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異星人に向かってメガドラサウンドが宇宙を伝搬中。「Sónar Calling GJ273b」に古代祐三氏が参加
「Sonar Calling GJ273b」は,簡単に言えば「異星人に地球の音楽を送ろう」という,先述した25周年のお祝いであり,芸術活動であり,科学実験でもある企画で,複数の国からさまざまなジャンルの音楽がセレクトされている。そのうちの1つが「ベア・ナックル」の楽曲となった理由は,作曲者である古代祐三氏と本企画を,Red Bull Music Academyが結びつけたことによるようだ。公式サイトの参加者紹介ページでは,古代氏による「子供のころから宇宙旅行をしたいと思っていたので,この機会が非常に嬉しい」といった旨のコメントが掲載されている。
GJ273bは,こいぬ座の位置に見える赤色矮星・ルイテン星の軌道上にある惑星の1つで,ハビタブルゾーン(惑星に届く中心星の放射エネルギーが生命発生条件に適したレベルになる領域)を周回しているため,生命体の存在が期待されている。太陽系からは12.36光年離れており,電波の到達時期は2030年3月11日となる見込みだ。参考までに,「シヴィライゼーション」シリーズでおなじみのアルファ・ケンタウリは太陽系から約4.3光年の距離にある。
実際のところ,GJ273bに知的生物が存在していて,地球から発された電波をキャッチして,それを音楽だと理解してくれるということは,望み薄どころかあり得ない話だろう。それでも,冬になったらこいぬ座を見上げて,地球人から異星人へのメッセージが届くことを夢見つつ,「セガハードに搭載されたヤマハのFM音源チップで鳴るローファイサウンドが,暗い宇宙を飛んであそこに向かっているのだなあ」と思ってみると,ロマンチックな気分にひたれるかもしれない。
「Sónar Calling GJ273b」公式サイト(英語版)
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