連載
自ら生産することによって装備を整えることに成功した筆者のキャラクターだったが,再び長安に戻って,その周囲のゾーンである司隷で,ソロで敵を倒すことによって戦闘能力の経験値を稼いでみることにした。
司隷にいる敵の強さはだいたいレベル10から20までだ。長安を出てすぐのところにいる狼などの動物系の敵は人気があるようで,通りかかると,たいてい数人がハンティングの最中だ。基本的には交通の便のいいところ,つまり近くに馬屋があるところは,やはり人気が高い。敵キャラクターの再出現は結構早いので,“敵不足”の問題に遭遇することはなかった。
敵を見つけては倒していき,それに飽きたり混雑してきたらほかの場所へ移動。そうやって司隷のあちらこちらを見て回る。その過程で観光&馬屋のアンロックのほか,ほかのプレイヤーがどんなことをしているのかもチェックする。司隷以外のゾーンも覗いてみたりしてみる。しばらくそんなことをしていて分かってきたことがある。
現在のこちらのレベルは15程度。これくらいの戦闘能力レベルのキャラクターがさらに成長するために,「三國志 Online」に用意されている選択肢は,どうやら次の二つだ。
一つはやはり,依頼に関係なく手頃なレベルの猪や狼,盗賊などをフィールドで狩り続けるという方法。ちょっとイマドキっぽくないスタイルだとも感じられるが,カジュアルなMMORPGではこういうのもまだ一般的なことだと聞く。三國志 Onlineにおいても,この“とにかく狩る”という方法は,作り手が意図して用意した選択肢の一つとしてあるようだ。
そして二つ目の選択肢は「軍略」に参加するというものだ。軍略とは“グループを組んで挑むショートミッション”だ。どうやら,この段階でこれをやるには,勢力に仕官してその主要都市に行くのが最も手っ取り早いようだ。
ソロハンティングはもう我慢できなくなってきたので,軍略の様子を見にいくことにする。そうなるといよいよ魏・呉・蜀のどの勢力に所属するか選択しなくてはならないが……実は初めから「呉」を狙っていたので悩むことなくすぐに仕官先を決めた。仕官は勢力の都のほか,長安でも水鏡村でも可能だ。今回は出発前に長安の募兵役に話しかけてすんなり呉の人となった。
そして呉の都「建業」に向かう。建業のある「揚州」に行くは荊州を経由する必要がある。だから長安からはちょっと行きづらい……などということはなく,随所に配置されている馬屋のおかげでゲーム内の移動は全体的にかなりラクだ。マップで揚州にもっとも近い荊州の馬屋を調べてそこにジャンプ。あとは走って揚州に入って建業を目指す。渡し守に話しかけて川を渡ったら,もうそこは建業の城門のすぐそばだった。
建業に入って「軍略担当官」を探すとすぐに見つかった。話しかけて軍略に関する情報や,プレイ可能な軍略のリストをチェックすると,どうもレベルを16にしてから参加したほうがよさそうな感じだ。いったん適切な敵がいる場所にまで移動して16になるまで叩き続ける。16になったら建業まで戻り,軍略の募集に耳を傾けた……。
「三國志 Online」に実装されているフィールドゾーンは(合戦場や軍略マップなどをのぞけば)現在のところ五つだ。それぞれのゾーンを冒険する適正レベルは以下の表のように,きれいに切り分けられている。
本作ではすべてのプレイヤーが戦闘技能レベルを複数持つことになる。そのため,レベルが低めのゾーンでも「一度卒業したらもう行かない」ということにはならず,あとからほかの武器能力を上げたくなったときにまた訪れることになる。その際,この表のようにゾーンがきれいにレベル帯で分けられていることが頭に入っていれば,適切なレベルの敵を素早く探し出せる。
また武器能力を鍛える際には,技能が習得可能になるたびに師範のところへ行って新技能を覚えたいが,すべての町にいる師範がすべての技能を教えてくれるわけではない。そこで,そのゾーンにある町を拠点とするプレイヤーキャラクターのレベルレンジと,その町にいる師範が教えてくれる技能のレベルは,だいたい同じであることを覚えておくと役立つだろう。
適正レベル | フィールド | 拠点となる町 | 習得できる技能のレベル |
20〜 | 「益州」 | 蜀の都「成都」 | 12〜32 |
〃 | 「豫州」 | 魏の都「許昌」 | 〃 |
〃 | 「揚州」 | 呉の都「建業」 | 〃 |
10〜20 | 「司隷」 | 経済の中心地「長安」 | 1〜20 |
1〜10 | 「荊州」 | スタートの村「水鏡村」 | 1〜10 |
軍略とは「短時間で終わるようにデザインされたグループ専用インスタンスで行う依頼のようなもの」で「三国志らしさの感じられる舞台設定が用意されたショートミッション」である。軍略はシナリオごとに対象となるプレイヤーレベル(軍略実行時に装備している武器系統のレベル)や参加可能な人数,制限時間などが設定されている。
軍略を始めるには,まずプレイヤー同士で連合を組んで,リーダーが「軍略担当官」に話しかける。すると軍略のリストが現れるので希望のものを選択する。その後,担当官にリーダーが軍略の開始を告げ,連合メンバーも担当官に話しかけることで専用インスタンスに移動できるようになる。
軍略には「敵の隊長を倒せ」「味方NPCを守りきれ」といった達成目標が設定されている。決められた時間内にこの目標を達成できれば成功,できなければ失敗となる。制限時間はシナリオにもよるが5分〜15分程度だ。
軍略の終了時には“達成した目標”“かかった時間”“倒したNPCの数”など,いくつかの要素から得点が算出され,「S」「A」「B」といった結果判定が行われる。そしてこの判定に応じて,この軍略から得られる経験値やお金の量が決まる。
軍略の概要は以上だが,これだけでは実際にどんな遊び方をすればいいのか分からないかもしれない。ここでは(原稿執筆時点における)そのあたりのところをレポートしていく。
まず,各勢力の都でプレイできるレベル16以上の軍略は,非常に人気があるコンテンツとなっている。多くの人にプレイされている理由は「戦闘能力レベルを16より上昇させたいのであれば,適切なレベルの軍略に参加して何度もプレイするのがもっとも効率がいいから」である。
軍略担当官は勢力の都だけでなく水鏡村や長安にもいる。だが水鏡村&長安で実際に軍略を行っている人は,各勢力の都で行っている人数にくらべるとだいぶ少なく感じられる。
水鏡村には低レベル帯(一桁から十代前半)&勢力未所属のプレイヤーキャラクターでも参加可能な軍略がある。だが,レベル16程度までなら,ソロハントでも割と簡単にレベル上げができるし,そのレベルの軍略には,プレイヤーに「軍略に参加したい」と思わせる動機付けとなるものが薄いようだ。おそらく,あまり人が集まっていないのはそのためだ。
長安にはレベル10台後半のプレイヤーが,勢力を問われず参加可能な軍略があるが,動機付けのことに加えて,「ここで選べる軍略の種類が少ない(効率のよさそうなタイプものが選べない)」「対象レベルの幅が狭い」といった理由もあってか,水鏡村と同じくあまり募集を目にすることがない。
各国の都で行えるレベル16以上の軍略は,武器能力レベルを上げる目的では,とても使いやすいため人気が高い。軍略担当官の周囲には人だかりができて,その人だかりを目当てに物品を売りにくるプレイヤーもいるくらいだ。
各国の都で主にプレイされている軍略は「対象レベルが16〜25のもの」「対象レベルが26〜35のもの」「対象レベルが36以上のもの」だ(現在のレベルキャップは40)。メンバーの募集はこのレベル帯ごとに行われている。
軍略をするグループに参加したい場合は,まずは軍略担当官のところに行って,チャットをチェックし,レベル帯が適合する募集があったらそれに応じる,というやり方がポピュラーだ。それに加えて三國志 Onlineでは頭上に10文字程度のメッセージを浮かべることができるので,そこに軍略参加希望であることと自分の武器系統とレベルを表示させておき,誘われるのを待つという手もある。
軍略は1回が10分程度であり,1回終わるたびに全員が軍略担当官前に戻ってくるため,徒党に参加したり抜けたりといったことが比較的気兼ねなく行える。だから一人か二人欠員という状況が生まれやすく,その場合は,すぐに追加募集をかけることになる。こういった事情のおかげで軍略のグループはとても見つけやすい。この気軽さも軍略の人気が高い理由の一つだ。
軍略では同じものを何回も連続で行うのが,現状のスタンダードとなっている。内容が分かっているものを素早く終わらせて,それを何回も行って,お金や経験値を稼ぐ,というスタイルだ。
筆者が実際に何回も経験したレベル35以下の軍略の場合,もっとも人気が高い(=他と比べて回転効率がよいと認識されている)のは“脱出”系の軍略だった。これは5人用の軍略なので(軍略には10人用のものもある),「(このレベルの)軍略は5人で行うもの」というのがプレイヤー間の共通認識となっていた。レベル16になったら対象レベルが16〜25の軍略をやるグループに参加し,“脱出”系を繰り返し行い,レベルが26を超えたら今度は対象レベルが26〜35の軍略をやるグループに参加し,“脱出”系(さっきとはマップが違う)を繰り返し行い,36になったら次に進む……というのが原稿執筆時点ではキャラクター育成の“定石”となっていた。
軍略は徒党を組んで適切な強さの敵と戦うコンテンツだ。ここで筆者は三國志 Onlineで初めて,戦闘時における役割を意識しつつ,グループで敵を倒していくという方向でプレイをした。
軍略では,敵キャラクターの配置が巧妙だったり,あるいはクリアタイムを縮めるために強引に進みたい場面があったりもして,複数の敵を同時に相手にしなくてはならない状況は珍しくない。そういう場面では,欧米系のMMORPGなどによく見られる戦闘時における役割分担が三國志 Onlineでも有効だ。実際,グループを組む際にはそのことを意識しつつメンバー募集がなされている。
その戦闘時における役割分担とは,大まかにいえば,盾役が敵を自分に引きつけて味方を守り,回復役はその盾役をメインにメンバーたちの体力を維持し,それ以外のメンバーは敵を倒すことや,敵の行動を制限すること,味方を強化することなどに注力する,というものだ。
三國志 Onlineの徒党は5人なので,5人軍略用のグループは「盾」役として最低一人の「防御」キャラクターと,「回復」役として最低一人の「練丹」キャラクター,そして残りの3人はそれ以外のキャラクターという構成がポピュラーだ。残りの3人は主にダメージを与えて敵を倒すことが仕事になるので,「攻撃(双手武器)」キャラクターがいるほうがベターだと考えているプレイヤーが多いようだった。
基本的なやり方を把握したあとは,ずーっと繰り返し軍略を行った。軍略は基本的にクリア報酬の金銭も経験値も割がよい。グループで遊べることの面白さもあって,飽きずに繰り返しているうち,戦闘能力レベルはするりと上がって20を超えた。ソロプレイだけで上げようとしていたら,もっと厳しい思いをしていただろうと思われる。
筆者がメインで上げている戦闘能力は「防御」なので,軍略徒党では盾役を担当することになる。盾役の主な役割は敵を自分に引きつけることなので,そのことが効果的に行えるように,防御用技能の組み合わせや使用のタイミングをがんばって研究した。だが,初めのうちはなかなかうまくいかなくて悩み,グループを組むたびにほかの人のやり方を聞いてみたりもした。その結果ようやく分かったのだが,現在のところ,盾役が敵の攻撃目標を自分に集中させるために忘れてはならない重要な行為は,初めから持っている「練丹」系技能「簡易回復・壱」を自分に対して戦闘の間中かけ続けることであった。防御系の敵を引きつける技能や構えだけでは足りなかったのだ。
もうひと頑張りして防御能力レベルが26になれば,盾役に必須の技能「罵倒」を習得できるようになる。これを使えば比較的簡単に敵をひきつけることができるという。この「罵倒」を覚えるまでは「簡易回復・壱」を自分に使うという方法が有効なようだ。
まあともかく,勢力に所属してレベルも20を超えたところで,そろそろこのゲームの大きな売りの一つである対人戦(合戦)に参加してみようかなという気分になってきた。次週ではそれについて書いていく予定だ。
プレイヤーが何度もお世話になるスターティングゾーン荊州で会う三国志の有名NPCを紹介する。これまで紹介した以外にも,水鏡村にはときどき三勢力の有名武将がひょっこり遊びにくることがある。こちらは常にそこにいるわけではないので,狙って会うのは難しいが,見かけたらぜひ話しかけてみたい。
レベルが10に達してから【徐庶】に話しかけると,荊州の南にいる【崔州平】を紹介される。【崔州平】は【徐庶】とともに【諸葛亮】がとくに親しくしていた友人の一人だ。彼がくれる依頼の一つを進めると,荊州の賊を束ねているのが【董卓】の元家臣であった【張済】であることが分かる。【董卓】は三国鼎立以前に皇帝を擁して政治をほしいままにした人物だが,現在のところ三國志 Onlineの世界には登場していない。しかし,その【董卓】の残党が現在荊州を荒らしており,それを従えているのが【張済】という設定だ。【張済】は強敵なので仲間と徒党を組んでから挑みたい。
|
- 関連タイトル:
三國志 Online
- この記事のURL:
キーワード
(C)KOEI Entertainment Singapore Pte. Ltd. / (C)TECMO KOEI GAMES CO., LTD. All rights reserved.