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  • 発表日:2006/07/27
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インテル,2008年の経営方針や製品戦略を明らかに
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印刷2008/01/16 22:41

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インテル,2008年の経営方針や製品戦略を明らかに

吉田和正氏
画像集#002のサムネイル/インテル,2008年の経営方針や製品戦略を明らかに
 Intelの日本法人であるインテルは,毎年恒例となっている“前年度の決算発表に合わせた,2008年事業戦略説明会”を,2008年も「新春記者懇親会」として開催。同社の吉田和正代表取締役共同社長は「2008年は良いスタートが切れそうで楽しみ。市場の成長や新たな展開を期待している」と,見通しの明るさを象徴する言葉からプレゼンテーションを切り出した。


極めて順調だったIntelの2007年

2008年は45nmプロセスの年に。Nehalemも登場


 最初に行われたのは2007年通期決算の概要説明だったが,Intelの2007年売上高は383億ドルを達成したとのこと。営業利益82億ドルは2006年比で48%もの増加となる。また,2007年第4四半期(10〜12月)の売上高は108億ドルに達し,日本法人も「過去最高の売り上げを記録した」と吉田氏は笑顔で振り返り,2008年もこの好調が持続するだろうと期待を述べていた。
 ちなみに,2008年度の研究開発費は59億ドル。「59億ドル」と言われても,一般的な感覚だと大金であること以外はピンとこないと思うが,この数字,実はAMDの2007年通期売上高(※見通し)に匹敵する額である。営業利益ではなく,売り上げ。莫大な資金を研究開発に投じることで,ライバルとの差を一気に広げようという,Intelの意欲が伝わる数字といっていいかもしれない。

Intelが昨年から企業イメージに使い出したひまわり……の種。ひまわりは土壌の鉛などの有害物質を吸収し,環境を良くするとされており,それが“エコプロセッサ”を象徴するイメージとして使われているそうだ
画像集#003のサムネイル/インテル,2008年の経営方針や製品戦略を明らかに
 続いて吉田氏は,2008年の製品戦略を紹介。インテルの製品戦略といえば,まず挙がるのが45nm High-kプロセス製品である。
 吉田氏は,先に発表した45nmプロセス版Core 2 Duoに触れ,「Core 2 Extreme QX9650/3GHz」や(サーバー/ワークステーション向けCPUである)Xeonともども,45nmプロセスの移行を推進していくと表明。加えて「性能を犠牲にすることなく,高い電力効率を実現できる製品であることを,ユーザーに訴えていく」と述べ,同製品群について,エコプロセッサとしての側面をより強調していく戦略を明らかにした。
していた。

こちらはIntelの「High Performance Soild State Diskテクノロジー」製品。要するにSSDである。SATA 3.0Gb/sインタフェースを搭載し,HDDの10〜50倍のIOPS(I/O per Second)を実現。しかも電力効率はHDDに比較して4.5倍以上というものだ
画像集#004のサムネイル/インテル,2008年の経営方針や製品戦略を明らかに
 さらに「Coreマイクロアーキテクチャと同様の革新とインパクト」を市場にもたらすと紹介されたのが,45nmプロセスで登場する新しいマイクロアーキテクチャを採用したCPU「Nehalem」(ネハレムもしくはネヘイレム,開発コードネーム)だ。プロセス技術の微細化と新しいマイクロアーキテクチャの導入を2年周期で繰り返す,いわゆるTick-Tock戦略により,Intelは2008年末にNehalemを投入予定だが,その開発は順調だという。
 45nm High-kプロセスを採用するCPUは,2008年1月中旬時点において,北米にある「D1D」と「Fab 32」の2か所で製造されているが,2008年にはそれらに加えて,イスラエルの「Fab 28」と北米の「Fab 11X」における製造も始まる。吉田氏は,万全の供給体制をアピールしてみせた。


Menlowで携帯端末市場,

Canmoreで家電市場へ打って出る


 さて,45nm High-kプロセス製品と並んで,吉田氏が多くの時間をかけて紹介したのが,Intelの家電&モビリティ戦略である。
 先に米国で開催された2008 International CESの基調講演で,Intelの社長兼CEOであるPaul Otellini(ポール・オッテリーニ)氏が述べた「テレビの登場以来最大となる,家電とエンターテインメントの変革」という言葉を引いた吉田氏は,「破壊的ともいえる革新が進むだろう」と予測する。
 その「変革」とは「PCとインターネットとの融合がパーソナルなレベルで進む」こと,そして「画像や動画の高解像度化(※ハイデフ化)が世界規模で広がっている」ことで,「いつでもどこでも,自分の好きな機器でメディアを手にするという,Intelが2005年ごろから目指してきたことが実現しつつある」と吉田氏。

画像集#005のサムネイル/インテル,2008年の経営方針や製品戦略を明らかに
 そして,その変化を加速させるキーワードがWiMAX,正確にはモバイルWiMAXと,氏は指摘する。「WiMAXは最も重要なワイヤレス技術だ。インテルは昨年,KDDIとともにWiMAXの企画会社を設立し周波数免許を得た。1年後のサービスインを計画している」と,2009年の立ち上げを目指していることを明らかにした。WiMAXサービスの立ち上げを「1年後」と明言したのを聞いたのは,少なくとも筆者はこれが初めて。これは注目すべき発言ではないだろうか。

Menlowプラットフォームのモックアップ(1)。携帯電話大の細長い筐体が特徴で,MID的に用いられるイメージと思われる
画像集#006のサムネイル/インテル,2008年の経営方針や製品戦略を明らかに
 また,これらの変化に対応する製品として,吉田氏は2つの製品を挙げた。一つは,UMPCやMID向けとなる「Menlow」(メンロー,開発コードネーム)プラットフォームだ。Menlowプラットフォームでは,専用に開発されたCPU「Silverthorne」(シルバーソーン,開発コードネーム)などにより,既存のノートPC向けプラットフォームと比べて「実装面積は1/5に,電力効率は10倍に高められている。まさに革新的なモバイルインターネットに適した製品」(吉田氏)という。そして「日本のメーカーの素晴らしいモバイル技術を使ってMenlowプラットフォームを世界に広めていける。インテルはそのお手伝いをしていきたい」と述べていた。

Menlowプラットフォームのモックアップ(2)(3)。どちらかといえばUMPC的な用途を想定したシルエットだ。2008年上半期中には,こんな筐体のPCで(場合によっては)ゲームをプレイできるようになるかもしれない
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画像集#009のサムネイル/インテル,2008年の経営方針や製品戦略を明らかに
 もう一つが「Canmore」(キャンモア,開発コードネーム)だ。CanmoreはIA(≒x86アーキテクチャ)コアをベースにしたカスタムLSI(SoC:System-on-a-Chip)で,2008年末に市場投入するという。Canmoreはオーディオ/ビデオレコーダーやゲーム機といった,いわゆる家電製品がターゲットで,用途によりグラフィックスや3Dアクセラレータ,AVコントローラが組み込まれることになる。家電のIA化を目指す,もっといえば,Intel製CPUを搭載した家電を増やそうという趣旨の製品だ。

こちらはCanmoreのデモ機で,スペックなど詳細は明らかになっていないが,現状では動画のデコードのみCanmoreで行っている状態という。Zalman Tech製の巨大なHTPCケースに入っているが,これはデモ機だからであって,そのまま最終製品になるわけではない
画像集#010のサムネイル/インテル,2008年の経営方針や製品戦略を明らかに
 この分野には,例えば「PowerPC」コアを擁するFreescale Semiconductorなど,いわゆる組み込み系プロセッサベンダーが存在しており,CanmoreでIntelはこれら既存の家電用プロセッサベンダーと激突することになる。
 これまで家電製品には発熱,消費電力などの問題からx86系のプロセッサはさほど利用されてこなかった――採用例がまったくないわけではない――が,SilverthorneベースのSoCなら,問題の多くが解決するわけで,家電メーカー側の採用が進む可能性はゼロではない。
 いくらIntel製CPUでも,家電にPCゲームと何の関係が? と思うかもしれない。だが,テレビやビデオレコーダーがx86ベースになれば,PCゲームがその上で動作する可能性が出てくる点は,無視できないだろう。もちろん,バリバリの3Dゲームをプレイするのは難しいかもしれないが,カジュアルなタイトルなら動くものも少なくないはず。PCゲームのプラットフォームが広がる可能性が出てきているわけだ。


 ところで,吉田氏は日本の現状を気に掛けているようで,日本企業の競争力や子供の学習到達度が低下していることに触れ,ITの普及を推進することでインテルは日本に貢献できると述べる。以前からインテルが力を入れているシニア世代のPC利用を支援する活動もインテルの社会貢献の一環といえ,今回,(さすがに詳細は触れないが)新たにシニアPC向け簡単操作のソフトウェア「アラカイネット」をインテルは発表している。吉田氏は「日本が再びリーダーシップを取っていけるよう,売り上げだけでなくユーザーの役に立つ企業になりたい」という抱負でプレゼンテーションを締めくくった。

吉田氏が自作したCore 2 ExtremeベースのデスクトップPCが展示されていた(デモ機で動作していたのはアラカイネットのデモ)。会場では,ロゴシールを筐体に貼るセレモニーが挙行されたが,ご覧のとおり,いたくご満悦の様子である
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