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[TGS2003 #24]「World Cyber Games 2003 日本予選大会決勝」のイベントレポート | - 2003/09/29 01:54 |
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マイクロソフトがスポンサーを務める「World Cyber Games 2003 日本予選大会決勝」は,展示会場の端に設置されているイベントブースにて行われた。PCゲームの大会というと,これまではネットカフェなどといった比較的"ローカルな場所"で行われていた感があるのだが,今回は,日本のゲームイベントの中でも最も大勢の観客が集まる東京ゲームショーが舞台。世界大会であるWorld Cyber Games本戦(韓国で開催)への前哨戦としては,申し分のない舞台だといえる。イベントが開始される頃には,用意されていた椅子がすべて埋まるほどの観客が集まっており(休憩に座っている人もいたようだが),イベントが始まると皆興味深げに前面の巨大スクリーンに眺めていた。 このイベントは,司会の進行の下,まずはWorld Cyber Gamesの概要説明から始まった。概要解説では,韓国を始めとして世界中でコンピュータゲームが"競技"として認知されつつあることを説明。各国のトッププレイヤーが集う世界規模のゲーム大会は,競技としてのエキサイティングな面白さだけではなく,文化の共有も大きな魅力の一つだとし,そういった魅力を持つWorld Cyber Gamesを今後さらに発展させていきたいとした。 ついで司会はWorld Cyber Gamesにおける日本勢の成績について話を進め,昨年「Age of Empires II:The Conquerors」の部門で,見事Halen(forGamer所属)が優勝を果たしたことを報告。日本人プレイヤーの強さもどんどんレベルアップしていると語り,今後の活躍を期待したい,と話を締めくくった。 一通りWorld Cyber Gamesの説明が終わったところで,マイクロソフトのプロダクトマネジャーである風間氏が登場。マイクロソフトが新たに発売する二つ新作「エイジ オブ ミソロジー 拡張パック・アトランティスの巨神たち」と「ヘイロー コンバット エボルヴ」の,タイトル発表会が行われた。 これは実際のデモンストレーションを交えての非常に分かりやすい発表会で,なんのイベントかな?と分からないままに見続けていた何人かの観客も,これには「ほほぉ」っといった反応。ヘイローなどは元々Xboxで知名度があるタイトルということもあり,その映像の美しさやアクション性の楽しさは,非常に伝わりやすかったような雰囲気だった。途中,倒した敵プレイヤーの体を,戦車の大砲で吹き飛ばすシーンなどでは,そのある種コミカルな描写(体がぽーんと吹き飛ぶ)にちょっとした笑い声も聞こえていたほどだ。とはいえ,発表の内容自体は,別途タイトルごとに詳しく紹介したいと思うので,ここでは割愛させて頂きたい。 さて,一通りの発表が済んだところで,いよいよ日本予選決勝戦が開始された。大会種目は,マイクロソフトが販売を手掛けるファンタジックRTS「エイジ オブ ミソロジー」。オンライン上および秋葉原Neccaで行われた大会予選を勝ち抜いた二名の選手が,日本最強の座を賭けて,雌雄を決することとなった。 大会を勝ち抜いてきた強者は,Fird氏とHalenの二人。中でもHalenは「Age of Empires II:The Conquerors」の世界チャンピオンの肩書きを持つ,世界的にその名を知られるトッププレイヤーである。エイジ オブ ミソロジーの部門においても,今年台湾で開催されたアジア大会などで優秀な成績を収めているなど,今年もその活躍が期待されている選手の一人。日本予選決勝も,Halenが下馬評通りに圧倒的な強さを見せつけるのか否かに,注目が集まっていた。 簡単な選手紹介のあと早速試合が開始された。試合は,相手の出方を警戒していてか,双方ともいわゆる奇策を使わない正攻法で展開された。選んだ主神(文明)は,Halenがエジプト系の「セト」で,Fird氏は北欧系の「トール」。トールはどちらかといえば速攻系に属する文明だといえるが,Fird氏は小屋を自陣の中心近くに建て,相手の攻勢を警戒する態勢だ。これは,セトが得意とする"初期動物Rush"を見越しての対応だと思われる。ただそんな状況もあってか,中盤までは双方決定打を欠く小競り合いのみに終始した。 試合中には,国内のトッププレイヤーの一人として知られるHOUKOU氏が解説者としてイベントに参加し,ゲームの展開を逐一実況する形式が取られた。ゲームについての知識が豊富なのは分かるとしても,解説者としては素人ながらも非常に巧みな解説が印象的で,プロであるハズの司会者と遜色なく会話をやりとししていたのには,ちょくちょく一緒にオンラインで遊んでもらってる筆者としては,ちょっと驚いてしまった。ちなみにHalenのゲームプレイ画面の解説の折に,司会者が「どこを見て何をやっているのでしょうか??」と戸惑いのコメントを発していたが,これはまったくもって同意である。それなりにRTSがうまいという自負がある筆者から見ても,Halenのプレイ方法は特殊すぎて,なかなかついていけないものがある。 話を戻そう。しばらく膠着状態が続いたが,そんな状況が打ち破られたのは,双方が英雄の時代に入ってすぐ,中央の「町の中心」を賭けての戦いのときだ。Halenは古典の時代からこのマップ中央に位置する町の中心の押さえに着手しており,軍事ユニットを生産する育成所も,その周りに建てて一帯の制圧を図っていたのだが,それが効いた。 Fird氏は中心を取られまいと軍を繰り出したのだが,逆にHalenの防衛隊の攻撃によって,自軍が半壊するという憂き目にあってしまったのだ。軍事力の面で一度不利になってしまうと,それを覆すのは容易ではない。まして,相手があのHalenともなれば,なおさらだといえるだろう。これで大勢はほぼ決した。その後Fird氏は,軍を迂回させてHalenの町の人を攻撃しようと試みるも,逆にHalenの逆襲に合い,またそこで手痛い打撃を受けてしまう。 ただHalenも公式戦ということもあってか,そこで無理な攻めは行わなかった。有利な状況を生んだ時点でよしとし,その後はミスをしないよう落ち着いて行動した。内政をさらに充実させて神話の時代へと進化を急ぎ,十分な軍事力の集結と最終ゴッドパワーを待って,万全の体勢でもって再度進軍を開始したのだ。客観的に見て「これは付け入る隙がない」というほかない。時代の進化もままならない状況のFird氏は,その重厚な軍隊とゴッドパワー「隕石」の複合攻撃により,自陣が壊滅。そこで投了となった。試合時間は24分。 試合が終わったあと,同じくWorld Cyber Gamesの正式種目である「アンリアルトーナメン」の日本代表選手を交えた,簡単なインタビューが行われた。ちなみにアンリアルトーナメンの日本予選の優勝者は,なんと11歳の小学生。並み居るネット上の強者を押しのけ,見事日本最強の栄冠に輝いたという。司会者が韓国はソウルで行われる本戦への抱負を選手に聞いたところ,11歳のチャンピオンであるKikuji君は「勝つために韓国に行きます」と強気の発言をし,会場を沸かせた。 ちなみにエイジ オブ ミソロジー部門の優勝者Halenは,「悔いのない試合だけはしないように頑張ります」と大人(?)な発言。筆者が,前大会の世界チャンピオンなんだからリップサービスの一つくらい頑張れ,と一人勝手な応援を心の中でしてしまったのは,ここだけの話である。 ともかく,エイジ オブ ミソロジーとアンリアルトーナメンのそれぞれ上位二名の選手は,10月に行われる本選へと駒を進める。文字通り悔いの残らないよう,死力を尽くして激戦を戦い抜いてほしいものだ。(TAITAI) |
- 関連タイトル:
マイクロソフト エイジ オブ ミソロジー
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