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東京ゲームショウ2016は9月15日から18日まで開催。テーマ「エンターテインメントが変わる。未来が変わる。」や開催概要が明かされた発表会をレポート
「東京ゲームショウ2016」公式サイト
2015年に開催されたTGS 2015では,過去最大となる480社の出展があり,そのうち半数以上が海外企業だったこと,また幕張メッセのキャパシティを超える27万人近い来場者があったことから,岡村氏は,名実ともに世界有数のゲームショーになっているとする。
それを受けてTGS 2016では,インターネットを介してワールドワイドで会場の模様を配信し,来場しなくともリアルタイム視聴やリアルタイム参加ができるような施策を展開するとのこと。岡村氏は,「近年では当り前のことのように思えるかもしれないが」と前置きしたうえで,「イベントとして,物理的な限界を超えて全世界に情報発信できることは重要なポイント」「出展各社のプレゼンや演出に,(従来と異なる)創意工夫が見られるのではないか」と語っていた。
またTGS 2015に出展した海外企業のうち,170社は出展誘致を強化していた東南アジア各国の企業だったが,TGS 2016ではそれに加えて東欧および中南米の企業を対象とするコーナーを設けるという。
さらに岡村氏は「日本のエンターテイメントコンテンツを世界に発信する準備は整いつつある」とし,ぜひ多くの企業にTGS 2016に出展してほしいと呼びかけた。
発表会では,TGS 2015の開催結果報告も行われた。それによると,TGS 2015は幕張メッセ全館を使用するという過去最大規模で開催され,出展社数,小間数,プレス来場者数で過去最多になるなど,記録尽くしになったとのこと。とくに東南アジアからの出展社数は,出展誘致強化を開始した2012年より増加しており,その結果,上記のとおり海外出展社数が国内出展社数を上回ることに大きく貢献したわけである。
そのほか海外プレス来場者が5000人を超えるなど,ワールドワイドな情報発信力の高さがアピールされた。
TGS 2015の来場者を対象としたアンケート結果(国内・海外)も公開された。国内来場者のアンケート結果では,コンシューマ機およびスマートフォンでゲームを楽しんでいるユーザーが多いが,e-Sportsの台頭を受けてPCゲームユーザーも約4割に達していることが明らかとなった。また全体の62.8%がコンシューマ機をはじめ,スマートフォンやPCなど複数のプラットフォームを利用してゲームを楽しんでいることなども紹介された。
最後に,TGS 2016の開催概要が発表された。TGS 2016のテーマは,岡村氏が明かしたとおり「エンターテインメントが変わる。未来が変わる。」だが,これはゲームが多様な楽しみ方や新技術により,エンターテイメントの価値を大きく変えようとしていることや,世代や性別,時間や国境など,あらゆる壁を越えて社会にイノベーションをもたらし,誰も想像できなかったことを実現するものであることを踏まえて決定したとのことだ。
またTGS 2016の来場予定者数は,最低到達ラインが23万人,募集小間数は2000小間となっている。
新機軸として掲げられたのは「新コーナー続々」「TGSをリアルでネットで、グローバルに」「もっと遊べる、もっと快適に」の3つ。
新コーナーでは,新技術を紹介するVR関連の製品/タイトルを展示する「VRコーナー」や,人工知能関連の先端技術/サービスを持つ企業が出展する「AIコーナー」,リニューアルされた「e-Sportsコーナー」,東欧・ラテンアメリカのコーナーなどを設ける予定だ。
リアルとネットを介したグローバル展開では,niconico,Twitch,Youtubeといったプラットフォームを利用し,公式動画チャンネルを強化。またInstagramやWeiboを介したSNS企画で,海外向けの情報発信も強化される。いずれも詳細は順次発表される。
“もっと遊べる、もっと快適”にというテーマについては,来場者から寄せられた意見のうち,「VRタイトルを試遊できなかった」という不満点を解消するべく「VR体験コーナー」を設ける。このコーナーでは,試遊機を数十台用意し,待ち時間を大幅に短縮するとのことで,詳細は9月に発表される。
また中学生以下とその家族のためのコーナーをリニューアルし,フードコートの拡充,公式スマートフォンアプリのアップデートといった形で,来場者の利便性や快適性を向上させる試みも行われる。
繰り返しとなるが,TGS 2016に関する続報は,順次公開される予定となっている。今後も,CESAや出展各社から発表される内容に注目したい。
「東京ゲームショウ2016」公式サイト
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