プレイレポート
仕事のふりしてゲームを遊びたい!――というわけで,「Sid Meier's Civilization: The Board Game」を遊んでみたの巻
※1983年にイギリスで発売になったバランスゲーム
ボードゲームにあまり馴染みがない人からすれば,コンピュータゲームがこれほど普及している現代で,なぜわざわざ面倒なボードゲームを遊ぶのか,ボードゲームってそんなに面白いの?と疑問に思う人も少なくないかもしれない。
ただ,ボードゲームは本当に面白いの?と聞かれれば,筆者としては「面白いですよ」と自信を持って断言できる。遊びやすさでいえば,最近流行のソーシャルゲームをはじめとして,オンラインでプレイする多人数ゲームに一歩劣るところはあるかもしれないが,やはり実際に面と向かってわいわいと遊ぶ楽しさは格別だと思う。
かくしてそんな「ガチバトル」の魅力に取り憑かれた人々が,某日,4Gamer編集部に集うこととなった。理由はシンプル。面白げかつPCゲームとリンクの深いボードゲームを研究するため――などではまったくなくて,主に4Gamer編集部のTAITAIが「シヴィライゼーションのボドゲが面白そうだから遊びたいんだけど」と言い出したからである。いいんだよ,細かい理由なんて。
そんな氏の呼びかけで集まったのは,4Gamerでもライターとして活躍する山本一郎氏,アナログゲーム界隈では“フジケン”のあだ名で知られる藤田憲一氏,そして本稿を執筆している筆者こと徳岡正肇の4人だ。
ちなみに元々は,本当にただ「シヴィライゼーションのボードゲーム」を遊ぶだけの集まりだったのだが,誘われるがままに現地に行ってみたら「まぁせっかくだから記事にしよう」とか,後付けで記事化が決まったという非常に“緩い企画”でもある。
4Gamer編集部を使ってゲーム会をやるにあたって,周囲に示しが付かないと思ったTAITAIがその場で思い付いたとかいう噂を耳にしたが,それが真実がどうかは分からない。まぁいいんですけどね,細かいことなんて。
藤田憲一氏 |
山本一郎氏 |
徳岡正肇 |
ところで「シヴィライゼーションのボードゲーム」って?
さて,「シヴィライゼーションのボードゲーム」と言ったが,正式名称は「Sid Meier's Civilization: The Board Game」。以後本稿ではCivBGとさせていただく。
Civilizationと言えば,PCのターン制ストラテジーゲームでは比類なき傑作であり,数多くのプレイヤーの睡眠時間を奪ってきたことで有名なあのシリーズだ。
まぁCivBGを遊んでみると,ルールの端々からなんとなくCiv5っぽさを感じなくもないのだが,CivBGは2010年の作品なので,Civ5はまだリリースされていない。つまりゲーム自体は,Civ4を踏まえた作品と考えるべきであろう。
ゲームシステムとしては,ボードゲームながらも“Civ4の中核的な要素はほぼ入っている”と言ってよい。もちろんすべてを詰め込もうとしても人間の手では捌き切れなくなるので,資源の種類が簡略化されていたり(基本的にはハンマーとゴールドだけ),技術ツリーのルールが変わっていたり,宗教関係のルールがオミットされていたりするが,屋台骨はCivシリーズそのものだ。
プレイヤーは文明を導く永遠のリーダーとなり,自らの文明を世界最高位にするべく都市を建設し発展させ,軍隊を育成し,技術を発展させ,文化を磨き上げ,外交の席につく。もちろん,マップは毎回ランダムに設定される。勝利条件も,戦争による勝利,文化勝利,技術(宇宙船)勝利,経済勝利などなど,Civシリーズにおける勝利条件の多様性を反映している。
さて,では実際にCivBGがどのようなゲームになるか,簡単なリプレイ風にご紹介しよう。今回は,CivBGの基本セットに加え,拡張セット「Fame and Fortune Expansion」を追加してのプレイとなっている。
第1戦目:平和による支配
プレイヤーは4人。ロシア(山本氏),アメリカ(TAITAI),アラブ(徳岡),ローマ(フジケン氏)。ちなみにフジケン氏はTCG「マジック・ザ・ギャザリング」で世界大会にも出場したことのある,あの「悪い」フジケンである。
フジケン氏以外はまだルールがいろいろとおぼつかないこともあって,序盤はのんびりしたスタート。ロシアが蛮族の集落につっかかっていきなり軍隊を壊滅させたりしたものの,あとは全体におっかなびっくりの拡張を続けた。
最初に抜け出したのはアラブ。アラブは経済と文化に優れた特性を有しているが,なかでも希少資源(CivBGには鉄・お香・布などといった資源が存在する)の消費が文化の成長に直結するという能力が強い。
偉人カードは,ゲームの勝敗を左右する要素 |
徐々に明らかになっていくワールド |
希少資源とは,取得条件こそ厳しいものの,戦闘時のアシストや文化点や経済点への変換で使用できるなど,非常に強力な効果をもたらすもの。本来,希少資源は,その文明が支配している都市ごとに1つしか採取できない(しかも採取するとその都市では生産ができなくなる)という,大変に厳しい採取条件を有する。だが,文化遺産の「アンコールワット」を建設することで,1つの都市から2つの希少資源が採取できるようになるところに目を付け,アラブは早々にアンコールワットを建設。これで効率2倍である。
しかしながら,このままアラブを走らせていては本当にまずいという事態に至り,いよいよ各国は本格的な武力介入を開始する。対するアラブは文化点経由で獲得した特殊カードを用いて敵の軍隊を迷子にさせたり,あるいは軍産複合体パワーで正面決戦したりと必死の防御をするが,ついにローマが切り札を発動させる――核爆弾である! CivBGには超希少資源「ウラン」が存在し,核爆発技術を開発することでこの資源を爆弾に変化させることが可能だ。
アラブの衛生都市を核が直撃し…… |
すべてが吹き飛んだ |
だがここで,アラブは偉人「聖フランチェスコ」をオープンする。聖フランチェスコの能力は,「盤面に配備されていない自軍ユニットの数に比例して文化点を得る」というもの。核攻撃ですべての軍隊ユニットを失っていたアラブは大量の文化点を獲得,文化勝利を決めた。
ちなみにCivBG(正確には,拡張も含む)における「偉人」は,ある種のイベントカードに近い役割を担っており,ゲームを決定づけるほどの能力を持つ。今回の勝因も一重に「聖フランチェスコ」を保持していたがゆえだし,カードの出しどころ次第では,偉人一人で押し寄せる敵の大群を無力化させることもできるなど,ゲームの緊張感を高めるスパイスとして絶妙なバランスを誇っている。
14時半ごろにルール説明から始め,15時半ごろにはスタートしたゲームが終わったのは20時のちょっと前。1プレイにかかったのはだいたい4時間半ということになる。昨今のゲームにかける時間としてはわりと長めだが,それにふさわしい充実した時間を過ごせる,好ゲームと言えるだろう。あとは席を改めて,感想戦でもしながらお酒と食事でも,と思ったら……
「よし,もう1ゲーム行きましょう」
「4時間あればいける。やりますか」
ですよねー。このメンツだったら,そうなりますよねー。
まぁ,このメンツならこうなることも十分予想はできた。筆者はカバンに詰めておいたモンスターエナジーカオス(※)をオープン,ゲームは第2回戦に突入とあいなった。
※全米NO.1とかいうエナジードリンク。レッドブルや眠眠打破よりもさらに多くのカフェインを含んでいるとか
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