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「NARUTO × BORUTO VR」体験レポート。直感的な操作で気持ち良く楽しめる“VRナルトごっこ”
直感的な操作で気持ち良く楽しめる,VRナルトごっこ
岸本斉史氏の忍者マンガ「NARUTO -ナルト-」については,もう解説する必要もないだろう。特殊な力を持つ忍者たちが忍術や体術など,さまざまな力を駆使して激突する内容で,日本のみならず世界各国で人気を博している作品だ。今はナルトの息子・ボルトが活躍するスピンオフ「BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-」が展開されている。
そんな「BORUTO」の時代を舞台としたVRアトラクションが「NARUTO × BORUTO VR」だ。プレイヤーは,科学忍具を開発するカタスケが作った「電脳 木ノ葉隠れの里」に飛び込み,「歩行とジャンプ」「螺旋丸」「チャクラ刀」「ラスボスと対決」という4つの忍者訓練に挑む。
電脳 木ノ葉隠れの里では,ナルト,サスケ,サクラ,カカシ,イタチ,ボルトの6人が時代を超えてVRで再現されており,このうち2人が訓練をサポートしてくれる。皆が等身大の存在として登場するのに加え,掛け合いもあるのだからファンにはたまらないだろう。
開発を担当したFive forの代表取締役である谷川高義氏によれば,誰が選ばれるかはランダムとのこと。もっともレアな組み合わせはサスケ+イタチで,掛け合いの際は互いに目を合わせることさえしないそうだ。
プレイヤーはHMDとコントローラを装備して電脳 木ノ葉隠れの里に飛び込むのだが,特筆すべきは移動に関する独特の操作だ。操作,といってもとくにゲーム的なコントローラ操作は必要なく,その場でジョギングをするように軽く膝を曲げて身体を上下させるだけ(実際に足踏みをしても良いだろう)。身体の向きを変えればキャラクターが向いている方向も変わり,膝を曲げてから伸ばせば大ジャンプができる。忍者らしくジャンプは高く,地上からビルの屋上へひとっ飛びすることも可能だ。
手にはコントローラを持ってはいるが,スティックは使わないため,より直感的に移動できる。詳しくは後述するが,ゲーム内では結構激しく動き回れるにも関わらず,VR酔いやその前兆とも言える不快感はなかった(これはあくまで筆者の個人的な感覚である)。そして,特殊な周辺機器が使われていないのもポイントと言えるだろう。
この移動方法がなぜ特筆すべきことなのか。それは,VRコンテンツにおいて移動をどう扱うかは,VR酔いとも絡む大きな課題のひとつであるからだ。
プレイヤーがフィールドを自由に動ける形式にすると,身体の向きとキャラクターの動く方向が異なってしまうことがあり,VR酔いする可能性が出てくる(乗り物酔いと同じだ)。これを防止するためには実際に動き回ってもらい,身体の向きと動く方向を一致させるのが理想だが,VRアトラクションではそうもいかない。部屋の面積は限られているし,HMDを付けたまま自由に動き回ったのでは,壁や他のプレイヤーと激突する危険があるからだ。
初期のVRコンテンツでは遊園地のアトラクションのように乗り物に乗ったものが多かったり,人間をぶら下げるハーネスと台座を組み合わせるなどして“足は動かせるが身体は動かない”周辺機器が盛んに作られていたりするのも,こうしたテーマへの取り組みだ。
一方,「NARUTO × BORUTO VR」の方式は特殊な機器が一切必要なく,自由な移動を実現できている。谷川氏によれば,この方式ではHMDを装着した頭の動きを見ているという。身体を上下させることで歩行に近い状態となり,自分が意識している実際の身体の向きとキャラクターの動く方向が一致するため,VR酔いの対策にもなっているとのこと。
細かな点ではあるが,移動する際の頭の動きも,プレイヤーの頭の動きと同期しており,こちらもVR酔いを軽減する役に立っているという。なお,この方法は特許が取得されており,使われるのは「NARUTO × BORUTO VR」が初めてとのことだ。
最初の訓練である「歩行とジャンプ」では,サポートの1人が電脳 木ノ葉隠れの里を走っていくのについていく。サポートに誰が出てくるかは運次第なのだが,推しが出てきたら訓練も,より楽しくなるだろう。
「螺旋丸」の訓練では,左手の特殊な「忍籠手」から螺旋丸が発射できる。プレイヤーがやることは,左手を動かして狙いを付け,トリガーを引いて螺旋丸を生成,離して発射するだけだ。フィールドには障害物があり,ターゲットの忍者たちがあちこちに出現する。螺旋丸の射程には限りがあるため,フィールドを動き回って忍者を撃ちまくろう。自分の手であの螺旋丸を発射できるだけでも楽しいのに,忍者を撃った数が成績として評価されるのだからやりがいがある。
なお,フィールドには忍者のほかに,パートナーが出現することもある。彼らを撃つと減点になるので注意しよう。
「チャクラ刀」の訓練では右手の出番だ。刀を振るようにブンブンと右手を振れば,VR空間内のチャクラ刀で攻撃できる。「螺旋丸」の訓練同様,フィールドのあちこちに忍者が出てくるため,こちらも走り回って攻撃だ。移動も攻撃も直感的な方式なので,没入感が高い。向こうにいる忍者に向けて走り,間合いを詰める際などはテンションも上がりっぱなしだった。
そして「ラスボスと対決」では,尾獣「守鶴」との対決となる。守鶴は雲をつくような大きさで,見上げるとその迫力に身体がすくむ。弱点は頭だが,大暴れして素直に狙わせてはくれず,走ったりジャンプしたりで守鶴の攻撃をかわしつつ,間合いに応じて螺旋丸とチャクラ刀を使い分ける必要がある。加えて,周囲からはたくさんの忍者が容赦なく襲いかかってくるため,こちらにも対応しなければならない。
フットワークを活かして囲まれないようにしつつ螺旋丸を連射,危険なようならジャンプで脱出し,敵が近いならチャクラ刀を振りまくる……とフル稼働しなければならない。印象的だったのが,サポートの仲間たちも一緒に戦ってくれることだ。筆者のプレイ時はナルトとサスケがサポートだったのだが,忍者どもに囲まれたナルトを助けるべく,チャクラ刀片手に走って斬り込む……というのは本作ならではの体験である。シリーズへの思い入れが深いほど,より楽しめるのではないだろうか。
ゲームが終わったころには汗びっしょりで,快い疲労感を楽しめたのだ。とはいえ,谷川氏によればリアル運動能力を競うようなものではなく,運動不足解消のアトラクションを楽しむような感覚で来場してほしいとのこと。服装は身体を動かしやすいものであればOKで,HMDを被る関係上ヒールは避けたほうが無難だとのこと(現地ではスリッパの貸し出しも行われるそうだ)。また,アトラクションを体験している姿を外から見られることもないため,女性も安心して楽しめるとのことだ。
なお,年齢満10歳以上,身長130cm以上という条件があり,健康状態などで体験不可となる場合がある。詳細は公式サイトのTICKET「ご来場のお客様へのご協力とお願い」の情報を確認してほしい。
「NARUTO × BORUTO VR」は2023年3月21日〜5月28日の期間中,ダイバーシティ東京プラザ4Fでの開催される。訓練に参加した人は記念の参加賞(全6種)がランダムで1枚もらえ,合格できれば特製の合格証が贈られる。チケットはテレビ東京オンラインチケットでの販売で,当日券は空き枠がある場合のみ,現地販売されるとのことだ。
また,会場ではオリジナルグッズを購入できるほか,訓練終了後にはVRチャクラ刀と螺旋丸を持っての写真撮影も可能だ。その場で発行されるQRコードをスマートフォンで読み込めば,いつでも記念写真を眺めることができる。
直感的な操作とVR酔い対策で,普段ゲームに慣れ親しんでいない人も楽しめそうな「NARUTO × BORUTO VR」。NARUTOっぽいバトルを楽しみたい人や,VR空間で推しに会いたい人は,ぜひ体験してみよう。
「NARUTO × BORUTO VR」チケット販売ページ
「NARUTO × BORUTO VR」公式サイト
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