ニュース
インテル,2008年の経営方針や製品戦略を明らかに
極めて順調だったIntelの2007年
2008年は45nmプロセスの年に。Nehalemも登場
最初に行われたのは2007年通期決算の概要説明だったが,Intelの2007年売上高は383億ドルを達成したとのこと。営業利益82億ドルは2006年比で48%もの増加となる。また,2007年第4四半期(10〜12月)の売上高は108億ドルに達し,日本法人も「過去最高の売り上げを記録した」と吉田氏は笑顔で振り返り,2008年もこの好調が持続するだろうと期待を述べていた。
ちなみに,2008年度の研究開発費は59億ドル。「59億ドル」と言われても,一般的な感覚だと大金であること以外はピンとこないと思うが,この数字,実はAMDの2007年通期売上高(※見通し)に匹敵する額である。営業利益ではなく,売り上げ。莫大な資金を研究開発に投じることで,ライバルとの差を一気に広げようという,Intelの意欲が伝わる数字といっていいかもしれない。
吉田氏は,先に発表した45nmプロセス版Core 2 Duoに触れ,「Core 2 Extreme QX9650/3GHz」や(サーバー/ワークステーション向けCPUである)Xeonともども,45nmプロセスの移行を推進していくと表明。加えて「性能を犠牲にすることなく,高い電力効率を実現できる製品であることを,ユーザーに訴えていく」と述べ,同製品群について,エコプロセッサとしての側面をより強調していく戦略を明らかにした。
していた。
45nm High-kプロセスを採用するCPUは,2008年1月中旬時点において,北米にある「D1D」と「Fab 32」の2か所で製造されているが,2008年にはそれらに加えて,イスラエルの「Fab 28」と北米の「Fab 11X」における製造も始まる。吉田氏は,万全の供給体制をアピールしてみせた。
Menlowで携帯端末市場,
Canmoreで家電市場へ打って出る
さて,45nm High-kプロセス製品と並んで,吉田氏が多くの時間をかけて紹介したのが,Intelの家電&モビリティ戦略である。
先に米国で開催された2008 International CESの基調講演で,Intelの社長兼CEOであるPaul Otellini(ポール・オッテリーニ)氏が述べた「テレビの登場以来最大となる,家電とエンターテインメントの変革」という言葉を引いた吉田氏は,「破壊的ともいえる革新が進むだろう」と予測する。
その「変革」とは「PCとインターネットとの融合がパーソナルなレベルで進む」こと,そして「画像や動画の高解像度化(※ハイデフ化)が世界規模で広がっている」ことで,「いつでもどこでも,自分の好きな機器でメディアを手にするという,Intelが2005年ごろから目指してきたことが実現しつつある」と吉田氏。
これまで家電製品には発熱,消費電力などの問題からx86系のプロセッサはさほど利用されてこなかった――採用例がまったくないわけではない――が,SilverthorneベースのSoCなら,問題の多くが解決するわけで,家電メーカー側の採用が進む可能性はゼロではない。
いくらIntel製CPUでも,家電にPCゲームと何の関係が? と思うかもしれない。だが,テレビやビデオレコーダーがx86ベースになれば,PCゲームがその上で動作する可能性が出てくる点は,無視できないだろう。もちろん,バリバリの3Dゲームをプレイするのは難しいかもしれないが,カジュアルなタイトルなら動くものも少なくないはず。PCゲームのプラットフォームが広がる可能性が出てきているわけだ。
ところで,吉田氏は日本の現状を気に掛けているようで,日本企業の競争力や子供の学習到達度が低下していることに触れ,ITの普及を推進することでインテルは日本に貢献できると述べる。以前からインテルが力を入れているシニア世代のPC利用を支援する活動もインテルの社会貢献の一環といえ,今回,(さすがに詳細は触れないが)新たにシニアPC向け簡単操作のソフトウェア「アラカイネット」をインテルは発表している。吉田氏は「日本が再びリーダーシップを取っていけるよう,売り上げだけでなくユーザーの役に立つ企業になりたい」という抱負でプレゼンテーションを締めくくった。
- 関連タイトル:
Core 2
- 関連タイトル:
Core i7(LGA1366,クアッドコア)
- この記事のURL:
(C)2006 Intel Corporation
(C)Intel Corporation