インタビュー
秘訣は“視聴者の目線に立って考える”。第2回「Mildom」主催の配信者向け勉強会で講師を務めた人気ゲーム配信者・まがれつさんにインタビュー
面白い動画コンテンツの作り方とは。「Mildom」主催の配信者向け勉強会で講師を務めた人気ゲーム配信者・ドズルさんにインタビュー
DouYu Japanは2020年11月20日,同社が運営するライブ配信プラットフォーム「Mildom」の配信者に向けたオンライン勉強会を開催した。クローズドな催しということで残念ながらその内容をお伝えできないのだが,講師を務めた人気配信者のドズルさんに話を聞けたので,その模様をお伝えしよう。
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- ライター:大陸新秩序
4Gamer:
まずは自己紹介をお願いします。
まがれつさん:
ゲーム実況をやっている“まがれつ”と言います。子供のころからゲームが好きで,ゲーム実況者に憧れていました。生放送はMildomで動画投稿はYouTubeでやってます。
4Gamer:
YouTubeだと名前に2ndとついてますが,これはなぜなんでしょうか。
まがれつさん:
これは戒めでつけてるんですけど(笑)。YouTubeで3〜4万人くらい登録者がいて,収入を得られるようになったときに仕事を辞めて,配信者としてやっていこうと思ったときに誤BANされたんです。
これからって時に収入が0になっちゃって。どうしようかって思ったんですけど,先輩方に相談したら「僕だったら諦めずに動画を投稿し続けるよ」って言われて,新しくチャンネルを作って0から再スタートしたんですよね。第2の出発というか,その意味での2ndです(笑)。
4Gamer:
まがれつさんは生配信でもなかなか無茶というか,大変な企画もやってますよね。24時間放送みたいな。
まがれつさん:
あぁ! びっくりしました。無茶というので何かやってはいけないことをやっていたのかと思いました(笑)。
そうですね。24時間配信とかたまにやったりしますね。これをやったら視聴者が喜んでもらえるかなと思ってやってます。
4Gamer:
そういう意味の無茶ではないです(笑)。「子供のころからゲームが好き」と言ってましたが,どんなゲームを遊んでいたんですか。
まがれつさん:
鉄拳をめちゃくちゃやってましたね。PlayStationの「鉄拳2」から。高校生くらいのときには友達とゲームセンターにも通ってました。今でも鉄拳は好きですよ。
4Gamer:
意外ですね。生放送だとFPSが多かったので,そっちから入ってきたのかと思いました。
実況者になりたいと思ったのはいつ頃だったんですか。
まがれつさん:
漠然とゲーム実況者に憧れたのは10年位前ですね。ゲーム実況をやってる人を見てて,憧れながら羨ましいなと思ってました。それで実際にゲーム実況を始めたのは4年くらい前ですね。
4Gamer:
始めたきっかけは何だったのでしょう。
まがれつさん:
「ゲーム実況をしたい」というよりは「パソコンのゲームをやりたい」っていうのが先にありましたね。それで「PCがあるなら配信もできるし,やってみようかな」と思ったのがきっかけです。
4Gamer:
そういうきっかけで配信を始める人は多いですよね。ここまで続けられるというのはその中でも一握りだと思うですけど,なぜ続けられたのでしょうか。
まがれつさん:
見てくれる人がどんどん増えていく過程を楽しめたからですかね。数字が増えていくのが楽しくて,もともと数字を追うというか,その数字がどうやって増えるのかを考えて増やすのが楽しかったんです。
4Gamer:
それがモチベーションになったと。尊敬している実況者はいますか。
まがれつさん:
僕が昔からKUNさんが大好きでずっと見させてもらってます。YouTubeでもコラボさせてもらったりして,実際に話したこともあるんですが,ずっと「好きだなぁ」って思っている人ですね。
すごいストイックなんですよ。1日に動画を3〜4本あげてたりして,そういうのを見ると僕もまだまだだなって思います。
4Gamer:
配信を始めてブレイクしたと思ったときはいつですか。
まがれつさん:
僕自身はまだブレイクしていないと思ってます。僕が目標としている先頭切って走っている人がたくさんいるので,僕はまだブレイクしたとは言えないですね。その人たちの背中を追っている状況なので。
4Gamer:
まがれつさんもストイックですね(笑)。では,見てくれる人が増えてきた手応えを感じたのはいつごろでしょうか。
まがれつさん:
配信を始めて1年くらい経ってからですね。それくらいやってようやくYouTubeのチャンネル登録者数が1000人を超えました。
当時,バトルロイヤルゲームが流行した時期で,「PUBG」がその火付け役だったと思うんですけど,同ジャンルのタイトルもたくさん出たんです。その時に僕はいろんなバトルロイヤルゲームを紹介するってことをやってたんです。それが数字が伸びた要因だったのかなって思っています。
4Gamer:
今は「Apex Legends」と「PUBG:Mobile」をメインにプレイしてますよね。
まがれつさん:
PUBG:Mobileは一番視聴者さんが見てくれているタイトルなんですよね。だからこそ求められているものをやっているという感じですね。
新しいゲームが出たらそっちに移行しようとか,いろいろ考えているんですけど,今は求められているタイトルをできるかぎりやってあげたいなと。
4Gamer:
配信をするうえで気をつけていることはなんでしょうか。
まがれつさん:
気をつけてることとは少し違うんですが,期待を裏切りたくないなといつも思ってます。例えばMildomで配信しててランキングに参加するっていうとき,2位,3位ではなくちゃんと1位を取れるように仕掛けを用意するとか。
あとは言葉遣いですね。柔らかく話すように気をつけてます。視聴者さんとの距離が近い配信をしているので,例えばFPSとか敵を倒すときでも,「殺す」という表現は避けて「倒す」とか,表現の仕方を気をつけてます。
4Gamer:
そのうえで成功する秘訣ってなんでしょうか。
まがれつさん:
僕って成功してるんですか!?
Mildomスタッフ:
してますよ!
まがれつさん:
成功してるのかぁ。成功しているかどうかは別として,簡単に言うと視聴者の目線に立って考えることが一番大切かなと思っています。
単純なんですけど,「なんでこの人を応援したい」と思えるのかっていうのを常に考えています。僕が自分のことを応援したいと思うことを大事にするというか,客観的に見て応援したくなるような人になれるように努力していますね。
4Gamer:
Mildomさんが主催された配信者勉強会で講師を務めましたが,その時もそういったお話をしたのでしょうか。
まがれつさん:
はい。配信者に必要なことってテクニック論ではないと思っていて,配信者としての中身が見られると思っています。本当に視聴者さんが大事ならそれを伝えるだけで視聴者さんは応えてくれるって言う話をさせてもらいました。
4Gamer:
配信するうえでのテクニックよりも先に,配信者としての心構えが大事。ということでしょうか。
まがれつさん:
そうですね。視聴者さんのことを考えているかどうかってことです。そこがちゃんとあると,コメントを全部読むだとか,投げ銭してくれた人にしっかりとお礼を言うだとかっていうのができるようになると思います。
4Gamer:
なぜMildomで配信しようと思ったんでしょうか。
まがれつさん:
その質問はMildomに移行したときに視聴者さんからも言われたことなんですけど,Mildomって視聴者との距離感がすごく近いんですよね。視聴者さんとの距離を縮めたかったので,Mildomに移行したって形ですね。
4Gamer:
視聴者さんとの距離感の近さというのは?
まがれつさん:
ランキングがあるのが大きいかなって思ってます。僕自身の目標にもなりますし,視聴者さんにも目に見えて応援する要素になるんですよ。ランキングに入るために視聴者さんが喜ぶことをしていく必要がありますし,僕自身も頑張らないといけないって気持ちになるというか。
4Gamer:
たしかにYouTubeやTwitchにはない要素ですね。
まがれつさん:
そうなんです。僕はもともとYouTubeで配信していたんですけど,そこでの収益は広告がほとんどなんですよね。だからできるだけ目立つように多く人を集めて,再生数を多くする必要があるんですが,Mildomはそうじゃないので,視聴者さんひとりひとりの満足度が高い配信ができると思っています。
4Gamer:
Mildomでは配信,YouTubeでは動画投稿を行っていますが,それぞれで作り方は違うのでしょうか。
まがれつさん:
ぜんぜん違いますね。動画はいろんな人に見てもらえるように分かりやすく,誰が見ても面白くなるように作っています。生放送だと前日の話とかをしたりするんですが,動画だとそれが分からないので,一本で完結するようにしています。
4Gamer:
話は変わりますが,昨年,Relation Xという会社を興しましたよね。どういった経緯で設立したんでしょう。
まがれつさん:
いろんな人とコミュニケーションを取って企画とかをしていく中で,もっと円滑にできると思ったことがあったんです。それに加えて,みんなと一緒に何か楽しいことをやれる場所を作りたいなと思ったのが発端ですね。
それで仲間と一緒に走っていけるところを作りたいなっていうのがあって,Relation Xを立ち上げました。知り合いの配信者が所属してますし,みんなすごく仲がいいですよ。
4Gamer:
eスポーツ分野での活動もしていますよね。
まがれつさん:
はい。eスポーツ部門というのはないんですが,配信者が集まってeスポーツ的なことをやりたいなと。例えば大会を開いたりだとか,そういうのは会社があればやりやすいので。会社を立ち上げたのは,何か大きなことをしたいっていうのもあります。
4Gamer:
会社を立ち上げて,何か環境は変わりましたか。
まがれつさん:
パブリッシャさんとの距離が近くなりましたね(笑)。
4Gamer:
たしかにそのあたりは個人だといろいろ難しいところもありそうですね。ですが,現状だとRelation Xというのをあまり前面に押し出してないですよね。
まがれつさん:
押し出してないですね! まだ時期じゃないと思っていて,何かここぞというときにバーンと出そうと思っています。いま出しても「なにそれ?」と思われるだけなので,タイミングを見計らってる状況です。何やるかはもう決めてるんですけど。
4Gamer:
来るべき時を待っていると。何をやるのか,楽しみにしております。
最後に視聴者さんへのメッセージをお願いします。
まがれつさん:
いつも応援していただいてありがとうございます。これからもみんなが楽しめるような環境を作っていきたいと思いますので,これからもよろしくお願いいたします。
4Gamer:
ありがとうございました。
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