レビュー
Logitech/ロジクール自社開発の新世代センサー「HERO」を搭載した製品は信頼に足るか?
G603 LIGHTSPEED Wireless Gaming Mouse
PixArt Imaging(以下,PixArt)製センサーを採用したままでは不可能なレベルでセンサー周りの最適化を行うことで,PixArtとLogitech本社の共同開発となる光学センサー「PMW3366」と同等の性能を確保しつつ,バッテリー駆動時間を大幅に引き伸ばすことに成功したというのが大きな特徴となっている。このあたりの詳細はインタビュー記事をチェックしてもらえれば幸いだ。
「G603」が採用する光学センサー「HERO」は,独自開発の完全新作だった。Logicool GのChris Pate氏に,新型マウスの秘密を聞く
では,Logitech International(日本ではロジクール)独自開発のHEROセンサーを搭載することで,G603はどのようなマウスに仕上がったのか。BRZRK氏によるレビューをお届けしたい。
それに先だってお伝えしておくと,G603の主なスペックは以下のとおりとなっている。
●G603の主なスペック
- 基本仕様:光学センサー搭載ワイヤレスタイプ
- 搭載センサー:「HERO」
- ボタン:左右メイン,センタークリック付きスクロールホイール,ホイール手前×1,左サイド×2
- トラッキング速度:最大400IPS
- 最大加速度:40G
- フレームレート:未公開
- 画像処理能力:未公開
- トラッキング解像度:200〜12000 DPI
- USBレポートレート(ポーリングレート):1000Hz(※LIGHTSPEED接続&「HI」設定時),125Hz(※LIGHTSPEED接続&「LO」設定時),88〜133Hz(※Bluetooth接続時)
- オンボードフラッシュメモリ:内蔵
- データ転送フォーマット:16bit/axis
- リフトオフディスタンス:未公開
- LEDイルミネーション:非搭載
- 公称最大バッテリー駆動時間:500時間(※「HI」設定時),18か月(※「LO」設定時)
- 公称本体サイズ:68(W)×124(D)×43(H)mm
- 公称本体重量:135.7g(※単3型乾電池2個搭載時),112.3g(※単3型乾電池1個搭載時),88.9g(※マウス単体)
- マウスソール素材:未公開
- ケーブル長:未公開(※USBレシーバの延長用ケーブル付属)
- 対応OS(※LIGHTSPEED接続時):Windows 7以降,macOS 10.10以降,Chrome OS,Android 3.2以降
- 対応OS(※Bluetooth接続時):Windows 8以降,macOS 10.12以降,Chrome OS,Android 5.0以降
- 発売予定時期:2017年9月21日
- メーカー直販価格:8750円(税込9450円)
- 保証期間:2年間
外観はG403WL&G703とほぼ同じ。それだけにG603では中身の違いが際立つ
G403WLおよびG703との決定的な違いは,以下の7点である。
- (冒頭でも紹介したとおり)搭載するセンサーがG403WLとG703のPMW3366からLogitech/ロジクール独自のHEROに変わっていること
- G403WLとG703がワイヤレス&ワイヤード両対応なのに対し,G603は“6系”の従来製品である「G602 Wireless Gaming Mouse」と同じく,ワイヤレス専用であること
- ワイヤレス接続技術として,G403WL&G703と同じ「LIGHTSPEED」だけでなく,Bluetoothも選択できること
- 動作モードとしてゲーム用の「HI」だけでなく,「ゲーマー向けマウスとしての性能を持たない,オフィスモード」としての「LO」も選択できること
- G403WLとG703がバッテリーパックを内蔵するのに対し,G603は単三形乾電池1〜2本を搭載する仕様になっており,重量や重量バランスが変わっていること
- G403WLとG703がセパレート型の左右メインボタンを採用するのに対し,G603は天板と一体化したワンピース型の左右メインボタンを採用しており,クリック感が変わっていること
- G403WLやG703が側面に採用するラバー素材がなく,つや消しのマット加工が施されたプラスチックになっていること
センサー性能は後ほど検証したいと思うが,この時点で指摘しておかねばらないこととしては,重量の問題がある。
乾電池を1個にしたときに生じる,左右の重心ズレはほとんど気にならないのだが,それだけに,ローセンシ設定でマウスを動かし,マウスパッドの端でいったん持ち上げるような操作を行ったときの違和感が大きくなってしまう。
個人的には,側面も,滑り止め素材を張らないのであれば,せめてテクスチャや溝を設けて滑り止めにしてくれれば,持ち上げるときのグリップ力を上げて,重量バランス対策にできたのではないかと思ってしまう。
なお,LIGHTSPEEDとBluetoothではLIGHTSPEEDが優先となり,USBワイヤレスレシーバーが差さっているPCとG603がペアリングされている場合,当該PCとBluetooth接続したい場合はUSBワイヤレスレシーバーを外す必要がある。ゲームに使うPCで動作モードを切り換えたい場合は,Bluetoothを使うのではなく,LOモードを使うのが得策だ。
天板のカバー部。実際には土台部とカバーからなっており,この角度から見ると,土台とカバーの間に隙間があることを確認できる |
金属テンションシステム。素人考えだと「明らかに若干弱いんだから,4回巻けばいいんじゃないか」などと思ってしまうが,おそらくはそうすると硬くなりすぎるのだろう |
ただ実のところ,「G603の天板一体型メインボタン」というのは,正確な表現ではない。G603の天板部は,プラスチック製の土台部とカバー部をネジ留めしたような構造になっているからだ。土台部とカバー部の間には隙間と,ユーザーが左右メインボタンを押下したときの抵抗をもたらす金属テンションシステムがあるという構造になっている。
この金属テンションシステムは,最近のLogitech G/Logicool G製マウスで採用が進んでいるのと同じコンセプトのものだが,G603の場合,針金を3巻きしてバネとして使うことで,抵抗を生む仕様だ。筆者の記憶する限り,金属テンションシステムを「天板一体型メインボタン」に実装した例は初めてなので,この特殊性が,従来とは異なる押下感を生んでいるのではないかと思う。
一方,デザイン上の細かな点,たとえば左右メインボタンには若干の凹みが入っていて,指を配置するときのガイドになるとか,スクロールホイールはラバー素材で覆ってあり,1周24ノッチであるとか,ホイールの手前には工場出荷時設定だとDPI設定の順繰り変更が割り当てられたボタンが1つあるとか,親指の配置場所である右側面に,いかにもIE3.0クローン的な凹みがあるといったあたりで,G603はG403WL&G703とそっくりだ。基本的には完成度の高いIE3.0クローンと紹介してしまって構わないだろう。
マウス左側面は,手前側(=マウス後方側)が膨らみ,前後中央付近が凹んだ,IE3.0クローンらしいデザインになっている |
側板はつや消しのマット加工済みだが,大きなサイドボタンはそうではないので,ボタンだけ汚れがちょっと目立つ印象だ |
IE3.0クローンらしい持ちやすさながら,重量バランスの偏りには要注意
外観はG403WLおよびG703と同じながら,重心が異なるG603。それは持ち方にどのような影響を与えているだろうか。いつものように,「つまみ持ち」「つかみ持ち」「かぶせ持ち」といった一般的な持ち方と,かぶせ持ちをベースに小指と薬指を立たせ,親指も少し立たせるという,筆者独自の持ち方だと思っている「BRZRK持ち」も含めて,4種類でテストを行ってみた。
結果は下に写真とキャプションでまとめたので,参考にしてほしい。
実際に手に持ったとき,強く感じるのが,前段でも指摘した重心のアンバランスさだ。世にあるゲーマー向けマウスの中にはテールヘビーのものも少なくないわけだが,それと比べても,G603は「乾電池の重量が本体後方にのしかかる」感が強く,かなり重く感じてしまう。上の写真キャプションでも書いたとおり,ローセンシで動かして,そこからいったんマウスを持ち上げるとき,しっかり握り込んでおかないと手のひらからマウス後部がズリ落ちてしまうレベルだ。
かぶせ持ちだと“症状”は緩和でき,またそれ以外の持ち方でも握り込む力の入れ具合次第ではあるが,操作にあたって不快な重さだと感じる人は少なからずいると思われる。
ひとまずは安定動作優先? LGSからは最小限の設定のみ可能
これまでのLogitech G/Logicool G製マウスと同様に,G603も,USBクラスドライバで動作自体はするが,別途「Logicoolゲームソフトウェア」(日本以外では「Logitech Gaming Software」,以下 LGS)を導入することで,センサーやボタン関連のカスタマイズを行うことができるようになる。
原稿執筆時点のLGSバージョンは8.96.81だが,LGSを導入して起動し,「オンボードメモリ」か「自動ゲーム検出」のどちらかを選ぶことになるというのもこれまでどおりだ。
ここで設定しておけば,ゲームを起動するたびに,LGS側で自動的にプロファイルを切り換えてくれるので便利だ。
また,アイコン群から「ポインタ設定をカスタマイズする」を開けば,最大5段階のDPI設定を50刻みで設定でき,USBレポートレート(≒ポーリングレート)を選び,かつ,いわゆる加速を無効化することもできるようになっている。
歴史的経緯を考えると,後者の可能性のほうが高いと考えているが,こればかりは何とも言えないところだ。
HEROセンサーの実力を探る
さて,センサーの検証である。
長らくPixArt製センサーのカスタムモデルを採用してきたLogitech G/Logicool Gにとって,HEROセンサーの採用は歴史的な出来事であるわけだが,その実力は本当にPMW3366と同等なのか。また,インタビュー記事においてLogitech G/Logicool Gのナンバー2であるChris Pate(クリス・ペイト)氏は,HEROセンサーの仕様上,直線補正が完全にゼロであることを謳っているが,それは体感できるのか。気になることだらけではあるが,順にテストを行っていきたいと思う。
テストで使用したシステムとテスト条件は以下のとおりだ。
●テスト環境
- CPU:Core-i7 7820X(8C16T,定格クロック3.6GHz,最大クロック4.3GHz,共有L3キャッシュ容量11MB)
- マザーボード:MSI X299 TOMAHAWK(Intel X299)
※マウスのレシーバーはI/Oインタフェース部のUSBポートと直結 - メインメモリ:PC4-19200 DDR4 SDRAM 8GB×4
- グラフィックスカード:ASUSTeK Computer DUAL-GTX1070-O8G(GeForce GTX 1070,グラフィックスメモリ容量8GB)
- ストレージ:Intel SSD 600p(SSDPEKKW128G7X1,NVM Express 3.0 x4,容量128GB)
- サウンド:オンボード
- OS:64bit版Windows 10 Pro
●テスト時のマウス設定
- ファームウェアバージョン:8.0.17
- LGSバージョン:8.96.81
- DPI設定:200〜12000 DPI(※主に800DPIを利用)
- レポートレート設定:125/250/500/1000Hz(※主に工場出荷時設定の1000Hzを利用)
- Windows側マウス設定「ポインターの速度」:左右中央
- Windows側マウス設定「ポインターの精度を高める」:無効
- 搭載乾電池:アルカリ乾電池2個(※波形計測時以外は1個でも検証)
まずは,「MouseTester」を用いたセンサー性能検証から始めたい。ここではG603をARTISAN製マウスパッド「飛燕 MID」と組み合わせたうえで,DPI設定は400
その結果をまとめたのが,下に示した4枚のグラフ画像だ。グラフはY軸のプラス方向が左への振り,マイナス方向が右への振り,横軸がms(ミリ秒)単位での時間経過を示している。
青い点は実際にセンサーが読み取ったカウントで,青い波線はそれを正規化したものである。波線が滑らかで,その上に青い点が並んでいるほどセンサー性能が優れているという理解でいい。
実際に計測結果を見てみると,横にマウスを振っているときにカウントと波線が乱れていないことに気付く。G403WLだと,少なくとも発売直後の時点ではマウスを横に振ったときの挙動がやや安定感を欠いていたのだが(関連記事),G603はその点で見事だ。横方向の移動時にキレイな線を描いていたものとしては最近だと「Razer Lancehead Tournament Edition」があるが,それよりも整っている印象を受けた。
振り返しでは若干乱れ,また,1600DPI設定時はカウントの飛びも確認できた――気になって何度かテストし直したが,たまに出てくる――ものの,体感レベルでの違和感はないので,総合的にはかなりの実力を持ったセンサーだとHEROのことは評していいのではなかろうか。
なお,言うまでもないことだが,以上のテストはHIモードで行ったものだ。では,Pate氏が「ゲームグレードではない」とするLOモードではどうか,参考までに800DPI設定でテストしてみた結果が下のグラフとなる。
LOモードではレポートレートが125Hzとなっている点にも注意が必要だが,波形自体はかなり美しい。一般的なPC用途に向けたマウスとしては,LOモードでも申し分のないセンサー性能が得られると言えそうだ。
次はリフトオフディスタンスである。マウスを持ち上げたとき,どれくらいの高さでセンサーの反応が途絶するかの検証だ。計測方法はシンプルで,厚さの異なるステンレスプレートを重ね,マウスの反応がなくなった時点の値を0.1ミリ単位で計測する。G603の場合は少なくともテスト時点においてサーフェスキャリブレーション機能がないため,そこがテスト結果にどう影響するかが気になるところだが,結論から先に言うと結果は良好だ。
今回から検証に用いるマウスパッドの一部を入れ替えているが,表1にまとめたとおり,そのすべてで,4Gamerが最大ラインとしている2mmを下回った。ローセンシ設定でマウスを振り回しているとき,マウスを持ち上げたときにセンサーが誤作動する恐れはあまりないと言ってしまっていいだろう。
センサー周りのテスト,最後は「まったく入っていない」とされる直線補正だが,実際にWindows標準の「ペイント」で線を引いてみると,確かに体感できるレベルの補正は入っていないのが分かる。
Pate氏が述べているように,HEROセンサーでは補正機能自体が入っていない。そのため,調整によって直線補正を体感できないレベルに落とし込んでいたPMW3366系とはフィーリングに違いがあるのではないかと思う読者もいると思うが,少なくとも筆者は両者の間に違いがあるとは感じなかった。
むしろ,補正機能を完全に無効化することはできないとされていたPixArtのセンサーを採用しつつ,HEROセンサーと同じ挙動を実現していたエンジニアの努力はすごいなという感想を抱いたりもした次第だ。
センサーのテストを終えたところで,メインボタンの入力遅延も確認しておこう。「マウスクリックをしてから音楽制作ソフト上のシンセサイザが音を鳴らすまでの遅延」を,G603と,比較対象として用意したマウスとの間で比較することになる。
ざっくりとした計測方法は以下のとおりだ。
- テスト対象のマウスを定位置で固定する
- マイクスタンドに吊したRazer製マイク「Razer Seirēn」を,マウスの左メインボタンすぐ近くに置く
- Windowsから音楽制作ソフト「Fruityloops」を起動。本アプリ上にあるソフトウェアシンセサイザの鍵盤をクリックする
- クリック音をRazer Seirēnで集音しつつ,「XSplit Gamecaster」を使って,「Razer Seirēnで集音した音」と「Fruityloops上の鍵盤で鳴った音」をミックスし,映像として録画する
- 動画編集ソフト「AviUtl」で,音声をWaveファイルとして切り出す
- サウンド編集ソフト「Audacity」でWaveファイルを開き,クリック音とシンセサイザの音が出るまでの時間を計測する
- テストを連続30回行ったうえで,ブレ対策のため最初の5回をカット。6回めから30回めの平均を取ってスコアとする
G603は念のため,HIモードとLOモードの両方でテストすることとし,比較対象としては,以下の製品を用意した。ここまで名前が挙がっているマウスが中心だが,それとは別に「G403 Prodigy Gaming Mouse」(以下,G403)も追加している。
- Pro Gaming Mouse(ワイヤード接続,ファームウェアバージョン110.2.16,LGSバージョン8.96.81,レポートレート1000Hz)
- G703(ワイヤレス接続,ファームウェアバージョン14.0.4,LGSバージョン8.96.81,レポートレート1000Hz)
- Razer DeathAdder Elite(ワイヤード接続,統合ソフトウェア2.21,レポートレート1000Hz)
- G602(ワイヤレス接続,ファームウェアバージョン4700.001,LGSバージョン8.96.81,レポートレート500Hz)
- G403(ワイヤード接続,ファームウェアバージョン3.3.11,LGSバージョン8.96.81,レポートレート1000Hz)
その結果が表2だ。テスト環境下における,Razer SeirēnとFruitlyloopsの遅延を踏まえた相対的なものである点に注意してほしい。
G603は,Pro Gaming MouseやG403といった最速の製品と比べると若干遅いものの,トップクラスのスコアであることが分かる。少なくともゲームプレイにあたって「ワイヤレスモデルであるがゆえの遅延」を気にする必要は皆無と断言できるレベルだ。
LOモードだと相応に遅延は大きくなるが,それでもG602より速いというのはちょっとした見どころだろう。LOモードでも数年前のワイヤレスマウスよりは確実に速いということが言えそうである。
分解し,HEROセンサー周辺のSPECULAR OPTIC SYSTEMに迫る
最後は,気になるセンサー周りの実装を見るべく,内部構造をチェックしてみたい。Logitech G/Logicool Gのマウスらしく,底面部のソールを剥がして,その奥にあるネジをすべて取れば,底面部と,その上の筐体部――左右メインボタンと一体化した上面カバーの「下」にある部分を本稿では便宜的にこう呼ぶことにする――を分離させることが可能だ。
上の写真を一見して分かるのは,左右メインボタンのスイッチが筐体側にあることと,スクロールホイールおよびホイール手前のボタン用スイッチが,メイン基板とは別の基板に載っていることだろう。またこの時点で,Logitech G/Logicool Gが「SPECULAR OPTIC SYSTEM」(スペキュラオプティックシステム)と呼ぶ光学機構のレンズが特殊であることも確認できる。
筐体側。メイン基板の上に,スクロールホイールとホイール手前側ボタン用スイッチの載ったサブ基板が重なる構造になっている |
メイン基板とはリボンケーブルでつながったサブ基板を取り外したところ。この時点でHEROセンサーの姿を確認可能だ |
メインボタンのスイッチはオムロン スイッチアンドデバイス製の「D2FC-F-7N(20M)」,そしてサイドボタン用スイッチはやはりオムロン スイッチアンドデバイス製で,印字が「E57」とだけあるものになっていた。
また,基板上の構成部品が非常に少ないのも目を惹くところだ。HEROセンサー自体は「完全オリジナルの,なんだかすごいやつ」くらいの認識しかできないが,これだけ部品が少ないと,中長期的には製造コストの引き下げに寄与するのではなかろうか。
※注意
マウスの分解はメーカー保証外の行為です。分解した時点でメーカー保証は受けられなくなりますので,本稿の記載内容を試してみる場合には,あくまで読者自身の責任で行ってください。分解によって何か問題が発生したとしても,メーカー各社や販売代理店,販売店はもちろん,筆者,4Gamer編集部も一切の責任を負いません。また,今回の分解結果は筆者が入手した個体についてのものであり,「すべての個体で共通であり,今後も変更はない」と保証するものではありません。
形状とHEROセンサーに違和感なし。それだけにテールヘビーさが気になる
しかもそれでいて,テストしていて乾電池の交換が必要になることはなかった。さすが,ゲーム用途で使っても数か月は大丈夫という省電力さを誇るマウスのことはある。
ただ,それだけに気になるのが,乾電池を1個しか搭載しない状態でさえ感じる,そのテールヘビーさだ。センシティビティ設定(≒DPI設定)やプレイスタイル次第で,致命傷にも,まったく影響のない仕様ということにもなるので,あくまでも個人的な見解として述べさせてもらうが,最近メインで使っているマウスがG703である筆者の立場からすると,この重量バランスの悪さは「ない」レベルである。
ゲーム中にマウスを持ち上げることなんてない,という人なら大丈夫である可能性も高いので,購入前に一度,乾電池2個と1個の違いも含めて実機を握って,確認してみることを強く勧めたい。
実勢価格は8600〜9500円程度(※2017年10月7日現在)。間もなく市場から消える見込みであるG403WLの実勢価格が8000〜1万円程度(※2017年10月7日現在)と,ほぼ変わらない実勢価格なので,「どちらがいい?」と聞かれれば個人的には重量バランスの問題がないG403WLのほうを推すが,「充電せずに数か月使えるワイヤレスのゲーマー向けマウス」により惹かれるのであれば,G603は考慮に値するだろう。
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ロジクールのG603製品情報ページ
- 関連タイトル:
Logitech G/Logicool G
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