インタビュー
[TAIPEI2008#24]「Angel Love Online」最新アップデート「緑光森林」とその先について,開発元に聞いてみた
今回のアップデートはジャングルをモチーフとしたマップの追加を主体としつつ,新しい乗り物や機甲と並んで,新しいPvPシステムが導入された。また,その先のアップデートとしては,日本人としてはいやがうえにも大きな期待を抱かざるを得ない,ハウジングシステムの導入を検討しているという。
ここで聞いた要素が,必ずしもすべて日本サービスに導入されるとは限らないわけだが,台湾直送の情報をお届けしよう。
新アップデート「緑光森林」はジャングルがテーマ
本日はショウで忙しいなか,インタビューに応じていただいてありがとうございます。日本では「秘海神話」が導入されてしばらく経ちますが,台湾ではつい先日「緑光森林」が導入されましたよね。まずは「緑光森林」の見どころを教えていただけますか?
李 建誼氏:
まずはマップ追加です。「緑光森林」ではジャングルをモチーフとしたマップが,10枚ほど増えました。それに合わせたモンスターなども,もちろん追加されています。
4Gamer:
では,プレイヤーさんの関心が高いと思われる,新しい機甲と乗り物から教えてください。
李 建誼氏:
追加された乗り物は「闘牛」と「ヒョウ」です。それぞれ2種類あって,レベル100以上,110以上で乗れるようになります。
4Gamer:
今回,機甲はどんなデザインになっていますか?
李 建誼氏:
一つはパイナップルをくり抜いた,トロピカルカクテル風です。ほかのくだものや,ビーチパラソルも乗っています。
4Gamer:
そ,それは予想外でした……動物じゃないんだ。それはそれで見た目も楽しそうですが。
李 建誼氏:
もう一つは動物ですよ。サイチョウの姿をしています。これもジャングル風というわけですね。
4Gamer:
追加要素のなかには,ジャングルに合わせたモンスターもあるということでしたよね。続いてそちらについて教えてください。
李 建誼氏:
ゴリラと半獣人,後者は半分人間で半分モンスターみたいな感じです。とくにどの動物に近いともいえませんが,強いていえばサルに近いというか。これは強いです。それと,ジャングルにいそうな大きな芋虫と「イギリス式の騎士」です。もっともこれは,馬でなく鳥に乗っているのですが。
4Gamer:
ええと,最後のはちょっと不思議な名前ですね。甲冑に身を固めて鳥に乗っているわけか。
李 建誼氏:
そのとおりです。それと,強力かつ風変わりなボスモンスターがインスタンスダンジョンで待ち受けています。先ほど述べた10枚の追加マップのうち,2枚がインスタンスダンジョンですから,フィールドは8枚ということになりますね。
4Gamer:
インスタンスダンジョンのボスを倒すと,今回はどんなメリットがあるのでしょうか。
李 建誼氏:
一方ではレベル100,もう一方では110向けの高級な武器が手に入る可能性があります。
4Gamer:
みんなでボスを倒したとき,誰がもらえるか分からないという意味での「可能性」でしょうか,それとも,誰ももらえない場合があるのでしょうか?
李 建誼氏:
後者です。ただし,その場合でもそれなりに良いアイテムが手に入ります。また,ダンジョンはレベル100以上対象と,レベル110以上対象に分かれていますが,台湾プレイヤーのレベル状況を勘案して,レベル110以上対象のほうはまだ開放していません。
天使に後光が差す「戦闘天使」システム
新しいタイプのプレイ要素は,このタイミングで何か加わっていますか?
李 建誼氏:
新しいシステムは二つ追加されました。その一つ目が,1 vs. 1のPvPである「戦闘天使」システムです。台湾では,週2回,1日2時間ずつ実施されています。
2時間のうち1時間はレベル60〜69向け,同日後半の1時間はレベル70〜79向けとなります。そして別の日の前半はレベル80〜89,後半は90以上を対象として実施されます。そして,それぞれで10位以内に入ると,賞がもらえます。
4Gamer:
試合形式は,総当たりですかトーナメントですか,それともバトルロイヤルですか?
李 建誼氏:
トーナメントです。そして例えばレベル60〜69の部門で1位になると,乗り物と武器と防具,そしてバッジが与えられ,またキャラクターに後光が差すようになります。ただし,これらには1週間の有効期限があって,1週間後には次の勝者に同じものが渡るという仕組みです。
ここで貸し与えられるアイテムは,1クラス上のレベル(70〜79レベル)の外見をしていながら着用可能で,かつ通常の1クラス上のアイテムより強力です。
4Gamer:
なるほど,後光が差している間が,レベル上げやダンジョン攻略のチャンスでもあるわけですね。レベル70やそれ以上の部門でも,賞品は同じような考え方になりますか?
李 建誼氏:
そうです,同じ要領です。
4Gamer:
このPvP大会を導入するに当たっては,新しい施設がフィールド上に用意されたりしたのでしょうか?
李 建誼氏:
いえ,まずは所属国の専用NPCに話しかける形です。そうすると専用マップに転送してくれるので,そこで申し込みをします。
キャラクターの成長を助けるギルド戦システム
そうか,どの国からでも入れなきゃいけないわけですもんね。……では次に二つ目の新システムについて教えてください。
李 建誼氏:
二つめのシステムはギルド単位で参加する,つまり所属国に縛られない2陣営対決です。「戦闘天使」システムと同じマップで申し込みができます。陣営には青とオレンジの二つがあり,どちらか好きな陣営に属します。
片方の陣営にギルドが集中したら,そちらの募集が一時的に止まって,だいたい同じギルド数に調整されます。
4Gamer:
青とオレンジというのは?
李 建誼氏:
それぞれの陣地の色です。陣地には城門と石像があって,敵の侵入を防ぐ城門は敵から攻撃を受けますが,自陣営の生産系キャラクターはこれを修理できます。また,石像の数はホームスポット(リスポーンポイント)の位置に関連してきます。これを敵に破壊されて数が少なくなると,自陣営のホームスポットが前線から遠くなりますから,次第に不利になっていくわけです。もちろん,石像も生産職のキャラクターが修理できます。
4Gamer:
勝敗は最終的にどうやって決まるのでしょうか?
李 建誼氏:
双方の陣地にはクリスタルが一つ配置されています。敵陣営のクリスタルを自陣に持ち帰り,所定のNPCに渡すことで得点が加算されます。自陣のクリスタルを守り,敵陣のクリスタルを奪うのが,具体的な戦いの内容です。
敵のクリスタルを手に入れて自陣のNPCに渡すと500ポイント,NPCに渡す前にそのクリスタルを持って運んだキャラクターは20ポイントがもらえます。ただし,自分が手にしたクリスタルが,最終的に自陣のNPCに渡らなかった場合,ポイントになりません。
4Gamer:
最終的にポイントで勝たないといけないわけですね。そのポイント争いで,勝った陣営に属していたギルドないし個人には,どんなメリットがあるのでしょう?
李 建誼氏:
各人が経験値をもらえます。負けた陣営のプレイヤーには,一律である程度の経験値が入ります。また,勝った陣営にいても,とくに勝利に貢献する手柄がなかった場合,もらえる経験値は負けた陣営と同じです。
それに対して,勝った陣営に属していて,敵のプレイヤーキャラクターを倒したり,城門を破壊したり,石像を壊したり,敵のクリスタルを手に入れて,自陣営に持ち帰ったりしたプレイヤーキャラクターは,その貢献度に応じて,負けた陣営がもらえる経験値の2倍から3倍がもらえます。
4Gamer:
もらえるのは経験値だけですか?
李 建誼氏:
そうです。ただしここでもらえる経験値は大きくて,1回の戦いで何レベルもキャラクターが成長するほどです。
キャラクターのレベルが高いと,それに応じてもらえる経験値も大きくなりますので,キャラクターを育てるには最適です。
次の舞台は砂漠か雪原か? ハウジングも検討中
では「緑光森林」以降のアップデートで,考えている要素についても教えていただけますか?
李 建誼氏:
いまはまだ企画段階ですので,必ずしもそうなるとはいえないのですが,砂漠と雪原のマップを考えています。ほかの案もあるので,まだはっきりいえませんが。
4Gamer:
新しいシステムについてはいかがですか?
李 建誼氏:
ハウジングの導入を考えています。これもまだ,考えている最中なのですが。
4Gamer:
おお。日本のプレイヤーはハウジングが大好きで,物を集めたり飾ったりするのが大好きですから,そこは非常に重要なポイントだと思います。ところで,「Angel Love Online」は,PLAYSTATION 3に移植が決まっているわけですが,開発そのものは,台湾でやっているのですか?
李 建誼氏:
そうです。ただし,キュー・エンタテインメントと共同開発という形をとっています。
4Gamer:
すでに伝えられているとおり,ゲームサーバーは本当にPCとPLAYSTATION 3で共有になるのでしょうか。
李 建誼氏:
共有です。双方のプレイヤーさんが同じ世界でプレイできます。また,アップデートもPCとPLAYSTATION 3で同時に行われます。
4Gamer:
ちなみに現在,台湾での総登録ID数はどのくらいですか?
李 建誼氏:
約200万IDです。
4Gamer:
今度はショウへの出展についてお聞きします。今回,UserJoyさんのブースに「Angel Love Online」の展示がないのはなぜでしょうか?
李 建誼氏:
「Angel Love Online」について,もともとUserJoyは開発会社で,台湾でのパブリッシングはGame Flier(遊戯新幹線)が行っています。そして今年,Game Flierは普通のブースでなくイベントステージを設置する形をとりましたので,その一部として「Angel Love Online」も参加しています。
4Gamer:
しかし,昨年の「伊甸謎城」アップデートでは,UserJoyブースに展示がありましたよね?
李 建誼氏:
それは,Game Flier側でブーススペースが足りなくなったために,UserJoyブースを貸す形になったのです。ですから展示の取り仕切りは,昨年もGame Flier側でした。
4Gamer:
ああ,どちらかというと昨年が特例措置だったわけですね。……では最後に,日本で「Angel Love Online」を楽しんでいるプレイヤーさんに向けて,メッセージをいただけますか。
李 建誼氏:
日本のプレイヤーさんと台湾のプレイヤーさんを比べたとき,日本のプレイヤーさんのほうが,このゲームや,このゲームのキャラクターを強く気に入っていただけているようで,深く感謝しています。本当にありがとうございます。
レベリングを基礎に置くMMORPGでは,どんなコンテンツでキャラクター成長のショートカットルートを用意するかが,設計の腕の見せどころである。それを広く参加できる新しいPvPシステムとして導入したところが,オリジナリティの高い部分であろう。
そして,「緑光森林」以後のアップデートでは,ハウジングシステムの導入が検討されているというのも,見逃せない情報だ。ぜひとも,日本サービスで好評を博すようなハウジングの原型を,先行する台湾サービスで作り上げてもらいたいところである。
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