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[インタビュー]「Microsoft Flight Simulator 40th Anniversary Edition」は今後,どのように進化していくのか。開発のキーマンに聞いた
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印刷2022/11/29 11:30

インタビュー

[インタビュー]「Microsoft Flight Simulator 40th Anniversary Edition」は今後,どのように進化していくのか。開発のキーマンに聞いた

画像集 No.008のサムネイル画像 / [インタビュー]「Microsoft Flight Simulator 40th Anniversary Edition」は今後,どのように進化していくのか。開発のキーマンに聞いた
 日本時間2022年11月12日,Xbox Game Studiosはシリーズ40周年を記念し,無料の大型アップデート「Microsoft Flight Simulator 40th Anniversary Edition」PC / Xbox Series X|S。以下,MSFS 40th)をリリースした。その前日にはエヴァーグリーン航空宇宙博物館にてメディア向けのイベントが開催され,4Gamerでは現地での発表に加え,エグゼクティブ・プロデューサーを務めるヨーグ・ニューマン(Jorg Neumann)氏や,ジョン・ラスムッセン(John Rasmussen)館長へのインタビューを掲載している。今回は開発を担当するAsobo Studioのキーマンに話をうかがってみた。

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 Xbox Game Studiosは本日,「Microsoft Flight Simulator 40th Anniversary Edition」をリリースする。これはシリーズの40周年を記念する無料の大型アップデートで,旅客機やヘリコプター,グライダーの追加をはじめ,さまざまなコンテンツが実装される。

[2022/11/12 01:00]
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[2022/11/22 16:52]
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 「Microsoft Flight Simulator 40th Anniversary Edition」のメディア向け発表会場となったエヴァーグリーン航空宇宙博物館には,かつて1機だけが試作された“スプルース・グース”こと「Hughes H-4 Hercules」が保存されている。今回,その機内のツアーと共に,同館の館長であるジョン・ラスムッセン氏にも話を聞いたので,その様子をご紹介しよう。

[2022/11/22 20:41]

 MSFS 40thを立ち上げると,知的財産権を保有するXbox Game Studiosのほか,2社のロゴが表示される。それが,Blackshark.aiとAsobo Studioだ。
 Blackshark.aiは8ペタバイトにものぼる膨大な画像データから,AIを活用して地球全体の3Dモデルを作り上げるテクノロジーを有するメーカーである。一方,Asobo Studioはフライトモデルの制作や物理処理,ゲームプレイ,気象データを利用した天候の再現などを担当するほか,ゲームエンジンを開発している。

Asobo StudioのCEOであり,エンジニアでもあるセバスティアン・ロック氏。10代の頃,Amiga向けにプログラミングを始めたことからゲーム業界に入り,20年前に仲間とともにAsobo Studioを設立した
画像集 No.002のサムネイル画像 / [インタビュー]「Microsoft Flight Simulator 40th Anniversary Edition」は今後,どのように進化していくのか。開発のキーマンに聞いた
 Asobo Studioは20年前(2002年),12人の仲間たちがフランス・ボルドーの地で設立した開発会社だ。当初はディズニー映画のライセンスタイトルの開発を受注をすることが多かったが,数年前から急速に開発力を付けてきた印象がある。ちなみに社名が日本語の「遊ぼう」に由来することを,筆者は創設メンバーから聞いたことがある。
 今回のイベントでは,同社のCEOであり,物理分野の担当エンジニアでもあるセバスティアン・ロック(Sebastian Wloch)氏にインタビューをする機会を得て,今後の展望について語ってもらった。

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4Gamer:
 MSFS 40thでは旅客機(Airbus A310-300)だけでなく,ヘリコプターやグライダーも追加されます。ご自身でヘリコプターの操縦免許を取得するほど,熱心に取り組まれたそうですね。

セバスティアン・ロック氏:
 そうなんです。MSFS 40thにも登場する「Guimbal Cabri G2」でみっちりと練習しました。その経験がゲームにリアリティを与え,皆さんのバーチャルフライトにも役立ってくれると嬉しいですね(笑)。

4Gamer:
 MSFSのローンチ初期には,特定の機種について挙動が「リアルではない」という声があったと聞きました。

セバスティアン・ロック氏:
 そうした声を疑うわけではないですし,実際に調整がうまくできていない場合も多々あるので,検証して修正することは怠りません。ただ,実際にライセンスを取得して,その挙動を熟知しているという人は多くないでしょうから,フィードバックは意見の1つとして捉えるようにしています。
 実際のところ,同じ機種であってもクセがあり,天候や飛行エリア,部品の交換や修理の影響によっても挙動は異なります。ヘリコプターのライセンス取得時には,ずっと右に寄り続けるので補正のために腕が疲れてしまう練習機がありましたが,同じモデルでも挙動には差異があることを実感しました。

4Gamer:
 ヘリコプターのローターブレードの回転によって,発生する気流をビジュアル化している機能には驚きました。

セバスティアン・ロック氏:
 元々は,気流がどのように操縦に影響しているのかをチェックするためのデバッグツールとして開発したものです。これをテスターを務めた実際のパイロットに見せたところ,「ぜひ一般公開してほしい」と言われました。

MSFS 40thでは,気流の動きを可視化できる機能が実装された。推進時や風力によっても,微妙に機体や操縦に影響を与える様子が見て取れる
画像集 No.004のサムネイル画像 / [インタビュー]「Microsoft Flight Simulator 40th Anniversary Edition」は今後,どのように進化していくのか。開発のキーマンに聞いた

4Gamer:
 離陸直前,ローターブレードの上に発生するドーナツ状の気流などもシミュレートされていますね。

セバスティアン・ロック氏:
 ヘリコプターに大量の水をかけたり,大雨が降ったりしているときには見えるものですから,パイロットであれば知っていたでしょうね。ほかのゲームにも存在するのかは分かりませんが,本来は航空産業や研究機関のサーバーに存在するようなデータだと思います。
 MSFSは現実の世界をシミュレートしていますから,現実と同じ結果になることが望ましいです。気流のビジュアル表現には驚かれたと思いますが,我々としてはパフォーマンスに影響が出ることを心配していました。言語などを丹念に最適化したり,しっかりと計算処理できるようにしたりして,調整を重ねることで実現に至りました。

4Gamer:
 日本では「鳥人間コンテスト」という人力飛行機の人気イベントがあります。今後,アップデートやMODなどで人力飛行機をフィーチャーする可能性はありますか。

セバスティアン・ロック氏:
 力学の面で「手や足で浮力を生み出す」という要素を取り入れていないので,実現できないとは思いませんが,かなり難しいかもしれません。

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4Gamer:
 ヘリコプターの登場により,町や名所をじっくりと観光することができるようになりました。アフリカでは動物が見られることもありますが,町の通行人が表示されるような予定はありませんか。

セバスティアン・ロック氏:
 確かにヘリコプターの追加によって,地上の様子をゆっくりと確認できるようになりました。地表のクオリティをはじめ,路上の通行人や公園でくつろぐ人,さらに質の高い自動車や海面の表現といった要望が増えることは想定しています。
 パフォーマンスにかかる負荷が高くなってしまうものの,シミュレーションとして考えれば,そうした改良が体験の向上につながることは間違いありません。今後,チームで前向きに話し合っていくべきことでしょうね。

4Gamer:
 町の風景,とくに建物の再現についてはどうでしょう。

セバスティアン・ロック氏:
 クラウドサーバーで情報を処理して建物を表現するテクノロジーは存在しているので,我々に必要なのは各地域の細部に至るデータです。5年,10年と時間が経つにつれて,各地域の3Dスキャンデータはさらに向上していくはずですが,それを待っているという状態ですね。

MODによって特定の場所が精細になっていることもあるが,今後は地上の風景や地上からの眺めも注目されるポイントになりそうだ
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4Gamer:
 AIを活用して,地域の特色を盛り込んだ建物や風景を生成することはできませんか。

セバスティアン・ロック氏:
 AIはゲームの世界を作り出すことはできますが,疑似的であることが顕著な建物になってしまいます。現在,我々が持っているテクノロジーを考慮すると,やはり3Dスキャニングが最適な手法でしょう。
 この5年,10年の間にBing Mapsのようなマップデータは,どれほど進化してきたでしょうか。5年後にはさらに細かく,より正確なデータに更新され,それがゲームに反映されるのです。20年後には,想像もできないくらいにリアルな地表データになっているはずです。

4Gamer:
 長期的な視点でアップデートを考えているんですね。ロックさんはMSFSにかかりっきりなんでしょうか。

セバスティアン・ロック氏:
 スタジオのCEOとしては経営面や財務面などもありますが,エンジニアとしてはMSFSに専念しています。数年前までは,ほかのタイトルの物理エンジンや照明に関するソフトウェアを開発していましたが,それ以降はフライトシムの物理エンジンばかりですよ。

4Gamer:
 Asobo Studioは20周年を迎えましたが,今後の抱負を教えてください。

セバスティアン・ロック氏:
 そう,10月に20周年を迎えることができました。MSFSに関して言えば,ヨーグ・ニューマン(Xbox Game Studiosのエグゼクティブ・プロデューサー)はよく,「10年後」の話をするんです。
 おそらく10年後も,MSFSはデータやテクノロジーをアップデートしながら,ずっと続いていると思っています。それほど長期的なスパンのゲームになるでしょう。これからも我々は,ずっと携わっていきたいと願っています。

4Gamer:
 エンジニアの立場から,MSFSで表現してみたいことはありますか。

セバスティアン・ロック氏:
 コミュニティの皆さんが出してくれるアイデアに驚くこともありますが,私自身はゲームに別の次元,つまり時間を与えてみたいです。第二次世界大戦の時代,当時の戦闘機を飛ばしてみたり,リンドバーグが見た1927年のパリの街を空から眺めたりできるといいですね。1960年代のアメリカを空から見たら,どんな風景だったのか。もっと古代,ジュラ紀の世界をセスナで飛んでみたら――夢は広がります。
 近代や現代であれば航空写真のデータを活用できるかもしれませんが,それ以前の時代や未来になるとAIに頼るしかありません。いつの日か,さまざまな時代の地球を表現できたら素晴らしいと思います。

4Gamer:
 40周年を迎えてもなお,シリーズの進化が楽しみになってきました。

セバスティアン・ロック氏:
 人間が世界中のすべての場所を旅行できないのと同じく,MSFS 40thの世界をすべて飛んで回ることは難しいでしょう。アメリカ大陸だけでも,膨大な時間が必要です。
 しかも,データは頻繁に更新されているので,しばらくすると世界の雰囲気は違うものになり,フライト時の天候や時間帯によっても景色は異なってきます。皆さんもぜひ,常に変化している世界を体験し続けてほしいですね。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

機体の“ASXGS”は「Asobo Game - Xbox Game Studios」の略だとか。なお,Asobo Studioは「自動車のレースゲームを作っている」と噂されているが,これがMSFSのアドオンなのか,スピンオフなのか,独立した作品なのかは不明。今後の動向に注目したいところだ
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