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  • 発売日:2012/03/29
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アップデートで完全に今シーズン仕様となった「プロ野球スピリッツ2012」レビュー。グラフィックスだけでなく,チームスポーツのプレイ感もリアルに再現
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印刷2012/05/29 00:00

レビュー

アップデートで完全に今シーズン仕様となった「プロ野球スピリッツ2012」レビュー。グラフィックスだけでなく,チームスポーツのプレイ感もリアルに再現

画像集#018のサムネイル/アップデートで完全に今シーズン仕様となった「プロ野球スピリッツ2012」レビュー。グラフィックスだけでなく,チームスポーツのプレイ感もリアルに再現
 横浜DeNAベイスターズの誕生や,読売ジャイアンツの選手大量補強など,話題に事欠かない中で始まった今年のプロ野球シーズンも,全日程の約3分の1を消化しようとしている。各チームの明暗がはっきりして,ファンにも「今年はいけそう」,「もうダメ」といった気持ちが芽生えているころだろう。

 筆者自身は,応援するチームの不調っぷりにストレスを溜める毎日で,その気晴らしというわけでもないのだが,「プロ野球スピリッツ2012」PlayStation 3 / PS Vita / PSP)のプレイを始めてみた。本作では4月に選手能力データのアップデートが行われたうえ,5月10日には,PlayStation 3版とPlayStation Vita版向けに,発売時に収録されなかった選手のデータが有料で配信開始となっている。今シーズンのプロ野球を体験するには最適のタイミングというわけだ。さっそく,そのプレイ感をお伝えしよう。


選手の顔はひと目で誰か分かるほどの再現度

波乱含みの展開となる雨天試合も導入


 本作は,グラフィックスやモーションのリアルさをウリにした野球ゲームの最新作だ。選手のグラフィックスは顔や体型,ユニフォームの着こなし方まで再現され,ピッチングやバットスイングのモーションも個別に設定されている。顔の再現度は選手によって差が感じられたりもするが,出来がいい選手のモデルは,ちょっとした野球好きなら選手名表示を見なくてもすぐに誰か分かるぐらいにそっくりだ。

各チームを代表する選手たち。野球好きなら顔を見ただけで選手名が分かるはず
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 また,12球団のホームスタジアムはフェンスなどにある広告までしっかり再現されているほか,ヘッドスライディングをした選手は,それ以降,ユニフォームのお腹の部分が汚れた状態でプレイすることになるなど,演出面でも徹底してリアルさにこだわっている。

 さらに,今作からは雨天試合の要素も導入された。ピッチングのコントロールが乱れるうえ,雨足が強いときにはコールドゲームでいきなり試合が途中終了する場合もあるなど,試合展開にも影響を与える。試合終盤に向け,投手交代策などを考えているところで終了すると拍子抜けもいいところなのだが,これもリアルさということなのだろう。

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雨の強さにも段階があり,もっとも強いときにはボールも見えづらくなるほど
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試合が進むにつれ,バッターボックスの線が踏まれて崩れるなど,細かい部分の演出も


「一手間」かかる操作方法で

玄人好みのプレイも再現できる


 リアルさを追求している分,基本の操作方法もなかなか凝っている。例えばピッチングの操作は,球種とコースを選んで完了ではなく,ピッチャーがボールをリリースする瞬間にボタンを押すことで球威が増す「ベストピッチ」というシステムが取り入れられている。バッティングでは,引っ張りと流し打ちでスイングのボタンが分かれていて,引っ張るときは早め,流すときは遅めのタイミングで打つとヒットになりやすいという仕掛けがユニークだ。同じKONAMIの人気野球ゲームである実況パワフルプロ野球シリーズの操作よりも一手間増えている,という感じになっている。

画像集#010のサムネイル/アップデートで完全に今シーズン仕様となった「プロ野球スピリッツ2012」レビュー。グラフィックスだけでなく,チームスポーツのプレイ感もリアルに再現
ベストピッチとなるタイミングはシビアなうえ,投球フォームによってもタイミングが異なるので,使いこなすのはかなり難しい

 実際にプレイしてみると,この一手間の影響がなかなか大きい。筆者の場合は1試合全部の投球でベストピッチを狙っていると疲れてしまうので,強打者相手やピンチのときだけに集中して狙うようなプレイになりがちだ。自分の集中力のなさが原因とはいえ,まさかゲームで手抜き投球を再現されるとは。
 バッティングでは,引っ張るつもりで特定のコースにヤマを張って待ち,ヤマから外れたコースを突かれたら流しスイングでなんとか当ててファウルにするといった,野球好きでないと反応してもらえないような渋いプレイにも挑戦できる。

 加えて,守備のシフトには基本となる「長打警戒」「バント警戒」などに加えて,特定打者専用のものが用意されている。走塁時には盗塁のスタートを切る振りをする「偽装盗塁」で守備側のリズムを崩すこともできるなど,テレビの野球中継でもあまりクローズアップされないような戦術すら実行可能だ。
 当然ながら,その分覚えるべき操作方法は増えるうえ,シビアなタイミングの操作が要求されたりするので,すべての操作を思うように行うには,トレーニングモードなどでの練習が必要になるだろう。初心者はバッティングやピッチングなどの基本操作でアシストやオートなどの機能を利用したほうがゲームを楽しめるはずだ。

画像集#011のサムネイル/アップデートで完全に今シーズン仕様となった「プロ野球スピリッツ2012」レビュー。グラフィックスだけでなく,チームスポーツのプレイ感もリアルに再現
トレーニングモードの打撃練習。右上にあるのがミートのタイミングを示すゲージで,引っ張りと流し打ちによって,ヒットできるタイミングを表す緑色のバーの位置が異なっていることが分かる。引っ張りや流し打ちは選手によって得手不得手があるので,それを考えて使うのも手だ


より深く試合を楽しみたいのなら

「監督プレイ」と「フィールドプレイ」


 本作は,CPUや2Pとの間で1試合を行う「対戦」,年間144試合をプレイする「ペナントレース」,プレーオフだけを戦う「クライマックス」,好きな選手のカードを集めてオリジナルチームを編成するという,カードゲームの要素が入った「グランプリ」,最大20年の選手生活を体験する「スタープレイヤー」,オリジナル選手を育てる「スピリッツ」などのモードを搭載している。

 一般的な野球ゲームのようにチームの出場選手すべてを操作することもできるが,プレイモードによっては,監督となって選手に指示を出す「監督プレイ」や,チーム内の一選手のみを操作する「フィールドプレイ」といったシステムでの操作が可能だ。

 監督プレイは,対戦やグランプリモードで使用できる。
 通常,攻撃側の場合は「積極的に行け」「見ていけ」「長打を狙え」「ミートに徹しろ」,守備側の場合は「ストライク先行」「ボール先行」「三振狙い」「打たせて取る」など,お世辞にも具体的とは言えない指示を打者や投手に出してゲームを進めていく。また,これらの指示とあわせて攻撃側では走塁の積極性,守備側ではシフトの選択が可能だ。
 ランナーが出塁するなどして一定の条件が整うと,やっと攻撃側で「ヒットエンドラン」や「送りバント」といった,具体的な指示を出せるようになる。ただし,これらの指示には回数制限があるので,使いどころには注意が必要だ。序盤から多用していると,試合終盤の大事なときに何もできなくなってしまう。

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指示があまり具体的でないので,出すほうとしても少々やりづらい。迷ったら「任せる」で
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バントやヒットエンドランのサインに回数制限があるのはいまいち納得しづらいが……

 また,当然だが,指示を出したからといってその通りにゲームが展開するとは限らない。ミートに徹しろと指示された打者が大きい当たりを放ったり,ボール先行を指示した投手が三球三振で切って取るなど,選手が指示とは逆のプレイを行う場面もよく見る。監督の指示が打席の結果を大きく左右するわけではなく,投手と打者の実力や調子などの影響も多分にありそうだ。

 具体的な指示を出せる場面は限られるうえ,選手は必ずしも思い通りに動かないというわけなので,監督プレイでのゲーム中はもどかしい思いの連続だ。相手投手に完璧に抑えられたり,大量失点を喫したりすると手の打ちようがないし,勝ち試合でも「自分の采配が勝敗を分けた」と実感できるものにはなかなか巡り会えないだろう。だが,スタメンに抜擢した若手選手が思わぬ活躍をして勝利したときなどは,自分で操作したときとはまた違った嬉しさがある。

 監督プレイは「自分の力で勝つ」ということに喜びを見いだす人向けではなく,負け試合まで含めて,自分の部下である選手達のプレイを楽しめる人向けのモードかもしれない。

 一選手からの視点でプレイするフィールドプレイは,対戦やスタープレイヤーモードで使用可能だ。守備や走塁時の視点が,グラウンド上空からの俯瞰ではなく,選手のポジションから見たものになるのが特徴となっている。打球の行方などが把握しづらくなるので,プレイは難しくなるが,その分臨場感は高い。

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グラウンドからスタンドを見上げるような,野球ゲームとしては新鮮な視点

 1人の選手だけを操作するため,実際にプレイする時間は短い。そもそも,選んだ選手が控えの場合には,試合展開によって出番がないまま試合終了ということもままあるのだ。弱いチームの抑え投手をプレイする場合などは,まず自分の出番が来るかどうかの心配をすることになるので,ちょっと同情心が……。

 だからといってスターティングメンバーの野手を選んでも,打席が回ってくるのは1試合にせいぜい4,5回。打席に立つたび相手投手が替わっている場合もあるなど,バッティングはなかなか厳しい条件になることが多い。
 また,守備では,選手のポジションによってプレイ内容が大きく変化する。投手と捕手の場合は,通常のピッチングと同じような操作を行えばいいのだが,投手の場合は球種を自分で指定できず,捕手の場合はリリース時に「ベストピッチ」のボタン操作を行えないという違いがある。野手でプレイする場合は,打球が飛んだときなどに,捕球や送球,ベースカバーなどを行うのだが,投手が連続三振を取っているときなどは,何もせずにただ見ているだけということになる。

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外野から,内野ゴロが処理されるのをじっと眺める。ちょっと寂しい

 監督プレイとは違って選手を直接操作できるとはいっても,しょせんは1人の選手なので,試合の勝敗は自分の操作以外の部分で決まることが多い。投手としていくら頑張っても味方が点を取ってくれなければ勝てないし,自分の打席が回ってきたときに走者がいなければ,点を入れるのはかなり難しくなるといった具合だ。逆に言うと,自分がまったく活躍しなくても,チームメイトのおかげで快勝,というケースももちろんある。もちろんそんな勝ち方をしたところで,自分は面白くないが……。

 ここまで紹介したことからもわかってもらえるかもしれないが,フィールドプレイは1試合だけをプレイする対戦モードで使っても,なかなかその魅力を感じづらい。フィールドプレイを楽しむなら,最長で20年ものシーズンを送れるスタープレイヤーモードがおすすめだ。このモードでは,何らかのプレイを行うたびにチーム首脳陣からの評価がポイントという形で与えられる。ポイントは自分の能力強化に使えるうえ,首脳陣の評価が上がれば年俸も上がるという仕組み。「グラウンドには銭が落ちている!」という名言を体現したようなモードなのだ。
 このモードでは,ヒットを打つ,三振を取るといった,分かりやすいプレイのほかにも,進塁打(自分はアウトになってもランナーを進めるバッティング)を打つ,1打席で相手投手に一定以上の球数を投げさせるなどの地味な形でもポイントが取得できる。相手投手の調子がいいときなどには,無理にヒットを狙いにいかずにコツコツとポイントを貯めるというプレイができるというわけだ。

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プレイをするたび数字で評価される。プロ野球の世界は厳しい……

 また,ベンチからサインが出るのもこのモードの特徴となっている。ヒットエンドランのサインが出れば打者はボール球でも打ちにいかなければならないし,自分の打席でランナーに盗塁の指示が出れば,わざと空振りして盗塁をアシストするといったプレイが必要になってくる。
 サインを無視すれば首脳陣の評価は下がるので従わなければならないが,たいていのサインは自分のプレイを制限するものなので,プレイヤーとしてはなかなか悩ましい。チームプレイもこなしつつ,自分の結果も出さないと解雇が待っているという,プロ野球選手の厳しさを感じ取れるモードと言えるだろう。

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打者がゴロを打ったら本塁に突っ込む「ゴロゴー」のサインが出た。間に合わないと思っても、サインに従わなければマイナス評価だ


チームスポーツならではの歯がゆさまで再現

「野球をプレイする感覚」がよみがえる


画像集#015のサムネイル/アップデートで完全に今シーズン仕様となった「プロ野球スピリッツ2012」レビュー。グラフィックスだけでなく,チームスポーツのプレイ感もリアルに再現
 グラフィックスのリアルさばかりが語られがちなシリーズの最新作である本作だが,監督プレイやフィールドプレイでは,「自分の思うように試合が進まない」「他人のプレイを見守るしかない」といった,チームスポーツとしてのリアルな野球がうまく再現されている。
 純粋にゲームとして見ると,テンポという面ではよくないのかもしれないが,実際に野球をかじったことがある立場からすると,この感覚は非常に懐かしかった。
 子供の頃,よく友達と野球を遊んでいたという人なら,ぜひこのタイトルを手に取って欲しい。きっと「自分で野球をプレイする」という感覚がよみがえってくるはずだ。

「プロ野球スピリッツ2012」公式サイト


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