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[COMPUTEX]外付けグラフィックスボックス「GUS」が発売されないのはなぜなのか。MSIの担当者に聞いてみた
Thunderbolt接続となったGUSは,Ultrabookおよび大画面テレビと接続され,問題なく動作していたのだが,2010年にExpressCard接続モデルとして発表され約2年。果たして今回のGUSは発売されるのかどうか,気になりだした人も少なくないのではなかろうか。
今回4Gamerでは,GUSを担当しているKiner Liu(キナ―・リウ)氏に現状を聞くことができたので,ここにまとめてみたい。
目下最大の課題はThunderboltの普及状況と価格
最新世代のGUSはノートPCに映像を戻せる
Macという例外を除き,Thunderboltの普及はようやく始まったばかり。GUSがターゲットとするノートPCだと,搭載製品は数えられるほどだ。「その状況で市場投入しても,利用できる環境が限られてしまう」(Liu氏)。
また,Thunderboltコントローラとチップの価格も大きなハードルとなる。当時,ExpressCard接続版GUSの想定売価を129ドルとしていた氏によれば,「現状,Thunderboltは,コントローラのコストが15ドル,ケーブルのコストが20〜25ドルと高くつく。当然のことながら,このままでは当初の予定価格を大幅に超えてしまう」とのことである。
ブースで展示されていたのはMac用のファームウェアが書き込まれた個体で,この状態だとPCと接続しても外部ディスプレイが必要になってしまうそうだが,PC用ファームウェアが書き込まれたGUSの場合,Thunderbolt搭載のノートPCと接続すれば,基本的にはPC側の特別な対応なしに,GPU側でのレンダリング結果をノートPC側に搭載されるグラフィックス機能統合型CPUのフレームバッファへ送り込めるとのこと。Thunderbolt経由なので,物理的な遅延がやや気になるところではあるものの,GUSのあるところに必ず外部ディスプレイがあるとは限らないわけで,そんな状況下でも外部GPUを利用できるようにするアイデアはアリだろう。
というわけで,GUSの登場時期に関してあまりポジティブな話はなかった一方,MSIは依然としてGUSに本気であり,将来的な登場の可能性はまだ十分に期待が持てるとまとめていいのではなかろうか。Thunderboltインタフェースが普及し,Ultrabookの多くで採用されるようになった頃に颯爽と登場してくることを楽しみに待ちたい。
エムエスアイコンピュータージャパン公式Webサイト
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