インタビュー
「蒼天」の戦争が大きく変わる。4月28日のアップデートで新たな戦場が登場する本作の,今後の展開についてアラリオに聞いてみた
ゲームパッドの問題は解決済。プレイヤーの声を積極的にゲームに取り入れる
では,これまでのテストにおける手応え,ゲーム内で印象深かったことなどをお聞かせください。
長谷川氏:
まずCBTでは,当初5000名を募集していたのですが,あっという間に埋まってしまい,2回の追加で合計15000人にまで増えました。結果,応募枠が全部埋まったことはとても嬉しく思っています。
そのあと始まったCBTで感じたのは,プレイヤーさんのレベルアップがとても早かったことですね。実は,OBT開始直後から「政策提案」の導入を考えていたのですが,CBTの様子を見ていると,スタートダッシュでレベルを上げたプレイヤーが強くなりすぎてしまい,すぐに天下統一に動きだして,新プレイヤーとの差がより大きくなってしまう可能性がありました。そこで,実装を遅らせたということがありました。
4Gamer:
なるほど,政策提案の実装タイミングにはそんな理由もあったんですね。レベル差といえば,ほかの国の狩場で,高レベルプレイヤーが初心者プレイヤーを倒しているということが多く,気になっていたのですが,現在はどうなっていますか。
長谷川氏:
それはCBTで問題点として上がっていました。具体的には,レベル5くらいのプレイヤーを,レベル40くらいのプレイヤーがやってきてPKしてしまうといったものでした。
現状では,レベル15以下のキャラクターはPKができない仕様になっており,初心者さんへのPKは緩和されたのですが……,レベル15とレベル40では,どうやってもレベル40が勝ちます。このあたりついては検討中といったところです。
4Gamer:
もちろん,PKに襲われるのはあまり気分の良い物ではないですが,自国のプレイヤーが倒されたメッセージを見て,強いプレイヤーは討伐に向かったり,彼らにお願いして一緒に討伐に混ざってみたり,自然発生的なイベントとして対抗してみるというのも良いかもしれません。
長谷川氏:
ええ,せっかくのオンラインゲームですので,味方を連れて返り討ちを試みてほしいですね。やはり楽しいことばかりが一番かもしれないですが,“やられて悔しい”という感情を,どんなプレイヤーでも何かの形で払拭できて,“次の日またやりたくなる”“いずれ自分が弱い者の力になる”といった感じで,印象に残るゲームにしていきたいと思います。
印象深いものといえば,毎日座談会を実施して,プレイヤーの意見や分からない点など,ゲーム内でできるところは積極的に行ってきたのですが,蓋を開けてみて驚いたのは,ゲームパッドを使用しているプレイヤーが多いことでした。やはりコンシューマライクに楽しみたいと。
4Gamer:
アクション性が高いので,やはりゲームパッドでというのは,よく分かります。
長谷川氏:
ですので,「ゲームパッドで遊べない」や「ゲームパッドに好きなキーを割り当てて遊びたい」というプレイヤーが多かったですね。
CBTではゲームパッドに関して,多数の不具合がありましたが,現状では解決してうまく動いています。ただ私個人としては,キーボードのWASDでFPSっぽい動きができて,ノンターゲッティングで動ける魅力も感じてほしいですね。
4Gamer:
実は,私もゲームパッドで遊んでいました(笑)。CBTからOBTにかけて,ゲームパッドでの操作はかなり良くなりましたよね。
金氏:
ゲームパッドの種類が多かったので,対応するのは結構大変でした。ゲームパッドによって信号が違うので,開発は苦労していたようです。
攻めるだけでなく守りに特化した「皇帝守護戦」も夏頃に実装予定
4月15日のアップデートで「掠奪戦」が追加されましたが,ほかにも「歴史戦」「模擬戦」が導入される予定ですよね。これらの実装時期はどうなっていますか?
金氏:
「歴史戦」「模擬戦」はもちろん今年内で実装予定です。「歴史戦」は,韓国ですでに導入していますが,もっと日本に合うシステムにしたいので調整中です。これら「歴史戦」「模擬戦」は,PvP/RvR要素が強いシステムになる可能性が高く,「国境戦」に参加できない人のためのシステムとして導入しようと考えています。
4Gamer:
では,「掠奪戦」や「討伐戦」などとの違いを教えてください。
金氏:
「討伐戦」はシナリオどおりに進んでいくPvE戦闘で,「掠奪戦」は宝箱の奪い合いです。一方の「歴史戦」「模擬戦」は,規模の小さい「国境戦」と考えてもらえばいいです。
長谷川氏:
現状だと国vs.国vs.国という形なので,ギルド対抗戦のようなシステムがありません。そこで,強いコミュニティを持ったギルドが生きるようなものを,「歴史戦」「模擬戦」で考えています。また,それを利用した大会の運用も考えています。
4Gamer:
なるほど。国単位ではない,小規模戦になるわけですね。ほかに何か実装予定のものとかありますか。
金氏:
まだ企画中の段階ですが「攻城戦兵器」というものを考えています。さらに「国境戦」をもっと深くするといった方向で,スパイや伏兵といった感じのシステムも考えています。
長谷川氏:
これによって,一気に戦争の優勢/劣勢の流れが変わるのでは,と思っています。例えば「井欄」という,櫓に車輪を付けたもので上に立って矢を放つ攻城兵器や火矢,伏兵などが活躍して,城門前で停滞してしまうような状態で,壁に梯子をかけて登るとか,戦況を一変させるようなシステムを考えています。
4Gamer:
映画の攻城戦みたいな感じですね。敵が梯子を登ってくるのを,逆に梯子を叩き壊して落としてしまえ! みたいなことができると面白そうです。
長谷川氏:
それも良いですね(笑)。三国志の場合,ネタが尽きることはないので,韓国でも積極的に動いてもらっています。
金氏:
韓国では今年の目標として,戦争システムを強化することになっているので,日本もそれに合わせていきたいです。
4Gamer:
どんな部分が強化されるのか決まってますか?
長谷川氏:
まだ企画段階のものですが,韓国では三国とは別の勢力の導入も考えています。その勢力はAIで三国に影響を与えてくるシステムを考えているのですが,例えば日本だったら「邪馬台国」の卑弥呼が……といった展開もしていきたいと思っています。
4Gamer:
卑弥呼が三国志の世界に影響を与えるんですか……いったいどんなことになるんだろうか,気になりますね(笑)。ほかに何かアップデートの予定などはありますか。
長谷川氏:
「皇帝守護戦」というシステムを追加予定です。今まで「討伐戦」や「掠奪戦」などは,すべて屋外で行われていたのですが,皇帝守護戦は,皇帝が住む皇宮の中に2〜8人のプレイヤーが集まり,襲ってくる各諸侯から皇帝を守るというものです。
これは夏あたりの実装を考えていますが,韓国でもまだ開発中のものです。皇帝守護戦はステージ制になっていて,皇帝を一度守りきれば終わりではなく,30ステージまで挑戦できます。ステージが進むと,だんだん難度が高くなり,クリア分の報償が累積していきます。
ステージをクリアして次のステージに進まなければ,その時点の報酬が手に入るのですが,ステージクリアができずに失敗してしまうと,それら報酬は全部なくなってしまいます。
さらに,皇帝が攻撃を受けると,通常だと自軍の味方プレイヤーには当たらない攻撃が,当たるようになるペナルティが科せられる予定です。つまり,気をつけないと味方を倒してしまうことになるわけです。皇帝を守りつつ,ちゃんと敵を選んで攻撃しなければいけないので,より戦闘が難しくなります。
現時点では,これらのシステムを,実装に向けて仕様調整しているところです。ゲーム内の状況を見ながら,プレイヤーのみなさんに喜ばれる,より面白いシステムにしたいと考えています。正式な情報の発表まで楽しみにお待ちください。
4Gamer:
分かりました。それにしても,混戦になると仲間と敵を一緒に斬ってしまいそうです。
金氏:
ええ,そうなると思います。無事に皇帝を守りきるとその内容に応じて,A〜Eのランクで評価され,評価によって報償が変わる仕組みです。
長谷川氏:
なお,「討伐戦」や「掠奪戦」のシナリオも随時追加予定です。アバターについても考えていまして,新しい装備なども進めております。
4Gamer:
どんなアバターアイテムを予定していますか?
金氏:
シーズンのイベントとして,例えば5月は鯉のぼりだとか,6月〜7月くらいには,着物や浴衣といった日本に合うアバターの実装を予定しています。また,プレイヤーさんからイラストを募集する“アバターコンテスト”を行って,実際に実装するというキャンペーンも近々に行う予定です。
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