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Unity Solution Conference 2015開催。CADなど産業分野での活用やリアルタイムレイトレースなどUnityの最新情報を紹介
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印刷2015/12/04 19:22

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Unity Solution Conference 2015開催。CADなど産業分野での活用やリアルタイムレイトレースなどUnityの最新情報を紹介

画像集 No.006のサムネイル画像 / Unity Solution Conference 2015開催。CADなど産業分野での活用やリアルタイムレイトレースなどUnityの最新情報を紹介
 2015年12月4日,都内UDX NEXTで「Unity Solution Conference 2015」が開催された。これはゲームエンジンとして知られるUnityをゲーム以外での活用法を中心としたイベントで,すでに行われている事例が多く紹介されていた。ゲーム以外での活用とはいえ,ゲーム以上にハイエンドな使い方やVRへの活用など,注目すべき事例も多くあり,Unityの最新動向を探るうえでも興味深いイベントといえる。
 ここでは,基調講演の模様をレポートしてみたい。

ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン日本担当ディレクター大前広樹氏
画像集 No.005のサムネイル画像 / Unity Solution Conference 2015開催。CADなど産業分野での活用やリアルタイムレイトレースなどUnityの最新情報を紹介
 基調講演でUnityの最新情報と産業分野向けの機能を紹介したのは,お馴染みのユニティ・テクノロジーズ・ジャパン日本担当ディレクター大前広樹氏だ。

 まず,グラフィックスの部分で,Unity 5.4から導入されるSSRR(スクリーンスペースレイトレースリフレクション)とUnity Blogで紹介されていたリアルタイムGI(大域照明:グローバルイルミネーション)のデモで,最新のUnityが持つ表現力をアピールしていた。まず,実際に動画を見てもらったほうがよいだろうか。


 SSRRは,反射の表現が発生する部分でレイトレースを実行するもので,今回紹介されたデモでも使用されている。Bedroomと呼ばれるデモは,現在のUnityの表現力を検証するために作られたもので,建築用などで使われる高品質なモデリングデータをそのまま配置し,各部の色や素材を変更できるようにしたものだ。

SSRRによる映り込みが確認できる
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 かなり高品質な映像が実現できていることが分かるだろう。ただ,動画中の光源の変化で微妙な影の様子が変わったり,床の色が壁に照り映えていたりといった部分は従来からあるリアルタイムGIによるものなので誤解のないように。反射成分があるところで映り込んでいる風景はレイトレースで計算されたものとなっている。9割がたはリアルタイムGIのデモである。


 SSRRは,当初12月公開のUnity 5.3に実装される予定だったが,開発が遅れており,5.4へ繰り越されることが決まっている。どれくらいの負荷になるのかは不明だが,ゲームで使用することも当然ながら不可能ではない。適切に使えばゲーム内の表現力を上げてくれる要素となりそうだ(参考URL)。

 もう一つのデモであるThe Courtyardは,リアルタイムGIでどこまでのことができるのかを実証したものとなる。モバイルで使うにはちょっと重すぎるようだが,PCや最新世代ゲーム機では十分なフレームレートで活用できる技術であることが確認されている。


 映像からは,柔らかな光と影で構成されたシーンが見て取れる。これらはほとんどが間接光による照明となっており,事前の焼き込みデータなどは一切作成されていないという。動き回る色の付いた光源からの光も陰影にリアルタイムに反映されていることも分かる。Enlightenパワー恐るべしといったところだろうか。
 リアルタイム処理を実現するためにライトマップ解像度をかなり粗くしているようなので,細かい部分の影が反映されていないのはいたしかたないのだろう。どのようにして作成したのかはBlog記事を参照しよう。プロジェクト自体はアセットストアからダウンロードできるので,実際に試してみることも簡単にできる(参考URL)。

 さらに,Unity 4.6から搭載されたUIツールについても紹介が行われた。最近流行といえるフラットデザインのUIを手軽に作れることから,一般的なアプリでも活用の範囲は広そうだ。講演ではスライダーやグラフなどを簡単に作成できることが示された。

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 ゲーム以外の分野でも有効な要素としてAnalysticやCloud Buildなども紹介された。ツールの使用頻度や使われ方をモニタリングできるAnalysticは,Unityエンジンに統合されているので,チェックボックス一つで利用できる。どのあたりで利用されなくなったのかや,どんな機能が使われているのかといった情報を集積できるので,アプリリリース後の改善に役立てることができる。

案内アプリの使用状況を調べているところ
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 また,Cloud Buildは,単にビルドを肩代わりしてくれるだけではなく,配信にも便利なものなのだそうだ。たとえばデモプログラムを全国のショウルームに配信するといった場合でも,Cloud Buildでアップデートすれば,登録した端末に自動的に配信されるといった仕組みも備えているという。

 機能的に大きなものとしては,Alembicファイルへの対応が挙げられる。Alembicファイルは,CADソフトが扱う中間ファイルをそのまま書き出したような大量の頂点ストリームで構成されている。ここ数年でMayaと3DS Maxが対応したのでAutodeskのCAD業界向けのセッションではたびたび見かけていたキーワードではあるが,レーザースキャンで取り込んだ詳細な3Dデータや都市丸ごとのような超大規模なCADデータなどをゲームエンジンからも利用できるような時代になったわけだ。
 これは映像系の業界からの要請で実装されたものだそうだが,ほぼ実用レベルの頂点ストリーム再生が行えているとのこと。

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 さらに重要な機能として,CADデータの直接読み込めるアドオンツールが初公開された。CADのデータをゲームに持ってくる場合,CADソフトからIGESファイルで出力し,3DCGツールでFBXなどに変換してUnityに読み込む必要があった。これを,UnityでIGESファイルが直接読み込めるようにしたというのだ。
 巨大なファイルだとそれなりに時間はかかるとのことだが,読み込み時に自動でポリゴン数の削減なども行ってくれるという。Unityの非ゲーム分野での活用がいっそう広がりそうな新機能である。

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