プレイレポート
「ラグナロクオンライン」モスコビアアップデートレポート。ひさびさの中級者向けエリアではロシアの民話と風景が楽しめる
ROでは2003年から2005年にかけて,世界の文化や風習をRO上で再現しようという「グローバルプロジェクト」が実施され,ご存じ日本風の「アマツ」やタイ風の「アユタヤ」といったマップが実装された。ちなみに,同プロジェクトで予定されていた北米マップ,インドネシアマップは,いまなお実装されていない。モスコビアはこのグローバルプロジェクトとはまったく別個に作られたものであり,本国ロシアでは2007年6月に,そしてそのわずか4か月後には本家韓国のサービスにも導入されている。
日本のプレイヤーが実際にモスコビアに触れられるのは5月27日以降となるが,今回はガンホー・オンライン・エンターテイメント(以下,ガンホー)本社を訪問して,一足先に体験してきた。
モスコビアはそれほど広いエリアではないため,いつものアップデート体験レポートに比べて,ちょっと短めの内容となっている。その代わり,美しい街並みや一風変わった外見のモンスターなど,“観光ポイント”はふんだんに撮影してきたので,ぜひピロシキとロシアンティーでも味わいつつ,眺めてほしい。
走るマトリョーシカ,尖塔と赤いサラファン
ロシア観光気分にひたれるモスコビアマップ
バックストーリーとしては,モスコビアの冬は非常に厳しく,とても冒険者を受け入れられるような環境ではないものの,その長い冬がやっと終わりを告げたため,ようやく冒険者を迎え入れる準備ができた……ということになっている。
一つ一つの建物は実に趣向が凝らされており,色彩もとても鮮やか。しばらくはただ眺めているだけでも飽きないはずだ。マトリョーシカをデザインした入り口の建物では,その上のレールをさらに小さい3体のマトリョーシカ電車(?)がグルグル周回していたり,バレリーナと白鳥の彫像に囲まれた野外ステージ,モザイクタイルに玉ねぎ型の尖塔……と,いささかステレオタイプなイメージのロシアではあるが,どれもデザインは秀逸だ。
王宮内部ではモスコビア国王「チャール・アレクセイ3世」への謁見も可能なので,ぜひ立ち寄っていただきたい。
以前お伝えしたとおり,モスコビアのフィールドマップへ進むためには,クエスト「クジラ島をたずねて」のクリアが前提条件となっている。このクエストの詳細については,あくまでプレイヤーが自ら体験してほしいということなので割愛させていただく。ここから先はクエストクリア後に体験できる,モスコビアダンジョンを紹介していこう。
便宜上ダンジョンに分類されているが,ストーリー上は森の奥へと進んでいくという設定で,マップ名称も「森」「深い森」などとなっている。出現する新モンスターの一部も,見た目が植物だったり,森の妖精風だったりといった感じだ。レベル60〜70台の中級者向けというだけあって,MVPボスモンスターを除けば強すぎてソロでは歯が立たないというモンスターは存在せず,サイズ(中)の地属性か水属性に統一されているので,戦闘系はもちろん,特化装備を持参すれば生産系キャラクターでも十分渡り合えるだろう。
ダンジョン1層目となる「森」に出現するのは「レス」「ウッドゴブリン」に加えて,既存のモンスター「ポポリン」「マンティス」の4種。レスのみ周囲の同類とリンクする性質を持っているが,マンティスを除き,いずれもノンアクティブだ。
2層目の「深い森」へはワープポイント代わりの石碑に触れることで移動可能。ここは曲がりくねった細い道で構成されたマップとなっている。新モンスターとしてはレス,「ババヤガ」,「ウジャス」が出現する。ババヤガは臼に乗って右手に箒,左手に杵を持って振り回す老婆で,ロシアの民話に登場する魔女だ。森の中に住み,時に人をさらって食べるという恐ろしい存在らしい。ちなみに右手に持った箒は,臼を引きずったあとを消しながら移動するためなんだとか。ババヤガはクエストに関連したアイテムを落とすので,きっちり回収しておきたい。
モスコビアダンジョン3層目「奥深い森」にたどりつくと,ババヤガ,ウジャス,「マブカ」そしてMVPモンスター「ゴピニク」が待ち構えている。ここまで来るとアクティブモンスターが次から次へと襲いかかってくるので,ある程度のレベルに達していないと,先に進むのも辛いだろう。
マブカは手に持った植物を使って遠距離攻撃を仕掛けてくるが,これはプリーストの「ニューマ」で無力化できる。深い森の右上には少し開けた広場のような土地があり,ここに三つ首の竜,ゴピニクがいる。ゴピニクは「マグナムブレイク」と「クァグマイヤ」を頻繁に繰り出すので,ハンター系やアサシン系キャラクターだと苦戦するかもしれない。
ドロップアイテムとしては「ロードサークレット」などがあるが,今後のアップデートで変更される可能性もあるとのこと。ガンホー 野呂氏によれば「セイフティウォール」をうまく使えば倒しやすいらしいので,腕試しとして挑戦してみてはいかがだろうか。
モスコビアに出現するモンスターは攻略方法が分かりやすく,入手できるジョブ経験値が高いため、2次職への転職間近,あるいは転職後の成長に伸び悩むキャラクターに適した狩場である。製造に必要なアイテム「植物の茎」も出るので,アルケミスト/クリエイターには嬉しいエリアだろう。
ただし,今回はテストサーバのためほかのプレイヤーがおらず,モンスターのポップも激しくておいしい狩場に見えたが,ダンジョンはさほど広くない。実装直後は高レベルのキャラクターもモスコビア観光に訪れるであろうし,ついでにクエストも軽くクリアして,ダンジョンには人があふれかえることが予想される。経験値や製造用アイテム収集を目的に,安定した狩場になるのは少し先のことになりそうだ。
動く島「クジラ島」の謎
ちなみに,ロシアのRO公式サイトには短いながらも,「モスコビアの歴史」というページが用意されている。当然ロシア語で書かれているわけだが,翻訳サイトを駆使すれば理解でき……ないこともないので,興味がある方はチャレンジしてみるのもよいだろう。
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