2022年6月10日に発売されるホラーアドベンチャーゲーム
「クアリー 〜悪夢のサマーキャンプ」(
PC /
PS5 /
Xbox Series X /
PS4 /
Xbox One)の序盤インプレッションをお届けしていこう。夏の終わり,キャンプ場で孤立した若者たち9人の運命はプレイヤーの選択に委ねられた。実写のようなグラフィックスにも注目だ。
今回プレイしたのは,メディア用のデモ版(PC)となる。コンソール版とは一部の表現に違いがあるので注意してほしい。詳しくは公式サイトの
FAQを確認のこと。
実写のようなグラフィックスによる,プレイするドラマ
「クアリー 〜悪夢のサマーキャンプ」では,
「ハケット採石場」というキャンプ場での出来事が描かれる。
物語の主役となるのは,サマーキャンプも終わり,子供たちを家に帰した
9人のキャンプカウンセラー(キャンプを指導する学生ボランティア)たち。芸術家肌の
アビー,陽気な性格の
ケイトリン,スポーツマンだが繊細な
ニックといった個性豊かなティーンエイジャーたちが登場する。
携帯も通じないような田舎のキャンプ場「ハケット採石場」。子供たちを集めてのサマーキャンプも無事に終わり,キャンプカウンセラーたちも帰り支度をするが……
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芸術家肌のアビー(アリエル・ウィンターさん,代表作「モダン・ファミリー」))。ニックに好意を寄せているが,踏み出すことができない
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ケイトリン(ブレンダ・ソングさん,代表作「ドールフェイス」)は活発で,自分の楽しさを優先するが,その姿勢が人を傷つける
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ニック(エヴァン・エヴァゴラさん,代表作「スタートレック:ピカード」)はスポーツマンだが繊細な一面も併せ持つ
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インフルエンサーのエマ(ハルストン・セイジさん,代表作「X-MEN:ダーク・フェニックス」)。ジェイコブと付き合っているが,一夏の関係として割り切っていて,サマーキャンプの終わりとともに別れようとしている
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ライアン(ジャスティス・スミスさん,代表作「ジュラシック・ワールド」)は人と馴れ合わない孤高の青年
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ディラン(マイルズ・ロビンスさん,代表作「ダニエル」)は皮肉屋で,風変わりなユーモアセンスを持つ
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体育会系のジェイコブ(ザック・ティンカーさん,代表作「ザ・ヤング・アンド・ザ・レストレス」)。道化を演じる様が時に鬱陶しくもあるが,彼なりの気遣いでもある。エマと別れたくない一心で車に細工をし,これが事件の引き金となる
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キャンプが終わり,それぞれが帰路につこうとしていたのだが,
ジェイコブは愛する
エマと別れたくない一心から車が動かないよう細工をし,9人はもう1日をハケット採石場で過ごすことに。
しかし,ハケット採石場のオーナーである
クリスは,9人が帰れないことを知るとなぜか取り乱す。そして「もう1日滞在するのは仕方ないが,ロッジから出ないように」とみんなに言い聞かせ,慌てた様子でどこかへと去ってしまう。残された9人は,多感なお年頃。言われた通り大人しくするはずもなく,野外でパーティーを始めてしまう。そこに謎の男たちと
「何か」が忍びより……というのが本作のあらすじだ。
クリス(デヴィッド・アークエットさん,代表作「スクリーム」シリーズ)は,ハケット採石場のオーナー。キャンプ場から9人を一刻も早く追い出したがっており,それが叶わないとなると取り乱す
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9人はクリスとの約束を破ってパーティーを始めてしまう。キャンプ場の倉庫を漁って酒を手に入れ,ショットガンの腕前を競ったりとやりたい放題だ
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キャンプ場に訪れた,謎の男たち
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本作を開発するのは,
「Until Dawn -惨劇の山荘-」で知られるSupermassive Games。今回も俳優たちが起用され,まるで実写のようなグラフィックスでその姿が再現されている。彼らの演技も素晴らしく,進路に悩む者,恋に身を焦がす者,気が合わない者同士が顔を合わせれば不穏な空気が流れ……と,
ティーンの青春模様が描かれる。まさに学生生活の“あるある”という感じで,感情移入することができるはずだ。
エネルギッシュなエマと,内向的なアビー。価値観も生き方も違う2人だが,サマーキャンプという場では時に触れあうこともあり,探り探りのぎこちない空気が流れる
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他人の恋愛に首を突っ込むジェイコブ。集団生活での“あるある”だ
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昔のスナック菓子を見つけ,CMソングを口ずさみつつ踊るジェイコブとディラン。ティーンの男子は限りなくアホで,男性プレイヤーなら感情移入できるはず
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本作の特徴は,カットシーンとゲームの融合である。前述したキャスト陣が登場するカットシーンにはゲーム的なUIやメッセージスキップもなく,まるでドラマを見ているかのように話が進んでいく――のだが,見ているだけかと思いきや,突然QTE(クイックタイムイベント)や選択肢,キャラクターの誰かを操作して手がかりを探すといった,ゲーム的な要素も入ってくる。
例えば逃げている際に,突然足元の障害物を避けるQTEが入ったり,仲間が窮地に陥った際,助けるか見捨てるかの選択肢が出てきたりといった感じで気が抜けない。
また,本作にはプレイヤーの分身としての“主人公”がいるわけではなく,シーンによって操作するキャラクターが変わることも,こうしたスリルに拍車を掛けている。いつどこで介入しなければならないかが読めないため,物語により引き込まれるわけだ。
イベントの結果によってキャラクターが他人に抱く心証が変わり,後の選択肢に影響を及ぼすなど,物語はさまざまな展開を見せるという。また,望まぬ結果を招きそうな場合はイベントを中止させて展開も変えられるが,この行為が別の結果を招くこともある。そして,選択に“正解”や“不正解”はなく,プレイヤーが選んだままに物語は展開していくのだ。
ゲーム的なUIがないので,カットシーンのようにも見えるが,実はエマを操作して倉庫を探索している
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襲われた仲間を助けるか否かの選択肢(左)。森の中を走る際のQTE(右)。このように,突然介入を求められるので気を抜けない
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 “何か”に襲われた際,息を止めてやり過ごすQTE |
 ボタンを押し続けていると息を止める。赤いゲージがどんどん減っていくが,“何か”はなかなか立ち去ってくれない |
クリスの事務所に,謎の落とし戸が(左)。中を探索すると「分岐確定」し,物語が分岐する(右)
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 ライアンを操作している際の選択肢で,クリスの心証が変化した。今後の展開にどのような影響を及ぼすのか |
 草むらの向こうから声がする。どこを撃つべきか,それとも撃たざるべきか |
そして,何より気になるのが,ハケット採石場に潜む謎である。探索を進めていくと,この地では過去に惨劇が起こったことがおぼろげに浮かび上がってくる。クリスにもどうやら秘密があるようで,あちこちに監視カメラを仕掛けていることが判明する。単なる覗き趣味なのか,それとも何か別の目的があるのだろうか。9人が浮かれ騒ぐ中,ハケット採石場には怪しげな影が蠢く。不気味な男たちと,森を駆け巡る何かだ。果たして彼らはどのような存在なのだろうか?
クリスはあちこちに監視カメラを仕掛けていた。その理由は?
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ジェイコブを罠で捕らえた男は,謎の液体が入った小瓶を取り出す。果たして何をしようというのか?
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また,本作にはキャラクターの性格を設定して映画のように物語を楽しめる「ムービーモード」や,担当するキャラクターを決めてのオフライン協力プレイ,選択肢をどう選ぶかを投票で決めるオンラインプレイも用意されている。普通のホラーゲームとはひと味違った楽しみ方ができそうだ。物語の結末は実際にプレイして確かめてもらうとして,ホラー好きの仲間を誘ってプレイしてみるのも面白いのではないだろうか。
オフライン協力プレイでは,それぞれが担当するキャラクターを決めておき,1つのコントローラを複数人で回してプレイする
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物語の合間に現れる謎の老婆。「カードを探せ」と繰り返し要求する(左)。ついに見つけた「星」のカード。老婆に渡すと何が起こるのだろう(右)
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