インタビュー
サービス19年目を迎える「ラグナロクオンライン」で,4次職&BaseLv250の実装準備中! 2021年ロードマップを運営スタッフに聞いた
気づけば年明け恒例となっているが,RO運営チームの中村聡伸氏と山本兼寛氏の2人に“今年の展望”を聞いた。
星帝/ソウルリーパーにYggdrasillワールドと充実した2020年
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。先日(2020年12月)ROが19年目に突入しました。昔のオフラインイベントで森下さん(ガンホー・オンライン・エンターテイメント 代表取締役社長 森下一喜氏)が「10年,20年運営を続けていきたい」とおっしゃっていましたが,20年が目前に迫ってきていますね。
中村聡伸氏(以下,中村氏):
積み上げて,積み上げてようやくですね。周年で言うと,20周年まではあと2年になりますが,当時生まれた子供が成人式を迎えるところまできてしまいました。
4Gamer:
オープンβテスト(2001年11月開始)のころから考えると,今年でちょうど20歳になりますね(笑)。
中村氏:
本当に長くサービスできていることを感謝しています。もちろん,20周年を迎えてからも,まだまだ続ける気はありますのでご安心ください(笑)。
2020年は世情的な部分もありましたが,アップデートやイベントは予定通り入れられたと思います。年初にレベルキャップのBaseLv185開放を皮切りに,「EPISODE:EDDA グラストヘイム」の実装,そして秋口には星帝とソウルリーパーの実装でようやく全職業が横並びで一緒に遊べるようになりました。11月には「EPISODE:ILUSION〜賢者の遺産〜」も実装できましたし,お約束は概ね守れたかなと。
山本兼寛氏(以下,山本氏):
BaseLv185を開放したあと,我々としてはレベルキャップ到達まで1か月強ぐらいかかると想定していたのですが,3週間ほどで達成された方がいて,プレイヤーさんのパワーもまだまだすごいと感じています。攻城戦はレベルが高いと有利になるからと,ネットカフェなどを利用してレベルを上げたなんていうブログも見まして,プレイヤーさんの本気を目の当たりにしました。
4Gamer:
ギルドで協力してガッと上げる,みたいな感じですか。
山本氏:
そうですね。「最速で(レベルを)上げて攻城戦に勝とう!」みたいな感じだったようです。また星帝とソウルリーパーが実装されたことで攻城戦の戦い方も変わり,それにより強かったギルドが入れ替わったりして,ギルド間の勢力図にも変化がありました。それ以上に星帝やソウルリーパーを待たれていたプレイヤーさんが大勢いらっしゃって……。
4Gamer:
実装まで長かった職ですから,まさに待望だったと思います。
山本氏:
拳聖やソウルリンカーをメインで遊んでいらした方々からは,「とにかくやりたくてしょうがない」とか「待った甲斐があった」という感想が見られたので,実装できてよかったと思います。
あと「賢者の遺産」ですけれど,これまでBaseLv185制限のコンテンツはなくチャレンジではありましたが,今でも人気があり利用されています。2020年は,そんな新しいことにチャレンジできた1年だと思っています。
4Gamer:
山本さんとしては,攻城戦YEが通常稼働になって一段落付いたといった感じでしょうか。
山本氏:
完全に手が離れているとは言えなくて,攻城戦YEはマッチング戦をシーズン制にして続けていきたいと思っているんです。シーズンごとの調整も進めていきたいですし,攻城戦トレーニングエディション(以下,攻城戦TE)もYggdrasillワールドへの移植がまだできていないので,早々に手を付けないといけません。また,YggdrasillのPvEコンテンツも拡張していくので,まだそちらの作業がいっぱいありますね。
4Gamer:
Yggdrasillからは,まだまだ離れられそうにないんですね。山本さんが2020年で印象に残ったものはなんでしょうか。
山本氏:
やはり,星帝とソウルリーパーの実装です。新職業は,なかなか入れる機会がないですから。そして,入れたことでROの世界がどう変わるのかはプレイヤーさんの遊び方次第なので,そこを見るのも楽しいんです。
4Gamer:
中村さんはいかがですか。
中村氏:
私も星帝とソウルリーパーをうまく実装できたのが一番大きいですね。あとは過去の夏イベントをアレンジして,ブートキャンプという形でマラソンと釣りで経験値を上げるイベントが好評だったのが印象に残ってます。
2021年ロードマップが公開。Yggdrasillでは蜃気楼の塔YEと攻城戦TEが実装に
4Gamer:
それでは,今年のロードマップについて教えてください。
中村氏:
先ほど山本がYggdrasillに付きっきりという話がありましたが,現在プレオープン中の新コンテンツ「蜃気楼の塔YE」を山本が担当しています。
従来の蜃気楼の塔は,100人規模で1つの塔にチャレンジするコンテンツで,戦闘不能になると即退場というルールでした。蜃気楼の塔YEは,最初に12人ずつの8パーティに分かれた状態で塔の攻略にチャレンジし,登る途中で他のパーティと合流しながら最上階を目指す形になっています。
4Gamer:
戦闘不能になった場合は,やはり即退場に?
中村氏:
いえ,戦闘不能になっても即退場とはならないシステムになります。実装の順番としては,プレオープンでは第1層が実装された状態で,2021年内に続々と上層部を追加していきます。プレオープンの状態でも10階分あるので,けっこう遊びごたえはあると思っています。
山本氏:
2020年のインタビューで“蜃気楼に似たコンテンツを入れたい”と話していたと思うのですが,少し大がかりなものになりすぎまして,とりあえず4段階のうちの一番下の部分だけ実装という形になりました。
今までの蜃気楼の塔といえば戦闘不能で一発退場。前に出るかでないかでもやもやしていたと思うのですが,今回は最大3回の戦闘不能で退場に変わるので,ある程度は思い切った行動ができると思います。それを形にするために,リザレクションの代用として,使用回数に制限のかかったアイテムが使えます。入場時に規定回数分のアイテムが参加プレイヤーに渡されるので,それを活用して登っていくというのが基本的な流れになります。
4Gamer:
全プレイヤーが複数回,他のプレイヤーのキャラを復活させられるということですか。
山本氏:
はい。最初に1人につき3つの復活アイテムがもらえるので,3回まで起こす権利を持っていることになります。この復活アイテムは,HPとSPを全回復できるアイテムでもあるので,例えば壁役の人は回復剤として使っても良いし,後ろに控える人が他の人を復活させるために温存しても良い。このアイテムの使い方が,蜃気楼の塔YEのポイントになると思います。
4Gamer:
なるほど。実際に塔はどのような流れで進行するのでしょうか。
山本氏:
塔の各層を登り切ると休憩できる階に出て,そこで他のパーティと合流してまた上に登ることになります。8つのパーティのうち,どこと合流するかはランダムです。
例えば,あるギルドが50人でチャレンジしたとしても,必ずしもギルドメンバーと合流できるわけではありません。また,登る層もプレイごとにランダムで変わり,出現するボスやモンスターも違うので,毎回同じ流れにはならないと思います。
4Gamer:
1層で脱落した人がいると,12人未満のパーティと合流することもあるのでしょうか。
山本氏:
脱落する人が出れば,その分減っていきます。とは言っても,1層の難度はそれほど高くないので,それなりの装備があれば登れると思います。
一方,蜃気楼の塔YEにはタイムアタック要素があり,例えば合流できる部屋へのワープリンクに乗るには,一定時間以内に最初の層をクリアしなくてはならないという時間制限を設けています。
4Gamer:
なるほど。上に登るためには急ぐ必要はあるけど,急ぎすぎると不意の事故で戦闘不能になるかもしれないという感じなんですね。
山本氏:
そうです。最近の蜃気楼の塔では,衣装装備をもらうためにタイムアタック要素を入れていますが,それを採用した形ですね。
山本氏:
これまでのROでは,複数人のプレイヤーが合流するといった要素をここまで押し出したものはなく,またタイムアタック要素で足切りされることもなかったので,時間と安全面を考慮しながら戦うという新しい遊びになっているんじゃないかと思います。
4Gamer:
なかなかハードそうなコンテンツですね。報酬はどういったものが用意されているのでしょうか。
山本氏:
中身はまだお話しできませんが,蜃気楼の塔YEは登り切れずに終わることもあるコンテンツなので,登り切ったあとの報酬には期待してください。
4Gamer:
どんなものが出てくるのか楽しみです。登れる塔は1つだけなのでしょうか。
中村氏:
プレオープン時はNormalとHardの2つの難度を予定しています。
山本氏:
後々,InfernoとExtraの2つの難度を追加する予定で,InfernoはHardの上位難度です。ティアマト攻城戦のInfernoとは方向性が異なりますが,退場も含めて厳しい難度になると思います。Extraは,先日攻城戦YEの正式実装とともに作れるようになったBaseLv99までの転生2次職で登る蜃気楼の塔YEです。
4Gamer:
Extraの難度は,他と比べてどれくらいのものなのでしょう。
山本氏:
制限されたリソースで攻略することになるので,かなり高くなると思います。
4Gamer:
InfernoとExtraではどちらの難度が高くなりますか?
山本氏:
イメージとしては同等ですね。Infernoは各職業を極めた人が登る塔で,Extraは例えば装備やプレイヤースキルを最適化して登る,やりこみ要素に近い形です。やり込み要素ではありますが,難度も高いので報酬もちゃんと用意するという感じですね。
中村氏:
現在のROでは,Lv99まで装備できるものや,装備レベルは低い一方,レアで強力な装備もあるので,それらを駆使して挑戦を楽しんでもらうというのがExtraです。
4Gamer:
そういう意味での難度の違いなんですね。ROではキャラを何人も作っているプレイヤーが多いはずですが,実用レベルで装備を全キャラ分揃えているかというと,そういうわけでもないと思うんです。そういう方がExtraに参加したいというときの,サポート的なものは考えていますか。
山本氏:
Extraにチャレンジする方々は,例えばLv99制限のある攻城戦TEを楽しんでいられる方ではないかと想定しているので,サポートは考えていません。一方,Yggdrasillでは転生Lv99のキャラを制限なしで作れるので,友だちを誘いやすいという点でも期待しています。
4Gamer:
初めての友だちを誘うのに蜃気楼の塔YEのExtraはハード過ぎると思うのですが(笑)。
山本氏:
そういったときのための復活アイテムです。それに,装備が揃っていなくても活躍できる職業はいくらでもあると思うので,いろいろと試して何が役に立つのかを模索するのも楽しさだと思ってもらえれば。
中村氏:
復活の仕組みを考えると頭数が多い方が有利ですし,もともと蜃気楼の塔はたくさん出てくる敵をうまく分散して倒していくところがポイントでもあるので,必ずしも装備が充実していなければクリアできないというものでもありません。うまく工夫して最上階を目指していただくというのが蜃気楼の塔の楽しみ方なのではないかと思います。
4Gamer:
復活アイテムの個数や参加できる人数は,どの難度でも変わらないんですよね。
山本氏:
はい,アイテムの数と人数は共通です。
山本氏:
プレオープンでは1層分のみの実装となりますが,最終的に4層になります。それと並行して横に,難度を増やすといった感じになるかと思います。
4Gamer:
先ほど段階的に上層部を追加していくとおっしゃっていましたが,それぞれの難度も同時に実装されるのでしょうか。
中村氏:
難度と上層部については別に考えていて,まず上に延ばすアップデートを行います。そこが落ち着いたら,同じ階層で別の難度が追加されると思ってください。
山本氏:
まったく攻略が進んでいないのに上に延ばしてもしょうがないので,そういったときは横に延ばすこともあると思いますが,基本的には上に延ばすほうを優先し,全員が登り切るところまで作ったあとに別の難度も用意する,といった感じになると思います。
4Gamer:
では,蜃気楼の塔YEを作りきったあと,別の塔を作るといった構想はありますか?
山本氏:
別の塔というか,別のPvEコンテンツはこの先も作っていこうと思っていますが,まずは先に蜃気楼の塔YEを作りきらなくてはいけないので。そのあと,ということになります。
中村氏:
まったく新しいコンテンツを作るか,既存のコンテンツの新しいバージョンを作るかは,皆さんの遊び方を見ての判断になりますね。
4Gamer:
新しいコンテンツのほうが,プレイヤーは喜びそうだと思うのですが。
中村氏:
実のところ,新しいコンテンツをゼロから攻略し直さなければならない,ということに難色を示される方は少なからずいらっしゃるんです。
今回のプレオープン期間が長いのも,攻略期間を取るという意味もあります。時間がかかると上に行けないまま足切りになるルールなので,期間を長くして攻略を確立していただき,次の階層に挑んでいくほうが遊びやすいのではないか,という考えからです。
4Gamer:
なるほど。
山本氏:
Yggdrasillに関しては,引き続き攻城戦YE,そして大会形式で行われている「ラグナロクジャパンシーズンウォーズ(RJS)」も続けていく予定です。またスポンサーも入れて賞金付き大会のような形でできればと考えています。
4Gamer:
2021年のYggdrasillは,PvEは蜃気楼の塔に注力。PvPは攻城戦YEとRJSに注力していくということに?
山本氏:
お待たせしている攻城戦TEの移植を考えています。あとは,手を広げられれば別コンテンツも考えているのですが,そこまで手が回らないと思います。
4Gamer:
攻城戦TEはYggdrasill化すると昨年おっしゃっていたものですね。
山本氏:
はい。まだか,まだかと言われていて,けっこうプレッシャーがかかっています。先日もRJSに参加したギルドのインタビューで「TEの移植はまだですか」と言われまして。心苦しいのですが,まずは目の前のものを片づけていかなくては,と。
通常ワールドではコンスタントにイベントを実施
4Gamer:
通常ワールドのアップデートについても教えてください。2021年はどのような運営方針でいくのでしょうか。
中村氏:
2020年の季節イベントは,お正月に始まり,バレンタイン,ファッション,精錬イベントと毎年定番のものを開催しました。2021年は定番イベントを少しいじろうと思っています。
4Gamer:
どのようになるのでしょう?
中村氏:
具体的には季節イベントを必ず3週間の開催にして,それぞれでキャラクターを育てたり,装備を手に入れたり,強化したりといったテーマを設けます。イベント間のインターバルには,例えばイリュージョンダンジョンの報酬を20倍にするといった期間限定のプチイベントを開催していく予定です。
そして,最終的にイベントなどで腕試しをするという流れを半年から1年という長いスパンで作っていきたいと考えています。
4Gamer:
プチイベントはこれまでにも実施されていましたね。
中村氏:
あと,ときどき回復アイテムが足りないところも出てくるので,季節イベントを開催していない時期でもドーナツお姉さんというNPCと回復アイテムを気軽に交換できるなど,プレイしやすい環境を整えていきたいと思います。
4Gamer:
そういえば,精錬イベントも季節イベントという扱いなんですね。
中村氏:
はい。精錬イベントは桜の季節に合わせたイベントになっていて,そこで装備を鍛えて,プチイベントでエンチャントをしてもらい,深淵の回廊で腕試し,という流れになりますね。
深淵の回廊も毎回新要素を入れたり,新アイテムを導入したりして,より楽しんでいただけるようにしています。もともとはアニバーサリーイベントだった深淵の回廊を単純な季節イベントと呼ぶのも語弊があるかもしれませんが,定期的に開催して皆さんに腕試ししてもらうのもアリかと思っています。
4Gamer:
なるほど。深淵の回廊が腕試しの場になるんですね。
中村氏:
もちろん通常のアップデートも控えています。新たにグラストヘイムのストーリーが楽しめる「グラストヘイムメモリアルチャレンジ」,イズルードの海底神殿を舞台にした新イリュージョンダンジョン「イリュージョンオブアンダーウォーター」,そして「タナトスの記憶」という,タナトスタワーを舞台にしたストーリー性のあるメモリアルダンジョンを予定しています。
4Gamer:
グラストヘイムメモリアルチャレンジで楽しめるストーリーは,2020年に実装した「EPISODE:EDDA グラストヘイム」とは別物ですか。
山本氏:
EDDAとは完全に別物で,グラストヘイムメモリアルのストーリーを補完するような内容です。出現するモンスターも既存のモンスターの色違いではなく,作り起こしのモンスターになります。
4Gamer:
これらの新コンテンツは,どれもBaseLv185相当のキャラでないと遊べないのでしょうか。
中村氏:
イリュージョンダンジョンのコンセプトは「キャラクターをBaseLv185まで育てる」ことなので,それに準じたものにはなると思います。詳細については,個々のアップデート時に説明させていただければと思います。
4Gamer:
それぞれの実装時期はいつごろになりますか。
中村氏:
順番的にはグラストヘイムメモリアルチャレンジが一番早く,春くらいを予定しています。
韓国ですと,実はこの先のコンテンツも入っていますが,いずれもBaseLv200以上で,そのまま日本で実装するのが難しいんです。そのために我々がやらなければならないのが,BaseLv200への突入と4次職の実装です。
4次職実装でレベルキャップはBaseLvは250まで開放!?
新システム「特性ステータス」や「AP」も初公開
4Gamer:
ついにBaseLv200時代へ突入ですか。
中村氏:
4次職の実装は,2021年末から2022年の第1四半期を目指して作業を進めています。もともと韓国で実装されたのが2020年9月16日で,入ったばかりなんです。ここから検証やスキルの性能を見ていくのですが,新システムが多かったりするので,作業は1年がかりになってしまうかなという目算です。
4Gamer:
過去の例ですと,韓国でスキルの内容がコロコロ変わるのではと思ってしまうのですが。
中村氏:
現状はあまり頻繁に修正は行われておらず,そこそこ安定しているようです。
4Gamer:
では,4次職はどういったクラスになるのでしょうか。
中村氏:
先ほどもお話ししましたように,韓国では9月16日に4次職が実装されていまして,こちらのスライドのように全職業のイメージイラストもあります。
中村氏:
職業名については概ねこの形で行こうかなと思っています。
4Gamer:
これらのグラフィックスは実機のものですか。
中村氏:
はい,すべて実機における4次職のドット絵です。なお,メカニックはマイスターというクラスになり,メカニックが呼び出していたユニット「FAW」のような,ABR(オートマチックバトルロボット)と呼ばれるものが使えるようになります。ABRはキャラクターの右側にいる4つのキャラクターで,召喚して一緒に戦えます。
4Gamer:
合体しそうなフォルムですね?
中村氏:
しないと思いますよ(笑)。
4Gamer:
それはちょっと残念。
中村氏:
あと,マイスターはキャラクターが4人並んでいますが,左から2番めと4番めが,メカニックで言う魔導ギア騎乗状態のグラフィックスです。パワードスーツ感が増して,「乗って操縦」から「着て戦う」にシフトしたという感じみたいですね。
山本氏:
実はこれ,宙に浮いているんですよ。
中村氏:
もう1つ,ジェネティックはバイオロになり,新たに植物モンスターが召喚できるようになります。バイオプラントの新しいものというのがイメージに一番近いと思います。
4Gamer:
これは4つのタイプのモンスターを召喚できるのでしょうか,それともランダムで1体が現れる?
山本氏:
それぞれ別のスキルで召喚できるようになっています。
中村氏:
ソーサラーに関してはエレメンタルマスターになって,新たな精霊の召喚が可能になります。
4Gamer:
修羅は服を着るようになったんですね。
中村氏:
少し方向性が変わりましたね。ドット絵はこの状態で韓国で実装されているので,ここから変わることはないと思います。
4Gamer:
日本では3次職のときにグラフィックスが変わりましたが,今回はそういうことはないわけですか。
中村氏:
今回はそこまで変わらないと思います。我々としてはセカンドコスチューム的なものも考えていますが,まずは4次職の実装が最優先ですね。
4Gamer:
4次職への転職方法はどうなるのでしょうか。
中村氏:
日本でどういう転職方法を取るかは,少し考えたいと思っています。3次職への転職が,未だにポスト(に話す)だったりもしますし(苦笑)。
実は3次職のクエストを実装しようかという話もあったのですが,現在のトレンドを考えると転職クエストに時間をかけるよりも,すぐに転職して遊んでいただいた方がいいね,という判断からポストのままなんです。じゃあ4次職はどうするという話が出ているので,そこも含めて考えなければならないな,と。
4Gamer:
韓国での4次職転職の条件はどうなっているんですか?
山本氏:
BaseLv200が転職条件です。
中村氏:
しかし,現状の日本ではBaseLvは185で止まっているので足りません。それを200まで上げるとなると,経験値テーブルの話も再燃します。レベルを上げやすくするのか,もっと低いレベルで転職できるようにするのか,そこも含めて考えたいと思います。
山本氏:
おそらくBaseLv200のレベルキャップ開放を先に実施すると思いますが,もし条件がBaseLv200でなくてもいいなら話は変わってきます。ですが現状では,韓国で実装されている基準と同様にBaseLv200開放が先ですね。
4Gamer:
JobLvは転職の条件に関わってくるのでしょうか。
山本氏:
いまのところ,JobLv70となっています。
中村氏:
JobLvが条件に入っている,いないにかかわらず,(スキルポイント獲得のため)最高の状態にして転職したいという気持ちが働くと思います。転職してしまうと元の職へは戻せないので,恐らくMAXレベルにできるように取りはからうことになるだろうとは思っています。
4Gamer:
4次職になると,ステータスもまた大きく上がると思うのですが,こちらの上限はどうなるのでしょう。
中村氏:
4次職になると「特性ステータス」というものが追加されます。それに伴い,レベルアップによるステータスポイントが付与されなくなります。
4Gamer:
自分でステータスポイントを振り分けられるのは,BaseLv200までということに?
中村氏:
はい。韓国の仕様ですと,BaseLv200で得られるステータスポイントが最後となります。それに変わって,BaseLv201からはレベルアップごとに特性ステータスのボーナスポイントがもらえるようになります。
これで上げられるパラメータは「パワー」「スタミナ」「ウィズダム」「スペル」「コンセントレーション」「クリエイティブ」の6つで,攻撃力の割合増加やヒールの回復量増加,クリティカルダメージの増加など,基礎ステータスにプラスαして最終的な数値を増加させる効果があります。
さらなるキャラクターのカスタマイズが可能になり,より尖ったキャラにもできますし,ステータス的には平均的だけど攻撃力が高いキャラづくりもできるようになります。
4Gamer:
通常のスキルやステータスに割合増加を上乗せするというのはかなり強力な気がするのですが。
中村氏:
もともと,3次職の中にはBaseLvの数値に依存しているスキルもありますし,割合で増加するスキルも多いので問題ないと思います。
山本氏:
数字を積み重ねていって徐々に強くなるものなので,1とか2を割り振っただけでものすごく強くなることはないと思います。もちろん,割合増加なので上げれば上げるだけ強くなるのですが,ほかのステータスとの兼ね合いで上げていくのがいいんじゃないかと,いまのところ考えています。
4Gamer:
BaseLvが上がると増えていくとのことですが,4次職になった時点でBaseLv200ですよね。そこからどこまでBaseLvは上がるのでしょうか。
山本氏:
韓国では4次職と同時にBaseLv250まで開放されて,レベルが上がる中で入手したポイントを特性ステータスに割り振るというシステムになっています。ただ,いきなりBaseLv250まで開放というのはちょっと乱暴なので,日本では少し刻みたいとは思っているのですが。
4Gamer:
スライドを見ると,通常のステータスにも特性ステータスにもジョブ補正がついてますよね。しかし,それぞれ数値が違います。
山本氏:
韓国からの資料をそのまま使っているので間違っているかもしれませんが,どちらにもジョブ補正が付くようです。ただ,通常ステータスは3次職のジョブ補正のようなので,4次職のジョブ補正は特性ステータスに追加されるのかもしれません。
4Gamer:
なるほど。こちらは続報を待ちたいと思います。
中村氏:
もう1つ,4次職になると「AP」という新たなパラメータが追加されます。これはキャラクターの下に表示されるHPゲージ,SPゲージの下にAPゲージが追加されるというもので,このAPを溜めるスキルと,APを消費して使うスキルが4次職にはあるんです。大きいダメージを与えたり,新しい状態異常を与えたり,また全回復したりするスキルなどが使えるようになります。
4Gamer:
APを使うスキルはかなり強力そうですが,攻城戦でも使えるのでしょうか。
山本氏:
とくに制限をかける予定はないので,そのまま使えると思います。APは格闘ゲームでいうところの必殺技ゲージみたいなもので,ボス戦や対人戦などで,使いどころを見極めて使うといった運用になると思います。
4Gamer:
なるほど。4次職になったらスキルも増えるんですよね。
中村氏:
もちろん,4次職専用スキルが大量に入ります。APが増加するスキルは,この職業ならこれだよねという職業の特性に合ったものになります。APが増加するスキルも弱いわけではなくて日常使いができるレベルで,いざというときのためにAPを消費するスキルを使うという戦い方になると思います。
山本氏:
APの実装は,ROの戦い方に新しい変化をもたしてくれるのではないかと期待しています。3次職までのスキルはAPに関わらず使えるので,4次職スキルをうまく足して,戦い方の幅が広がるようになればいいと思います。
4Gamer:
確かに,これまでのROにはなかった戦い方,スキルの使い方になりそうです。
中村氏:
4次職をRO20周年めの目玉にしたいとは考えていますが,相当なボリュームなのでけっこう時間かかりそうだとも思っています。ただ,3次職を実装するときは2年ぐらいかかりましたが,それに比べれば早く実装できると考えています。
4Gamer:
期待しています。ところで,4次職実装と同時に装備などが付いたスターターパックの販売などは考えていないんですか。
中村氏:
ある程度プレイ状況が確立した上で,スタイルに合わせたものを販売するほうがいいかと思っています。星帝とソウルリーパーのスターターパックが実装と同時に出たのは,ほかの職業とすぐに横並びの状況にしてあげたいという考えがあったからで,購入してすぐに4次職になれるというパッケージが果たしてどれだけ需要があるのか分かりません。パッケージだけ買って転職しても装備が揃っていないというのは不親切なだけです。
山本氏:
さすがに13職分一気に出すのは現実的ではないですけど,スターターパック自体は好評なので後から出す可能性はあります。しかし,まずは4次職の基本性能で遊びましょうという形になると思うので,実装と同時にパッケージを販売という考えはないですね。
4Gamer:
分かりました。ちなみに先ほどの蜃気楼の塔YEのInfernoは,4次職を対象にしているわけじゃないですよね。
山本氏:
4次職実装よりもInfernoのほうが確実に早いと思いますので,そこは大丈夫です。Infernoは現3次職のBaseLv175以上が対象です。
4Gamer:
逆に4次職が来たらInfernoの上を作る可能性もありますか。
山本氏:
4次職になって遊ぶ場所は必要ですから,十分にありえますね。今のティアマト攻城戦YEの上の難度を追加してもいいと思っています。とはいえ,まだ4次職の内容を把握してはないので,例えばスキル内容によってはバランスも変わるでしょうから,用意するのはこれからですね。
4Gamer:
せっかくBaseLvが開放されて200以上を目指せるなら,新しい遊び場は欲しいですよね。そういえば,メインエピソードの追加はないのでしょうか。
中村氏:
メインエピソードは,実は先ほどお話ししたBaseLv200制限に引っかかっていまして,それを先に解消しないと更新ができないという状況なんです。なので順番的には,そのあとかなと。
4Gamer:
分かりました。では,2021年の抱負とROファンへのメッセージをお願いします。
中村氏:
19年目となる今年は,20周年につながるような形のアップデートを実施する一方で,18年間遊んできた日常も大切にしたいと思っています。ROが生活の一部になってる方もいらっしゃると思いますが,それを崩さないようにしつつ,新しいことにもチャレンジしていきます。その窓口となるのが4次職だと思っています。実装へ向けて全力を出していきますので,2021年のROにご期待ください。
山本氏:
遅くなってしまいましたが,2020年は攻城戦YEが正式実装できました。次はPvEコンテンツである蜃気楼の塔YEです。登れる階層や難度はこれから増やしていくのですが,これからもYggdrasillのコンテンツを増やしていきたいと思います。もちろん,メインワールドで遊べるコンテンツも一緒に増やしていきたいと思っているので,今年1年間も楽しんでいただければと思います。2021年も,ぜひよろしくお願いします。
4Gamer:
本日はどうもありがとうございました。
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