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[E3 2004#049]超ド級のスペクタクル歴史RTS「Rome:Total War」も完成間近
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印刷2004/05/15 04:56

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 [E3 2004#049]超ド級のスペクタクル歴史RTS「Rome:Total War」も完成間近 - 2004/05/15 04:56

 古代ローマを題材にしたRTS「Rome:Total War」(以下,RTW)が,Activisionのブースにて展示されていた。発売の予定が2004年夏と近いこともあってか,展示されていたバージョンはマスターに近いという,ほぼ完全な状態のもの。今年度における本作の扱いは,疑うべくもないActivisionの目玉の一本として,ブース内で大きなスペースを使っての展示となっていたのが印象的であった。

 念のため紹介しておくと,Total Warシリーズとは,まるで壮大なスペクタクル映画のワンシーンのような戦闘描写が売りの人気ストラテジーゲームシリーズ。元気がなくなりつつある昨今のRTSの中において,燦然たる輝きをみせる希有な作品の一つである。
 新作が登場するたびに洗練されていく圧倒的迫力の戦闘描写や,丁寧に作り込まれたゲームシステムなど,その知名度を着実に伸ばしつつある本作は,現在,歴史ゲームファンから最も熱い視線が注がれているタイトルの一つだといっても決して過言ではないだろう。

 そんなTotal Warシリーズの最新作となるRTWだが,まず大きな変更点として挙げられるのが,グラフィックスエンジンを刷新し,今度こそ完全にフル3D化を果たしたことであろう。これまでは,マップは3Dで構築されていたがユニットは2Dでの描画という,処理の負荷を軽減するための描き分けが行われていた。というのも,シリーズを通して使われていたゲームエンジン自体が,初代にあたる「Shogun:Total War」のモノをベースにしていたというのが,そうなっていた最大の理由。ゼロから作り上げた新たなエンジン(ソースの一部の流用はあるらしいが)を搭載することで,とうとうそこが解消されたというワケだ。
 RTWのシニアプロデューサーを務めるRichard I Blenkinshop氏によれば,今回のRTWで搭載されているゲームエンジンは,改良を改良を重ねて使い倒したTotal Warゲームエンジンのノウハウを生かして作り上げた自信作で,制作には実に4年もの歳月を費やしたという。制作にはなにかと苦労も多かったようだが,最大で1万前後のユニットを表示可能という新たなゲームエンジンを搭載することで,Total Warシリーズのポテンシャルが一回りも二回りも大きくなったのは間違いないだろう。
 とはいえ,ゲームに対する目が肥えているユーザーの中には,「で,実際にフル3D化の効果はどうなの?」と考える人も多いと思う。しかし,実はこれがなかなかどうして,意外なほど効果が大きいように感じるあたり,筆者としてもちょっと驚きの部分である。
 端的に言うと,戦闘時の迫力が前作とまるで違う。戦いの様子がはるかに臨場感のあるものへと進化していたのだ。戦闘時の迫力という意味では,ユニット総数数千という規模を実現した前作「Medieval:Total War」でほぼ理想に近づいたかと考えていた筆者だったりするのだが,いやはやこれは嬉しい誤算だといえるだろう。
 何が理由でこうも迫力があるように見えるのか? そこまで突き止めるには作品に少々触れる時間が足りなかったのが残念ではあるが,ユニットも3D化されたことによってアニメーション処理のギコチなさがなくなったことに加え,作り手側の演出クオリティが向上しているといったあたりが大きいのかもしれない。




 ゲーム中に用意されているシステムについても触れておきたい。
 まずRTWにおけるゲームの流れだが,これは今までと基本的にはなんら変わらない。ただ少し内政や操作方法が改良されており,より遊びやすくなっているのは当然の進化だ。ほかの進化で目立つものといえば,従来は2D表示だった戦略マップも3Dで表示されるようになったということ。以前はユニットはいかにも「駒」というグラフィックス&扱いだったが,今回は,マップ上で配置されている軍団に指示を出すと,そこまで滑らかなアニメーションをしながら兵隊が歩いていくという形。古い例えで恐縮だが,「スター・ウォーズ チェス」のような動きを連想してもらえれば,その雰囲気が伝わるだろうか。戦略マップ上で軍団と軍団がぶつかると,その条件(軍団とその場の地形)を元に戦術モードへと移行していくというスタイルだ。
 またシステム面でいえば,いわゆる"アドバイザー機能"が実装されている点も注目すべきポイントだ。Blenkinshop氏が話すには,これはチュートリアル的なメッセージを吐き出すだけの補助機能ではなく,戦術や戦略についてのアドバイスも行ってくれる,かなり高機能なものであるとのこと。例えば戦闘中にピンチの場面が訪れた場合などには,その旨をユーザーに報告してくれるのだという。これはなかなか便利そうだ。
 そもそも,Total Warの最大の欠点を一つあげるとすれば,それは戦闘時の優劣の判別の難しさである。大軍をぶつけてはみるものの,何が勝因で何が敗因なのかが非常に分かりにくく,それが初心者お断り的な雰囲気を漂わせている大きな要員となっていたように思う。士気や練度,疲れなどといった本作の要素を理解し,作品の面白さを把握するまでに多くのユーザーが諦めてしまったのではなだろうか? 筆者としては,多少なりとも改善されるというのなら,これはかなりの進歩なのではないかと感じている次第だ。
 またマルチプレイに関してだが,Blenkinshop氏曰く「最大8人まで対応し,ロビーソフトとしてGameSpyを利用する形になる」とのこと。こちらは前作とさほど変わりはないような様子である。

 ともあれ,本作はRTSの中でも"群を抜く迫力"を体験できるタイトルである。ストラテジーファンのみならず,ぜひ一度はこの迫力を体験してみる必要があると言い切ってもよい。気になる人は,ぜひ今後の動向をチェックしておくとよいだろう。ただ日本での展開はまだ未定となっているのだが……。
 ちなみにだが,最後にBlenkinshop氏にTotal Warシリーズの今後について話を聞いてみたところ,「今はまだRTWを完成させることが最優先だが,Total Warをいろいろなテーマに広げていきたいという気持ちは当然強い。三国志やナポレオン? そういった可能性はもちろん考えている」とコメントしてくれた。いつの日かTotal Warシリーズで三国志モノが登場するときがくる……かもしれない。(TAITAI)

→「Rome:Total War」の記事一覧は「こちら」

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  • 関連タイトル:

    ローマ:トータルウォー日本語完全版

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