playからのアプリケーションインストールができなかったため，ベンチマークテストを実施することはできなかった。ハイエンドのAndroidタブレットに使われているQualcomm製SoC「Snapdragon 801」と比較した場合に，どれくらいの性能を発揮できるのかはぜひ検証したいところだ。

　そのほかの仕様についても触れておくと，メインメモリ容量は2GBで，内蔵ストレージ容量は16GB。IEEE 802.11a/g/n/ac対応の無線LAN機能も搭載している。内蔵ストレージ容量が少なめなのは，ゲーム用途で使うには気になるかもしれない。

とくに珍しいものではないが，電子書籍やテキスト主体のWebページを見るときに，画面の色味を調整してブルーライトを低減するという表示設定「読書モード」も搭載。左が通常時で，右が読書モードオン状態。色が変わっているのが見てとれる

　KDDI専売のモデルとはいえ，同じKDDIモデルの「Xperia Z2 Tablet」が一括払いでの直販価格が9万1800円（税込）なのに比べれば，比較的安価な製品といってもいいだろう。4G LTE対応のAndroidタブレットを求める人ならば，選択肢に入れる価値のある製品ではないだろうか。

●ASUS MeMO Pad 8 AST21の主なスペック

• メーカー：ASUSTeK Computer
• OS：Android 4.4（KitKat）
• ディスプレイパネル：8インチIPS，解像度1080×1920ドット
• プロセッサ：Atom Z3580（クアッドCPUコア，最大CPU動作クロック2.3GHz）
• メインメモリ容量：2GB
• ストレージ：内蔵（容量16GB）
• アウトカメラ：有効画素数約500万画素
• インカメラ：有効画素数約120万画素
• バッテリー容量：4000mAh
• SIMサイズ：Micro SIM
• LTE対応：受信時最大150Mbps
• 無線LAN対応：IEEE 802.11a/g/n/ac
• LTE待受時間：590時間
• 本体サイズ：約123（W）×213（D）×7.7（H）mm
• 本体重量：約301g
• 本体カラー：パールホワイト，パウダーピンク，メタリックブルー
• 主な対応サービス＆機能：Eメール（@ezweb.ne.jp），SMS，グローバルパスポート（LTE/GSM/UMTS），NFC，Bluetooth 4.0，Wi-Fiテザリング（最大8台），緊急速報メール

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