レビュー
変形ロボットで戦うMMORPG「Age of Armor」のクローズドβテストレポート
そんなAOAのクローズドβテストが3月17日から24日まで実施された。発表会の記事などで,世界観や変形システムの存在などを中心にお伝えしたが,今回はAOAの基本システムなどを紹介しよう。
通常のサーバは青色の星だ。地球連邦政府とアーサー同盟はでそれぞれ異なるマップを使用するため,フィールドで相手勢力に遭遇しない。だが,BattlePlanet(赤い惑星)は,PvPを目的とした場所になっており,タワーの争奪戦などが行われる予定 |
最初は,基地内にいるNPCを訪ねて回るチュートリアルを受ける。頭の上に「!」マークがあるNPCから依頼を受け,「?」マークがあるNPCへ報告すれば完了だ |
フィールドには破棄されたコンテナが落ちていることがある。中には,弾薬や鉱石などが入っている。ただし,稀に敵が入っていることがあり,突然攻撃されたりなども…… |
続いてキャラクターの,性別,髪型と髪色,顔,服装を選択できる。ステータスは,耐性,認識,気力,知性,反応,精神,判断,魅力の8項目で構成され,種族によって初期値が決められている。プレイヤーが割り振れるポイントはないので,ゲームスタート時に種族間での能力に差はない。
アーマーは,キャラクターの成長(技能習得)によって使えるパーツが増えていき,パーツの組み合わせによって見た目や強さが変わっていく。またアーマーは,ヘッド,アーム,ボディー,レッグ,エンジン,コアブロック,コックピットの七つのパーツで構成され,右手,左手に武器/盾と,左右の肩にランチャーを装備できる。このほか,背中に装備する飛行用パーツや本作の目玉となる変形用パーツ,変形時専用の武器などが用意されている。
フィールドには,通常よりも強い敵も存在する。その中でも,高レベル帯のエリアにはボスクラスの敵が居る場所もある |
また右ドラッグで視点を上下左右に動かせ,ホイールの回転でズームイン/ズームアウトができる。なお,一人称視点への変更はできない。
標準設定でもキー配置が上手く考えられているため,ホットキーを多用しなくても困ることはなさそうだ。だが,最近のライトなMMORPGのように,マウスだけで操作というわけにはいかないので,慣れていない人は,ちょっと戸惑うかもしれない。
戦闘は,TABキーやマウスクリックによるターゲッティング,攻撃ボタンによる自動攻撃という流れになる。敵は,フィールド内をうろついている,いわゆるザコ,ランダムで現われる中ボス,特定の場所に出現するボスなどが存在する。ザコには,プレイヤーが攻撃を加えるまでなにもしてこないタイプと,積極的に攻撃を仕掛けてくるタイプの両方があり,中には,中ボスほどではないが,高い耐久力と攻撃力を持ったものもいるので注意が必要だ。
また,敵をターゲットするとレベルやタイプが表示される仕組みとなっており,さらにそこでロックオンすると,弱点となる属性などの詳細情報が表示される。ロックオン状態の敵を攻撃すると,ロックオンをしない状態よりも2割程度の与ダメージがアップするので,戦闘時にはロックオンを忘れないようにしたい。また,敵を後方から攻撃するとクリティカルダメージとなる。うしろに回ってからロックオンする,というのが有利な戦い方だ。
敵をターゲットしたあとで,ロックオンすると敵の弱点が分かり,命中率やダメージがアップする |
移動速度を上げたいときには,エネルギーを消費してブーストを使おう |
複雑だからこそ,個性が発揮できる成長システム
近接武器には,盾を併用できる片手武器と,両手を使う両手武器がある |
一般的なMMORPGにおけるキャラクターのステータスは,キャラクターの成長(レベルアップ)とそれによって得られるポイントや,アイテムなどで得られるポイントを割り振って上げていくものが多い。しかし,本作では指定したステータスが時間の経過によって上がるという仕組みになっている。
例えば,耐性を上げたいと思ったら,耐性を選択。そうすると,習得までの時間が表示され,残り時間が0になると,選択したステータスが1ポイント上がるのだ。何も指示しなければ,一番低いステータスが自動的に選択される。つまり放ったらかしておくだけで,弱点のないキャラクターへと育ってくれるわけだ。もちろん,上がったばかりのステータスも連続して選べるので,長所を集中的に伸ばすこともできる。
また,上げたいステータスを途中で変更することも可能だ。ただし,ステータスが上がる前に変更すると,カウントダウンがリセットされてしまうため,時間の無駄になる。
また,ステータスを1ポイント上げるたびに,次のアップまでの時間は徐々に延びる。ちなみにテストの終盤の筆者のキャラクターでは,次のアップまでの時間が300分(5時間)を超えていた。
敵を倒したり,フィールドにランダムで出現する鉱山を採掘すると,クエストやパーツ作成などに使う鉱石を入手できる。敵を倒しても手に入るが,採掘したほうが圧倒的に楽 |
遠隔武器による攻撃は,エネルギーシールドを破壊しないと本体にダメージを与えられない。だが,近接武器の攻撃はシールドを貫通する |
AOAにはレベルの概念もあり,キャラクターレベル,技術レベル,パーツレベルという3種類が存在する。まずは,キャラクターレベルと技術レベルについて説明しよう。
キャラクターレベルは,戦闘やクエストを通じて得られる経験値が,一定分溜まれば自動的に上がる。1レベル上がると,2ポイントの技術ポイントを得られ,それを使って技術レベルを成長させられる。すべてのパーツには装着するための技術レベルが設定されており,プレイヤーキャラクターは,装着したいパーツに適合した技術レベルを習得しなければならない。
CBTでは確認できなかったが,キャラクターの階級を上げられるようだ。階級が上がれば,その階級に見合った制服に着替えられるという |
ゲーム内通貨を使って,それぞれのマップに点在しているセーフエリアへテレポートすることが可能。遠くのエリアでクエストや狩りをするときに便利だ |
なお,技術レベルのほかに,アーマーをカスタマイズするのに考慮しなければならないものが3点ある。それは,「スロット」「動力値」「CI要求度」だ。
スロットは全パーツに設定されている値だが,ボディパーツのスロットがもっとも重要で,ボディパーツに設定されているスロットよりも大きいスロットが設定されているパーツは,装着できないのだ。例えば,ボーディパーツのスロットが6ならば,ボディパーツ以外のパーツは,スロットが6以下のものでなけらばならない。
また,動力値はエンジンパーツ,CI要求度はコックピットパーツによって決まり,全パーツを装備したときに,この二つの値も範囲内でなければ,ほかの条件を満たしていてもアーマーが完成しない。
技術レベル,ボディパーツのスロット,エンジンとコックピットパーツによる動力値とCI要求値,これらを把握したうえでアーマーのカスタマイズを行うシステムなので,慣れるまでは複雑に感じるだろう。
三つめのパーツレベルは,パーツの強さを現すもので,同じパーツなら,パーツレベルが上のほうが性能が良い。
パーツには,「改造進度」と呼ばれる値があり,改造進度を上げることでパーツレベルのアップが可能だ。改造進度は,改造したいパーツにアイテムと材料用のパーツを加えると増える。加えたアイテムと材料用パーツの種類によって増え方に差があり,パーツごとに設定された改造進度を超えると,パーツレベルが上がるという仕組みだ。
実際に試してみた感じでは,材料用のパーツが大量に必要で,パーツレベルを上げるにはかなりの時間がかかった。また,無理矢理パーツレベルを上げても,それにともなってスロット数や動力値,CI要求値も上がってしまう場合もあるので,装着できなくなることもある。パーツの改造は,ある程度キャラクターレベルを上げてから行ったほうがいいかもしれない。
またパーツには,レベルのほかにランクという概念が存在する。ランクは六つあり,Normal(グレー),Advanced(白),Enhanced(緑),Special(青),Elite(紫),Expert(オレンジ)の順で性能が上がり,ステータス画面ではそれぞれの色でパーツ名が表示される。Special以上のパーツには改造進度があり,パーツレベルのアップが可能だ。ちなみに,パーツのランクはパーツレベルとは違って上げられない。Expertはレア度が高いらしく,テストではあまり見かけなかった。
今後の再調整と目玉要素の実装に期待
変形するためには,変形パーツの装着が必要で,そのパーツに対応した変形が行える仕組みだ。変形はホットキーに変形ボタンをアサインして使用するだけで,移動中でも変形できるとのこと。変形のギミックは,まさに映画「トランスフォーマー」を髣髴とさせるもので,戦闘機や車に見事に変わってしまう,まさに変形ロボ好きにはたまらないものになっている。ある意味,このタイトルの最も重要な部分なので,次回のテストでは,実際に変形できるようになっていてほしいものだ。
AOAでは,相手に戦いを申し込み承諾されないかぎりPvPは行えない。だが,地球連邦政府とアーサー同盟による大規模戦闘が起きている惑星(サーバチャンネル)があり,そこでほかのプレイヤーを相手に存分に戦える。
今回のテストでは実装されていなかったが,各陣営が所有するタワーを占拠していき,すべてのタワーを先に奪ったほうが勝つというルールになるようだ。NPCとの戦いでは,あまりアクション性を感じなかったが,対人戦となれば,それなりにテクニックが必要になるかもしれない。
システムは予想以上に複雑で,理解するのにそれなりに時間がかかる。だが,理解したあとは,逆にその複雑さにそそられた。
また,実装の予定時期は明かされていないものの,複数のアーマーで合体する合体変形も存在するとのこと。このテストではあまり意味がなかった「魅力」や「判断」といったステータスは,合体変形時に影響してくるようだ。今後の実装状況によって,さらに深いシステムになっていくのではないだろうか。
完成度の面ではまだ物足りなさを感じたが,それでもじっくりプレイしたくなる“何か”が感じられた。とくにロボットが変形するという要素には,心惹かれる人も多いだろう。オープンβテストや正式サービスのスケジュールについては,このテスト結果をもとに,予定が組まれる。まだ実装されていない要素を組み込み,完成度の高い状態にして,次のステップに進んでもらいたい。
- 関連タイトル:
Age of Armor
- この記事のURL:
Copyright(C)Suzhou Snail Electronic Co., Ltd. Copyright(C)Excite Japan Co.,Ltd. All Rights Reserved.